逆セクハラを受けたことはありますか?
「逆セクハラ」という言葉を御存知でしょうか。今の時代、女性だけがセクハラの被害に遭うとはかぎりません。最近では、職場で女性の上司などから嫌がらせを受けている男性社員が増えており、辞職や精神疾患につながってしまうケースもあります。
あなたがもしも今、職場の女性上司や学校の先生、先輩から我慢できないからかいや嫌がらせを受け、そのことで悩んでいるとしたら、それは逆セクハラかもしれません。
逆セクハラは、放置すればするほどどんどんエスカレートしていきます。この記事を通して逆セクハラの実例や対処法をシミュレーションし、悪質な逆セクハラをなくしていきましょう。
逆セクハラとは
男女平等の考え方が浸透し、職場や学校でもセクハラについてはかなり理解が進んできました。しかし、その一方でここ数年、逆セクハラが問題になりつつあります。
逆セクハラとは、「男性が女性からセクハラを受ける」ことを指します。逆セクハラは職場や学校でじわじわと増えており、逆セクハラが原因で会社を辞めたり、精神疾患を患ったりするケースもあります。
では、具体的にどのような事例が逆セクハラにあたるのでしょうか。ここでは、逆セクハラの意味について職場での実例とともに見ていきましょう。
男性がセクハラの被害者に
逆セクハラとは、男性が女性からセクハラを受けることです。逆セクハラは職場だけでなく、学校やサークルなどでも問題になっており、悪質なケースではいじめにつながることもあります。
一般的に、「セクハラは女性のほうが受けるもの」というイメージがあるため、男性のセクハラについてはまだまだ関心が低いのが現状です。
また、男性の場合はプライドがあり、「職場に知られたくない」という気持ちからなかなか打ち明けられない、という心理もはたらくようです。
職場での逆セクハラの例
ここ数年問題になっているのが職場での逆セクハラです。セクハラについてはかなり厳しくなっているはずなのに、なぜ逆セクハラが増えているのでしょうか。職場で実際に報告されている逆セクハラの実例について体験談をもとにお伝えしていきます。
女性の発言による逆セクハラ
ちょっとした発言がセクハラになるのは、女性から男性、というケースでも変わりません。職場で女性上司にしつこく「休みの日はデートでしょ」、「いい年して何で結婚しないの」などと言われ、出社拒否に至った男性の例もあります。
女性上司としてはちょっとした雑談のつもりだったとしても、男性のほうが少しでも不快に感じたらそれはもう逆セクハラです。
恋愛や結婚はプライベートなことなので、たとえ職場の上司であっても安易に立ち入ってはいけません。このタイプの逆セクハラには、質問に一切こたえない、他の話題にさりげなく切り替える、などが正しい対処法となります。
女性の服装による逆セクハラ
逆セクハラになるのは言葉だけではありません。服装にも注意が必要で、極端に短いスカートで脚を露出する、胸元が大きく開いた服を着る、両肩を隠さない、など、性的な連想をさせる格好も逆セクハラに含まれます。
女性上司としてはオシャレのつもりでも、男性のほうは「目のやり場に困る」、「仕事に集中できない」、「TPOに合わせた服装をしてほしい」という気持ちになるようです。
また、派手な服装を男性のほうから指摘すると逆にセクハラになってしまうのではと不安になり、結局は我慢するしかない、ということになってしまうことも少なくありません。
逆セクハラを受けた男性の体験談
逆セクハラの体験談は意外と多く報告されています。もしかしたら、あなた自身が気づかないうちに逆セクハラの被害者になっているかもしれません。
実際に逆セクハラの被害に遭った時に正しい対処法を講じられるように、ここでは職場での逆セクハラ体験談について具体的に見ていきましょう。
体に触ってくる
逆セクハラのわかりやすい例として、ボディタッチがあります。さりげない会話でも必要以上に腕や肩を触ってくる、上司であれば仕事の様子を見ながら太もものあたりをさわってくる、などの体験談が寄せられています。
このパターンの逆セクハラは男性も気づきにくく、また、拒否すると気まずい雰囲気になるため、嫌だと思っていても我慢するしかない、ということになっているケースも少なくありません。
女性上司としては、「何も言わないということは嫌ではないんだな」という理解になり、ボディタッチをさらにエスカレートさせることになります。
ただ、男性から女性への不必要なボディタッチは言うまでもなくセクハラであり、品格のない行為ですので、女性からのボディタッチも不快に思った時点で逆セクハラになります。
女性関係を聞いてくる
男性上司が女性の部下などに「彼氏はいないのか」、「結婚はしていないのか」と聞くのはれっきとしたセクハラです。
にもかかわらず、性別を入れ替えると問題意識が薄れてしまうのか、女性上司から男性に「そろそろ結婚しなさいよ」、「結婚しないと一人前になれないよ」とけしかけるケースがあるようです。
もちろん、女性だからセクハラも許されるというわけではなく、異性関係などプライベートな領域に土足で踏み込むのは人権侵害にあたります。
そもそも、職場でプライベートな質問や詮索は必要ありませんから、女性上司からこの種の質問をされたとしても一切こたえない、というのが正しい対処法となります。
下ネタでからかってくる
女性上司からの品格のない下ネタも、逆セクハラの体験談として多く寄せられています。「彼女をちゃんと満足させてるの」、「体が強いってことは夜も強いのかしら」など、職場でも露骨な下ネタで遠慮なくからかってくるため、男性としては上司と同席することも嫌になってしまいます。
軽い下ネタであっても男性のプライバシーにかかわることですし、誰かをからかうこと自体、品格のない行為です。
品格のない下ネタに我慢して笑っているとこちらの品格まで疑われてしまいますので、女性上司だからと忖度せず、不快なものは不快だときっぱり伝えましょう。
何かと男らしさを求められる
女性に対して女性らしさを求めるのがセクハラなら、男性に対して男性らしさを求めるのもセクハラです。「男だから残業も楽でしょ」という流れでサービス残業を押しつけられる、という逆セクハラの体験談も寄せられています。
さらに最近では、お酒が強い女性上司から飲み会に無理に誘われる「アルハラ」も増えており、逆セクハラとともに問題になっています。
飲み会での距離感が近い
古いタイプの企業では未だに「飲みニケーション」が当たり前のように取り入れられています。もちろん、飲み会そのものは逆セクハラではなく、全員が楽しんでいれば問題ありません。
ただ、飲み会だからと男性社員に必要以上に近づいたりするのは逆セクハラです。中には、酔っ払った女性上司から無理やりキスをされた、服を脱げと言われた、などの体験談も寄せられています。
職場で逆セクハラを受けた時の対処法
残念ながら、職場での逆セクハラはここ数年で増えています。あなた自身が明日逆セクハラに遭うかもしれませんし、気づかないうちにもうすでに逆セクハラの被害者になっているかもしれません。
職場で逆セクハラに遭った場合に男性側が取るべき対処法について体験談にもとづいてお伝えしますので、ぜひとも参考になさってください。
不快なことを伝える
職場での逆セクハラは、悪意がないものがほとんどです。もちろん、悪意がないからといって許されるわけではありませんが、不快に思っていることを上司に直接伝えることで関係が改善される可能性があります。直接言いにくければ、同僚に頼むのも良いでしょう。
必要以上に関わらない
逆セクハラが不快だと上司に直接伝えられなかったり、伝えたとしても改善されなかったりする場合は、普段から距離を置くのがいちばんの対処法です。離れてしまえば逆セクハラに遭うリスクも大幅に減り、仕事にも集中することができます。
社内のコンプライアンス窓口に報告
距離を置いても、本人に直接訴えてもいっこうに逆セクハラがおさまらない場合は、社内のコンプライアンス委員会などに相談しましょう。きちんとした組織に相談することで、女性上司にも逆セクハラが問題行為であることを意識させることができます。
逆セクハラの被害内容を書面にして送付
より悪質な逆セクハラに対しては、正式な書面の形できちんと被害を訴えるのが効果的な対処法となります。コンプライアンス意識がしっかりしている企業であれば違反行為を問題化し、改善するプロセスを用意していますので、早い段階で相談することをおすすめします。
書面の形で訴える場合は逆セクハラの内容をできるかぎり細かく具体的に記載し、日時についてもわかる範囲で記録したほうが証拠として通用しやすくなります。
男性だって傷つく!女性は品格を下げる逆セクハラに注意しよう
女性から男性への逆セクハラは、職場だけでなく、学校やサークルでも問題になっています。プライバシーに立ち入る、性的なことでからかう、などの逆セクハラは品格のない行為ですし、健全なコミュニケーションではありません。
男性のほうも、逆セクハラで悩んでいるのならできるだけ早い段階で報告し、必要なら社内のコンプライアンス委員会などに訴え出ることも対処法となります。