「外連味」の意味と読み方を解説!語源や使い方の例文も詳しく解説!

「外連味」の意味と読み方を解説!語源や使い方の例文も詳しく解説!

「外連味」と書いてなんと読むのかお分かりでしょうか。普段なかなか使わない言葉だけにその意味はもちろん読み方すらも知らないという方が多いでしょう。そこで「外連味」の読み方や意味、使い方を例文付きで詳しく解説します。また、「外連味」の語源や類語もご紹介します。

記事の目次

  1. 1.「外連味」の意味とは?
  2. 2.「外連味」の対義語・類義語
  3. 3.「外連味」の使い方・例文
  4. 4.「外連」と「衒い」の違い
  5. 5.「外連味」を使う際の注意点
  6. 6.「外連味」の語源
  7. 7.「外連味」の英語表記
  8. 8.「外連味」ははったりやごまかしという意味

「外連味」の意味とは?

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外連味」の読み方は「けれんみ」と読みます。日常会話ではあまり聞かない言葉ですが、演劇の世界などでは馴染みのある言葉となっています。「外連味」を「けれんみ」と読ませる読み方は当て字で本来「外連味」の「外」を「け」と読む読み方はありません。

「外連味」の意味ははったりやごまかしを効かせたさまという意味です。「はったり」や「ごまかし」という意味の「外連」に接続詞の「味」がついて「外連味」という言葉となりました。「真剣味」や「面白味」といったような言葉と同じ用法です。

「外連味」の対義語・類義語

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「外連味」の類語としては「はったり」「誤魔化し」「ウケ狙い」「衒い」などがあります。また、「外連味」の対義語としては「王道」「オーソドックス」「正攻法」などがあります。それぞれの言葉の読み方や意味を解説していきます。

「外連味」の類語「はったり」

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「はったり」とは相手を威圧するために大げさな言動をしたり強気な態度をとること、またその言動を指します。

あるいは相手を威圧して勝負や交渉ごとを有利に見せるために自信に満ちた強気な態度や自分の実力以上に見せかける嘘を交えた大げさな言動をいいます。「はったりをかける」「はったりを利かせる」などという使い方をします。

「外連味」の類語「誤魔化し」

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「外連味」の類語の「誤魔化し」の読み方は「ごまかし」と読みます。その意味は自分にとって不利益なことが現れないようにとりつくろうこと、または人目を欺いて不正を行うといった意味があります。また、「誤魔化し」の漢字は当て字となっています。

「外連味」の類語「衒い」

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衒い」も「外連味」の類語となります。読み方は「てらい」と読み、「ことさらに才能や知識をひけらかす」という意味となります。

「外連」と「衒い」は似たような言葉ですが、「衒い」が才能や知識といった内面的なものを指すのに対し、「外連」は外面的にはったりをかましたり演出したりする様子を表します。類語といってもその使い方が違いますので注意が必要です。

「外連味」の対義語

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「外連味」の意味が「正当ではない」「邪道」の意味も持っているので、対義語としては「王道」「オーソドックス」「正攻法」などが挙げられます。

「王道」とは儒教で理想とした有徳の君主が仁義に基づいて国を治める政道という意味もありますが、今日での意味は物事が進むべき正当な道という方が一般的です。

また、「オーソドックス」は正統派のことであり「正攻法」とは正面から堂々と責めることです。「王道」「オーソドックス」「正攻法」ともに邪道とされる「外連味」の対義語となります。

「外連味」の使い方・例文

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「外連味」の意味と読み方がわかったところで、今度は実際に例文を使って「外連味」の使い方を解説します。説明だけでは理解できないことも例文で示せば「外連味」という言葉の使い方がより深く理解できます。

例文①ビジネスシーンでの使い方

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ビジネスシーンでも「外連味」の言葉を使った会話が成り立ちます。例文としては、「報告書を書くときには外連味のない文章が良いね」「研究発表の時は正しく伝える必要があるから外連味のない文章にしなさい」という使い方ができます。

例文②映画などを評価する使い方

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「この映画は実に外連味の溢れる作品だね」「さすがに彼の作品だけあって外連味溢れる映画に仕上がっている」という使い方だとワクワクするような演出が施されていて面白い映画だということになります。「外連味」は映画や舞台の演出を評価する言葉としての使い方もあります。

例文③作品の感想を述べる時の使い方

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「あなたの小説を読みました。実に外連味のある作品で面白かったです」「この作品は実に外連味のある良い作品だと思います」と、作品の感想を述べる時にも使える言葉です。

「外連味」とは「ごまかし」や「はったり」という意味もありますが、悪い意味ばかりではなく、小説や映画の世界では「面白味がある」という意味の使い方があるのです。

例文④否定的な使い方

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今までは「外連味」を良い意味での使い方をご紹介しましたが、今度は否定的な使い方をご紹介します。「この作品は全く外連味のないつまらない作品だ」

「あの役者は全く外連味のないつまらない役者だね」と否定的な言い回しもできます。このように「外連味」には良い意味にも悪い意味にも使うことができます。

「外連」と「衒い」の違い

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「外連味」の「外連」とは歌舞伎や人形浄瑠璃で見た目本位の奇抜さを狙った演出、または宙乗り、早変わり、仕掛けものなどの演目などをさし、見た目重視の演出という意味となります。また、必要以上に大げさな言動をとったりハッタリをかますことという意味も持ちます。

「衒い(てらい)」とは才能をひけらかしたり、実力以上に自分を良く見せるという意味を持ちます。自分を良く見せようとして背伸びをしたり、知識や才能を自慢するといった意味となります。いわば「外連」が外面を飾るのに対して「衒い(てらい)」は内面を飾るといっても良いでしょう。

「衒い」は才能をひけらかすという意味

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「衒い(てらい)」は才能をひけらかすという意味です。自分の才能やスキルを実際よりもよく見せようとする言葉です。必要以上に自分をアピールする人などに「あいつは衒いすぎだ」などという使い方をします。

「衒い(てらい)」の使い方としては「衒いのある」という使い方より「衒いがない」という打ち消しの使い方が一般的です。「衒いのない人」とは素直な良い人だという意味となり人を褒める言葉に変わります。

「衒い」の意味と「外連」との違いを解説!使い方の例文や英語表現も!のイメージ
「衒い」の意味と「外連」との違いを解説!使い方の例文や英語表現も!
「衒い」や「外連」の意味や読み方をご存知でしょうか。日常用語としてあまり使う場面もないので素直に読める人は少ないでしょう。そこで、「衒い」や「外連」の読み方はもちろん、言葉の意味や違い、類語や対義語、英語表現までを例文を示して使い方を解説します。

「外連味」を使う際の注意点

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「外連味」という言葉は「はったり」「ごまかし」という意味があるので、一見悪い意味に捉えがちですが実はそうではありません。良い意味での使い方もあります。むしろ演劇の世界では良い意味として使われることが多い言葉です。

「この映画は外連味あふれていて面白いね」と肯定的な使い方ができます。同じ「外連味があある」という使い方でも「この映画は外連味がありすぎて奇抜だね」と使えば否定的な言葉となります。

また、「外連味がない文章」というのも悪い意味とばかりは限りません。素直で良い文章という意味で使われることもあります。

「外連味」は悪いことばかりではない

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「外連味のある」「外連味のない」といきなり言ってもても、それが良い意味で言っているのか悪い意味で言っているのかは前後の文脈を見ないと判断がつきません。「外連味」とは良い意味でも悪い意味でも使える言葉なのです。

「外連味」とは人の手のよって作られた「はったりを効かせた演出」という意味がありますので、その演出には見る人の好き嫌いが関わってきます。「外連味がある作品」と言ってもその奇抜な演出が面白ければ良い意味となり、嫌いな演出ならば悪い意味として使うことになります。

「外連味溢れる作品でワクワクするね」となったり、「外連味のある作品は奇抜すぎてつまらない」となったリします。「外連味のない」というのも同様に良い意味と悪い意味の両方に使えます。

「外連味」の語源

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「外連味」とはいつ頃からある言葉なのでしょう。また、その語源や由来にはどんなエピソードが隠されているのでしょうか。今度は「外連味」という聞きなれない言葉の意味を探ってみることにしましょう。言葉の語源を辿れば思わぬ面白さに気づきます。

語源

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「外連味」の「外連」はもともと演劇用語で、江戸末期に歌舞伎で宙乗りや早変わりなど大掛かりで奇抜な演出を指した言葉が語源となり世に広まりました。それ以前は義太夫節の用語で他流の節で語ることを正当でない、邪道だという意味のことを指す言葉でした。

「外連味」は正当でない、邪道であるといった意味合いの強い言葉でしたが、演劇用語として一般に広まるにつれて、意表をつく粋な演出、ワクワクさせる迫力満点の演出という意味合いに変化してきました。

「外連味」という言い方が用いられるようになったのはまだ歴史が浅く近代以後のことで、最近ではアニメの世界でよく使われるようになりました。

「外連味」の英語表記

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「外連味」の英語表現としては、ふりをすること、見せかけという意味の「affecation」、はったりという意味の「bluff」見せびらかす、引き立てるという意味のある「show off」ごまかしという意味の「trickery」などがあります。

「外連味」ははったりやごまかしという意味

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「外連味」ははったりやごまかしを効かせた様という意味となります。語源を辿ると江戸時代末期にさかのぼり、歌舞伎や浄瑠璃の世界での演劇用語でした。

時を経て「外連」から「外連味」という使い方をするようになり、今ではアニメの世界や一般の会話にもと使う言葉となりました。

ポン子
ライター

ポン子

少女時代は小説家に憧れて原稿用紙をいつも傍らに置いていました。 今は定年退職した主人と月に一度の小旅行に行くのが楽しみとなりました。 ケーキと北海道犬と西郷輝彦が大好きなお気楽主婦です。

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