体調不良メールにどう返信する?
生きていれば誰でも、時には体調不良に陥ります。あまりに辛い場合には仕事を休まざるを得ない事もあるでしょう。昔は電話で「体調不良で休みます」と伝えたものでしたが、最近では上司からでも部下からでも、メールで伝えるのが多いようです。
メールの場合では直接話すわけではないので、微妙なニュアンスが伝わりにくい傾向にあり、お互いにとって便利なようで不便であったりもします。ですが何事にもコツというものがあるように、体調不良メールへの返信メールの書き方にもコツがあります。
今回は社会人の方に向けて同僚から、上司から、または社外の人から「体調不良」のメールが来た場合の対処法、上手な返信メールの書き方のマナーやNGマナー、返信に使える便利なフレーズ、そして返信メールの書き方に役立つ実際の返信メールの例文などを、ご紹介していきましょう。
体調不良メールへの返信の書き方
「今日は風邪をひいてしまって」「熱があって」「体調がすぐれなくて」などの内容の体調不良メールが、届いた場合にどのようなフレーズを使って、どのような内容のメールをどのような書き方で返信していますか?
ここでは体調不良のメールに対して返信メールの書き方の、大切なマナーのポイントを2つご紹介いたします。メールというのは便利なものですが、文字だけで気持ちを表さなければならないという難しいものでもありますので、書き方のポイントをしっかりと抑えて返信メールを書きましょう。
相手への気遣いが第一
体調不良メールへの返信メールの書き方のマナー、1つ目は「相手への気遣いを第一にする」ということです。体調不良だとメールをくれている相手に対して、その返信の中で、上司や部下など相手の体調に対して気遣いをすることは非常に大切な事です。
まず何よりも最初に、体調不良に対しての気遣いを表す事によって、今後の社内外でのスムーズな人間関係を作ることに繋がります。返信メールの最初には「大丈夫ですか?」、そして返信メールの最後には「ゆっくり休んでください。お大事に」などといったような気遣いを表すのがマナーです。
大人の対応を心がける
体調不良メールへの返信マナーのポイントの2つ目は「大人の対応をするようにする」ということです。自分を含め、誰だって体調不良になることはあります。仕事が非常に忙しかったり、季節の変わり目などで気温の変化が著しかったり、またはストレスであることもあるでしょう。
ですが職場においては、急に休まれると困ってしまう事も多いでしょう。ですが、体調不良のメールを送信してきた相手に「今日は休まれると困るので、頑張って出勤してください」などのメールを返信するのは非常識ですし、マナー違反です。
相手に休まれることで、その日の仕事が大変になるかもしれません。ですが相手は体調不良なのです。体調が優れないと気持ちも優れません。そんな時に無理な返信メールを送ってしまうと、今後一緒に仕事をしていくうえで障害をつくってしまいます。大人の対応で返信しましょう。
体調不良メールへの返信マナーNG例
では、一体どのようなところに気を付けて体調不良メールに対する返信メールを作成すればよいのでしょうか。その正しい返信メールの書き方をご紹介する前に返信マナーの「NG」例をご紹介いたします。ここでご紹介するようなメールはマナー違反となりますので、絶対に返信してはいけません。
嫌味っぽい
体調不良メールへの返信メールNG例の1つ目は「嫌味っぽい」ということです。例えば「昨日までとても元気にしていたのに、急に体調が悪くなったなんてどうしたの?」とか「あなたが休むことで仕事がどうなるか考えてからメールを寄越しているの?」などといった、まさに「嫌味」です。
仕事が非常に忙しい時に休まれると、正直大変厳しいでしょう。嫌味のひとつも書きたくなるかもしれません。ですが相手に対して嫌味を込めた返信メールを送ったところで、相手の体調不良が治るわけではありませんし、仕事が楽になるわけでもありません。
返信メールに嫌味を書いても何も変わらないのです。変わらないどころかマイナスにしかならないのです。自分が体調不良の時に上司に嫌味を言われたことを、しっかりと思い出しましょう。今後のためにも体調不良メールに対する返信メールには「嫌味」は絶対に書いてはいけません。
気遣いがない
体調不良メールへの返信メールNG例の2つ目は「気遣いがない」ということです。相手が「熱があるので、今日はお休みをいただきたいのですがよろしいでしょうか?」などの体調不良のメールを送ってきたのに、そのメールに対し「分かりました」の一言だけの返信メールはいただけません。
前述の通り、体調不良の時はいつもより非常にナーバスになっています。そんな時に「分かりました」だけの返信メールを受け取った相手は、どのように感じるでしょうか。恐らく「怒ってるのかな?」「冷たいな」と感じることでしょう。
「病は気から」という言葉があります。これは良くない意味で使われることが多いですが、裏を返せば「周りの気遣い次第で良くなるのが早くなる」ということもあるのです。気遣ってもらうと気持ちが安定するので、それが体調不良にも良い影響を与えるのです。
大事な話をする
体調不良メールへの返信メールNG例の3つ目は「大事な話をする」ということです。ただでさえ体調不良で、頭も回らない状態なのに「大事な話」をされるというのは非常に辛いで、体調不良が悪化してしまうかもしれません。
よほど急ぎの話で、絶対に今日中に話さなければならないことがある時以外は、体調不良メールへの返信メールで大事な話をするのは、やめておいたほうが良いでしょう。どうしても急ぎの大事な話がある場合でも可能な限り、短く書くようにしましょう。
体調不良メールの返信に使えるフレーズ
ここからは体調不良メールへの返信メールで使えるフレーズを、いくつかご紹介していきましょう。ここでご紹介するフレーズを体調不良メールへの返信メールに上手に組み込んでいくことで、相手は安心して心身を休ませることが出来ます。積極的に使用していきましょう。
ご心配なさらず
体調不良メールへの返信メールで使えるフレーズの1つ目は「ご心配なさらず」です。この言葉には「仕事や会社のことは心配しないで、ゆっくりと休んでください」という気遣いの気持ちを伝えるフレーズとなっています。丁寧な言葉ですので、上司や社外の人にも使えます。
体調不良の最中にいる相手だって、自分が休むことで仕事が滞ってしまう、同僚や上司など周りの人に迷惑や負担をかけてしまうことを気にしているのです。ですので、その相手の気持ちを考えて「ご心配なさらず」と返信メールに書くと、相手は心から安心して療養出来ますので効果的です。
ぜひお大事になさって
体調不良メールへの返信メールで使えるフレーズの2つ目は「ぜひお大事になさって」です。このフレーズは公私ともに良く使われるフレーズですので、一度は聞いた事、またはも使ったことがある方も多いのではないでしょうか。丁寧な表現なので上司や社外の人にも使う事が出来ます。
この言葉は「お大事にしてください」というのを、更にていねいに表現した言葉となっています。ですので自社の人に対してだけでなく、お客様やお取引様などへの返信メールにも安心して使うことが出来ます。「お大事に」という言葉は相手に安心を与えてくれる大事な言葉なのです。
しっかりご自愛なさって
体調不良メールへの返信メールで使えるフレーズの3つ目は「しっかりご自愛なさって」です。「ご自愛」という言葉の意味は「自分自身をいたわって、しっかりと休むこと」ということです。ですのでこのフレーズを使う事で、何よりも相手の体調を一番に考えているという気持ちが伝わります。
「ご自愛」とは読んで字のごとく「自分で自分を愛する」ということです。今は何よりも自分自身の体調を大事にしてください」という、心からの心配が相手に伝わる表現となっていますので、ぜひ使ってみてはいかがでしょうか。とても丁寧な表現なので上司や社外の人にも使えます。
ご体調が良くなられる
体調不良メールへの返信メールで使えるフレーズの4つ目は「ご体調が良くなられる」です。例えば「ご体調が良くなられることを願っております」のように使います。この表現は相手の体調不良が一日でも早く快方に向かうように、という気持ちが込められた言葉となっています。
更に入院するような酷い状態である相手に対しては「ご体調が良くなられることを心よりお祈りいたします」のように、より丁寧な言葉を使うことをおすすめいたします。そうすることで相手も「自分の回復を望んでいるんだ」と感じて、より心強く治療に専念することが出来るでしょう。
ぜひご養生してください
体調不良メールへの返信メールで使えるフレーズの5つ目は「ぜひご養生してください」です。「養生」という言葉の意味は「心身ともにゆっくり休む」ということとなっています。ですので「ぜひご養生してください」というのは「どうかゆっくりと心身を休めてください」ということです。
更に「気になさらず」というフレーズを付け加えて「仕事のことは気になさらず、ゆっくり養生してください」のようにすると、相手は申し訳ないという気持ちと共に感謝の気持ちを感じることでしょう。心の安定は身体の安定につながります。ぜひ優しいメールを返信してあげましょう。
体調不良メールへの返信例文
体調不良メールへの返信メールについて、作成する時のマナー、ポイント、NG例、そして体調不良メールへの返信メールで使えるフレーズをご紹介してきました。ここではそれを踏まえて例文をご紹介していきます。では早速、実際の体調不良メールへの返信メールの例文をいくつかご紹介していきます。
社内向けメール(上司へ)
では初めに、上司から体調不良メールを受け取った際の返信メールの例文をご紹介していきましょう。相手は上司ですので言葉遣いに気を付けて書きましょう。「佐藤部長お疲れさまでございます。斎藤でございます。本日は体調不良でお休みされるとのこと、承知いたしました。
お体の具合はいかがでしょうか?会社のことはご心配なさらずに、本日はどうぞゆっくりと養生なさってください。よろしくお願いいたします」のような例文となります。ポイントは出来るだけ短いメールを作成することです。体調不良でも難なく読めるように工夫して作成しましょう。
社内向けメール(部下へ)
次にご紹介する例文は、部下から体調不良メールを受け取った際の返信メールの例文です。では早速、ご紹介していきましょう。「佐藤さんお疲れさまです。斎藤です。体調不良でお休みとのこと承知しました。大丈夫ですか?本日はしっかりと休んでお大事にしてください。」のようになります。
例文のようにメールの途中で「大丈夫ですか?」などといった、相手を気遣う文言を入れる事によって、部下である相手はより安心してゆっくりと身体を休めることが出来ますので、このフレーズは積極的にメールに入れていきましょう。
社外向けメール
次にご紹介するのは、社内の人宛てではなく取引先様など、社外の人から体調不良メールを受け取った際の返信メールの例文となります。上司や部下などの社内の人向けの返信メールとは、全く変わってきますので注意しましょう。
「(相手の会社名)株式会社営業部佐藤様(改行)いつもお世話になっております。(自分の会社名)の斎藤でございます。(改行)佐藤様が体調を崩されているとのこと、大変驚いている次第でございます。心よりお見舞い申し上げます。
今回のお取引の件は、いったん保留にしていただいても問題は一切ございません。まずは、佐藤様のご回復が第一ですので、どうぞご自愛なさって、ごゆっくりとご養生ください。佐藤様の一日も早いご回復を心より願っております。
なお、返信はご不要でございますので、どうぞお気遣いいただきませんようお願い申し上げます。よろしくお願いいたします」のような例文になります。少々長い返信メールになってしまいますが、相手がお取引先などの社外の人の場合には致し方ないところがあります。
リスケが必要な場合
「リスケ」という言葉を聞いたことがありますか?「リスケ」とは「リスケジュール」の略で、既に決まっていたスケジュールを組み直すことです。急に仕事を休むことになって、リスケが必要になった場合には、その旨をしっかりと相手に伝えなくてはいけません。
その時には休みの連絡のメールに「私の都合で大変申し訳ございませんが、計画(スケジュール)の調整をお願い出来ませんでしょうか?」や「こちらの都合で大変恐縮ではございますが、スケジュールの組み直しをお願い致します。」などの文言を付け加えましょう。
体調不良メールの返信は相手への気遣いを忘れずに
今回は体調不良メールを受け取った際の返信メールにおいて、気を付けなければならないこと、返信メールの書き方のポイントやマナー、またNGマナーや使えるフレーズ、実際の返信メールの例文などをご紹介してきました。いかがでしたでしょうか。
前述いたしましたが、メールというのはとても便利なものですが実際に顔を合わせるわけでもなく、話せるわけでもないので、その言葉遣いや使うフレーズ、書き方のマナーなどには細心の注意を払わなければいけません。
今後、社内や社外の関わりのある人たちとより良い関係性を構築していくためには、このような非常時での正しい対応がとても重要となってきます。どんなに多忙でも、大人の対応を忘れずに正しいマナーで相手の体調を気遣った返信メールを送れるようにしましょう。