「承る」の意味と使い方まとめ!ビジネスで使える例文や類語もチェック!

「承る」の意味と使い方まとめ!ビジネスで使える例文や類語もチェック!

日常生活では使わない言葉ですが、ビジネスシーンでは時々登場する「承る」の正しい意味を解説しましょう。また、「承る」の意味と同時に、類語、使い方の例文も示すので、しっかり覚えてください。さらに、似たような言葉である「受け賜る」との違いについても触れてみます。

記事の目次

  1. 1.「承る」の意味とは?
  2. 2.「承る」の類語
  3. 3.「承る」の使い方
  4. 4.「承る」と「受け賜る」の違い
  5. 5.「承る」の英語表現
  6. 6.「承る」は聞く・引き受けるという意味

「承る」の意味とは?

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「承る」の意味の前に読み方を確認しておくと、「うけたまわる」となります。「承る」は動詞ですが、普通の動詞ではなく、敬語の謙譲語になります。ではどんな言葉の謙譲語かというと、「受ける」「聞く」「伝え聞く」「引き受ける」の敬語に当たります。

したがって、その意味は「謹んで聞く」「謹んで受ける」「謹んで引き受ける」ということになります。つまり「承る」または「承りました」で、「しっかり聞きました」「引き受けました」「ちゃんと対応しました」という意味です。

「承る」は謙譲語なので、目上の人から「聞く」「受ける」「引き受ける」という場合によく使われます。ビジネスシーンでも時々使われる言葉です。ただ、「伝え聞く」という場合は、必ずしも目上の人に関することだとは限りません。

「承る」の類語

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「受ける」「聞く」「伝え聞く」「引き受ける」の謙譲語である「承る」にはいくつかの類語があります。その類語を学べば、より「承る」という言葉のイメージもつかみやすくなるでしょうから、順番に並べてみましょう。

意味が似ている類語①拝聴する

「聞く」という意味の「承る」の類語から見てみましょう。まずは「拝聴する」です。「拝聴する」とは、「謹んで聞く」という意味ですから、「承る」と同じ意味です。「中村先生のご講演を拝聴させていただきました」などのような使い方がされます。

ただ、「ご講演を拝聴」とは言えますが。「ご講演を承りました」とは普通言いません。つまり。「拝聴」と「承る」は類語であるとはいっても、一部使い方が異なるので注意しましょう。

意味が似ている類語②傾聴する

「傾聴」とは「真剣に聞く」という意味です。「静かにお話を傾聴しました」などのような使い方があります。「傾聴」は謙譲語ではないので 、厳密に言うと「承る」と同列の言葉ではありませんが、「真剣に」という点が「謹んで」に似ている部分もあるので、あえて類語に挙げました。

意味が似ている類語③お聞かせいただく

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かなり丁寧な表現になりますが、「お聞かせいただく」という言い方があります。この「お聞かせ」という部分は尊敬語で、「いただく」が謙譲語になります。違う敬語が使われているので、これはいわゆる二重敬語ではなく、誤用ではありません。

「社長のご意見をお聞かせいただければ幸いです」のような使い方がされますが、これを「承れれば幸いです」と言っても似たような意味になります、ただ、類語ではありますが、「お聞かせいただく」のほうがより丁寧に感じる人もいるでしょう。

意味が似ている類語④伺う

「伺う」には複数の意味があります。一つ一つ挙げてみると、「聞く」「尋ねる」の謙譲語で「お聞きする」「お尋ねする」、「神仏のお告げを求める」、「訪問する」の謙譲語などです。もちろん、最初の意味が「承る」の類語ということになります。

2番目の意味の「神仏のお告げを求める」も「承る」の類語と言えなくもありません。「お告げを承りした」という巫女さんもいます。それはともかく、「お話を伺いましょう」は「お話を承りましょう」と言い換えが利きます。

なお、「伺う」と「承る」は類語とはいっても、違う点があります。それは、「伺う」のほうが自分から「聞く」「尋ねる」場合にも使えるのに対して、「承る」は一方的に聞くことを意味する点です。両方とも似たような言葉ですが、上手に使い分けましょう。

意味が似ている類語⑤承知する

「承知」の意味を辞書で調べると、次のように出ています。「知っていること」「わかっていること」、「聞き入れること」「承諾すること」、「許すこと」などの意味です。このうち、「承る」と関係があるのは、「聞き入れること」「承諾すること」という意味です。

「承る」には「聞き入れる」「引き受ける」という意味がありますが、その意味が「承知」の意味と重なります。したがって、類語となるわけですが、使い方は「解約の件は承知しました」のようになります。これは、「解約の件は承りました」と同じ意味です。

意味が似ている類語⑥承諾する

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「承諾」にも「承知」と同じように「承る」という漢字が音読みで使われています。ということはもうおわかりでしょうが、これも「承る」の類語です。「承諾」とは「引き受けること」という意味なので、「承る」と同じ意味です。

ただ、「承諾」と「承る」では使い方が異なります。「承諾」は、「承諾を得る」とか「予定の変更を承諾してもらった」などのように使いますが、これをそのまま「承る」と言い換えることはできません。

意味が似ている類語⑦かしこまりました

「かしこまりました」は動詞「畏まる」の過去形ですが、「畏まる」には「謹んで聞く」という意味があります。そして、過去形の「かしこまりました」には「わかりました」という意味があります。つまり、目上の人の話を謹んで聞き、わかりましたという意味です。

「かしこまりました」の意味を見ればわかるように、これは「承りました」の類語です。「かしこまりました」というのを「承りました」と言い換えても、意味は変わりません。

ただ、「かしこまりました」は単独で用いられるのに対して、「承りました」はその前に目的語が来る場合があります。例えば、「お話は承りました」のように使います。

意味が似ている類語⑧了解する

「了解する」とは、「知り・理解する」「受け入れる」という意味ですから、「承る」の類語です。「承る」と同じような使い方ができ、ビジネスシーンでもよく使われます。

ただ、「了解」という言葉自体は敬語ではありません。したがって、「承る」の言い換えには向かない場合があり、使い方に注意する必要があります。

「了解しました」とすれば丁寧語になりますが、謙譲語の「承る」に比べると、相手への敬意は足りません。そのために、目上の人に対して「承知する」という場合は、「承る」を使ったほうがいいでしょう。

意味が似ている類語⑨了承する

「了承しました」という使われ方をする「了承」とは、「事情をくんで納得する・承知する」という意味です。「了承」にも「承る」という字が使われているので類語にはなりますが、謙譲語ではありません。

そのせいか、「了承する」という言い方は、目上に対して使うよりも、目下や同僚相手に用いるのが普通です。目上に対して「了承しました」などというと、少し失礼な感じがするので、この場合は「承りました」とするのがいいです。

「承る」の使い方

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「承る」の意味や類語がわかったところで、今度は実際にどのように使えばいいのか、使い方の例文を示しましょう。ビジネスシーンなどでは、この例文を参考にして使ってみるといいでしょう。できるだけたくさん例文を載せるので、どんどん使ってみてください。

例文①

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まずは「聞く」の謙譲語としての「承る」の例文を紹介しましょう。最初の例文は「田中様の貴重なご意見を承りました。今後の商品開発に活かしていく所存です」です。これを「貴重なご意見を聞きました」とすると、少しぞんざいな感じる人もいるでしょう。

人の意見を聞く場合は、その人を敬うような表現が好ましいですが、それに合うのが「承る」です。謙譲語なので自分をへりくだり、相手を立ててます。

例文②

次も「聞く」という意味の「承る」の例文です。「ご要望を承りますので、何でもおっしゃってください」。ビジネスや商売では、多くの人の要望を聞きながら活動をしていきますが、そのような場合に使える使い方の例文です。

例文③

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「木村様から今回の商品について次のようなご報告を承っています」という例文があります。敬うべき相手が報告をしてくれた場合に、それを聞いていますという時に使えそうな例文です。これも「聞いています」としたのでは、やや敬意が足りないと思う人もいるでしょう。

例文④

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注文を引き受ける場合は、「承る」という言葉を使って、丁寧に表現するといいです。その場合の例文は、「ご注文を承りましたので、さっそく商品を手配します」です。これなら顧客に対して礼儀を失することはありません。

もし「ご注文を引き受けましたので」などとオペレーターが言うと、なんだかあまりいい気分はしません。やはり敬語を使うべきところで使うのがビジネスや商売では非常に大事です。

例文⑤

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「承る」の次にどう続けるのかを示した例文があります。その場合は次のような使い方になります。「故障個所について承りましたので、すぐに修理担当者におつなぎします」。これは故障個所についてお聞きしたので、次の段取りへ進みますということです。

このように「承る」を「聞く」の謙譲語として使った場合は、そのあとにどうするのか対処法を続けるのがいい例文になります。実際にビジネスシーンや商売では、このように「承る」を使うといいでしょう。

例文⑥

予約を引き受ける場合にも「承る」という言葉を使えます。たとえば、「巨人戦のチケットの予約については、私、佐藤が承りました」とすれば、丁寧な感じになります。予約を引き受ける場合は、このような表現が好ましいです。

予約に限りません、引き受ける場合は、「承る」と言っておけば大丈夫です。自分をへりくだって相手の要件を引き受けているのであり、十分に相手を立てています。

例文⑦

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「伝え聞く」という意味の「承る」の使い方も載せておきましょう。このように使います。「承っているところでは、加藤さんは腰を痛めているとのことです」。直接聞いたのかどうかはわかりませんが、噂などから判断する時は、このように「承る」を使えます。

この例文の応用例はたくさんあります。「承っている限りでは、清水さんは退職したそうです」など、さまざまな場面で使えます。「噂によると」などというよりも、よほど優れた表現です。

例文⑧

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肯定の形の「承る」の例文をいろいろ紹介していますが、もちろん否定形でも使えます。その場合は、「ご依頼の件については承ることはできませんので。ご了承ください」です。

断るというのは気持ちがいいことではありませんが、やむを得ない場合は「承る」を否定形で用いるのがおすすめです。このような使い方なら、ビジネスシーンでも利用できそうです。

例文⑨

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「承る」は謙譲語ですが、社外の顧客や取引先に使う場合も多いです。ビジネスシーンでは実際に使ったことがある人もいるでしょう。これまでに載せた例文の中にもそのようなものがあります。

ほかにも例文はいろいろ考えられますが、例えば取引先にこのように言うこともできるでしょう。「その件については承っておりますので、社長に報告しておきます」です。これなら取引先にも失礼になりません。

「承る」と「受け賜る」の違い

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「承る」と同じ読み方の言葉に「受け賜る」があります。読み方が同じだから、意味も同じなのかというと、そういうことはありません。「承る」と「受け賜る」には、意味上も使い方でも大きな違いがあるので、それを確認しておきましょう。

「受け賜る」の意味は?

「受け賜る」は、「受ける」と「賜る」という言葉を組み合わせた言い方です。「受ける」の意味は解説するまでもないでしょうが、「賜る」とは「もらう」の謙譲語です。したがって、「受け賜る」で、「いただく」「頂戴する」という意味になります。

どこが違うのか?

「いただく」「頂戴する」という意味の「受け賜る」は、普通品物や恩恵をいただいた場合に使います。使い方はこうです。「先日旅行から帰った課長から結構なお土産のクッキーを受け賜わりました」です。

また、「素晴らしいお話を受け賜わりました。今後の人生の指針にしたいと思います」などのようにも使います。一方、「承る」は、助言、厚意、依頼などの事に対して用います。その例文はもう載せませんが、対象物が「受け賜る」と「承る」では違うということです。

「受け賜る」はビジネスシーン以外で使う機会があるかもしれません。しかし、「承る」は主にビジネスシーンでの使い方になります。使う場面も「受け賜る」と「承る」で違うようです。

「賜る」の意味・読み方とは?敬語の正しい使い方・例文や類語もまとめて紹介!のイメージ
「賜る」の意味・読み方とは?敬語の正しい使い方・例文や類語もまとめて紹介!
「賜る」という言葉を見たことがあるという人の中にも、「賜る」の意味や読み方を知らないという人もいるでしょう。「賜る」の意味や読み方、「賜る」の類語や「賜る」の使い方の例文、敬語の正しい使い方などについてご紹介しましょう。

「承る」の英語表現

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「承る」の英語表現を見ておきましょう。まず「聞く」という意味の「承る」の英語訳は、ずばり「hear」「listen」です。中学生でもわかりそうな英語訳ですが、これらの言葉は敬語ではありません。日本語の敬語と英語の敬語はかなり違いますが、できれば敬語表現にしたいところです。

その場合は、「I would like to hear(listen)」とすればいいでしょう。これで丁寧な表現になります。次に「引き受ける」という意味の「承る」の英語表現ですが、いろいろあります。「take」を使ってもいいし、「receive」でもいいし、「understand」ということもできます。

例文をいくつか載せておきましょう。「May I take a message?」という例文は、「ご伝言を承りましょうか」ということです。「I have received your order.」は、「ご注文を承りました」という意味です。

「承る」は聞く・引き受けるという意味

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ここまで、「承る」の意味、類語、例文、「受け賜る」との違いなどについて解説しました。「承る」は「聞く」「引き受ける」「伝え聞く」という意味の謙譲語です。したがって、目上の人に対しても使える丁寧な表現です。

milky
ライター

milky

WEBライターを長年続けています。書くことと調べることはなによりも好きで、1日中パソコンにかじりついている私です。これからも皆さんのお役に立てる記事を書くべく、最大限の努力をします。パソコン以外では、コーヒーを淹れたり飲んだりするのが大好きです。好きなコーヒーを飲みながら楽しくWEBライティングをしています。

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