三回忌の服装は喪服が良い？男性・女性・子どもの法要マナーについて解説！

故人が亡くなった節目に執り行われる三回忌ですが、これは亡くなってから2年目に行なわれます。お通夜や告別式には、当然喪服で参列しますが、三回忌となると服装はどうすれば良いのか迷います。そんな三回忌の服装やマナーについて悩んでいる方と共に、もう一度確認してみましょう。

自分が遺族になった時と、参列する側になった時で服装に違いがあるのでしょうか。三回忌に限らずこれからもあるであろう、回忌法要の服装についてや、服装だけでなく、他にも必要なものがあるのかなど、抑えておきたい点をいくつか挙げてみます。

服装で悩む前に、まず三回忌について軽く触れておきましょう。三回忌の法要は、故人が亡くなられてから、2年目の節目の日の法要の事を三回忌と表します。

2年目の命日を三回忌とするのは何故かというと、亡くなった日が命日で、その日が一回忌と数えるからで、1年目に二周忌を行い、これが二回忌になるため、2年目を三回忌と数えます。三回忌は召されてから3年目と思いがちですが、考え方はこのような事と覚えましょう。

三回忌の法要には、遺族と親族の他に、故人が生前親しく交流していた友人や知人を招待出来る様に、三回忌の日程を、遠方からでもからでも集まりやすい、土日に設定される事が多いです。

三回忌の内容は、僧侶の読経、近しい人からの焼香、僧侶からのお話があり、法要終了後には、料理屋やホテルに行って会食を行なったり、仕出しを頼んで自宅で囲むなどし、会食の後半には喪主からの挨拶があり、用意した引き出物を手渡して、解散になるのが一般的な流れです。

つまり、三回忌とは故人が亡くなって満2年での法要の事を意味し、三回忌までは、故人の偲びながら、家族や知人が集まって、故人の生前を語る会を執り行う重要な法要になります。ただ、三回忌は仏教での法要ですから、キリスト教など他の宗教には存在しません。

そして、回忌法要とも言われるこの風習は、仏教の中でも宗派によっては行事などが違います。ただ、17回忌までは、どの宗派も大差はありませんので、三回忌は仏教の方法で執り行えば良いでしょう。各宗派で違うのは、行事の時期や、回忌を執り行う事の意味が違います。

ひとつ覚えておいた方がいいのは、浄土真宗の回忌の考え方です。浄土真宗意外の宗派は、回忌を執り行うのは、故人の冥福を祈るためですが、浄土真宗は、故人は召された時点で、極楽浄土で生まれ変わっているという考えですので、冥福を改めて祈る必要は無いのです。

では、何故浄土真宗が回忌法要を行なうのかというと、それは故人の遺族や親族に感謝の意を表し、故人を偲びながら、仏教の教えを学ぶ場とされているからです。ですから、一周忌に卒塔婆を用意する必要もなく、ただ集まって法要をするだけで構いません。

三回忌の服装以外にもマナーがありますので、見ていきます。まず三回忌の案内状が届いたら、香典の有無を確認します。香典不要と書かれていれば香典を持参する必要はありませんが、何も書かれていなければ、香典を用意します。

金額は付き合い度で違いますが、相場は5千円～1万円程度でしょう。法要の後に会食があるなら、1万円～2万円を包みましょう。表書きは薄墨ではなく黒墨で書き、出来ればお供え物を用意しましょう。

故人との付き合い度にもよりますが、香典とお供え物をセットで持って行くのが一般的です。お供え物ののしは、「外のし」と言って、包装紙の上に黒白または黄色白の水引に名前を書いた「のし」をして持参します。水引の色は地域によって異なります。

外のしにする理由は、複数の御供えが仏壇に供えられていると、誰からのお供えか分りませんので、一目で判断できるように、外のしで御供えを供えます。のしには「御供」として、親族で同姓が多い場合はフルネームを書くと良いでしょう。

三回忌の喪主になったら、服装は参列者に失礼が無いよう、喪服を着用する事がマナーです。喪服には、正式、準、略式の喪服があり、喪主は正式喪服が望ましいですが、洋式ならモーニング、和式では紋付きの羽織袴になるため、準備や着付けも大変です。

そこで、黒のスーツなら良しとされていますが、三回忌には、家族や親族以外にも、複数の知人や関係者が参列するはずですから、そのような場で、参列者より格下の服装は、参列者に対して失礼に当たります。親族のみでも喪主は変わりませんので、格の高い喪服を着用します。

喪服には、黒の濃さで品格が変わってきますが、三回忌では略式喪服のブラックスーツで構いません。三回忌のような法事の席では、参列者も黒の服装ですから、黒と言えども色の違いが目立ちます。黒の色が濃いものほど、高品質になりますので、弔事に使うなら光沢を抑えたの深い黒を選びましょう。

喪主の男性の服装に相応しいものは、親族のみでも、黒の略式喪服のブラックスーツを着用し、ビジネススーツではありません。ビジネススーツの黒は喪服と見比べると分りますが黒色が浅いです。喪服独特の技術で仕立てられた高級感がありますので、略式でも喪服を着用します。

喪主は主宰者で、三回忌の中では一番上の地位になりますので、一番格の高い喪服を着用する義務があります。喪主が略式喪服以下でしたら、それより上の服装が参列者には出来ませんので、参列者に失礼になります。喪主という立場を踏まえて、参列者のことも考えながら服装選びをしましょう。

略式喪服に合わせるのは、白ワイシャツと黒のネクタイのタイピン無しと靴下、靴はマットな黒の靴にします。通夜や葬儀と、ほぼ変わらぬ装いで構いませんし、アクセサリーは結婚指輪のみなら大丈夫です。喪主は主宰者ですから、参列者に失礼が無いように礼を尽くすべく、喪服で臨みます。

また、ネクタイの結び方にもマナーがあり、初心者でも簡単で、結び目のシンプルな「プレーンノット」で結びます。また、通常の場でのおしゃれなネクタイの結び方で「ディンプル」という結び目の下に窪みは作りません。窪みのない結び方は鉄則です。癖の付いている人は気を付けましょう。

喪主は大抵男性が務めますが、状況により親族のみでも、女性が担う時もあります。最近はめっきり減ってきましたが、着物の紋付き喪服が女性の礼服になります。

喪服の着物を着用出来るのは、喪主、遺族、親族までです。あまり着る機会の無い着物の喪服を着るなら、羽二重やちりめんなどの光沢の無い着物を選びましょう。洋服は、黒のフォーマルスーツ、黒のワンピースにブレザーなどが妥当です。露出は避け、夏でも必ず黒色の羽織るものを用意します。

黒のパンツスーツもありますが、スカートが正式で、スカート丈は膝が隠れる程度のタイトスカートです。しかし、スカートを履きたくない方はパンツスーツでも許されます。アクセサリーは、結婚指輪がシンプルなら構いませんが、派手なものは外します。

ストッキングも黒で、靴はヒールが5㎝以下のパンプスを履きましょう。イヤリングは外します。ピアスはオニキスの小さなものなら大丈夫でしょう。ネックレスは1連のパールまたはオニキスが限度で、宝石のキラキラ光るアクセサリーはタブーです。ネックレスも必ず1連止まりにしておきましょう。

家族、遺族の他に、友人、知人など多くの参列者を招待する三回忌が一般的でしょう。親族のみの時であっても、法要に遺族の立場で出席する時には、失敗のない服装やマナーで招待者に接したいものです。そのための遺族に相応しい服装を、男性、女性、子ども別に詳説しましょう。

家族や親族以外にも、三回忌までは、故人と親交の深い人たちの出席もあるため、出席者に失礼になる服装は避けるために、遺族の服装も喪服が基本です。例え親族のみの三回忌でも同じです。喪主と変わらず、正式喪服が望ましいのですが、喪主が略式なら遺族も略式喪服にします。

一応、主宰者を立てる意味も含めて喪主より格上の服装は避けます。喪服でなくても、濃いめの黒のスーツなら構いません。白シャツに黒の無地ネクタイのタイピン無しで、靴下と靴は黒に揃え、アクセサリーは結婚指輪のみ着用OKです。親族のみでも遺族は出席しますので、同じ服装で構いません。

三回忌には様々な招待客の中、遺族の大人の男性も女性も正式喪服の着用が望ましいでしょう。正式喪服というものは、男性なら洋装でモーニングコート、和装で紋付きの羽織袴が正式喪服になります。

女性なら、遺族は紋付きの着物も着用出来ますので、羽二重かちりめんの光沢のない着物を選びます。ただ、喪主が女性で着物でなければ、着物は避けましょう。洋装で黒のフォーマルスーツかワンピースにブレザーなどが良いでしょう。黒のアンサンブルでも構いません。

ただ、正式喪服は男性も女性も、準備や着付けが大変ですから、男性も女性も黒のフォーマルスーツでも構わないとされています。男性は靴下と靴、女性はストッキングと靴を黒で揃えます。男性も女性もアクセサリーはシンプルな結婚指輪、女性はパールもしくはオニキスの1連ネックレスはセーフです。

例え親族のみでも同じ服装に変わりはありませんが、前記にもありますが喪主よりも格上の服装にならないように、気を付けましょう。前もって打ち合わせができるなら、喪主と服装の打ち合わせをしておくと、当日慌てることもなくスムーズに三回忌に臨めるでしょう。

親族のみでも子どもは出席します。就学している子どもが参列する場合には制服で構いません。就学前の子どもには、黒、ダークグレーやネイビーなどの、濃い色の服装で出席させます。男の子と女の子で、若干服装も違いますが、基本子どもにも黒に近い色と覚えておきましょう。

希に子どもの制服で、弔事にそぐわない制服を見かけますが、もし子どもの制服が合わなければ、男子なら大人用の黒、ネイビー、ダークグレーなどのスーツに黒ネクタイタイピン無しというように、親子で同じ装いをすると良いでしょう。女子の場合も、母親と同じような服装にしましょう。

具体的には、就学前の子どもで男の子なら、白のワイシャツにダークグレーや紺色のパンツにブレザー、子どもが女の子なら、黒、紺、ダークグレーなどのワンピースなどにブレザーでも良いでしょう。特に小さな女の子にありがちな、フリフリのレースなどの付いた服は避けます。

また、男の子がよく短パンを好みますが、三回忌などの場で短パンはタブーです、必ず長ズボンを履かせます。女の子の髪に飾り物は要りません。もちろんアクセサリーも必要なく、子どもでも、きちっとした服装が好ましいです。親の品格を伺われますので、気を付けましょう。

三回忌の案内が届いたら、出席するための服装に悩む人もいるでしょう。そして「平服で」という言葉などがあれば更に戸惑うでしょう。お通夜や告別式なら喪服と分りますが、三回忌だと何を着れば良いのでしょうか。平服の意味さえ分りません。これはどれほどの親交の深さかで、服装も違ってきます。

三回忌には、多数の親族たちが出席しますので、失礼に当たらないような服装で臨みたいものです。故人との親交を大切にするからこその出席ですから、おとなしく目立たない服装が向いています。三回忌に出席する知人や友人の立場での服装について、男性、女性、子ども、乳児別にお届けしましょう。

男性は三回忌に喪服を着用しなくてはいけないのか、悩むでしょうが、案内状に例え「平服で」と書かれていても、略式喪服で参列するのがマナーです。三回忌までは遺族や親族にとっても大事な法要ですので、決して砕けた服装ではなく、正式でなくても構いませんので、喪服を着用しましょう。

ただ、略式喪服を持っていない人は、フォーマルスーツが望ましいですが、ビジネススーツの黒、ネイビー、ダークグレーのどれかに、無地の白シャツ、黒のネクタイタイピン無し、靴下と靴も黒なら構いません。冬場でコートを羽織る時には、レザーコートはNGですので覚えておきましょう。

女性の立場でも、男性の時と平服の考え方は同じです。大事な法要ですからきちっとした服装で臨みます。ただ、着物は決して着ないように心がけましょう。着物の喪服を着れるのは、喪主と遺族、親族のみです、従って洋服で出席するように考えましょう。

黒、ネイビー、ダークグレー、ダークブラウンのワンピースに同じ系統のブレザーや、スーツなどが望ましいです。ストッキングとバッグ、靴は黒にして、パンプスならかかとは低めにします。指輪は結婚指輪のみにして、他のアクセサリーは1連のパールネックレス程度です。

男性も女性もアクセサリーは、平服でも結婚指輪のみに抑えます。女性は1連のネックレスなら、パール、オニキスなどです。女性も男性と同様に、コートに革のものは避けましょう。毛皮のコートなど論外です。妊婦なら、レンタルのマタニティー喪服がおすすめで、靴はかかとの低いものにします。

子どもの服装も平服でも、就学しているなら制服で、就学前なら黒、ネイビー、ダークグレーなど、濃い色合いの服装で、男の子ならシャツとズボン、女の子ならブラウスにスカートにブレザーなどが良いでしょう。大きなプリント柄は避けます。平服でも、三回忌という場所を弁えての服装をさせます。

最近では、子ども用に喪服を仕立てる家庭も増えて来たようです。高齢化社会で、おじいちゃんおばあちゃんと子どもや孫が、交流する事も多くなったからと言われますが、子どもは成長が早いため、平服なら無理して喪服を作らなくても、常識ある色の服を普段から用意しておきましょう。

子どもでも乳児の服装は、平服ですから普段着ている服装の、少しよそ行き程度で構いません。大抵お母さんが抱っこしますので、羽織っているショールなどの色に気を付けた方が良いでしょう。会食などでショールを外すことも考え、抑えた色の服装にしてあげます。乳児の場合は白でもOKです。

ここまで記した内容を見ても、まだ分らない事は多々あるでしょうから、ここからは三回忌の服装についての質問と回答をお届けします。タイトルが質問で、その下の文章が回答になります。色々な疑問があるでしょうが、ここでは3つの疑問についてお答えします。

三回忌の案内状が届いて読んでみると「平服でお越し下さい」と書かれていました。さてあなたはどんな服装を連想するでしょうか。平服という言葉は、文字自体は普通の服と読めますが、果たして普通の服とはTシャツとGパンなわけがありません。

「平服で…」と書かれていたとしても、そのまま受け取り普段着で行くと大恥をかきます。三回忌での平服とは、正式ではない略式喪服のことを表します。少なくともフォーマルな服装だという事は間違いありません。ただ、出席者の立場では、正式喪服を着なくて良いという意味です。

これは、正式喪服というのは、喪主や遺族が着るものですから、出席者の立場では喪主より格下の服装が望ましいのです。もしかしたら、喪主が略式喪服を着ていたらどうするかと言いますと、略式喪服ならカブっても構いません。略式でも喪服は敬意を表す服装ですから、先方にも失礼にはなりません。

平服というのは、正式喪服でない略式喪服という意味と捉えて良いでしょう。フォーマルなスーツなら黒で無くても大丈夫です。ネイビーやダークグレー、ダークブラウンなどの色のスーツに、白シャツに黒ネクタイでタイピン無し、黒の靴と靴下です。平服の意味を知っておきましょう。

三回忌になると、知人や友人は遠方だからとか、仕事でなかなか都合の日程が合わせられないなどで、三回忌を親族のみで執り行う事も増えて来ました。では親族のみの時の服装とはどういうものなのでしょうか。親族のみというのは、知人や友人が含まれない血縁関係に当たる人たちの事です。

三回忌などの法要には親族のみで行なわれることも少なくなく、もっと身内だけでしたいなら、家族のみという事もありますが、親族のみでも友人の多い故人なら、かなり人数は少なくなりますが、服装は、親族のみの法要でも、略式喪服が望ましいでしょう。

三回忌の時に、必要な持ち物について述べてみます。これは地域性があり、その土地土地で様々な習慣がありますので、一概には言えませんが、一般的に三回忌に必要なものは、香典とお供え物です。法要の最後とされる事の多い三回忌ですので、三回忌までは葬儀などと同じく香典を持参します。

香典の金額相場は、5千円から1万円で、法要後に会食があるなら1万円から2万円でしょう。そして、仏壇に御供えするお供え物も持参します。お供え物の金額相場は、3千円から5千円程度です。お供え物の内容は、饅頭やクッキーなどのお菓子類、線香など、飲み物でも構いません。

喪主や遺族などの、親族のみの法要も親族が多ければそれなりの三回忌になるでしょうし、親族のみだからこそ深い偲ぶ会としての法要ができるかも知れません。友人の多かった故人を偲ぶならやはり親族のみではなく、友人や知人も招待して盛大に三回忌を執り行う方が良いでしょう。

三回忌という回忌法要の服装やマナーについて述べてきましたが、三回忌に限らず、法要というものは、格式張った行事ですので、無難な服装を心がける事です。故人を偲ぶ事と遺族に対する感謝の気持ちを持ち出席します。大人として恥ずかしくない服装と振る舞いで、三回忌に出席して下さい。