「職位」の意味・使い方・種類まとめ!役職との違いも詳しくチェック!

「職位」の意味・使い方・種類まとめ!役職との違いも詳しくチェック!

「職位」という用語をビジネスなどで聞くことがありますが、「職位」とは何を指すのでしょうか。役職や職務とは何が異なるのか、明確に説明できる人は多くないでしょう。そこで今回は職位の意味や使い方、種類などについて紹介します。自分の職位についても確認しておきましょう。

記事の目次

  1. 1.「職位」の意味とは?
  2. 2.「職位」と「等級」
  3. 3.「職位」の書き方
  4. 4.「職位」の種類
  5. 5.「職位」の類語①役職
  6. 6.「職位」の類語②職階
  7. 7.「職位」の類語③職責
  8. 8.「職位」の英語表現
  9. 9.「職位」の意味を正しく理解し使おう!

「職位」の意味とは?

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「あなたの現在の職位は何ですか?」と聞かれて即座に答えられるでしょうか。アンケートや転職の面接試験などできちんと答えられないと恥ずかしい思いをするでしょう。一方で「あなたの役職は何ですか?」と聞かれた場合は比較的多くの人がきちんと答えられるのではないでしょうか。

「職位」と「役職」の違いについて理解する前に、まずは「職位」とは何を意味するのかを説明しましょう。

①仕事上の地位のこと

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「職位」とは、仕事上の地位を意味します。「職」の地「位」あるいは「位」置で、「職位」です。自分の仕事上の地位が組織の中でどのあたりに位置しているかということです。この意味における職位は、かつて日本で主流だった「職能資格制度」において特有の概念であるとされています。

「職能資格制度」とは、職務を遂行する能力をどの程度有しているかによって従業員の序列づけを行い、職能給として賃金に反映させる制度であり、その序列づけされたランクが職能資格(職位)です。

例えば軍隊における呼称ですが、権限や役割を示す役職(部長とか隊長)とは別に、大佐とか中佐といった階級があり、これが「職位」と呼ばれるものです。

②職位の役割・職務を表す

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それに対し、最近では「職位」が「役割・職務」を表すケースが一般的になっています。例えば代表取締役というと会社を代表するという役割(職務)を表しますし、営業部長という場合は、会社の営業部門の責任者という役割を表します。これらは「職位」が仕事上の地位ではなく、役割や職務を表すケースです。

このように「職位」は「地位」と「役割」を意味します。漢字の語源を重視するなら「①仕事上の地位」の意味を重視すべきですが、実際には「職位」が役割の意味で使用されているケースも目立ちます。

「職位」と「等級」

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「職位」が地位を示すとして、大佐が中佐より上だとか、部長が課長より上というのは常識的にわかる話です。しかし、すべての「職位」をそのように常識とか感覚で判断することはできませんし、効率的ではありません。したがって、「職位」と「等級」を定めてこれらをマッチさせて、能力面や給与面に反映させるのが効率的です。

例えば、「等級」を1級から9級まで定め、それぞれの級に対して、職務の種類を割り当てていくイメージです。

部長は最も上級の「9級」又は「8級」、課長は「7級」又は「6級」、一般社員は最も低い「1級」又は「2級」などとすれば、いろいろな面でメリットがあります。等級に合わせて就くことができる職が決まりますし、また給与も決まってくるので、人事管理がしやすくなります。

「等級」と「職位(階級)」と「役職」

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「等級」と「職位」と「役職」の関係を表すと、「等級」というランクごとに「職位」を定め、その「職位」に該当する「役職」の種類を決めていくという関係になります。例えば「6級」という「等級」に「課長」という「職位」を定め、これに該当する「役職」として「課長」「室長」「参事」「チーム長」「プロデューサー」等々の種類を充てていきます。

公務員の級・号俸

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「等級」の使い方に関しては、公務員の事例が分かりやすいといえます。公務員の給与は、法律(条例)の俸給表(給料表)で明確に定められていますが、給与の基準になるのは「級(等級)」と「号俸(号給)」です。「級(等級)」は先ほど説明したように1級、2級、3級と定められています。役職に応じて級が割り当てられています。

一方、同じ役職で給与が同じというわけでなく、もう一つ「号俸(号給)」と呼ばれる基準があります。「号俸(号給)」は、勤務年数や功績、能力などが反映されるものです。したがって、同じ「課長級」でも給与が異なります。

「職位」の書き方

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ここでは「職位」の書き方について紹介しましょう。上記のとおり、職位には2つの意味があります。仕事上の地位は「課長(級)」であるが、実際の肩書(役割・職務)は別の呼称というケースはよく見られます。役職不足をそれらしき呼称をつけることで補っている面も否定できません。では、どのように「職位」を記載すればよいのでしょうか。

まず「職位(地位)」で記載するのか「役職(職名)」で記載するのかを整理しないといけません。記載を求められている趣旨を理解して、どちらで記載すべきかを考えましょう。

①職位は「役職」で記載

基本的には、「職位」は「役職」で記載すれば問題ありません。ただし、この「役職」と呼ばれるものも一筋縄ではありません。なぜなら、「役職」と言われるものは必ずしも法定されているわけではなく、会社が自由な裁量で定められるものです。したがって、世の中には、よくわからない種類の職名が存在しているのが実態です。

例えば、会社法上は、取締役(代表取締役)、会計参与、監査役という役職が定められていますが、それ以外の種類の役職は規定されていません。

相当する「職位」を記載する

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業界特有の職名が付される場合もあります。テレビの業界では、プロデューサーなどの名を頻繁に聞くことがあります。これら特有の職名をそのまま記載したのでは、統計上の活用で支障がある場合もあるでしょう。したがって、実際の職名ではなく、相当する「職位」を記載する方がよい場合もあります。

管理職なら「課長」あるいは「次長」と記載するといった具合です。これらを判断するには「等級」があれば便利ですが、なければ組織内の他の役職の者との職務関係で判断するしかありません。

②職位がない場合は「一般社員」

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入社して間もない社員など「職位」(役職)がない場合もあります。俗に平社員と言われる存在ですが、そのような場合は「一般社員」と記載しておくのが無難です。あるいは「職位なし」でも構いません。上記のとおり、沿革的には「職位」はランクを示すものですから、職位がないとは一番下(スタートの部分)の「職位」を示すのは当然と言えます。

③該当職位がない場合はその他に記載

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また、「職位」の種類を選択する形式のアンケートなどの場合、該当する「職位」が列記されていないというケースもあります。アンケートを作成する側もおよそ全ての種類の職名を用意しておくことは不可能です。

このような場合は、相当する「職位」が判断できる場合はそれを記載すれば事足りますが、それが判別できない場合は自由記載欄になっている「その他」に自分の役職名を記載するのが適当です。

「職位」の種類

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では、実際に「職位」にはどういう種類があるのでしょうか。それぞれの業界や仕事の種類に応じて、いろいろな種類の「職位」がありますが、ここでは「一般企業」の場合、「公務員」の場合、「警察官」の場合、「外資系企業」の場合における「職位」の種類について紹介しましょう。

①一般企業の場合

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一般の企業の「職位」の種類については、概ね「主任」「係長」「課長」「次長」「部長」「監査役」「常務」「専務」「社長」「会長」があります。ここでいう「常務」「専務」は、基本的には「常務取締役」「専務取締役」を意味し、「常務執行役員」や「専務執行役員」と呼ばれるものとは異なります。

「取締役」と「執行役員」との違いは、「経営者」と「従業員」の違いです。「常務執行役員」や「専務執行役員」は「職位」の上では「次長」や「部長」に相当するものであり、「常務取締役」や「専務取締役」とは異なります。

しかし、実際には両方を兼ねているのが実態で、「取締役兼常務執行役員」のような肩書きが付されています。

②公務員の場合

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公務員といっても国家公務員と地方公務員とがあり、また職種もさまざまなので、各行政機関で「職位」は一様ではありません。一般の行政職の地方公務員の場合、「主事」「主任」「主査」「係長」「副主幹」「課長補佐」「主幹」「室長」「課長」「次長」「部長」という序列になっているのが一般的です。

国家公務員(省庁)の場合は、「事務官(技官)」「主任」「係長」「理事官、企画官、管理官」「室長」「課長補佐」「課長」「局次長」「部長」「局長」「官房長」「事務次官」というような序列になるのが基本です。

教員の場合

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公務員の中でも、教員になると呼び名が全く異なります。大学における教員の「職位」は、「学長」「教授」「准教授」「講師」「助教」「助手」となっています。以前は「教授」の下に「助教授」がありましたが、今は「准教授」と呼ばれています。「助教」と混同してしまいがちですが、「助教」と「准教授」は立場が違います。

一方、小学校や中学校になると「教授」は出てきません。「校長」「教頭」「教諭」という職位が出てきます。このように教育現場でも、学校の種類により呼び名が全く異なります。

③警察官の場合

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警察官も公務員ですが、警察官の階級は少し特異です。何が特異かというと、警察官職位のの種類ははっきりとしており、警察法において規定されています。警察法62条において、警察官の階級(職位)の種類は、「巡査」「巡査部長」「警部補」「警部」「警視」「警視正」「警視長」「警視監」「警視総監」とされています。

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上記の警察官の「職位」は、本来の意味での「職位」であり、役職とは異なることが分かるでしょう。例えば、テレビでもおなじみ「捜査一課」の課長(役職)の階級は、「警視正」であるとされています。階級(職能資格)に応じて役職を与えている「あるべき姿」と言えるでしょう。

④外資系企業の場合

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最後に外資系企業の「職位」の種類です。一般的には、「Staff(スタッフ)」「Chief(チーフ)」「Manager(マネージャー)」「Division Manger(ディビジョンマネージャー)」「Direcotr(ディレクター)]という呼称が一般的です。いろいろな英語の役職が出てきてすぐに仕事の役割のイメージができない職名もあります。

経営者の部門になると、「CEO(最高経営責任者)」「COO(最高業務執行責任者)」「CIO(最高情報責任者)」などの役職もあります。

テレビ局の場合

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外資系とは直接関係はありませんが、テレビ局における「職位」も横文字で表現されるのが通例であり、序列は「アシスタントディレクター(AD)」「ディレクター」「アシスタントプロデューサー(AP)」「プロデューサー」という順番です。

「ディレクター」というと指揮監督する「偉い」立場という印象がありますが、テレビ局の現場では「ディレクター」よりも「プロデューサー」の方が上になります。

「職位」の類語①役職

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ここからは、「職位」の類語について整理してみます。1つ目は「役職」です。現実には「職位」の類語として「役職」という言葉が使われることが多いのが現実です。「役職は何ですか?」と聞かれることはあっても、「職位は何ですか?」と聞かれることはほとんどありません。

しかし、上述のとおり、厳密には「職位」と「役職」は明確に異なります。端的にいうと、「職位」は仕事を行う能力を表すもの、「役職」は仕事の役割を表すものと理解しておきましょう。

役目や職務を表す

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もう少し言うなら、「役職」を見れば役目や職務内容が分かるというわけです。例えば、「代表取締役」であれば会社の代表権を行使する仕事ということが分かります。役職は対外的にどういう職務を行っているかわかる肩書にしないと意味をなしません。

一方、「大佐」とか「警視正」など「職位」の場合は、どういう職務内容や役目を負っているかまではわかりません。もともと対外的に役割を表示するものでなく、能力に応じた序列づけ(給与体系)を行うものですから、役割が分かる必要まではないわけです。

「職位」との違い

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とはいえ、一定の能力を持つ者に責任ある役職を担ってもらいたいと思うのは雇う側の人間からすれば至極当然の話といえます。その場合には、「この人には○○の職位がある」という基準があれば、役職に任命する上で便利です。その点、本来の「職位」は資格に近いものと考えてもいいでしょう。

例文:役職が上がれば給料があがる

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「役職」の例文には、「役職が上がれば給料があがる」「役職が下がれば給料も下がる」などの使い方があります。上述のとおり「役職」は役割や職務内容を意味するので、その上下とは仕事の重さや「偉さ」を表します。この場合、仕事の重さや「偉さ」は質と量の2つの側面があることが分かるでしょう。

「職位」の類語②職階

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「職位」の類語の2つ目は「職階」です。「職階」とは、「職務内容や責任の度合いなどによって定められた階級」を意味します。「階級」の「階」は、「階段」の「階」であり、「職」+「階」で、「職」が階段上のどの位置にあるかを示すといえば意味が分かるでしょう。

このように、「職階」は「仕事上の地位」という意味における「職位」と極めて近い意味の類語です。

組織内の階級を表す

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「職階」は「役職」が階段上のどの位置を指すのかということであり、組織内の階級を表すものです。組織には、企業体によってさまざまな種類がありますが、「職階」は、警察官や教員、一般行政職員(公務員)に限らず、民間企業や団体・組合などでも採用されうるものです。

「職位」との違い

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「職位」と「職階」の意味は極めて近く、意味が通じるかどうかは別の問題ですが、「職位」(地位という意味)を「職階」と置き換えても間違いではありません。違いを挙げるとすれば、「職階」という場合、制度としての階級を指すことが多く、「職階制」という使われ方をすることが多いことです。

例文:職階級では責任ある社員の給料が高い

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「職階」だけではなかなか何を指しているか判然できないことがありますが、「職階制」とか「職階級」のように使用されれば、漢字が思い浮かぶという人も多いのではないでしょうか。例文では「職階級では責任ある社員の給料が高い」「職階制のものとでは、すべての職はいずれかの等級に分類される」のように「職階」が使われます。

「職位」の類語③職責

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「職位」の類語の3つ目は「職責」です。「職責」とは「職務(役職)における責任」を意味します。役につくと、何らかの責任がくっついてくるのが通常です。例えば、上司であれば部下の監督責任があるとか、システム管理者であればシステムを管理する責任があるとか言われます。

職務上の責任を表す

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ある仕事をしなかったときやうまくいかなかったときに誰が責任を取るかの問題にあり、通常は「役割」や「職」に伴って決まっていることから、「職責」と呼ばれているのです。通常、権限には責任を伴うものです。

平社員といえども、仕事をする以上何らかの権限を使って仕事する以上責任を負っているものです。やりっぱなしで失敗しても責任を取らなくていい仕事というのはおよそ存在しないといっていいでしょう。

「職位」との違い

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「職位」は「仕事上の地位」とか「職務」「仕事の役割」を指すものであり、責任という意味を持つものではありません。よく「係長の職責」とか「課長の職責」という使い方をされ、「職位(あるいは職務)」+「責任」=「職責」と考えておけば概ね間違いではありません。

例文:定年まで自分の部署の職責を果たす

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「定年まで自分の部署の職責を果たす」「残りの人生、代表取締役としての職責を全うしたい」の例文のように、「職責を果たす」「職責を全うする」という表現を使います。反対に職責を果たさない場合には、「職責を放棄する」という表現もみられます。「国会の会期を延長しないのは政治家としての職責を放棄したようなものだ」というような使い方です。

「職位」の英語表現

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「職位」を英語で表現するとどうなるでしょうか。国際社会である現代において、ビジネスシーンでは「職位」を英語で使われることもそれほど稀ではありません。特に外資系企業では、役職自体が英語で表記されていることが多いので、それとセットで「職位」の英語表現を確認しておくと便利でしょう。

①position

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英語表現の1つ目は「position」です。「position」は位置や場所を表す英単語ですが、組織や社会内の「地位」「身分」を表す場合にも使います。「position」だけでも通じますが、より明確に表したい場合には「job position」と表すことも可能です。

「job」(仕事)という英語を使うのであれば、「job status」で「仕事上の地位」を表現することもできます。

②job title

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英語表現の2つ目は「job title」です。「job(仕事)」+「title(名前)」であり、直訳すると「仕事の名前」であり、「職名」「役職名」「肩書き」を意味します。「係長」や「主任」「マネージャー」「アシスタントプロデューサー」など様々な役職がありますが、それらはすべて英語でいうところの「job title」です。

「job title」は仕事につけられた題名とか名称というニュアンスがあり、英語表記としては少しぎこちない印象を与える表現です。

③rank

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英語表現の3つ目は「rank」です。日本語でも「ランクが高い」とか「ランキング」と使われるように、なじみが深い英語です。「rank」は「階級」を意味します。「rank」のほかに、階級を指すのに「class」を使うことも可能です。

英語で職位を表すのに「rank」だけでも通用しますが、「job rank」とすればより明確に「職位」の意味が明らかになるでしょう。

④post

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英語表現の4つ目は「post」です。「post」というと郵便物を思い浮かべますが、「post」という英語には「地位」とか「勤め口」「職」という意味があります。動詞には「配置する」「置く」という意味もあり、仕事上配属される職をイメージすることができます。日本語でも「○○のポストに就く」などということもあります。

「職位」の意味を正しく理解し使おう!

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今回は「職位」について紹介しました。「職位」の意味には2つあることやさまざまな類語や言い換え表現があることが分かっていただけたのではないでしょうか。ビジネスシーンなどで「職位」の意味を正しく理解し、自分や相手の「職位」を間違えることなく紹介したり言及できるようになるのが理想的ですので、気をつけて「職位」を使うようにしましょう。

たけかずや
ライター

たけかずや

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