「お気遣いいただきありがとうございます」の意味
ビジネスシーンなどで「お気遣いいただきありがとうございます」という言葉を見たり聞いたりすることがありますが、「お気遣いいただきありがとうございます」という言葉にはどういう意味があるのかわからない人もいるでしょう。
「お気遣い」という言葉の意味が分からないので、「お気遣いいただきありがとうございます」の意味も分からないということです。
敬語表現であることは何となくわかっても、「お気遣いいただきありがとうございます」の意味が分からず使えない人もいます。
「お気遣いいただきありがとうございます」とはどういう意味なのか、「お気遣いいただきありがとうございます」という言葉の意味をご紹介していきましょう。
自分の為への気配りや配慮に対する感謝
「お気遣いいただきありがとうございます」の意味は、「自分の為の気配りや配慮に対する感謝」という意味です。
社会人になると周囲の人からちょっとした気配りをされたりすることが増えますが、そういった時に「お気遣いいただきありがとうございます」という言葉を使います。
社交辞令でちょっとした気配りの言葉を言われることもありますが、それに対しても「お気遣いいただきありがとうございます」という言葉を使って感謝の気持ちを伝えます。
「お気遣いいただきありがとうございます」とお心遣いの違い
「お気遣いいただきありがとうございます」の意味についてご紹介しましたので、次は「お気遣いいただきありがとうございます」と「お心遣い」の違いについてご紹介します。
「お気遣いいただきありがとうございます」と似た言葉に「お心遣い」という言葉がありますが、実は「お心遣い」は「お気遣いいただきありがとうございます」とは違ったニュアンスがあります。
それは小さな違いのようでいて、結構大きな違いです。「お気遣いいただきありがとうございます」と「お心遣い」の違いとはどういう違いなのかについてもご紹介しましょう。
お心遣いの意味とは
「お気遣いいただきありがとうございます」と「お心遣い」の違いの一つ目は、「お心遣い」の意味です。「お心遣い」の意味は「相手が自分に対して気を遣う行動をしてくれたこと」という意味です。
「お気遣いいただきありがとうございます」の意味と似ていますが、一つ大きな違いがあります。それは、相手が自分に対して気を遣う「行動」をしてくれたという点です。
「雨で足元が悪いから気をつけて」と言うだけでなく、雨で足元が悪いからと車で送ってくれるといった行動をしてくれた場合には「お心遣い」ということになります。
真心や思いやりを示してくれること
「お気遣いいただきありがとうございます」と「お心遣い」の違いの二つ目は、「お心遣い」は真心や思いやりを示してくれることだということです。
確かに言葉で心配してくれたりするのも思いやりと言えますが、「お心遣い」は行動を伴った思いやりの表現です。
例えば誕生日に「おめでとう」と言うのは「気遣い」で、「おめでとう」と言ってさらにプレゼントをくれたりするのが「お心遣い」になります。
お心遣いは積極的な行動
「お気遣いいただきありがとうございます」と「お心遣い」の違いの三つ目は、「お心遣い」は積極的な行動だということです。
「お気遣い」というのは社交辞令などもありますので、そう積極的な行動ではありませんが、「お心遣い」は積極的な行動を表します。
「お心遣い」は相手が自分に対して真心を込めて積極的な行動を起こしてくれた場合に使う言葉ですので、「お気遣い」とは根本的に違います。
お気遣いとは使い方が違う
「お気遣いいただきありがとうございます」と「お心遣い」の違いの四つ目は、「お心遣い」は「お気遣い」とは使い方が違うということです。
先にご紹介したように「お心遣い」は積極的な行動に対して使われますので、「お気遣い」とは使い方も違うと言えます。
風邪で寝込んでいる時に「お大事に」と言われたら「お気遣いいただきありがとうございます」と言いますが、お見舞いまでしたもらった場合には「お心遣いに感謝いたします」というように「お心遣い」を使います。
このように「お心遣い」は、真心のこもった行動に対して使われる言葉ですので、社交辞令に対しても使う「お気遣いいただきありがとうございます」とは似ているようで違う言葉だと言えます。
「お気遣いいただきありがとうございます」の敬語の使い方
「お気遣いいただきありがとうございます」と「お心遣い」の違いについてご紹介しましたので、次は「お気遣いいただきありがとうございます」の敬語の使い方についてご紹介します。
「お気遣いいただきありがとうございます」という言葉は自分への気配りや配慮に対する感謝の気持ちを伝えるために使われる敬語表現ですが、「お気遣い」を使った敬語表現は他にもまだあります。
ビジネスシーンで良く使われる「お気遣いいただきありがとうございます」ですが、バリエーションを覚えるとさらに良いでしょう。
それでは、「お気遣いいただきありがとうございます」の敬語の使い方についてご紹介していきましょう。
お気遣いくださり
「お気遣いいただきありがとうございます」の敬語の使い方の一つ目は、「お気遣いくださり」という敬語の使い方です。
「お気遣い」という言葉は上司や取引先の相手などに良く使われますが、「お気遣いいただき」だけではなく「お気遣いくださり」という敬語表現でも使うことができます。
「お気遣いくださり」は「お気遣いいただきありがとうございます」に比べるとやや丁寧な敬語表現です。
なので「お気遣いいただきありがとうございます」では丁寧さが足りないと感じる時などには、「お気遣いくださりありがとうございます」というように言うと良いでしょう。
お気遣いただき恐縮です
「お気遣いいただきありがとうございます」の敬語の使い方の二つ目は、「お気遣いいただき恐縮です」という敬語の使い方です。
これは先にご紹介した「お気遣いくださり」よりさらに丁寧な印象のある言い方ですので、「お気遣いくださり」でもまだ足りない場合には「お気遣いいただき恐縮です」という言い方をおすすめします。
自分とは少し距離のある上司や目上の人などから気遣う言葉をかけられた場合には、「お気遣いいただき恐縮です」と言うと良いでしょう。
これだけ丁寧に言えば大概の相手は好感を抱いてくれますので、ぜひ「お気遣いいただき恐縮です」と言ってみましょう。
お気遣い賜り
「お気遣いいただきありがとうございます」の敬語の使い方の四つ目は、「お気遣い賜り」という敬語の使い方です。
この敬語の使い方は敬語としては最上級とも言えます。「賜る」という言葉は元々、天皇陛下などが何かを下さる時に使われていた言葉ですので、敬語の中では最も丁寧な使い方だと言えます。
取引先の社長などに何か気遣ってもらった場合などには「お気遣い賜り誠にありがとうございます」というように言いましょう。
「お気遣い賜り」は口頭ではなくメールなどで使うことが多いので、メールや文書で使うことをおすすめします。
「お気遣いいただきありがとうございます」の例文
「お気遣いいただきありがとうございます」の敬語の使い方についてご紹介しましたので、次は「お気遣いいただきありがとうございます」の例文をご紹介します。
「お気遣いいただきありがとうございます」という言葉はビジネスシーンなどで主に使われますが、それ以外にも使えます。
あまり親しくない人に、自分の事を気遣う言葉などを言ってもらった時などに使えば好印象を与えることもできます。
一般的な日常生活の中でも目上の人など色々な人に対して使えますので、例文を参考にして積極的に使いましょう。それでは、「お気遣いいただきありがとうございます」の例文をご紹介しましょう。
例文①
「お気遣いいただきありがとうございます」の例文の一つ目は、「先日の私の誕生日に祝いのメッセージをくださり、お気遣いいただきありがとうございます」という例文です。
先にもご紹介したように、「お気遣いいただきありがとうございます」という言葉は、ちょっとした気遣いの言葉に対して使います。
知り合いなどから誕生日のメッセージをメールで受け取った場合などには「お気遣いいただきありがとうございます」という言葉を使います。
プレゼントまでもらったら、「お気遣い」ではなく「お心遣い」になりますので間違えないように注意しましょう。
例文②
「お気遣いいただきありがとうございます」の例文の二つ目は、「先だっての納品につきまして、お気遣いいただきありがとうございます」という例文です。
この例文はビジネスシーンにおいて使える例文で、納品日に融通をきかせてもらった時などに使うことができます。
この場合、納品日に融通をきかせるために何か行動を起こしてもらったら「お気遣い」ではなく「お心遣い」になります。
日程に余裕があって単純に納品日をずらしてくれたといった場合なら、「お心遣い」ではなく「お気遣いいただきありがとうございます」でOKです。
例文③
「お気遣いいただきありがとうございます」の例文の三つ目は、「ご多忙の所、お気遣いいただきありがとうございます」という例文です。
ビジネスではお互いに多忙な中、ちょっとした一言をかけることがありますが、そういった時に「ご多忙の所、お気遣いいただきありがとうございます」というようにお礼を言います。
「先日はご多忙の折にもかかわらず、お気遣いいただきありがとうございました」というように応用もできます。
前後の文章を少し変えたり文末を「ます」から「ました」に変えたりすることで、幅広い使い方ができるということです。
例文④
「お気遣いいただきありがとうございます」の例文の四つ目は、「今夜のパーティは残念ながら参加できません。お気遣いいただきありがとうございます」という例文です。
「お気遣いいただきありがとうございます」という言い方は、このように二つの文章を分けている場合にも使うことができます。
一つの文章で納めるには苦しい場合には、無理に句読点を使って二つの文章をつながなくても大丈夫です。
「お気遣いいただきありがとうございます」を一つの文章に入れるのがきつい場合には、言いたいことを二つの文章に分けて使っても良いので、相手に伝わりやすい文章にして感謝の気持ちを伝えましょう。
「お気遣いいただきありがとうございます」の類語
「お気遣いいただきありがとうございます」の例文についてご紹介しましたので、次は「お気遣いいただきありがとうございます」の類語についてご紹介します。
「お気遣いいただきありがとうございます」には、自分への気配りや配慮に対する感謝という意味がありますので、「お気遣いいただきありがとうございます」の類語はこの意味に似た言葉ということになります。
また、「お気遣いいただきありがとうございます」を使うのと似た場面で使う言葉も類語の一つと言えます。それでは、「お気遣いいただきありがとうございます」の類語についてご紹介しましょう。
ご配慮いただきありがとうございます
「お気遣いいただきありがとうございます」の類語の一つ目は、「ご配慮いただきありがとうございます」です。
「配慮」の意味は「気遣い」「気配り」といった意味なので、「ご配慮いただきありがとうございます」の意味は「お気遣いいただきありがとうございます」という意味になります。
「ご配慮いただきありがとうございます」には「お気遣いいただきありがとうございます」という意味がありますので、「ご配慮いただきありがとうございます」は「お気遣いいただきありがとうございます」の類語だと言えます。
ご厚情ありがとうございます
「お気遣いいただきありがとうございます」の類語の二つ目は、「ご厚情ありがとうございます」で、「ご厚情」の意味は「相手の親切心」という意味です。
なので「ご厚情ありがとうございます」の意味は「相手の親切心に深く感謝する」といった意味になりますが、「ご厚情ありがとうございます」はフォーマルな場面で使われることが多い言い方です。
意味的には「ご厚情ありがとうございます」は「お気遣いいただきありがとうございます」の類語だと言えますが、使う場面が少し違いますのでその点では注意が必要です。
ご高配ありがとうございます
「お気遣いいただきありがとうございます」の類語の三つ目は、「ご高配ありがとうございます」で、「ご高配」の意味は「特別な心配り」という意味です。
なので「ご高配ありがとうございます」の意味は「特別な心配りをありがとうございます」という意味になりますが、「ご高配」も先にご紹介した「ご厚情」同様フォーマルな席などで使われることが多いです。
ビジネスシーンにおいては取引先への挨拶状や年賀状などに使われることが多く、口頭ではあまり使われませんので、使い方には注意が必要だと言えます。
お気遣い痛み入ります
「お気遣いいただきありがとうございます」の類語の四つ目は、「お気遣い痛み入ります」で、「お気遣い痛み入ります」の意味は「気遣いに対して心が痛むほどもったいなく思う」といった意味になります。
「痛み入る」という言葉は目上の人や取引先の偉い人など、自分とは地位などがかなり離れている人に対して使われることが多く、自分と近い相手に対しては使われません。
ですが「お気遣い痛み入ります」も意味的には近いため、「お気遣いいただきありがとうございます」の類語だと言えます。
誠に恐れ入ります
「お気遣いいただきありがとうございます」の類語の五つ目は、「誠に恐れ入ります」で、「誠に恐れ入ります」の意味は「本当に申し訳なく思います」という意味です。
「恐れ入ります」の意味は「恐縮です」に近いので、相手に対して恐れ多いと思っている時に使われる言葉です。
「誠に恐れ入ります」は「お気遣いいただきありがとうございます」の類語ではありますが、「お気遣いいただき」とセットで「お気遣いいただき誠に恐れ入ります」というように使うことの方が多いです。
大変恐縮です
「お気遣いいただきありがとうございます」の類語の六つ目は、「大変恐縮です」で、「大変恐縮です」の意味は「身も縮まるほど恐れ入ります」という意味です。
こちらも「誠に恐れ入ります」と同じように「お気遣いいただきありがとうございます」の類語ではありますが、「お気遣い」とセットで使われることが多い言葉です。
「お気遣い」と「大変恐縮です」を合わせて「お気遣いいただき大変恐縮です」というように使うことが多いですが、相手によっては「お気遣いくださり」や「お気遣い賜り」に変えてもOKです。
ご心配ありがとうございます
「お気遣いいただきありがとうございます」の類語の七つ目は、「ご心配ありがとうございます」で、「ご心配ありがとうございます」の意味は「相手の好意に対する感謝の言葉」という意味です。
「お気遣いいただきありがとうございます」とほぼ同じ意味を持っているため「お気遣いいただきありがとうございます」の類語だと言えますが、ニュアンスが少し違うのは「ご心配」という点です。
「ご心配ありがとうございます」は上司が部下を心配してくれた時に使われますが、この言葉には「未熟な自分が申し訳ない」というニュアンスが含まれていますので、その点では少し違うと言えます。
ご深慮に感謝いたします
「お気遣いいただきありがとうございます」の類語の八つ目は、「ご深慮に感謝いたします」で、「ご深慮に感謝いたします」の意味は「深いお考えに感謝します」という意味です。
「ご深慮」は相手の考えなどを敬う言い方ですので、「お気遣い」よりさらに丁寧な言い方の敬語表現になります。
自分よりはるかに年上の人や地位が高い人などから言葉をかけられた時などには、「お気遣い」より「ご深慮」という言葉を使ってお礼を述べることが多いです。
お計らいに感謝いたします
「お気遣いいただきありがとうございます」の類語の九つ目は、「お計らいに感謝いたします」で、意味は「行ってくれた気遣いに感謝する」という意味です。
相手が自分の為に何か気遣ってくれたときに「お計らいに感謝いたします」と言いますが、この場合は「お気遣い」というより「お心遣い」に近い意味になります。
「お計らい」は相手が自分の為に何かしてくれた時に使いますので、その点では「お気遣い」とは少し違うと言えます。
「お気遣いいただきありがとうございます」の英語表現とは?
「お気遣いいただきありがとうございます」の類語についてご紹介しましたので、次は「お気遣いいただきありがとうございます」の英語表現についてご紹介します。
日本語には英語に翻訳することが難しい言葉もありますが、意訳によって大体近い意味にすることができます。それでは、「お気遣いいただきありがとうございます」の英語表現についてご紹介しましょう。
英語表現①
「お気遣いいただきありがとうございます」の英語表現の一つ目は、「Thanks for your concern」です。この文章の中の「concern」には「心配」や「懸念」といった意味があります。
このため「Thanks for your concern」は「ご心配ありがとうございます」という意味になり、意訳すると「お気遣いありがとうございます」になります。
英語表現②
「お気遣いいただきありがとうございます」の英語表現の二つ目は、「Thank you for your thoughtfulness」です。この文章の中の「thoughtfulness」には「思いやりの心」という意味があります。
「Thank you for your thoughtfulness」の意味は「思いやりに感謝いたします」という意味になり、意訳すると「お気遣いいただきありがとうございます」になります。
英語表現③
「お気遣いいただきありがとうございます」の英語表現の三つ目は、「I appreciate your thoughtfulness」です。「appreciate」には「感謝する」「高い評価をする」という意味があります。
「I appreciate your thoughtfulness」は「あなたの思いやりに感謝する」という意味になりますので、意訳をすれば「お気遣いいただきありがとうございます」ということになります。
「お気遣いいただきありがとうございます」は感謝を示す
「お気遣いいただきありがとうございます」の意味や類語など色々とご紹介してきましたが、如何だったでしょうか。
「お気遣いいただきありがとうございます」は感謝を示す言葉ですので、何か気を遣ってもらったりしたら是非この言葉を使って感謝の気持ちを表しましょう。