挨拶の順番や乾杯音頭は誰が取る?宴会マナーを大解剖!
会社の歓送迎会や、慰安旅行の宴会など、様々な席で依頼される宴会の挨拶。どんな風に挨拶すればいいのか?依頼すべき役職や、挨拶の順番はどうすれば良いのかなど、司会担当者になった方は気を揉むのではないでしょうか?
宴会には、乾杯の音頭から締めの挨拶まで、どんな役職の方に挨拶をお願いし、どのような順番でお酒をついで回るのが良いのかといった、細かいルールがあります。社内のコミュニケーションを円滑にするためにも、こういったマナーはしっかり覚えておきたいところです。
今回は、宴会で挨拶や司会を依頼された方だけでなく、知っておくと役に立つ挨拶の例文や締めの文句など、押さえておくべき社会人の常識をご紹介致します!
宴会での挨拶の流れ
宴会を始める際、そして終了する際の締めの文句まで、様々なシーンで出てくる挨拶。どんな役職の方にお願いするのか?司会はどのタイミングで声掛けすれば良いのかなど、知らないと迷ってしまうこともある事案です。
社長や専務取締役など、会社の上役の方が出席する宴会で失敗すると、それこそ、自分の将来の出世にも関わってくる重大な問題になるかもしれません!
宴会には、始めから終わりまで、どのような順番でどんな挨拶をすれば良いかという決まった型があります。まずは、挨拶の順序と、どういった挨拶をどのようなタイミングで行うのかを見ていきましょう。
開演の挨拶
まず、宴会をスターとするときには、「開演の挨拶」を行います。この挨拶は、通常司会者などが担当することが多く、一同が場に介した際に、宴会を始めることを宣言するのが主な挨拶の内容となります。
司会となった方は、VIPや役職の高い方が、きちんと着座されているかを確認の上、マイクのセッティング、お料理を出す裏方の人とのタイミングなどを確認の上で、開演の挨拶をしましょう。
この開演の挨拶の前に、予備のマイクの準備、音響設備の最終チェックを裏方となる宴会会場のスタッフと行っておきましょう。音が出ないマイクで挨拶を上役の方に依頼するのは大変失礼に当たりますので、十分注意してください。
はじめの挨拶
次に、宴会のはじまりを告げる「はじめの挨拶」を行います。この挨拶は、後ほど詳しくご紹介しますが、今回の宴会の趣旨などをまとめるスタートの挨拶となります。
華のある役割ですので、最上位の役職の方が担当されることがほとんどで、対外的な行事などでも、はじめの挨拶を行う方は、会社の顔となられる立場の方が多いようです。司会者は、挨拶のタイミングより少し前に、挨拶を担当される方に声掛けしましょう。
はじめの挨拶は、社長、本部長など、それ相応の役職の方が担当されますので、挨拶の例文など決まった定形がありません。すべてお任せですので、挨拶を依頼するときは、スケジュールに余裕を持ってお願いするのがマナーです。
乾杯の音頭
開演の挨拶、はじめの挨拶が終わったら、いよいよ乾杯の音頭です。この乾杯の音頭を取る方というのも、役職が決まっています。
乾杯の音頭を取る前に、司会者が注意するポイントとしては、乾杯を担当される方のグラスにきちんとお酒が入っているかどうかということです。また、周囲の方のグラスにもお酒が入っているのか、気を配るとさらに良いでしょう。
締めの案内
宴会が順調に進んで行き、お酒やお料理も楽しまれ、場が和んで来ている頃合いですが、そろそろお開きにしなければならない時間が差し迫ってきました。このタイミングで司会者は、締めの案内を始めます。
盛り上がっている宴会会場を、少し引き締めて、最後の締めの挨拶をされる方がお話しやすいように、まとめるのが、この締めの案内の役割です。ここでひと呼吸置かせることが、司会者の重要な役割となります。
締めの挨拶
締めの案内が終わったら、司会者は、速やかに締めの挨拶を担当される役職の方のところへ行きましょう。マイクの準備と、ステージへの案内などをきちんとこなせるように、宴会とはいえ、司会者はお酒はほどほどにしておくのが肝心です。
締めの挨拶を担当される方が、お酒を飲みすぎている場合もありますので、ステージやマイクへの案内は、足元に注意して行ってください。
また、宴会の締めに万歳三唱などを行う場合もありますので、挨拶される方の飲み物や持ち物などを預かるなどサポートをしっかり行いましょう。
宴会で挨拶を頼む順番
宴会で行う主な挨拶と、司会者がその都度どんな役割を果たせば良いのか、流れが分かったところで、ここからは、実際に、どのような順番でどんな役職の方に、宴会の挨拶を依頼すれば良いのかを見ていきます。
開催される宴会が、部署内であるのか、会社内であるのか、または対外的な宴会であるのかによっても、挨拶を依頼する順番と役職は変わりません。上から順番に、重要度の高い挨拶ほど、役職が上の方に依頼するのが筋です。
はじめの挨拶は職場のトップ
まず、宴会の華である「はじめの挨拶」については、職場でもっとも役職の高い方から順番に依頼しましょう。たとえば、部署内での宴会であれば、部署のトップである部長、社内全体の宴会であれば、会社のトップである社長にお願いします。
挨拶を依頼するのは、宴会の幹事や司会を担当される方が妥当です。また、依頼する方の役職が上の方から順番ですが、断られた場合は、次の役職の方にお願いするという形で、順次依頼をかけていきましょう。
乾杯の音頭は三番目の役職の人
続いて、宴会の挨拶で3つ目に当たる「乾杯の音頭」ですが、この乾杯を担当していただく役職の方は、上から3番目の方にお願いしましょう。例えば、部署内の宴会であれば、部長がトップではじめの挨拶、部長代理はスキップ。
その次の役職である次長に乾杯の音頭を依頼します。課内の宴会であれば、トップの役職は課長で、乾杯の音頭は係長ではなく3番目の主任にお願いするのが筋です。
締めの挨拶は二番目の役職の人
最後に、締めの挨拶を依頼する役職についてですが、この挨拶については、上から2番めの役職の方に依頼するのが妥当です。例えば、会社内の宴会であれば、はじめの挨拶がトップの社長で、締めの挨拶は、ナンバー2の副社長に依頼しましょう。
部署内での宴会であれば、本部長にはじめの挨拶、締めの挨拶は、事業部長に依頼するのが妥当です。依頼する順番は、いつも役職が上の方からとなります。もし、宴会を欠席される場合は、次の順番に当たる役職の方に依頼してください。
宴会の乾杯後にまわる順番
宴会の挨拶を依頼する順番や、挨拶ごとにどんな役職の方に依頼するのかが妥当かも分かったところで、続いては、乾杯の音頭の後、どのようにお酌に回れば良いかについて見ていきましょう。
司会者も、基本的には、進行のお仕事がない時間帯は、お酌に回るのが当たり前です。宴会で挨拶を依頼した方へのお礼もかねて、きちんとした順番で各席にお邪魔しましょう。
基本は役職順にお酌にまわる
宴会で乾杯の音頭が終わったら、司会者は、一旦マイクを置いてお酌に回ります。基本的に、お酌に回る順番は役職が上の方からと決まっています。
社長がいらっしゃる場合は、社長から。本部長がトップの宴会なら、本部長から。その場にいらっしゃる方の中で、もっとも役職が高い人から順番に、お酒を持って席を回ってください。
近くの役職者には配慮
また、宴会の席で、お酌に回る際に、同じ席のエリアに、同等の役職の方が座っている場合もあります。こういったときは、周辺の席の役職の高い方にも、挨拶をしておきましょう。
お酌に回るお酒は、ビールが基本ですが、ビールを飲まない方も中にはいらっしゃいます。乾杯のみビールで、日本酒や焼酎など、他のお酒を飲まれている方もいますので、ご注意ください。
基本はビールを持って順番にお席を回りますが、近くで飲んでいらっしゃるお酒の種類を確認してお酌するのがマナーです。
困った時は先輩に聞く
会社に入社して間もない新卒社会人の方や、中途採用などで、あまり会社の上層部の方などと面識がない場合は、どの方が、役職が上なのか?どの順番でお酌に回ればよいのか?分からないケースもあります。
そういったときには、必ず会社の先輩に確認し、失礼のないように、席を回りましょう。また、先輩が司会者を担当されているときには、後輩として自分がフォローに回るということも忘れずに!
宴会の締めの挨拶の例文
宴会で司会を担当される方は、締めの案内を行わなければなりません。また、締めの挨拶が締まらないと宴会全体の印象が悪くなってしまいます。
そこで、ここからは、宴会の締めの挨拶で使える基本的な例文をご紹介していきます。例文は3つのパターンに分けてご紹介しますので、宴会の規模や出席されている方の面子に合わせて、例文をうまく使い分けてみてください。
締めの挨拶:例文①
宴会の締めの挨拶の例文として、まず、誰もが思いつく定番の一文と言えば、こちら。「宴もたけなわだけですがこのあたりでいったん締めさせていただきます」という例文です。
この例文の意味は「宴会が非常に盛り上がっているところ、大変恐縮ですが、一旦お開きに向かって準備をさせてください」という声かけです。「宴もたけなわではございますが」という言い回しは、結婚式などで締めに入る時にも使用されます。
締めの挨拶:例文②
宴会の締めに入る際、司会者が知っておきたい締めの例文。続いては「今日は楽しい時間を皆様と過ごすこごとができて嬉しく思っております。飲み足りない方は二次会を準備しておりますのでぜひご参加ください」という例文です。
こちらの例文は、もう少しカジュアルな宴会で利用できる言い回しです。実際に二次会を企画している場合にも使える例文ですので、職場の若い方同士の宴会などに利用しやすい例文と言えるでしょう。
締めの挨拶:例文③
宴会の締めに使える例文、最後にご紹介するのは「最後に当社のますますの発展を願って一本締めをしたいと思います!皆様お手を拝借!イヨー(シャン)ありがとうございました」という例文です。
これは、本当に締めの挨拶となりますので、司会者ではなく、役職が上から2番めの方が使われることが多いようです。司会者が勝手に場を締めてしまわないように、ご注意ください。
宴会での挨拶の注意点
ここまで、宴会の挨拶の例文や、締めの文句、そして挨拶を依頼する役職などを詳しく見てきました。覚えなければいけないことがたくさんありますが、最後に忘れてはいけない注意点をまとめておきましょう。
司会者や幹事を担当される方は、宴会にご臨席いただくゲストや、挨拶を依頼された方の役職と顔をすべて覚えておく必要があります。宴会を企画する際から、司会者や幹事が気をつけるべき注意点は以下の通りです。
事前にお願いしておく
宴会で挨拶を依頼するときは、必ず余裕を持って事前に依頼するようにしてください。役職が上の方は、スケジュールも過密で多忙を極めます。
忙しい中、宴会の挨拶を依頼するわけですから、相手の立場にも配慮して、早めに依頼するようにしておきましょう。スケジュールによっては、挨拶を断れれる場合もありますので、早めに動くことが肝心です。
役職・立場の上下
宴会の挨拶を依頼する場合に、司会者や幹事がもっとも気をつけなければならないのは、挨拶を依頼する順番です。役職の上下を間違わないことは当然ですが、同じ部署や同等レベルの部署間の宴会などは、どちらにお願いするのかかなり厄介です。
同等の役職同士の部署間での宴会の場合は、入社歴が早い方に先に依頼するか、実年齢が上の方にお願いするか、判断が迷うところです。会社の先輩に相談して、確認の上で依頼する順番を間違えないように細心の注意を払ってください。
司会者の速やかな進行
宴会で司会進行がもたつくと、場がしらけてしまいます。司会担当者の方は、速やかにそしてスムーズに進行できるように、前もって宴会の目次や流れをしっかり押さえておきましょう。
マイク、音響の不具合も、司会者が一番気を遣うところです。アシストやサポートをお願いできる後輩や、宴会会場の裏方となっているスタッフの方に、事前に打ち合わせを行っておくことで、こういったトラブルを未然に防ぎましょう。
司会はあくまでも宴会の脇役です。主役となる挨拶に立たれる役職の方に華を持たせられるよう、服装は、清潔感がありながらも、控えめにされることをおすすめします。
宴会に挨拶はつきもの!頼まれても困らないようにしよう
宴会の挨拶の例文や、宴会で挨拶を依頼する順番、そして役職の詳細についてご紹介致しました。サラリーマンとして会社勤めを続けていく以上、宴会は避けられない会社の行事の一つです。
役職がつかないうちは、裏方や司会。役職がついたら、締めの挨拶や乾杯の音頭と、依頼される内容も変わってきます。
宴会の挨拶を考えるだけで億劫だと思う方が多いかもしれませんが、締めの挨拶などは、ほとんど例文だけで応用が必要ありません。乾杯の音頭や宴会の挨拶を依頼されたら、快く引き受けてあげてください!