「近日中」の意味とは
「近日中」という言葉は、日常生活でもビジネスでもよく使われる言葉の1つです。近日中とは、〔きんじつちゅう〕と読みます。「近日中にお会いできます」とか「近日中でお約束できますか」など様々な使い方をします。
近日中という言葉を自分が使う時や相手から言われると、どれくらいの日数を指しているのか、何日くらいと考えていたら良いのかなどわからないことがあります。この近日中とは、「近日」と「中」に分けられ、近いうちにという考え方ができます。
つまり、近日中とは簡単に言うと「この日」とか「何日」と確実に定められた日ではなく、期限を決めずに「大体どれくらい」または「何日くらい」という意味になります。
同じものを見ていても、人によって価値観が違うように、近日中と言われても人によって何日なのかが違うということです。なので、できれば何日なのか伝えたほうがわかりやすいので良いですが、難しい場合には近日中を使います。
近日中とは、大きく分けて2つの意味があります。それは、「将来のごく近い時」という意味、もう1つには「過去から今日までの数日間」という意味です。それぞれの意味について、これからわかりやすく紹介します。
意味①将来のごく近い時
近日中の意味の1つである、「将来のごく近い時」とは、この日とか何日と明確には言えない、またはどれくらいかはわからないが、「これから近いうちに」というような表現です。
つまり、近日中という言葉を使うと、日にちは決まっていませんが、数時間や1日中などのようにすぐではなく、1か月以上はかからないので遅くもならないという、日数はわからないので大体近くの日というニュアンスで使われます。
意味②過去から今日までの数日間
近日中のもう1つの意味である「過去から今日までの数日間」とは、先ほど紹介した将来の近い時ように「これから何日」「これからどれくらい」ではありません。
近い過去から今日までというように、「この頃」や「最近」のことを指します。近日中と言われると、過去から今日までの数日間の意味よりも将来のごく近い時をイメージすることが多いです。
そのため、「この頃」や「最近」という意味の言葉を使う場合には、そのまま「この頃」や「最近」の言葉を使うことが多いので、このような意味で近日中と使われることはほとんどありません。
「近日中」の類語
近日中の類語には、「近々」や「数日中」「早急に」「可及的速やかに」などという言葉があります。類語とは、〔るいご〕と読み、意味が似ている言葉ということです。
この他にも、「一両日中」という類語もあります。一両日中は〔いちりょうにちちゅう〕と読みます。今日を含めて、または含めずに1日、2日のうちという意味があります。この一両日中は、明日とも同じような意味で使われます。
これらの近日中の類語は、近日中の代わりに使うことができますが、意味が似ていても使える場面と使えない場面があります。そのため、類語の意味も理解しておかなくてはいけません。では、それぞれ近日中の類語の意味や使い方などについて紹介します。
近々
近々とは、たびたびやしょっちゅうなどという意味もありますが、近いうちに実際に起こる可能性が高いことや距離が近いことという意味もあります。近々は、〔ちかじか〕や〔きんきん〕と読みます。
近日中の類語の1つで、未来や将来を表しており、数日のうちに行う予定のことを指しています。未来や将来のことを指しますが、その中でも近いうちという意味なので、1年や何年後など何日も何年も経つ時には近い日数ではないので使えません。
数日中
数日中も近日中に似ている類語で、数日中〔すうじつちゅう〕と読みます。近日中には2日、3日から4日、5日の期間という意味がありました。
この数日中も似ていて2日、3日または5日、6日を指します。数日中も明確な定義がないので、大体の日数としか言えません。例えば、数日中と相手に伝えたり、相手から言われたりした場合には、2日なのか、4日なのかがわかりません。
つまり、自分では2日だと考えていたのが相手は1週間だと考えていたということもあります。このように、数日中と言っても人によって何日なのかとらえ方が違うので、数日中と使う場合には気をつけなくてはいけません。
早急に
早急にとは、〔そうきゅうに〕または〔さっきゅうに〕と読みます。「早急に」には、非常に急いでするという意味があります。「早急に」は近日中のように、日にちは決まっていないので近いうちですが、近日中よりも早いのが「早急に」という言葉です。
例えば、3つすることがあった場合、3つとも近日中であれば、何日間かでできるものからします。ですが、3つのうち1つが「早急に」となっている場合には、1つの「早急に」となっているものから先にします。つまり、「早急に」の方が優先順位が高いと言えます。
可及的速やかに
可及的速やかにとは、〔かきゅうてきすみやかに〕と読みます。「可及的」はできるだけ、「速やかに」は早くという意味があることから、「可及的速やかに」には、できるだけ素早くするという意味があります。
「早急に」とも同じように、早くしなくてはいけないという場合に使います。そして、近日中に比べると「早急に」と並んで優先順位は高いです。ただ、「可及的速やかに」にはとにかく急いでしなくてはいけないという強い表現です。
「早急に」と「可及的速やかに」で比べると、「可及的速やかに」の方が早くしなくてはいけません。この言葉を使うことで、早く対応するという誠意を表すことができます。ビジネスなどで、やる気を見せる時に使える言葉です。
「近日中」の定義はどれくらい?
言葉には、それぞれ使い方や意味がありますが、どのような時に使うのか分かりにくいことがあります。
そこで、多くの言葉には、言葉の意味を他の言葉と区別でき、「この言葉にはこの意味がある」と分かりやすくするために決まっている定義があります。近日中には、近いうちにという意味がありますが、「近日中」の定義を見ると、決まった定義はありません。
なので、定義で何日と決めているわけではありません。近日中と使う場合や相手から言われた場合には「大体どれくらい」または「何日くらい」と考える時に使われると覚えておくと良いです。
近日中が何日かは使う場面次第
近日中には定義がないので、「どれくらいなのか」「何日なのか」は決まっていません。ですが、近日中という言葉が何日なのかは、使う相手や場面で変わります。
近日中はどれくらいなのか、大体でも知っておきたい場合には、次のことを頭に入れておきましょう。ビジネスで近日中と使う時には、仕事関係のことなので1日でも早いと良いですが、大体2日、3日から4日または5日くらいまで近日中に含まれることがあります。
その他、友人や知り合いとの会話で近日中を使う場合には、1週間または2週間くらいです。新しい商品などの場合には、数週間から1か月くらいで、「近日公開」とされている場合には、3か月後くらいを指していることが多いです。
「近日中」の使い方
近日中という言葉は、定義がないので様々な場面で使いやすい言葉でもあります。この近日中は、丁寧な言葉として使うことができます。
なので、ビジネスや年上の人などに対しても使っても良いです。ただ、定義がないため曖昧な表現として受け取られることもあるので、使い方には注意しなくてはいけない言葉でもあります。
「近日中」という言葉は、曖昧な言葉ではありますが、丁寧な言葉としてビジネスで使われることや誘いを断りたい時などに使えます。
ですが、先ほどにもお伝えしたように近日中を使う時には、使い方を間違えると自分の評価を落とすことにもなるので、注意をしなくてはいけないことがあります。そこでここからは、近日中の使い方や使う時に注意しなくてはいけないことを紹介します。
ビジネスで使える丁寧な言葉
ビジネスでも使える丁寧な言葉でもある「近日中」という言葉は、ビジネスメールや会話などでもよく使われます。例えば、相手から何かを聞かれた時にすぐには何日と返事ができない時などで、「近日中に返事します」と使います。
ただ、日数が明確ではないため、質問をした相手からするといつ頃返事が来るのかわからず、いつまで返事を待てばよいのか戸惑うこともあります。このように、近日中は曖昧な表現なので早く返答が欲しい相手などには使わない方が良いです。
近日中は、相手から聞かれた時だけではなく、取引先で相手と会う約束をする時などにも使えます。「近日中にお伺いしたい」というように、何日ではなく近日中と聞くことで、相手が都合の良い日を教えてくれたり、約束の日にちを合わせやすかったりします。
誘いを断りたい場面でも便利
近日中という言葉は、近いうちという意味があることから、誘われて都合が悪い場合で誘いを断りたい時にも使えるので便利です。
ビジネスでは、急に取引先と約束を取らなくてはいけなかったり、上司や仕事関係の人からお誘いを受けることがあります。それぞれ都合があるので、その日はどうしても都合がつかなかったり、しなくてはいけない仕事があり約束ができなかったりすることがあります。
また、先に予定していたことがあり断らなくてはいけないことがあります。そのような場合に、「今日は都合が悪いので近日中に変更してください」など「近日中」という言葉を使うと丁寧に断ることができます。
曖昧な表現なのでトラブルに注意
近日中の言葉には、「近いうち」という意味合いがあるため、別の言葉で言い換えれば「近いうちにいつかやります」というように消極的な表現です。丁寧な言葉としても使えるので、使っても良いです。
ですが、ビジネスや大事な場面などで、近日中という言葉を使うとどれくらいとも何日と決めているわけではありません。人によって近日中と言われると、2日くらいだと考えたり、5日くらいと考えたりするので、曖昧な表現で受け取られてしまうことがあります。
ビジネスでも通常の会話など場合によっては、近日中を使っても良いです。ただ、仕事の内容によって相手に「やる気がある」と積極的に受け取ってもらいたい場合には、決まった日付を伝えるか、類語である「早急に」や「可及的速やかに」などを使いましょう。
「近日中」の英語表現
日本語で近日中と言えば、ビジネスや通常など幅広く使うことのできる言葉の1つです。ビジネスでは、日本語だけではなく英語も使うことがあります。ビジネスメールや会話などを英語で表さなければいけないことがあります。
近日中というのは、英語では直接訳すことができません。英語では、直訳に近い「時を表す表現」や「すぐに」を意味する表現になります。これから紹介する近日中と言う英語を頭に入れておくと、使えるのでビジネスなどに役立ちます。
時を表す表現
日本語では、2、3日など何日くらいかを表すときに近日中と使いますが、この近日中を英語で表すと、「in a few days」となります。「in」は通常、場所と表されますが、この場合には時と表されます。この他にも、「in the near future」と表現されることがあります。
「すぐに」を意味する表現
「in a few days」は何日くらいを表す近日中ですが、「早急に」や「可及的速やかに」のように「すぐに」行動をするというような意味を指している英語には「soon」や「shortly」などがあります。
これらの英語を使って例文を作ると、1つは「We will get back to you soon.」で〔近日中にお返事します〕となります。もう1つは「I will have discussions with them within the next few days.」で〔近日中に交渉します〕というように使います。
「近日中」は将来のごく近い時を意味する
近日中には、何日と決まっているわけではなく、定義もありません。紹介してきたように、「大体どれくらい」または「何日くらい」と将来のごく近い時を意味します。丁寧な言葉としてビジネスや友人、親しい人と幅広い相手に使えます。
ですが、曖昧な表現方法でもあるので、使い方に注意しなくてはいけません。特に、ビジネスで使う場合には明確に何日と伝える方が良いです。また、何日とは言えない時には類語もあるので「近日中」だけではなく、類語に置き換えて使ってみましょう。
その他ビジネスでは、英語を使いメールなどで文章を書いたり会話だったりと何かと英語で対応しなくてはいけないこともあります。近日中と言う表現が英語ではないので、英語を使う場合には、紹介したように、直訳に近い「in a few days」などの英語表現を使います。