三回忌のお布施とは
仏教の法要には、人が亡くなった日から7日目に行われる初七日を始め、四十九日など亡くなった日から7日ごとに様々な法要があります。また年度ごとにも亡くなって1年目の「一周忌」から2年目の命日に行なわれる「三回忌」6年目の命日に行なわれる「七回忌」など年回ごとに行われる法要も多くあります。
その様々な法要には僧侶による読経は欠かせません。僧侶の読経への感謝の気持ちとして渡すのがお布施です。今回は年回ごとに行われる法要の1つである「三回忌」のお布施にスポットを当てました。
三回忌に渡すお布施の金額の相場、三回忌にお布施を渡す時の封筒の書き方、お布施の渡し方・マナーなど「三回忌」のお布施について知っておきたいことを説明していきます。
三回忌とは重要な節目の法要
冒頭で三回忌とは、年回ごとに行われる法要の1つと説明をしました。ここでは「三回忌」を具体的に説明します。まず亡くなってから行われる法要にはお通夜に始まり、初七日、四十九日といった重要な節目の法要があります。亡くなった人の冥福を祈るために、親族などが自分たちの行動を慎むいわゆる喪に服す期間が終わるのが四十九日とされています。
亡くなって1年目に行われる法要のことを「一周忌」と呼びます。年回ごとに行われる法要の1つ「三回忌」とは、亡くなってから2年目に行われる法要のことです。
喪に服す期間が終わる四十九日の法要に次いで重要な節目の法要が一周忌と三回忌です。亡くなりになった同じ月、同じ日に行われる法要で、遺族や親族をはじめ、友人や知人も参列して大規模な法要が行われる節目の法要です。
三回忌の服装
亡くなりになった同じ月、同じ日に行われる2年目の「三回忌」の法要は節目の大事な法要のため、参列する人の服装のマナーも大事になります。「三回忌」にふさわしい服装は、男性の場合はブラックやダークグレーなどの喪服のような服装で参列するのがいいでしょう。
女性の場合も男性の場合と同じようにブラック、ダークグレーの喪服のような服装で参列することがふさわしい服装です。また男性の場合は靴やベルト、靴下なども明るい色は避けてブラック系で統一するようにしましょう。
以上のように三回忌にふさわしい服装について説明をしましたが、三回忌の服装のマナーは、喪服を身につけるということを忘れないことは大事です。「平服でお越しください」といった案内状を受け取ったとしてもカジュアルな服装は避けて前項で説明したような服装での参列に心がけましょう。
三回忌のお布施とは聖職者の方へ渡すお金
三回忌のお布施とは、僧侶の読経への感謝の気持ちとして渡すのがお布施と説明をしました。しかし、広い意味の三回忌のお布施とは、聖職者の方へ渡すお金のことを意味しています。聖職者つまり仏教と言えば僧侶、キリスト教なら司祭、司祭は宗派によっては司教、助祭と呼ばれます。また、宗派によって主教、執事を聖職者と呼ぶことがあります。
三回忌のお布施の相場金額
亡くなってから3年目の重要な節目の法要の1つ「三回忌」に渡すお布施の相場金額はどのくらいなのでしょうか。「三回忌」の法要には、自宅や斎場などの式場に僧侶を呼んで読経をして供養して貰うやり方とお寺に足を運び僧侶の読経により供養する方法があります。
どの方法で「三回忌」を行っても僧侶の読経への感謝とお礼の気持ちとしてお布施を渡す必要があります。その「三回忌」の法要で僧侶に渡すお布施の相場の金額は約1万円~5万円とされています。次項で三回忌の法要で僧侶に渡すお布施の相場の金額、約1万円~5万円について説明をします。
三回忌のお布施の相場は「約1万円~5万円」
三回忌の法要で僧侶に渡すお布施の相場の金額は、約1万円~5万円です。三回忌の法要で僧侶に渡すお布施の相場の金額に幅があるのは、三回忌の法要を行う地域、お布施を渡す僧侶との信仰する宗教などの関連性によって僧侶に渡すお布施の相場の金額が変わるためです。
僧侶にお布施の渡し方として4万円などの金額の「死」をイメージする金額は避けるのがマナーです。また、お布施の金額は多い方が喜ばれるからといってお布施として9万円の金額の渡し方も「死」と同じように「苦しむ」をイメージする金額になります。そのためお布施の金額としては渡さないのがマナーであることを覚えておきましょう。
三回忌のお布施をいくら包むか悩んだとき
三回忌の法要に僧侶に渡すお布施の相場の金額は、約1万円~5万円ですと説明をしました。また、地域や僧侶との関連性によっても三回忌の法要に僧侶に渡すお布施の相場の金額は変わると説明をしました。
そのように三回忌のお布施をいくら包むか悩んだときには、三回忌の法要を行う予定のお寺の僧侶に聞くようにしましょう。地域によってはお布施の相場の金額が大きく変わることもあります。
そのため「皆さんはどのくらいの金額を包まれるのでしょうか」といった聞き方をすれば、三回忌の法要に僧侶に渡すお布施の相場の金額を教えて貰うことが出来ます。お布施の相場の金額に迷ったらお寺や葬儀社に聞くようにしましょう。
葬儀社に聞いてみる
葬儀社は、お通夜、初七日、四十九日、1年目の「一周忌」から2年目の命日に行なわれる「三回忌」6年目の命日に行なわれる「七回忌」など年回ごとに行われる法要など多く経験しているので僧侶に渡すお布施の相場の金額などもしっかり教えてくれます。また僧侶へのお布施の渡し方、お布施の渡し方のタイミングやマナーなども聞くことが出来ます。
お寺に直接聞いてみる
僧侶に渡すお布施の相場の金額や僧侶へのお布施の渡し方、お布施の渡し方のタイミングやマナー、さらにお布施を入れる封筒の書き方などを詳しく知りたいときには、自分が信仰しているお寺の僧侶に聞くのが一番です。もし、信仰しているお寺がなくてもお寺に聞けば親切丁寧に教えて貰えます。
三回忌でお布施以外に必要なお金
三回忌の法要には、僧侶の読経への感謝とお礼の気持ちとして僧侶に渡す「お布施」以外にはお金が必要になります。三回忌の法要には、僧侶の読経への感謝とお礼の気持ちとして渡す「お布施」以外に「お車代」「御膳料」塔婆料」の金額がかかります。三回忌の法要のお布施以外のお車代・御膳料・塔婆料とは何のことでしょうか。
次項からお車代・御膳料・塔婆料とはどんな意味があるのかまた、かかる金額などについて説明をしていきます。
お車代
三回忌でお布施以外に必要なお金としてお車代があります。お車代には、遠方から三回忌の法要に参列してくれる人にかかる交通費や状況によってはホテルなどの宿泊にかかる費用を負担する目的で渡すお車代があります。
また、僧侶をお寺以外の場所に招いて三回忌の法要を行う場合は僧侶の移動が必要になります。その僧侶の移動としての車のガソリン代やタクシー代として渡すお車代があります。ここでは、僧侶が移動するために必要となる車のガソリン代やタクシー代として渡すお車代の相場の金額について説明をします。
僧侶が移動するために必要となる車のガソリン代やタクシー代として渡すお車代の相場の金額はいくらになるかと言いますと僧侶に渡すお車代の相場の金額は3千円~1万円と言われています。
御膳料
三回忌でお布施以外に必要なお金として御膳料があります。三回忌の法要では僧侶の読経の後に、お酒や料理などで会食をするのが一般的です。この会食には僧侶を招いて行われます。御膳料とは、お酒や料理が並んでいる席いわゆる会食に参加することが出来ない僧侶に渡すお金のことです。
そのため僧侶が会食に参加した場合は、必要のないお金になります。また、会食に参加することが出来ない僧侶にお酒や料理を詰めたものを渡した場合も御膳料として渡す必要がないことをマナーとして覚えておきましょう。
塔婆料
三回忌でお布施以外に必要なお金としてはお車代、御膳料がありました。ここでは、三回忌でお布施以外に必要なお金として塔婆料(とばりょう)について説明をします。塔婆料(とばりょう)とは、亡くなった人の供養として亡くなった人の名前や亡くなった日、経文・梵字などを書いた墓などの周りに立てる板のことです。
この板に書く梵字などはお寺で書くことになります。その手数料とした意味合いで渡すお金が塔婆料(とばりょう)になります。この塔婆料(とばりょう)の相場の金額は2千円~1万円程度です。
三回忌のお布施の書き方のマナー
ここまでは、三回忌のお布施の相場の金額や三回忌のお布施以外のお車代の相場の金額とマナー、塔婆料の相場の金額とマナー、御膳料の相場の金額とマナーなどについて説明をしてきました。ここからは、三回忌のお布施を入れる封筒の書き方のマナー、三回忌のお布施の包み方のマナーなどについて説明をしていきます。
三回忌の表書き
三回忌のお布施を入れる封筒の書き方を間違えてしまうとマナー違反になることもありますのでお布施を入れる封筒の書き方には注意をするようにしましょう。三回忌のお布施を入れる封筒の表の中央より上の方に「お布施」と毛筆や筆ペンなどを使った書き方をするのが一般的です。
そしてお布施を入れる封筒の表の下の方には「お布施」の書き方よりも小さな文字で施主の名前をフルネームの書き方をするのがマナーです。
仏教の場合
三回忌のお布施を入れる封筒の表の中央より上の方に「お布施」と毛筆や筆ペンなどを使った書き方をするのが一般的ですと説明をしましたが、この書き方は仏教の場合の書き方になります。仏教の場合の書き方としたは「お布施」の他に「御布施」といった書き方もあります。さらに宗派によっては別の書き方をするこもありますので覚えておきましょう。
お布施を入れる封筒の裏面の書き方としては、お布施の金額を書いてしまいそうですが、マナー的にはお布施の金額など何も書かないのがよいとされています。しかし、封筒の中に入れる中袋にはお布施の金額を書いたからといっても必ずしもマナー違反にはなりません。
神道の場合
では、神道の場合は三回忌のお布施を入れる封筒の表にはどんな言葉の書き方をすればよいのでしょうか。神道の場合は、三回忌のお布施を入れる封筒の表には「御礼」といった書き方と亡くなった人たちのおまつりに関することに従事している神社の人の謝礼金として支払うことを意味している祭祀料(さいしりょう)といった書き方があります。
キリスト教の場合
キリスト教の場合の三回忌のお布施を入れる封筒の表にはどんな言葉の書き方をすればよいのでしょうか。キリスト教の場合の三回忌のお布施を入れる封筒の表には、宗派によって書き方に違いがあります。
カトリック系の場合は、封筒の表には「献金」や「お礼」といった書き方が一般的です。プロテスタント系の場合は、封筒の表には「御礼」とシンプルな書き方と召天記念献金(しょうてんきねんけんきん)といった複雑な書き方があります。
普通の墨で書く
三回忌のお布施を入れる封筒の書き方で注意する点があります。お通夜や告別式で渡す香典などの弔事の書き方のマナーとして薄墨で書くがあります。しかし、三回忌のお布施を入れる封筒には薄墨で書くのではなく、普通の墨で書くのがマナーになりますので、間違えないように覚えておきましょう。
三回忌のお布施の包み方のマナー
三回忌のお布施の書き方のマナーについて説明をしました。ここでは、三回忌のお布施の包み方のマナーについてみていきます。三回忌のお布施の正しい包み方、入れ方、渡し方、お布施には新札を使うなどのマナーはあるのでしょうか。三回忌のお布施の正しい包み方のマナーについて説明をします。
包む袋は奉書紙か白い封筒
三回忌のお布施の正しい包み方には、奉書紙に包む方法と白い封筒に包む方法があります。三回忌のお布施の正しい包み方のマナーとしては、香典袋などの和紙で作られた奉書紙に包んだ渡し方がマナーとされています。お布施を奉書紙に包む時には、奉書紙のツルツルとした面が表になるよにして半紙を使ってお布施のお札を包みます。
奉書紙に包んだ渡し方がマナーですが、三回忌のお布施を白い封筒に包んだ渡し方でも悪いわけではありません。しかし、白色の無地、郵便番号欄や柄が入っているものを使わないのがマナーです。
二重封筒はマナー違反
また白色の無地といっても2枚重ねになっている封筒は縁起がよくないと言われています。そのため三回忌のお布施を入れる封筒としては使わないように注意が必要です。また、白い封筒がなく、水引がついている封筒を選んだ場合は、香典袋として使用されている水引の色が黒白または双銀であわび結びを選ぶようにしましょう。
白色の無地の封筒で包むことは悪くはありません。しかし、三回忌のお布施の正しい包み方は、奉書紙に包んだ渡し方がマナーであることはしっかりと覚えておきましょう。
お金の入れ方にも注意
三回忌に僧侶に渡すお布施のお金の正しい包み方は大事なことです。しかし、お布施として入れるお金の入れ方にも注意が必要です。三回忌のお布施のお金の入れ方を違ってしまうとマナー違反になる可能性があります。そのため三回忌に僧侶に渡すお布施のお金の入れ方をしっかり理解しておきましょう。
お布施は新札を使う
三回忌に僧侶に渡すお布施のお金の入れ方には、お札の表が上になるような入れ方をするのがマナーです。また新札を使うといったマナーがあります。一般的な弔事の香典などにお金を入れる時には、前もって準備していたといった意味にとらわれやすい新札を入れることはマナー違反とされています。
しかし三回忌のお布施の場合は、僧侶に渡すお金であるため、新札を使うのがマナーです。香典などの弔事と間違えないようにしっかり覚えておきましょう。
三回忌のお布施の渡し方
三回忌のお布施の包み方のマナーについて説明をしてきました。ここでは、三回忌のお布施の渡し方について説明をします。三回忌のお布施の渡し方には、渡すタイミングがあります。また三回忌のお布施の渡し方には、黒塗りのお盆つまり切手盆を使った渡し方などがあります。
次項から三回忌のお布施の渡し方の渡すタイミング、三回忌のお布施の渡し方の切手盆を使った渡し方などの項目ごとに説明をしていきます。
渡すタイミング
三回忌のお布施の渡し方の渡すタイミングですが、三回忌の法要をどこの場所で行うかによって違います。自宅で三回忌の法要をした場合の読経をしてくれた僧侶に渡すお布施のタイミングは、読経が終わって、数珠やお経をあげるための教本などを片付けて帰宅する準備が出来たタイミングで渡すのが一般的な渡し方です。
お寺や斎場などで三回忌の法要をした場合の僧侶に渡すお布施のタイミングは、法要が始まる前に渡すのが一般的です。三回忌の法要をどちらの場所で行っても僧侶にお布施を渡す時には、「どうぞお納めください」などの言葉を添えた渡し方をするようにしましょう。
切手盆を使って渡す
僧侶に渡すお布施は封筒を手に持って渡すのではなく、黒色のお盆の上に乗せて渡すのがマナーです。黒色のお盆つまり切手盆を使った渡し方としては、お盆の上に乗せたお布施が入っている封筒に書かれた「お布施」の文字が切手盆を持っている人から見て読めるような位置に封筒を置きます。
その状態から僧侶の前に進み、切手盆を回して僧侶から見て「お布施」の文字が読める位置にしてから切手盆ごと僧侶に渡すのが正式なマナーとされています。
切手盆がない時は
僧侶に渡すお布施の封筒を置く切手盆がない時には、お通夜の時に渡す香典が入っている香典袋を包む袱紗(ふくさ)に包んで渡しても問題はありません。僧侶に渡すお布施の封筒を袱紗(ふくさ)に包んで渡す時には、僧侶から見て「お布施」の文字が読めるように包むことを忘れないようにしましょう。
立ったまま上から渡さない
三回忌の法要をした場合の僧侶に渡すお布施は、切手盆を使って渡す、また袱紗(ふくさ)に包んで渡す方法があります。三回忌の法要をした場合の僧侶に渡すお布施には「読経をしていただきありがとうございます。」
といった感謝の気持ちを伝える必要があるので、切手盆を使った渡し方、袱紗(ふくさ)に包んだ渡し方などどんな渡し方でも、立ったままの状態から渡さないで頭を1度下げた状態で簡単な御礼の言葉を添えて渡すようにしましょう。
お礼を言う
三回忌の法要をした場合の僧侶に渡すお布施と一緒にお礼の言葉を言うのが一般的です。お布施と一緒に添えるお礼の言葉にはどんな言葉がありますか。お布施と一緒に添えるお礼の言葉には、「法要が無事に終わることが出来ました。本当にありがとうございました」などがあります。
また「お気持ちですが、お供えとして受け取ってください」「心がこもったおつとめをしていただき誠にありがとうございました」などと丁寧な言葉もあります。
年回ごとの法要の種類
基礎知識として年回ごとの法要の種類について説明をします。亡くなってから1年目に行われる法要が「一周忌」(いっしゅうき)、2年目が「三回忌」(さんかいき)があります。
亡くなってから6年目に行われる法要がが「七回忌」(ななかいき)、12年目が「十三回忌」(じゅうさんかいき)、16年目が「十七回忌」(じゅうななかいき)、22年目が「二十三回忌」(にじゅうさんかいき)26年目が「二十七回忌」(にじゅうななかいき)、32年目が「三十三回忌」(さんじゅうさんかいき)があります。
この法要の中でも「一周忌」「三回忌」だけは遺族や親族をはじめ、友人や知人も参列して行われます。それ以外の法要は遺族や親族のみだけで行われるのが一般的です。このように「三回忌」は大事な法要なのです。
三回忌のお布施を失礼のないように渡そう
三回忌のお布施の意味、三回忌のお布施の相場の金額、お布施の渡し方・マナー、お布施の渡すタイミングなど三回忌のお布施について説明をしてきましたが、いかがだったでしょうか。三回忌のお布施の渡し方、お布施の渡すタイミング、マナーやお布施の相場の金額などしっかり理解をして三回忌のお布施を失礼のないように渡すようにしましょう。