レターパックの書き方解説!
郵便局のレターパックには「ライト」と「プラス」の2種類があり、速達と同等の送達速度を誇っています。さらに、平日だけでなく土曜日・日曜日・祝日も配達されることから、ビジネスやオークション、通販など様々な用途に使用できる、とても利便性の高いサービスです。そこで、レターパックの書き方について解説します。
用途によって書き方が異なる
レターパックは、かつて「エクスパック」の名称で親しまれていましたが、レターパック「ライト」と「プラス」に改良されたことから、利用できる用途は大きく広がりました。
現在は、個人間だけでなくビジネスやオークション、通販などで利用されていますが、その用途によって、書き方には注意が必要です。特にビジネスの場面で会社宛てに送る場合だと、ビジネスマナーを踏まえた書き方をマスターしなければなりません。
レターパックの基本的な書き方
レターパックの宛名面には、お届け先の住所や名前、電話番号のほか、依頼主の住所や名前、電話番号を記入する欄が設けられています。さらに、内容品の品名も記入しなければなりません。これらの中には、どのような書き方をすればよいか、迷ってしまう記入欄もあります。そこで、レターパックの宛名面の基本的な書き方を解説します。
①郵便番号
「郵便番号」欄には、7桁の郵便番号を記入します。郵便番号がわからない場合は、インターネットで「郵便番号検索」と検索すると、日本郵便のホームページにある郵便番号検索ページが見つかります。
このページでは、都道府県名や市区町村名はもちろん、地図からでも郵便番号を検索することができます。なお、郵便番号を記入する際は、枠からはみ出さないよう、わかりやすく丁寧に記入しましょう。特に「7」と「9」や「1」と「7」は間違いやすいので注意が必要です。
②お届け先(To)
「お届け先(To)」欄には、「おところ」「おなまえ」「電話番号」の3箇所を記入します。「おところ」欄には、宛先の住所を記入します。都道府県名は省略しがちですが、あまり好ましいことではありません。また、誤配を避けるために、番地やマンション名、号室まで正確に書くのがポイントです。
「おなまえ」欄には、宛先の個人名や会社名、団体名などを記入します。併せて、振り仮名を振っておくと誤配防止にもつながります。また、会社や団体に送る場合は、併せて担当者名を記入しておくと配達もスムーズです。
なお、敬称については、既に「様」が印字されているので、個人名に宛てて送る場合は、「様」を記入する必要はありません。会社名や団体名に宛てて送る場合の書き方は、「様」を二重線で消して「御中」と記入します。
③ご依頼主(From)を記入
「ご依頼主(From)」欄には、「届け先(To)」欄と同様に「おところ」「おなまえ」「電話番号」の3箇所を記入します。「おところ」欄には、送り主の住所を記入します。書き方の注意点としては、都道府県名は省略せず、番地やマンション名、号室まで丁寧に記入することです。
「おなまえ」欄には依頼主の名前を記載します。振り仮名を振るとともに、会社名や団体名で送る際には、担当者名を記入するのが正しい書き方です。また、相手に謙った印象を与えるためにも、「おなまえ」と印刷されている部分の「お」の字は二重線で消しましょう。
④品名
「品名」欄には、レターパックに納入する送付物の内容を記入します。ここに記入された品名から、郵便局では、納入された送付物がレターパックとして引受可能であるか確認します。また、遠方に宛てるものは、航空搭載を行いますので、飛行機に搭載できる品名であるかも判断します。したがって、書き方としては正確に記入することが求められます。
簡単な品名で良い
「品名」欄は、レターパックをお届け先に安全に配送するためにも、非常に大切な部分です。とりわけ、遠方に送る場合、レターパックは航空便に搭載されますので、品名のチェックも厳しくなります。
したがって、「品名」欄は正確に記入しなければなりませんが、書き方としては、内容品の詳細まで記入する必要はありません。大切なのは、内容品が郵便法で禁止されているものでないかが、確認できるか否かです。
例えば、履歴書を送付する場合だと「履歴書」と細かに書く必要はなく、「書類」と簡単な品名で問題ありません。ただし、「雑貨」や「食品」などは、曖昧な書き方になってしまいますから、「フィギュア」「カップヌードル」など、内容品が端的にわかる書き方が良い見本となります。
レターパックのビジネスや会社向きの書き方
レターパックは利便性の高さから、ビジネスの場面でも利用されることが多くあります。前項では、一般的なレターパックの書き方について解説しましたが、ビジネスの場面では、相手に失礼がないよう、書き方には注意点があります。ここでは、レターパックを会社宛てに発送する際の書き方について解説します。
基本的な書き方を見本に追加で書き込む
ビジネスの場面で会社宛てにレターパックを送る際、基本的な書き方は、個人宛てのものと大きく変わりません。つまり、個人宛てのレターパックの書き方を見本にして、追加で書き込む形になります。したがって、個人宛てのレターパックの書き方をマスターしておくことが前提となります。
ビジネスマナーに気を付ける
レターパックをビジネスで使う場合、ビジネスマナーを意識した書き方が必要です。そこで、個人宛の書き方を見本に「会社名」「部署名」「役職」を加えて正確に記入しましょう。特に取引先の会社など、社外にレターパックを送る際には、各項目に記入漏れや間違いがあると、先方に失礼にあたるので、細心の注意を払わなければなりません。
①個人宛には「様」
レターパックの「おなまえ」欄には、あらかじめ「様」と記載されています。会社名で送る際でも、担当者が明らかな場合、個人宛の書き方を見本とすればよいでしょう。つまり、担当者名に役職を追加し、「様」はそのまま利用します。この時、姓だけ記入して名前を省略する人もいますが、相手に対して大変失礼な書き方ですから注意しましょう。
また、役職は人事異動などで変わっている場合もありますから、よく確認して正確に記入することが、ビジネスでの書き方です。ちなみに、依頼主欄にある「様」については、謙った印象を与えるためにも、二重線で消しておくのが丁寧な書き方です。
②個人を特定しない時には「御中」
送付先の担当者が特定できない場合、会社名もしくは部署名で送らざるを得ませんから、個人宛の書き方の見本は使えません。この場合、「おなまえ」欄には会社名もしくは部署名を記入する書き方になります。したがって、「様」は使えませんから、「様」を二重線で訂正し、その傍らに「御中」と記載するのがビジネスマナーです。
③振り仮名を付ける
レターパックの「お届け先」欄に、振り仮名を付ける欄は設けられていませんし、一般的な書き方の見本でも記入されていません。しかし、発送先の会社名、部署名、担当者名には振り仮名を付けておくと親切です。
レターパックプラスは対面配達ですから、郵便局の配達担当者が、受取人の名前を読み上げます。そこで、読み間違えのないように振り仮名を付けておくことで、「気配りのできる人だ」「ビジネスマナーを知っている人だ」といった好印象を与える書き方になるのです。
また、ビジネスでの関係が浅い相手にレターパックを送る場合、「依頼主」欄にある、会社名や部署名、担当者名に振り仮名を付けておくと、社名や担当者名を覚えてもらいやすくなります。些細なことですが、この書き方は効果絶大です。
④丁寧な字で書く
一般の封書やはがきであれば、住所や宛名をプリンタで印刷することができますから、手書きの必要はありません。しかし、レターパックの場合、手書きが基本ですから、丁寧な文字で書くことが最低条件となります。
文字が上手でなくとも、丁寧に書くことによって「誠実」「真面目」といったイメージを与えることができます。反対に、雑に書かれていると、マイナスイメージを与えかねませんから要注意です。
相手の事を考えたレターパックのマナー
レターパックは発送用として非常に重宝しますが、返信用として活用する際にも便利です。実は、レターパックを返信用として、他の発送物に同封することは禁止されていると思っている人も少なくありませんが、全く問題ありません。ここでは、返信用など相手の事を考えたレターパックの書き方を紹介します。
返信用としてレターパックを使う時
返信用にレターパックを利用する場合、単に未使用のレターパックを相手に送り付けるのでは、少し雑な扱いだと言えます。返信用としてレターパックを使う時の書き方としては、少なくとも宛名面に住所や名前などを記入しておきましょう。できる限り相手に手間を取らさぬよう、配意するのが最低限のマナーを踏まえた書き方です。
①返信用レターパックに自分の届け先を記入
返信用レターパックを同封する場合、一般の書き方を見本にして「郵便番号」「住所」「氏名」「電話番号」をあらかじめ記入しておくのがマナーを踏まえた書き方です。また、一般的な書き方の見本にはありませんが、名前には振り仮名を付けましょう。住所は都道府県名を省略せず、番地やマンション名、号室なども正確に記入するのが正しい書き方です。
②届け先の「様」を二重線で消して「行」を記入
返信用レターパックの「お届け先」欄の「おなまえ」欄には、あらかじめ「様」と印字されています。しかし、あえて「様」は二重線で消し、その傍らに「行」と書き加えるのが正しい書き方です。ちなみに、返信用レターパックを使って返送する際は、送り主が記載した「行」を二重線で消して「様」と書き直すのがマナーを踏まえた書き方です。
③レターパックを万垢から二つ折り
返信用レターパックを封入する際には、レターパックを縦にして、ちょうど真ん中になる部分から二つ折りにします。レターパックは折ってしまうと、使えなくなると思い込んでいる人も少なくありません。しかしレターパックプラス、レターパックライトともに、返信用としてレターパックなどに同封する際、折り曲げても問題はありません。
レターパックを送る際の注意点
郵便局がレターパックを引き受ける際、一番注意して確認しているのが、「品名」欄の内容です。最近、様々な地域でテロが発生しており、航空搭載に関しては規制も厳しくなっています。また、テロでなくとも「アルコール」など、気圧の関係などで発火する物質も数多くあります。そこで、レターパックを安全に送るための注意点を解説します。
香水はレターパックでは送れない
ネットオークションや通販で馴染みの深い香水ですが、レターパックで送ることはできません。多くの香水にはアルコール成分を含まれていることから「引火性液体」という品目に分類されます。郵便法で「引火性液体」は引き受けることが禁止されていますから、香水をレターパックで送ることはできないのです。
なお、香水に貼付されている成分表に「アルコール」「変性アルコール」「エタノール」「火気厳禁」などの記載があるものは航空搭載できません。こういったものは、絶対に送付しないよう注意しましょう。
アルコール度数による発火性物
発火性の高い物質として知られるアルコールもレターパックで送る際には注意が必要です。日本郵便では、取扱い可能なアルコール度数の限界を、内国郵便と国際郵便の別に定めています。
内国郵便の場合、レターパックや郵便物はアルコール濃度60%未満であれば送ることができます。ゆうパックだとアルコール濃度70%以下、1容器5リットル未満の条件を充せば、取扱可能です。国際郵便の場合、ゆうパックや郵便物の別に関わらず、アルコール濃度60%未満でなければ、取り扱うことができません。
ビジネスにおけるレターパックの使い分け
ビジネスの場面において、レターパックライトとレターパックプラスのどちらが利便性が高いのかは、単純に比較できるものではありません。大切なのは、どういった用途で使用するのかを明確にすることです。そこで、ビジネスの場面でレターパックライトとレターパックプラスを使い分ける方法を紹介します。
レターパックを多く利用する業種とは
レターパックをよく利用する業種は、弁護士・司法書士・行政書士・公認会計士、社労士といった「士業」になります。士業においては、顧客に関わる個人情報を取り扱う機会が多いので、対面で配達され日本一律料金のレターパックはとても重宝します。もちろん、士業以外の業種においても、個人情報や機密情報を扱う業種においては広く利用されています。
レターパックライトに適したビジネス用途
レターパックライトは、日本全国一律360円で、A4サイズ、重量4kg以下、厚さ3㎝までの郵便物などを送ることができます。配達はポスト投函になりますが、記録は残りますので安心です。したがって、ビジネスで会社宛てに請求書・見積書などの一般書類を送付する場合に、レターパックライトは適していると言えます。
レターパックプラスに適したビジネス用途
レターパックプラスは、日本全国一律510円で、A4サイズ、重量が4kg以下、厚さ3㎝以上でも既定のレターパックプラスの専用封筒に納入できれば発送可能です。レターパックライトとの大きな違いは、対面配達となる部分です。さらに、レターパックプラスは記録扱いですから、会社間における契約書の原本、戸籍謄本など重要書類の発送に適しています。
シーン毎のレターパックの書き方には注意
レターパックには「ライト」と「プラス」の2種類があり、どちらも記録扱いですから、平日だけでなく土・日・祝日も配達されます。それだけに、オークションや通販だけでなく、ビジネスの場面でも会社宛てに利用されています。
レターパックを賢く利用するには、その書き方をマスターしなくてはなりません。特にビジネスで利用するには、一般的なレターパックの書き方を見本にして、ビジネスマナーを踏まえた書き方を心掛けることが大切です。