宛名の連名の書き方を間違えると恥をかく?
学生時代には年賀はがきなどの宛名を連名で書くことはほとんどありませんが、社会人になって上司などに年賀状を送ったりする場合、連名で宛名を書かなければならなくなることもあります。また、友人が結婚した場合にも宛名を連名で書くようになったりしますが、宛名の連名の書き方を間違えると恥をかくこともあります。
なぜなら、宛名の書き方も社会人のマナーとして大切なマナーの一つだからです。年賀状などのはがきだけでなく、ビジネスで取引先などに書類を封筒で送る場合にも、宛名を連名で書かなければならないことがあり、書き方がわからないという人も少なくありません。
このような時にきちんとした宛名の書き方ができていないと、社会人としてのマナーを知らないと思われてしまい、その結果恥をかくことになるということです。
宛名・連名の正しい書き方を学ぼう!
封筒やはがきなどの宛名の書き方には、決まりがあります。個人宛ての宛名であっても連名であっても、書き方の決まりさえ覚えてしまえば恐れることは何もありません。きちんと基本的な書き方さえ押さえれば、間違った書き方をして恥をかくようなことはありませんが、間違った書き方をすれば大恥をかくこともありますので注意が必要です。
社会人には社会人として覚えておかなければならないルールやマナーなどがたくさんありますが、封筒やはがきの宛名の書き方もその一つです。そして封筒やはがきの宛名の書き方はそう難しいものではありません。
ちゃんとした書き方のルールやマナーなどを一度覚えれば大丈夫ですので、宛名や連名の正しい書き方を学ぶことが大切です。
宛名の「縦書き・横書き」の書き分け方
それでは早速、宛名の書き方についてご紹介します。まずは宛名の縦書きと横書きの書き分け方です。封筒もはがきも縦書きと横書きができますので、昨今では年賀状などを横書きで印刷したり手書きしたりする人も多いでしょう。ですが、ビジネスがらみとなると自分の好きな横書きばかりしていられない場合もあります。
近年、取引先などにビジネス文書を送る場合でも封筒の宛名を横書きすることもありますが、こういった場合には縦書きにした方が良い場合もあります。相手が年配の人なのか若い人なのかによって縦書きと横書きを使い分けたりもします。
宛名の縦書きと横書きの書き分けはどのようにすれば良いのか、宛名の縦書きと横書きの書き分けについて具体的にご紹介しましょう。
裏面のレイアウトに合わせる
宛名の縦書きと横書きの書き分け方で大切なのは、裏面のレイアウトに合わせることです。年賀はがきなどのはがきの場合、裏面を縦書きするなら宛名も縦書きにします。また逆に、裏面を横書きするなら宛名も横書きします。はがきの場合、宛名を書く表面をひっくり返せばすぐに本文を書く裏面が見えるため、裏面に合わせる必要があります。
次に封筒の場合ですが、日本の封筒は基本的に縦書きするようにできていますので、封筒の裏面の宛名を書くスペースも縦書きするようなレイアウトになっています。このため、縦書き用の封筒の場合は表の宛名も裏面の差出人欄も縦書きをするのが基本です。
縦書きの和式ではない洋封筒もありますが、こちらは元々横書きするようにできていますので、洋封筒の場合は表の宛名も裏の差出人も横書きにすれば間違いありません。
縦書き・横書きでは住所の数字の書き方も違う
宛名の縦書きと横書きの書き分け方で注意すべきなのは、縦書きと横書きでは住所の数字の書き方も違うという点です。会社から得意先に年賀状などを送る時に「先方からの封書の差出人欄の住所がアラビア数字だから、縦書きでも年賀状の宛名の住所を漢字に変えるな」などというおかしなことを言う上司などもいますが、これは完全に間違いです。
宛名が縦書きの場合には住所の数字は漢字で書き、宛名が横書きの場合にはアラビア数字で住所の数字を書くのが正しい書き方です。就職活動の書類などを送る際にも同様の間違いを犯す人がいますが、縦書きは漢数字、横書きはアラビア数字が基本です。
封筒やはがきなどの宛名は裏と表で揃えるのも大切ですが、縦書きなら数字は漢数字を使い、横書きなら数字はアラビア数字を使うということも大切なので覚えておきましょう。
宛名・連名の書く位置と書き方
次に、宛名や連名の書く位置と書き方についてご紹介します。年賀状などを毎年書いているという人なら、宛名の書き方はちゃんとわかっているはずですが、宛名を書く位置や連名の書き方が間違っている場合もあります。年賀状などを書いているからといって、必ずしも正しい書き方を知っているというわけでもないということです。
宛名というものは、都道府県名や市町村名やマンションなどの名前や番地、そして名前がちゃんと書けていればきちんと配達されますが、それはあくまでも「宛名の内容」が正しければちゃんと相手の手元に渡るというだけのことです。
宛名の書き方には決まりがあり、それをきちんと守ることはマナーを守るということです。それでは、宛名や連名の書く位置と書き方についてご紹介しましょう。
宛名を書く場合
まず宛名の書く位置と書き方についてご紹介します。宛名を書く場合、郵便番号は記入する欄がありますので問題ありませんが、それ以外は手書きしますので書く位置や書き方に注意が必要です。まず横書きの場合、住所と宛名ははがきや封筒の真ん中に位置するように書きます。これが縦書きとの大きな違いです。
縦書きの場合ははがきや封筒などの右端から1文字分程度スペースをあけて、郵便番号記入スペースの下にも1文字から1文字半ほどスペースをあけて住所を書き始めます。住所が2行になるなら2行目は1行目より1文字下げた位置から書き始めます。
そして封筒の真ん中に宛名を書きますが、宛名は住所の1行目から1文字下げた位置から書き始めます。こういった書き方をすることによって、見た目がきれいに整います。
連名で書く場合
次に宛名を連名で書く場合の書き方ですが、まず個人宅に連名で宛名を書く場合の書き方についてご紹介します。子供用の教材などのパンフレットを送付する場合、世帯主名と配偶者名と子供の名前を連名で書いたりしますが、この場合、世帯主名が封筒の真ん中に来るように書き、世帯主の姓ではなく名前の位置に合わせて配偶者や子供の名前を書きます。
ですが連名の人数が多いと、はがきや封筒の左の方に偏ってしまいますので、こういった場合には世帯主名を真ん中よりやや右寄りに書きます。また、家族が多い場合には家族全員の名前を書かず、世帯主名の隣に「ご家族様」と書きます。
ビジネス文書などを連名で送る場合には、住所の1行目から1文字か1文字半下げた所に会社名と部署名と名前を並べて書きますが、一人目の名前が真ん中になるようにしましょう。
連名で書くときはそれぞれの名前に敬称を付けよう
宛名を連名で書く位置と書き方についてご紹介しましたが、連名で書く場合には注意点があります。それは、それぞれの名前に敬称をつけるということです。世帯主をはじめとした家族の名前すべてを連名にする場合であっても、家族の名前すべてに敬称をつけなければなりません。世帯主の名前だけに敬称をつければ良いというわけではないということです。
また、世帯主名の隣に家族全員をまとめて「ご家族」と書いた場合にも必ず敬称をつけて「ご家族様」と書かなければなりません。「ご家族一同」などと書く人もいますが、これは失礼ですので必ず敬称をつけましょう。
ビジネス関連の封筒やはがきを連名で書く場合も同様で、複数の人の名前を連名で書いても必ずそれぞれの名前に敬称をつけなければなりませんので、この点には注意しましょう。
はがき・封筒の敬称の書き方
宛名や連名を書く位置や書き方についてご紹介しましたので、次ははがきや封筒の敬称の書き方についてご紹介します。先に連名の書き方の所で、連名の場合もすべての名前に敬称をつけるとご紹介しましたが、宛名に使われる敬称は実は色々あります。相手が自分にとってどのような立場なのかということによって敬称も色々変わったりすることがあります。
近年でははがきや封筒などの紙媒体で手紙を送ることが減り、メールなどで年賀の挨拶をしたりすることが増えましたが、ビジネス関連などの大切な相手に対しては、まだまだはがきや封筒などを使うことが多いので、敬称の使い方などはしっかりと覚えておきましょう。
はがきや封筒の敬称はどのように書けば良いのか、はがきや封筒の敬称の書き方についてご紹介しましょう。
個人に宛てる場合
はがきや封筒の敬称の書き方の一つ目は、個人に宛てる場合の書き方です。個人に宛てるはがきや封筒には色々ありますが、年賀状や友人への手紙や市役所などからの公文書などがそれに当たります。通常、郵便物を送る際には「様」という敬称が使われるのが一般的です。普段は「さん」付けで呼んでいる相手にも「様」という敬称を使います。
市役所などからの公文書の宛名には「殿」が使われていましたが、この「殿」という敬称は相手を下に見るような言い方だと言われるようになり、昨今では市役所などからの公文書の宛名にも「殿」という敬称はほとんど使われなくなりました。
ですがいまだに「殿」という敬称を使っている人もいます。高齢者の中にはまだ「殿」という敬称を好んで使っている人も少なからず存在しています。
特別な個人に宛てる場合
はがきや封筒の敬称の書き方の二つ目は、特別な個人に宛てる場合の敬称の書き方です。学生時代の恩師などにはがきや封筒を送る場合には、「様」の代わりに「先生」という言葉を使うこともありますが、「先生」も立派な敬称の一つです。学校の先生以外に、習い事の先生などに対しても「先生」という敬称を使うことができます。
その他にも「先生」という敬称を使うことができる相手がいます。それはお医者さんです。お医者さんは「先生」と呼ばれることが多く、患者さんも普通に「先生」と言っていますので、お医者さんに対する敬称にも「先生」を使うことができると言えます。
学校の先生や習い事の先生やお医者さんだけではなく、税理士や会計士や弁護士なども「先生」と呼ばれることがありますので、これらの相手にも「先生」という敬称が使えます。
役職がある人へ宛てる場合
はがきや封筒の敬称の書き方の三つ目は、役職がある人へ宛てる場合の敬称の書き方です。ビジネス文書や就職活動の書類などを役職がある人に送る場合には、いくつかの敬称の書き方があります。「株式会社A」という所の営業部長Bさんに書類を送る場合、三通りの敬称の書き方があります。
「株式会社A 営業部 B部長」というように、「部長」というのを敬称として使うことができます。他に「株式会社A 営業部長 B様」という書き方もできます。さらに「株式会社A 営業部 B部長 様」というような書き方もできます。
役職がある人には、役職名を名前の下につけるだけでも敬称扱いになりますが、それにさらに「様」という敬称をつけることもできるということです。
◯社在中の△社人物に宛てる場合
はがきや封筒の敬称の書き方の四つ目は、○社在中の△社の人物に宛てる場合の書き方です。共同開発や支援などのために他の会社に出向しているという人もいますが、そういう人に書類などを送るという場合には「気付(きつけ)」という言葉を使います。「○社」に「△社」の人がいるなら、宛名にはまず「○社気付」と書きます。
その後「△社」と書いて、次の行に「□様」というように名前を書きます。ですがこの「気付」という言葉を勘違いしている人は意外に多く、「気付」と「御中」をごっちゃにしている場合もあり、「御中」と書くべき所に「気付」と書く人もいます。
ですが「気付」と「御中」は全く違いますので、「気付」とはどのような場合に宛名に使うのかということもしっかり覚えておいてきちんと使いましょう。
はがき・封筒は正しい宛名・連名の書き方で表記しよう
はがきや封筒の宛名や連名の書き方や敬称の使い方などについて色々とご紹介してきましたが、如何だったでしょうか。昨今でははがきや封筒などの紙媒体離れが進んでいるため、就職活動などのために書類を封筒で送る際にどのように表書きをすれば良いのかわからず、迷ってしまうという人も少なくありません。
ですがここまでにご紹介してきた、宛名の位置や書き方などをきちんと押さえれば、相手に対して失礼になることもなく、マナーを守ってちゃんとした宛名を書くことができます。縦書きと横書きの違いもご紹介しましたので、そちらも押さえておけば大丈夫です。
はがきや封筒の正しい宛名の書き方や連名の書き方をしっかり守り、就職活動やビジネスシーンの中で活用しましょう。