iPhoneの初期化・パソコン(iTunes)の準備
「調子が悪いからiPhoneの初期化をしたい!」というケースに直面したことがあるという方は意外に多くいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、「初期化」と聞くと「めんどくさそう」、「難しそう」というイメージを持つ方も多いはずです。また、時間が気になる方も多いでしょう。
そこで、今回はiPhoneをパソコンのソフトであるiTunesで初期化する方法をご紹介します。手順さえおさえれば、誰でもできますので、困っている方はぜひこの記事を参考にしてみてください!さらに、強制的な初期化の方法についても紹介しています。
①iTunesのバージョン
iPhoneをパソコンのiTunesで初期化する場合にまず確認していただきたいのが、お使いのiTunesのバージョンです。
iTunesは定期的に新しいバージョンが公開されていますが、最新バージョンでないとiPhoneの初期化が上手くいかないことがあります。
したがって、今使っているiTunesが最新バージョンかを必ず確認するようにしてください。なお、確認の方法は簡単で、windowsパソコンをお使いの方はiTunesの上部にあるメニューバーの「ヘルプ」から「更新プログラム」の確認を見ればOKです。
なお、同じパソコンでもMacユーザーの方は「10.14 Mojave」OSにiTunesが付属しているので、OSのアップデートをすれば自動で最新バージョンになります。
②iTunesの自動同期オフ
次に、iTunesの自動同期をオフにしてください。iTunesの自動同期がオンになっているとiTunesのデータがiPhoneに上書き保存されることになるので、iTunesになくiPhoneにしかないデータが消えてしまいます。
このようなことが起こると、初期化する前にデータの変化が起きてしまい、あとでデータをもとに戻すことができなくなってしまいます。ですので、iTunesの自動同期は必ずオフにしておきましょう。
③iPhoneのパスワードの把握
次に、iPhoneのパスワード(パスコード)を分かっているかを今一度確認しましょう。というのも、iPhoneをパソコンにつないで、データにアクセスする際にパスコードを入れる必要があるためです。
普段からロック解除をパスコードで行っている人はあまり問題にならないかもしれませんが、指紋認証などを使っていると忘れてしまっていることもあるでしょう。
なお、パスコードをまったく覚えていないという場合には、「リカバリーモード」という特殊な方法での初期化を行うことになります。これは後で紹介します。
iPhoneの初期化・データのバックアップ
iPhoneの初期化というのは、簡単に言うと、iPhoneを買ったときのまっさらな状態に戻すことです。したがって、データなどもすべて消去されます。
しかし、「初期化でデータがすべて消えるのは困る!」という方も多いでしょう。そういう方は、事前にデータのバックアップをとっておきましょう。こうすれば、そのデータを初期化したiPhoneに再度入れることで、以前と同様の状態での使用が可能になります。
ここからは、そんなiPhoneのデータを初期化の前にバックアップする方法を2通り紹介していきます。また、どちらを選べばいいのかについても説明しています。
①iTunesでバックアップ
まずは、iTunesでバックアップをとる方法です。iPhoneとパソコンを接続して、iTunesを立ち上げます。なお、この前にも「自動同期」がオフになっていることを確認してください。
iPhoneを接続すると、iTunesの上部にスマホのマークのようなものが出ますので、それをクリックします。これでiPhone内のデータにアクセスできるようになります。
左にメニューが出てきますので、「概要」をクリックして、出てきた画面の中から「今すぐバックアップ」を選びます。
これでバックアップが始まりますが、バックアップする内容によっては「暗号化」を求められます。この際には、バックアップを保護するためのパスワードを別に設定する必要があります。
このパスワードは復元するときに必要になってきますので、忘れないようにしておきましょう。忘れると復元できなくなってしまいます。
また、同期中はiTunesの上部真ん中がメーターのようなものになりますが、終了するとりんごマークになりますので、終了したかを確認したいときにはここを見るようにしましょう。データ量が多いと時間がかかりますが、気長に待ちましょう。
なお、きちんとバックアップが出来ているか確認したいときには、同じく「概要」の今すぐバックアップの下のほうにある「最新のバックアップ」欄を見てください。ここに日付や時間が書いてあるので、自分の行ったバックアップがきちんと入っているかをチェックできます。
iTunesでバックアップするメリット
iPhoneのバックアップを取る方法としては、ここまで紹介したパソコンでiTunesを使うものと、次に紹介するiCloudを使ったものがありますが、それぞれ異なるメリットがあります。
iTunesを使うメリットは、バックアップ先がパソコンであるということです。パソコンのほうがiCloudよりも容量が大きいことが多いので、たくさん写真や音楽のデータがあるという場合は、iTunesでバックアップをとったほうが良いでしょう。
また、データ通信ではなく、USBを使った通信なので、iCloudでのバックアップに比べるとバックアップが終わるまでの時間が短いという特徴があります。
②iCloudでバックアップ
次に、iCloudでバックアップをとる方法について、ご紹介していきます。iCloudはAppleが提供しているクラウドサービスです。クラウドではGoogleドライブなどが有名ですが、機能としては同じようなものです。
iCloudでバックアップをとる場合は、iPhoneをWifiに接続しましょう。モバイル通信でも可能ですが、データ通信量を大量に使うことになるので、終了後に制限などがかかる場合があります。
Wifiに接続したあとは、「設定」アプリから「ユーザー名(自分の名前)」を選択して、「iCloud」をタップします。
すると、「iCloudバックアップ」が出てくるので、これをタップして、「今すぐバックアップ」を選びます。これでバックアップが始まります。
icloudでバックアップするメリット
iCloudでバックアップするメリットとしては、パソコンを使わなくてもよく、手軽であるというものがあげられます。
また、自動バックアップも設定することができます。いちいちバックアップをとらなくても済むので、時間もとられず非常に便利です。
ただし、iCloudは容量が5GBしかなく、それ以上の容量が必要だとお金を払う必要があるので、バックアップしたいデータが多い人には向いていません。
iPhoneの初期化・パソコン(iTunes)を使う手順
バックアップが終わったら、いよいよiPhoneの初期化に取り掛かります。初期化をiPhoneだけで行う方法もありますが、不具合で上手く動かないときにはiPhoneだけではできないこともあります。この場合、初期化をパソコンで行う必要がありますので、いざというときのために、ここでマスターしておきましょう。
①iPhoneとパソコン(iTunes)を接続
まず、iPhoneとパソコンをつなぎ、iTunesを立ち上げます。バックアップのときと同様に進めていくと、スマホのようなマークがiTunesの上部に表示されますので、それをクリックします。これで、iTunesでiPhoneのデータにアクセスできるようになります。ここからの手順は簡単です。
②パソコン(iTunes)から復元を開始
バックアップの際は、バックアップの欄を見ましたが、初期化の場合は自分のiPhoneの種類(iPhone○○)が書いてある項目を見ます。
この項目の中に、「iPhoneを復元」というものがありますので、これをクリックします。すると、初期化が始まります。名前は「復元」ですが、内容は初期化となっていますので、気を付けてください。
③時間は掛からずiPhoneの初期化が完了
初期化はデータの消去と最新OSへの更新を行うだけなので、バックアップと異なり時間はあまりかかりません。
このあと、iPhoneが自動で再起動すると初期化されており、買ったときと同じ状態になっていますので、改めて設定などを行えるようになります。
iPhoneの初期化・パスコード忘れの際の強制初期化
ここまでiPhoneの初期化をパソコンで行う方法を紹介してきましたが、パスコードを忘れてしまってiTunesに接続できない、あるいはiPhoneの不具合で上手くiPhoneを操作できないということもあります。
そのようなときのための初期化の方法として「リカバリーモード」というものがあります。これは強制的に初期化を行うものです。ちなみに、パスコードを忘れている方は初期化の前に行うことがあります。これについてはこの章の最後に紹介しています。
なお、これは強制的な初期化で、通常とは異なるものになりますので、通常の初期化ができる場合には使わないでください。
パソコン(iTunes)のリカバリーモードで初期化
「リカバリーモード」での強制的な初期化を行う場合は、まず最初にiPhoneとパソコンを接続します。iTunesは接続してから立ち上げましょう。
以降の方法は、使っているiPhoneの種類によって異なりますので、1つずつ丁寧に解説していきます。
iPhone8以降のiPhoneを使っている方は、サイドボタンといずれか片方の音量ボタンを長押しして、電源を切ってください。そのあと、サイドボタンを音符マークが出るまで押し続け、パソコンで「復元」の選択肢が出たら、「復元」を選んでください。
iPhone7、iPhone7 plusを使っている方は、サイドボタンか上部のボタンを長押しして、電源を切ってください。そのあと、音量を下げるボタンを音符マークが出るまで押し続け、パソコンで「復元」の選択肢が出たら、「復元」を選んでください。
iPhone6以前のiPhoneを使っている方は、サイドボタンか上部のボタンを長押しして、電源を落としてください。そのあと、ホームボタンを音符マークが出るまで押し続け、パソコンで「復元」の選択肢が出たら、「復元」を選んでください。
このリカバリーモードを使うと、iPhoneではなく、パソコンのiTunesが強制的に初期化を行うので、iPhone自体をいじる必要がありません。
パスコードを忘れてしまった方やiPhoneに不具合がある方は、こちらのやり方での初期化を試してみてください。ただし、アクティベーションロックと呼ばれる機能が発動すると、別途Apple IDのパスワードの入力を求められるので注意が必要です。
パスコードを忘れているときの事前準備
パスコードを忘れている場合は、「iPhoneを探す」をオフにしておく必要があります。これがオンの状態でリカバリーモードによる強制的な初期化を行うと、アクティベーションロックが発動して、再起動後にApple IDとパスワードの入力を求められます。
流れとしては、「設定」>自分のAppleのアカウント>iCloud>iPhoneを探す>オフというものになります。
なお、この「iPhoneを探す」をオフにする際にはApple IDのパスワードを求められます。これを忘れている場合はパスワードをリセットしてください。Appleの公式サイトからリセットが可能です。
iPhoneを初期化したあとのデータの復元
iPhoneを初期化すると、買ったときの状態に戻るので、データは当然何も残っていません。しかし、iPhoneの調子が悪いなどの理由で初期化する場合は、データをもとに戻したい方が多いでしょう。
そこで、今度は初期化したiPhoneにデータを戻す方法を説明していきます。なお、これにはバックアップを事前にとっておくことが必須です。
バックアップデータを復元する
iTunesでの初期化が終わると、パソコンの画面上で復元するか聞かれるので、「このバックアップから復元」を選んでください。
これで、バックアップデータからの復元が行われ、初期化前の状態に戻して、iPhoneを使うことができるようになります。
iPhoneの初期化はパソコン(iTunes)を使おう!
パソコンでiTunesを使うiPhoneの初期化は手間が少しかかるものの、バックアップなどがとりやすく、かかる時間も短くなります。また、iPhone自体に不具合があってもiTunesからであれば初期化が可能です。公式サイトでもメインで紹介されている方法なので、困ったときはぜひパソコンからの初期化にチャレンジしてみてください。