NISAの口座変更方法は?手続きや期間・メリット・デメリットを徹底調査!

NISAの口座変更方法は?手続きや期間・メリット・デメリットを徹底調査!

NISA口座の金融機関を変更したいとき、必要な手続きには何がありどの程度時間がかかるのでしょうか。NISA口座変更のメリット・デメリットをきちんと理解したうえで、賢く変更先を選びたいものです。最後に損をしないよう、ポイントを押さえて手続きを進めましょう。

記事の目次

  1. 1.NISA口座は変更できる
  2. 2.NISA口座の変更・申請期間と手続き
  3. 3.NISA口座変更のメリット
  4. 4.NISA口座変更のデメリット
  5. 5.NISA口座を変更するならネット証券
  6. 6.最後に損をしないために
  7. 7.NISAの口座を変更する際は申請時期に注意!ネット証券がお得でおすすめ

NISA口座は変更できる

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NISA(ニーサ・少額投資非課税制度)の開始当初は、金融機関でNISA口座を開設するとその後の口座変更ができませんでした。現在は手続きをすれば毎年、他の金融機関やつみたてNISAへの変更(乗り換え)ができます。この記事では、他の金融機関への口座変更について、手続きを行うタイミングや必要な時間、メリットとデメリットをお伝えします。 

2015年以降NISA口座の変更が可能に

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当初は口座開設後4年間は金融機関の変更ができなかったNISA。「お付き合いもあって知り合いの銀行に口座を作ったものの、投資信託の手数料が高くて失敗した」「NISA口座を開いた金融機関では、買いたい株の取扱いがなかった」など口座開設後に失敗に気がついても選びなおしができませんでした。しかし現在は制度が変更されています。

2015年に制度が変わり、現在は1年に1回だけ銀行や証券会社など金融機関の変更(乗り換え)ができます。変更可能な期間がいつなのか、金融機関を変更するメリットとデメリットにはどういったものがあるのかを理解して、損をしない口座変更を行いましょう。 

NISA口座の変更・申請期間と手続き

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NISA口座の変更・申請ができるチャンスは1年に一度だけです。もしも手続きが期間内に終了しなかった場合、次の年まで1年近く待たなくてはならない場合も考えられます。申請できる期間がきたら早めに手続きを開始しましょう。

デメリットを被らないよう注意して手続きを進めていただくために、パターン別に最適なタイミングと変更方法をお伝えします。まず初めに自分のNISA口座で取引を行っているかどうかの確認が必要です。

NISA口座は1年ごとに変更可能

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毎年、その年の取引に利用できるNISA口座は一つの口座に限られます。1年に1回変更できるので、毎年取引口座を変更することも可能です。以前一度利用した口座を再利用することもできます。一度開設したNISA取引口座を今後どう利用していくかについては、取引を行ったかどうかで検討するのがポイントです。

「変更前口座で当年中の取引があった場合の手続き」と「変更前口座で当年中の取引がなかった場合の手続き」に分けてご紹介します。

変更前口座で当年中の取引があった場合の手続き

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変更前口座で取引を行った場合、現在運用中の商品の非課税期間を最大限活用するため口座はそのまま残すのがおすすめです。変更前口座のある金融機関から「金融商品取引業者等変更届出書」の用紙を取り寄せ、必要事項を記入して返送します。

この時、変更先の金融機関からは「非課税口座開設届出書」を取り寄せて記入しておきましょう。書類の取り寄せ手続きを同時に行えば時間の節約になります。変更前の金融機関から「非課税管理勘定廃止通知書」が届き次第、変更先金融機関に「非課税口座開設届出書」と一緒に提出します。変更先金融機関から口座開設のお知らせが届いたら手続き終了です。

変更前口座で当年中の取引がなかった場合の手続き

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変更前口座で当年中の取引がなかった場合、口座を廃止しても問題ありません。「非課税口座廃止届出書」を取り寄せ記入・返送します。今後利用する可能性がある場合は、残しておいても大丈夫です。

変更先金融機関からは、あらかじめ「非課税口座開設届出書」を取り寄せて記入しておきましょう。「非課税口座廃止通知書」を受け取り次第、2枚とも変更先金融機関に提出します。口座開設完了のお知らせが届けば手続きは終了です。

変更前口座で取引があれば、口座を残すのがお得

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変更前口座で取引を行っていても「商品を証券口座に移す」または「商品を売却する」という処置のあと、口座の廃止は可能です。ただし損をしないよう注意しましょう。「商品を証券口座に移す」場合、移した時点の金額が商品の取得価額となります。

例えば100万円で購入した商品が80万円に値下がりした時点で証券口座に移し、その後110万円まで値上がりしたします。これは「80万円で購入した商品が110万円になり30万円の利益が出た」とみなされます。払う必要がなかった税金を余分に払うことになるのです。

「商品を売却する」場合、100万円で購入済みの商品を1年後に120万円で売却しても、値上がり益に課税されることはありません。ただしその商品が2年後に130万円まで値上がりしても値上がりの恩恵を受けることはできません。このような例から、変更前口座で取引を行った場合には非課税期間を最大限活用する意味で口座を残すことをおすすめします。

変更申請手続きの期間に注意!

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NISA口座の変更・申請期間は前年の10月1日~変更希望年の9月30日までとなっています。たとえば2020年に利用するNISA口座の変更・申請期間は2019年10月1日~2020年9月30日の間です。

変更申請手続きの時期は当年中の取引があったかどうかで変わります。取引があった場合となかった場合に分けて手続きの時期をご説明します。

変更前口座で当年中の取引があった場合の申請期間

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変更前口座で当年中の取引があった場合には翌年からの口座変更が可能です。申請期間は当年の10月1日から翌年の9月30日まで。注意しなくてはならないのが、変更前口座での取引を翌年に持ち越さないことです。商品の自動積み立てを利用している方は、12月の購入日設定を必ず確認しましょう。

投資信託は「申込(注文)、約定、受渡」の3STEPをへて初めて売買が成立します。最後の「受渡」が終わるまで、取引が終了しない点に注意が必要です。

例えば12月25日に注文、12月27日に約定したとします。受渡日は約定日から3営業日~5営業日なので、受渡が終了するのは年末年始の休暇のあとの年明けです。この場合、1月に変更前の口座でNISA取引があったとみなされ、その年の口座変更はできなくなります。

変更前口座で当年中の取引がなかった場合の申請期間

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当年中にNISA口座での取引を行っていなければ、いつでも口座変更が可能です。1月1日から9月30日までの間に手続きが完了すれば、その年の取引を変更後の口座で開始できます。

10月1日から12月31日までの間に手続きが完了すれば、翌年から新しい口座で取引を開始できます。これまでにお伝えしたとおり、手続きには1か月以上の時間がかかります。10月1日以降できるだけ早めに手続きすることをおすすめします。

NISA口座変更のメリット

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NISA口座変更のメリットは2つあります。1つめは、株や投資信託など各種商品の手数料が安くなる場合があること。2つめは、選べる投資信託(商品)が増えることです。NISA口座で投資を行う際に最もオーソドックスな方法といえば、投資信託の積み立て投資。その投資結果に特に影響するのがこれからご紹介する二つのポイントです。

メリット①手数料

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NISA口座変更のメリットその①は手数料です。金融機関を乗り換えてネット型証券会社へ口座を変更すると、手数料を節約できます。銀行や店舗型証券会社は手数料が高めですが、ネット型証券会社はその半分以下の手数料で済むことも珍しくなく、数千円の節約になる場合があるほどです。

全く同じ投資信託を購入する場合でも、店舗型証券会社では手数料を取られるのにネット型証券会社ではノーロード(手数料無料)ということもあります。これは、銀行や店舗型証券会社が対面で営業する店舗を運営しているコストが手数料に反映されているからです。

NISAのような長期投資では、個々の手数料のわずかな違いが結果として運用成績に大きく影響することもあります。特に投資信託を選ぶ際の重要な基準の一つといってよいポイントですので、自分が購入したい商品の手数料は金融機関ごとにチェックしましょう。

メリット②投資信託の取り扱い本数

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NISA口座変更のメリットその②は投資信託の取り扱い本数が増えることです。NISA口座の取り扱い商品は金融機関により異なります。自分の目的に合った商品が充実していることも重要なポイントです。

NISAで最も購入されているのは投資信託です。投資信託の取り扱い本数はネット型証券会社と店舗型大手証券会社が充実しています。特にネット型証券会社の何社かは突出して取り扱い本数が多いことから人気があります。メリット①でご紹介した手数料の違いも考慮して自分に合った金融機関を選びましょう。 

メリット③ネット証券なら取引が容易

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NISA口座変更のメリットその③は、ネット証券なら取引が簡単にできることです。自宅に帰ってからわざわざPCを起動しなくても、スマートフォン用アプリがあるので日中すき間時間ができた時に気軽に取引できます。場所や時間を選ばず自分の都合のいい時間に取引できるのは大きなメリットです。

NISA口座変更のデメリット

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NISA口座変更のデメリットは2つあります。一つめは、口座変更・申請の受付期間が決まっていること。1年のうちの決まった期間しか手続きを受け付けてもらえません。もう一つは、口座変更時に購入済み商品の新口座への移管ができないことです。一度NISA口座で購入した商品は、別のNISA口座に移すことができない仕組みです。

デメリット①受付期間が決まっている

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NISA口座変更のデメリット①は口座変更・申請の受付期間が決まっていることです。変更前の金融機関でNISA口座をまだ一度も利用していないのであれば、当年分のNISA口座変更が9月30日までならいつでもできます。ただし一度でも口座を利用してしまうと、年内の口座変更はできません。

翌年からの口座変更手続きは10月1日から可能です。手続きを開始するには、マイナンバーの登録を終えていなくてはなりません。登録ができているか必ず確認し、未了なら事前に手続きしておきましょう。 

デメリット②変更時に買付商品の移管は不可

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NISA口座変更のデメリット②は、口座変更時に買付商品の移管ができないことです。一度NISA口座で買い付けた株や投資信託は、他の口座に移管(移動)できません。口座変更を行っても口座を残しておくことは可能で、変更前口座の商品は「非課税期間が終了するまで口座で運用を続けること」と「売却」のみ可能な状態になります。 

NISA口座を変更するならネット証券

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NISA口座を変更するならネット証券を選ぶのがおすすめです。証券会社には、大きく分けて野村証券や大和証券などの総合証券と、SBI証券、楽天証券、マネックス証券などのネット証券の2つがあります。

総合証券は店舗があり対面営業をしていて、ネット証券の取引は全てネット上で完結します。 総合証券の場合、店舗の運営コストが手数料に反映され全般に手数料は高めです。ネット証券は店舗がない分手数料が圧倒的に安いのです。 

ネット証券でも顧客対応は充実しています。各社ともメールでの問い合わせに丁寧に対応してくれますし、電話で質問を受け付ける会社もあります。専門用語の解説や相場の状況を無料動画で勉強しながら取引できるのも非常に便利です。 忙しい合間を縫って店舗に行く必要がなく、夜中や休日でも自分の都合に合わせて利用できるのがネット証券の強みです。

銀行口座と比較したネット証券のメリット

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銀行とネット証券会社のNISA口座を比較する際のポイントとしては「取引手数料」「取扱商品」「キャンペーン」「住民票代行サービス」などが挙げられます。特にNISAのような長期投資の場合には「取引手数料」「取扱商品」の違いは投資結果に大きく影響します。 

「取引手数料」を比べてみると、銀行は店舗営業を行っている関係上手数料が高く設定されているのがデメリット。取引手数料の点ではネット証券が非常に有利です。

「取扱商品」を比較しても、銀行にはデメリットがあります。そもそも銀行のNISA口座では投資信託が主流で株の取り扱いがないところが多いのに対し、ネット証券では国内外の株式や投資信託、ETF、ETN、REITまで取り扱っているからです。目的に合わせた最適なポートフォリオを組むためには、商品の選択肢が多いに越したことはありません。 

最後に損をしないために

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実はNISAの落とし穴ともいえるポイントがあるのをご存知でしょうか。 NISAは初心者でも始めやすい投資の一つですが、せっかく非課税のNISAを選んだのに「あること」を忘れたばかりに最後に課税されてしまう場合があるのです。

NISA口座で分配金などを受け取る際には必ず【株式数比例配分方式】を選びましょう。違う方式を選ぶと課税対象になってしまい、非課税の恩恵を受けられなくなります。この一手を間違えてデメリットを被ることのないように、自分にとっても家族にとっても最高の結果を出したいものです。 

NISAの口座を変更する際は申請時期に注意!ネット証券がお得でおすすめ

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NISA口座を変更する際は、申請時期に注意が必要です。現在取引中の方は、マイナンバーの登録状況やネット証券の品揃えを確認することから始めましょう。取引を行っていない方は、変更手続きを始める時期かもしれません。自分に合った使い勝手のよい会社を見つけ、NISAで着実な資産形成を進めましょう。

affyokko
ライター

affyokko

幸せな人生をつくるお金の使い方を追求しています。

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