「あながち」の意味とは?語源や類義語・使い方・例文などまとめてチェック!

「あながち」の意味とは?語源や類義語・使い方・例文などまとめてチェック!

「あながち」という言葉を知っていますか?響きが古風な「あながち」という言葉ですが、現代でも比較的耳にすることがあります。でも、しっかりと意味を理解している人は意外に少ないようです。この「あながち」の意味や語源、使い方を例文を使ってご紹介していきます。

記事の目次

  1. 1.「あながち」の意味
  2. 2.「あながち」の語源
  3. 3.「あながち」の類義語
  4. 4.「あながち」の使い方
  5. 5.「あながち」の例文
  6. 6.「あながち」といささかの違い
  7. 7.「あながち」は断定的ではないことを意味する言葉

「あながち」の意味

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「あながち」という言葉を知っていますか?聞いたことはあっても、自分では、なかなか使うことが少ない言葉です。

「あながち」という言葉は、本や少し畏まったテレビ番組などで、アナウンサーが使っていたりするのを聞くことが多いです。あながちは、古風な響きが残る単語ですが、現代でも比較的使われている言葉です。

でも「あながち」という言葉は時折耳にすることがあって、なんとなく意味を理解はしていますが、しっかりと意味を説明できる人は、比較的少ないようです。「あながち」の意味や語源、類義語や使い方についてご紹介していきます。

意味①一方的に物事を決定できないこと

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では「あながち」のひとつ目の意味です。「あながち」は副詞として用いられます。あながちには「一方的に物事を決断できないこと」という意味があります。

そして、あながちの後には、打消しの言葉が続きます。「あながち」は、一方的に決めつけられない・決めることが出来ない、断定することが出来ない気持ちを表すときに使われます。

意味②必ずしも・一概に

「あながち」の2つ目の意味としては「必ずしも・一概に」という意味があります。あながちの意味には「全部が全部、そうではない。一部はそうかもしれないが、全部がそうとは言い切れない」というように、全部が全部そうではないという気持ちを表すときに使われます。

「あながち」という言葉は現代においては、ほとんどがこの「一方的に物事を決定できないこと・必ずしも・一概に」の意味で使われます。

「あながち」の語源

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ここまで「あながち」の意味をご紹介してきました。ですがこの「あながち」という言葉、響きに古風な感じが残る言葉ですが、いつぐらいから使われている言葉なのでしょうか?

あながちという言葉は現代では、一方的に物事を決断できない・必ずしも・一概にという意味で使われることが多いですが、実は、もともとの意味は違いました。

「あながち」の始まりの意味は、実は今とは全く違うものでした。この後は「あながち」の語源や、もともとの意味や使い方についてご紹介していきます。

平安時代に「あながちなり」と使われる

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「あながち」という言葉の語源は、なんと平安時代まで遡ります。現代では、あながちという言葉は、ひらがなで「あながち」と書くことが多いですが、漢字では「強ち」と書きます。

「あながち」という言葉は、平安時代では「あながちなり」という使われ方をしていました。そして現代の意味とは全く違う意味で使われていました。「あながち」という言葉の語源は、そもそも今の意味とは全く違うのです。この後、詳しくご紹介していきます。

「あながちなり」の意味とは

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「あながち」という言葉は、平安時代には「あながちなり」と使われていたのですが、現代の一方的に物事を決断できないこと・必ずしも・一概にという、気持ちを表すことばの意味とは全く違う意味として使われていました。

「あながち」という言葉は、実は現代の「一方的には決断できない」という意味とは違い、平安時代は、「強引である・わがまま・身勝手である」という意味で使われていました。

「あながち」の語源は、「あな」は「おのれ(己)」、「がち」は「勝ち」を意味しており、そこからきた言葉と意味合いがもともとの語源です。そのため漢字で書くと「強ち」となり、強引・わがまま・身勝手という意味合いを持っていたのです。

それが平安時代末期には、文末に打消しの言葉を伴って現代の使い方、必ずしも・一概にという意味でも使われるようになり、そのうちこの使い方と意味合いが主流になったと言われています。

「あながち」の類義語

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ここまで「あながち」の言葉の意味や語源についてご紹介してきました。ではこの「あながち」という言葉の意味「一方的に物事を決定できないこと・必ずしも・一概に」と同じ意味の言葉、類義語にはどのような言葉があるのでしょうか?この後は、あながちの類義語についてご紹介していきます。

一概に

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あながちの類義語のひとつ目は「一概に」という言葉があります。「一概に」の意味は、細かな差異は気にせずに、ひとまとめに扱うときに使う言葉・一様に扱うさま。おしなべてなどがあります。

通常「一概に」の後には、打消しの言葉が続きます。また「一概に」という言葉には、強情・頑固という意味もあります。

「一概に」の使い方の例文としては「この方法だけで全てうまくいくとは一概には言えない」や「日本料理といっても一概にこれが日本料理だとは簡単に言い切れるものではない」といった使い方があります。

また、現代ではほとんど使わなくなっている使い方ですが「彼は一概である」という使い方だと、彼は強情な人だという意味になりますが、こういった使い方があります。

まんざら

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「あながち」の類義語の2つ目は「まんざら」という言葉があります。「まんざら」の意味は、悪い訳ではなくむしろ良い・どちらかというと良いという意味です。

「まんざら」は漢字で「満更」とも書くことができますが、これは当て字です。「まんざら」という言葉の後には、打消しの言葉が続く場合もありますが、肯定的な言葉が続くこともあります。否定的な意味合いを和らげたり、むしろ逆に肯定する気持ちを表したりもします。

まんざらの使い方の例文としては「興味がないと断ってはいたが、彼はまんざらでもない様子だった」や「結果は良くなかったとは言っていたが、ここまでやることが出来ればまんざらでもない」「田舎暮らしは退屈だと思っていたが、まんざら悪くない」などという使い方をします。

必ずしも

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「あながち」の類義語の3つ目は「必ずしも」という言葉があります。「必ずしも」の意味は、一部はそうであっても、全部はそうではないという気持ち、または部分否定を表します。「必ずしも」の後には、打消しの言葉が続きます。

必ずしもの使い方の例文としては「必ずしも高価なものがいいとは限らない」や「熱中症は、必ずしも最高気温が40度を超えるような高温でなくてもなる可能性がある」「ある国の常識が、違う国の常識と同じであるとは必ずしも言えない」などという使い方をします。

「あながち」の使い方

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ここまで「あながち」の意味や語源、また類義語についてご紹介してきました。ではこの「あながち」を使う時は、どのような場面でどのように使えばいいのでしょうか?この後は「あながち」の具体的な使い方について例文を使ってご紹介していきます。

断定的ではないことを意味する為に使用

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では「あながち」のひとつ目の使い方です。「あながち」は、断定的ではないことを意味する為に使用します。つまり、100%間違いがあると断定できないときに使われます。そのため「あながち」を使う時は、後ろに打消しの言葉が続く文章がきます。

断定的ではないことを意味する為に使用するときは「あながち嘘ではない・違うとは言い切れない」というような使い方をします。

他にもっと良い方法がある為に使用

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次は「あながち」の2つ目の使い方です。「あながち」は、他にもっと良い方法があるときに使用します。この方法は間違いではないが、他にもっと良い方法があるときに使用します。

また「あながち」は、全面的に否定をしないため、言われた相手の言葉の印象を柔らかくする効果もあります。他にもっと良い方法がある為に使用するときは「あながち間違いではない」というような使い方をします。

正解が存在しない為に使用

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そして「あながち」の3つ目の使い方です。「あながち」は正解が存在しないときに使います。時には「こうするべきである」という答えが存在しないときもあります。

そのたくさんの答えが存在する中の1つを選んだ時、間違いではない判断をしたという意味で使われます。正解が存在しない為に使用するときにも「あながち間違いではない」というような使い方をします。

「あながち」の例文

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では、ここからは「あながち」の使い方を例文を使って、具体的にご紹介していきます。「あながち」は、断定的ではないことを意味する為に使用することは、ご紹介してきました。

では「あながち不可能なことではない」の使い方と「あながち正しいとも言い切れない」の使い方をこのあと例文を使ってご紹介していきます。

あながち不可能なことではない

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では「あながち不可能ではない」の例文をご紹介していきます。「あの新人にずいぶん難しい仕事をさせているなと思ったが、あの仕事ぶりを見ていると、あながち不可能な仕事内容ではなさそうだ」

「この年齢でこの運動量をやりこなすのは無茶だと思ったが、いざやってみると、あながち不可能な運動量ではなさそうだ」「この莫大で壮大な目標は、一見すると無理難題のように思えるが、この成長スピードから考えると、あながち不可能な数値目標ではないようだ」のように使います。

あながち正しいとも言い切れない

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次は「あながち正しいとも言い切れない」の例文をご紹介していきます。「しかしみんながそう言っているからと言って、あながち正しい答えだとも言い切れない」

「いつも君が勝っているからといって、今回も君が勝つことが正しいとも言い切れない」「大抵の人が抱くその第一印象が、あながち正しいとも言い切れない」などのように使います。

「あながち」を英語にすると

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では「あながち」を英語で表現したいときは、どうしたらいいのでしょうか?exactlyやquiteをnotで否定すると「必ずしも~ではない」と部分否定になり「あながち」と同じ意味合いになります。alwaysやnecessarilyも同じです。

「あながち」を英語で表現する時は、It is not necessarily so(あながちそうとは限らない)You are not exactly wrong(君はあながち間違いではない)という使い方になります。

「あながち」といささかの違い

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ここまで「あながち」の意味や語源、使い方などについてご紹介してきました。では、使い方は似ているけれど、意味に違いがある「いささか」という言葉をご存知でしょうか?

「いささか」と「あながち」この2つの言葉にはどのような違いがあるのでしょうか?「いささか」は漢字で書くと「聊か」や「些か」と書きます。このあとは「いささか」の意味と「あながち」といささかの違いについて、ご紹介していきます。

「いささか」の意味

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まずは「いささか」の意味です。「いささか」は、漢字で書くと「聊か」や「些か」と書きます。いささかは、ひらがなで使われることが多いです。「聊」という漢字の意味は、かりそめや少し・とりあえずという意味や、楽しむ・安らぐという意味があります。

また「些」という漢字には、少しばかり・僅かや少しの間・ちょっとという意味があります。「いささか」の意味は、「聊」や「些」の漢字の意味が表す通り、ほんの少し・ちょっと・わずかにという意味です。「いささか」は「あながち」と同じく、後ろに打消しの言葉が続きます。

「些か」という言葉の後ろに打消しの言葉が続くという使い方は「あながち」と一緒ではありますが、意味は「いささか」と「あながち」には違いがあるため、類義語とはいえません。

ほんの少し・ちょっと・わずかに

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「いささか」の意味は、ほんの少し・ちょっと・わずかにという意味です。「あながち」とは意味に違いがあるため、類義語になりません。では「いささか」はどのように使えばいいのでしょうか?

「いささか」の使い方の例文は「今日はいささか食べ過ぎてしまった」や「突然の連絡で、いささか驚きました」「その表情にはいささかの動揺も見られなかった」などの使い方をします。この「いささか」の意味の「ほんの少し」というのは、物理的なものよりも、心理的なものを表しています。

「いささか」の類義語・対義語

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では「いささか」の類義語・対義語はどのような言葉なのでしょうか?「いささか」の類義語は、わずかに・ほんの少し・ちょっぴり・若干・少々などがあります。そして「いささか」の対義語としては「大いに・非常に・大変・随分・かなり・とても」などがあります。

「いささか」も「あながち」と同じく婉曲的な表現として使い、自分の気持ちを謙遜したり遠回しに表現することによって、言われた相手の印象を柔らかく聞こえさせる効果があるという点では同じですが、意味は全く異なります。

「あながち」は断定的ではないことを意味する言葉

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ここまで「あながち」の意味や語源、そして類義語や「いささか」との違いについてご紹介してきました。「あながち」とは断定できないことを意味する言葉です。

「あながち」は全面的に否定をしないので、言われた相手に婉曲的で柔らかい印象を与えることができます。ですが、部下が上司に「あながち」を使うことはやめましょう。

上司が部下に使うと、全部を否定していないため、婉曲的で柔らかい印象を与えますが、部下が上司に使うと「部長がおっしゃっている内容は、あながち間違いではありません。」と、敬語をたとえ使っていても失礼になりますので気をつけましょう。

碧いクマ
ライター

碧いクマ

4歳の子供がいるママライターです。美容系のものや新しい物が大好きです。知って得すること、有益なものを発信していきます。

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