「お心遣い」意味とは?メールでの使い方や返事の出し方も詳しく紹介!

「お心遣い」意味とは?メールでの使い方や返事の出し方も詳しく紹介!

「お心遣い」は「心配り」を意味する言葉になります。接頭語「お」を付した言葉ですから、単に「心配り」を意味するのではなく、相手に対する敬意の意を含んでいるのが特徴です。そこで「お心遣い」の使い方やメールでの返事の出し方などを紹介します。

記事の目次

  1. 1.お心遣いの意味とは?
  2. 2.お心遣いの由来
  3. 3.お心遣いの特徴
  4. 4.お心遣いの類語「お気遣い」との違い
  5. 5.お心遣いの使い方
  6. 6.お心遣いの注意点
  7. 7.「お心遣い」を使ったメールでの返事の出し方
  8. 8.お心遣いは「心配り」という意味

お心遣いの意味とは?

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「お心遣い」の読み方は「おこころづかい」です。この言葉は日本語の持つ気品溢れる表現であり、かしこまった場面で使われます。その意味は「心配り」「人のためにあれこれ気を配ること」です。
 
そのため日常生活の中では、人と人とのコミュニケーションを図るためには不可欠な言葉ですがビジネスシーンではいかがでしょうか。本来「お心遣い」は訓読み(和語)なので、ビジネスシーンには向かないと考えるのが一般的です。

しかし、意味や使い方をしっかりと理解しておけば、ビジネスシーンにおいても使える場面はたくさんあります。そこで「お心遣い」の正しい使い方をマスターできるよう、ことばの意味や使い方、メールに対する返事の出し方などを紹介します。

お心遣いの由来

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「お心遣い」の意味を正しく理解するには、この言葉の由来・語源を知っておくことが不可欠です。「お心遣い」を分解すると敬語を意味する「お(御)」と「心」「遣い」に分解することができます。
 
つまり、これらの言葉を組み合わせることで「心配り」「人のためにあれこれ気を配る」といった意味を持つ言葉になるのです。つまり「お心遣い」の意味を深く理解するには、個々の漢字の意味を知ることが大切だといえます。
 
そこで「お心遣い」の意味をさらに深く理解するためにも、それぞれの言葉のもつ由来・意味について確認してみましょう。

心の由来・意味

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「心」の由来・語源は未詳です。一般的には「凝々(こりこり)」「凝々(ころころ)」「凝る(こごる)」といった言葉が「こころ」に転じたとする説が有力視されており、漢字は心臓の形に由来しています。
 
中国では単に臓器を意味するものではなく、心臓の鼓動は精神作用を意味すると考えられていました。そこから「心」人間としての感情や理性、意思、精神といった意味に派生したといえるでしょう。
 
日本では「万葉集」に「こころ」という表現で「心」が出てきます。この時代の「こころ」は臓器を意味していました。精神的な「心」を意味し「心臓」と区別されるようになったのは中古以降の時代です。

「遣う」の由来・意味

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「遣う」は「遣(けん)」の訓読みです。漢字の意味は「行かせる」「仕向ける」「使者」となり、目下の者に指示する表現となります。さらに、日本語においては「与える」「してやる」といった使役の意味が加わるのが特徴です。

したがって「心遣い」とは直訳すると「心を与える」意味となり、「心を配る」といった意味になります。なお「お心遣い」では「使う」ではなく「遣う」を用いているのがポイントです。

「遣う」と「使う」の意味の違いとは

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「遣う」の類語には「使う」がありますが、その意味は微妙にニュアンスが異なります。「遣う」には「操る」「働かせる」といった意味が含まれるのに対し、「使う」には「用いる」「利用する」といった意味を含むのが違いです。
 
つまり「心」や「気持ち」には「遣う」を用いるのが正しい使い方になります。これに対して「モノ」「道具」には「使う」を用いるのが正しい使い方です。

「お心遣い」は「心配り」の敬語表現

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前項で説明したとおり「心」は「こころ」「気持ち」といった精神的な意味が含まれ、「遣う」は「操る」「働かせる」といった使役的な意味が含まれた言葉です。
 
これらを組み合わせることで「こころを働かせる」、すなわち「心配り」「人のためにあれこれ気を配ること」といった意味になります。
 
さらに敬意を表す接頭語である「お(御)」を付すことで尊敬語となります。したがって、実際の会話やメールへの返事では、相手に対してへりくだった表現・意味になることを理解しておきましょう。

「お心遣い」の意味とは?「お気遣い」との違いや使い方の注意点は?のイメージ
「お心遣い」の意味とは?「お気遣い」との違いや使い方の注意点は?
普段お礼文などで利用することの多い「お心遣い」ですが、正しい使い方ができていない方が多いです。今回は、「お心遣い」の意味を紹介し、「お気遣い」との違いや正しい使い方及び仕様の際の注意点について、分かりやすく解説をしていきます。

お心遣いの特徴

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「お心遣い」は日常の会話やメールに対する返事など、様々な場面で頻繁に使われます。しかし「お心遣い」のもつ言葉の特徴や意味を理解し、正しい使い方をしている人は意外と少ないのが実態です。
 
言葉は正しく使ってこそ、相手に真の意味が伝わるといえます。言い換えれば、何となく感覚的に使っていると意味が伝わないばかりか大きな失敗につながることを忘れてはなりません。そこで「お心遣い」のもつ言葉の特徴・意味について解説します。

敬意を意味する表現

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「お心遣い」は「心遣い」に敬意を意味する接頭語「お(御)」を付すことで尊敬語に分類されます。つまり、目上の人や年長者など、敬意を払う相手に対して使う言葉であり、目上の人の行為(心配り)を意味する言葉である点が特徴です。
 
例文にすると「お心遣いいただきありがとうございました。」となります。このように目上の人の行為(心配り)に対する謝意を表す意味で用いるのが正しい使い方であることがわかります。

感謝やお礼の言葉とともに用いる

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前項で説明したとおり「お心遣い」は目上の人の行為(心配り)を意味する言葉となります。そのため「お心遣い」の後には「~いただきありがとうございます。」など、感謝やお礼を意味する言葉(文節)が続くのが特徴です。
 
例えばビジネスシーンで上司や先輩から餞別やお祝いをいただいた場合、単に感謝やお礼を述べるだけでは意味は通じますが、相手に対して失礼にあたります。
 
そこで、より丁寧な言い回しとなるよう「お心遣い」を用いるのが正しい使い方です。「お心遣い」を用いることで、感謝の意に加えて「私のようなもののためにお心遣いいただいた」といった、へりくだった意味をもつ表現とすることができます。

お心遣いを意味するのは「モノ」ではなく「心」

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前項で説明したとおり「お心遣い」は感謝やお礼を目上の人に伝える際に使う言葉となります。ここで特徴的なのが、感謝の対象が具体的な「モノ」ではなく「心」である点が大きな特徴です。
 
例えば、子どもが生まれた際に会社の上司から「出産祝い」をいただいた場合、「お金」に対して感謝の意を表すのではありません。
 
部下である自分に対して「出産祝い」を用意していただいた「心」に対して感謝の意を伝えることを理解しておきましょう。

メールの返事に適している

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「お心遣い」は訓読み(和語)言葉です。訓読み(和語)言葉には優しい響きがあることからメールや手紙などに適しています。

したがって、適切な使い方はメールや手紙を書く場面です。目上の人から「お心遣い」をいただき、メールや手紙で返事を書く際には「お心遣い」を用いると文章全体が優しい響きになります。

その一方で、ビジネス文書など公の書類で訓読み(和語)は使いません。ビジネス文書では「ご配慮」が適切です。ただし、ビジネスシーンで使えないのではなく、ビジネス文書で使えないことを理解しておきましょう。

お心遣いの類語「お気遣い」との違い

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「お心遣い」には様々な類語がありますが、「お気遣い」は1文字違いである上に語感も酷似しています。そのため、言葉の持つ意味の違いを意識せず、感覚的に使ってしまうことも少なくありません。
 
しかし「お心遣い」と「お気遣い」には明確な違いがあります。双方の意味や使い方を正確に理解して、正しい使い方を実践するのが言葉のマナーです。そこで「お心遣い」の類語である「お気遣い」の意味や違いについて紹介します。

「お気遣い」の意味

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「お気遣い」の読み方は「おきづかい」となります。この言葉にも日本語の持つ美しい響きがあり、かしこまった場面で用いられるのが一般的です。なお「お気遣い」とは「配慮」「心配」「相手のために気にかけること」といった意味で使われます。
 
「お気遣い」も「お心遣い」と同様に日常生活やビジネスシーンにおいて、頻繁に使われる言葉です。すなわち、人とのコミュニケーションを図る上では必要不可欠な言葉だといえます。

「お気遣い」は尊敬語

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「お気遣い」は「お心遣い」と同様に「気遣い」に接頭語「お(御)」を付すことで尊敬語に分類されます。つまり、目上の人や年長者など、敬意を払う相手に対して使う言葉であるのが大きな特徴です。

したがって、同僚や部下に対して使うと丁寧過ぎる表現となり、メールの返事などに用いるとやや重たい文章になってしまうので注意しましょう。

「お気遣い」の対象は「気持ち」

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「お気遣い」は目上の人の行動(気遣い)を表すものです。しかし、その対象は「モノ」ではなく相手の「気持ち」となります。

例えば、体調不良の際に会社の上司から「薬」をいただいた場合、「薬」に対して感謝の意を表すのではありません。

あくまでも、部下である自分のことを心配していただいた「気持ち(気遣い)」に対して感謝の意を伝える意味で用いることを理解しておきましょう。

「お気遣い」の使い方

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「お気遣い」は「気遣い」の尊敬語ですから、相手の行為(気遣い)に対して使う言葉です。つまり、自分自身の行為(気遣い)に対して用いる言葉ではありません。

一般的には目上の人の「気遣い」に対する感謝を伝える際に使われます。したがって「心遣い」と同様に「気遣い」の後には「〜いただきありがとうございました。」など、感謝の意を表す文節が続くのが特徴です。

「お気遣い」の例文①

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「お気遣い」を用いた例文としては「お気遣いいただきありがとうございました。」があります。これは目上の人の行為(気遣い)に対して、感謝の意を丁寧に伝える表現となり「お気遣い」の使い方としては非常にスタンダードです。

単に「ありがとうございます。」としたのでは、相手に対する敬意を表現することはできませんが、「お気遣い」を加えることで丁寧な言い回しとなります。

「お気遣い」の例文②

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「お気遣い」を用いた例文に「どうぞお気遣いなく」といった使い方があります。これは「気遣い」の意味の一つである「心配」を打ち消す表現です。 

相手が自分のことを気遣ってくれるのを察知して、先に打ち消すことで負担を軽減することを目的としています。「心配はいりません。」でも意味は通じますが、「お気遣い」を用いることで、優しい言い回しにすることが可能です。

「お気遣い」と「お心遣い」の違いとは

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ここまで「お気遣い」の意味や使い方について解説してきました。尊敬語である点や感謝やお礼を表す文節で用いる点など、あまりにも共通点が多く混同するのも無理はありません。

「お気遣い」と「お心遣い」の決定的な違いは、前者は「思いやりをもって実行した行為」であるのに対し、後者は「神経を使って行動した行為」である点です。

とりわけ「お気遣い」には「心配」の意味が込められています。したがって、迷った際には「心配」に置き換えることが可能か否かで判断するのも一つの方法です。

「お気遣い」はビジネス文書には使えるか

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稀にビジネス文書において「お心遣い」 の代わりに「お気遣い」を使う事例が見受けられますが、これは間違った使い方です。これまで解説したようにビジネス文書では訓読み(和語)言葉は使えません。

したがって、「お気遣い」も「お心遣い」と同様に訓読み(和語)なので、ビジネス文書では避けた方が良いでしょう。

ただし、相手が上司や取引先であってもビジネス文書ではなく、メールに対する返事や対面の場合であれば問題ありません。むしろ、敬意を伝えるためにも積極的な使い方をすべきです。

お心遣いの使い方

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「お心遣い」は「心配り」「人のためにあれこれ気を遣うこと」を意味する言葉です。敬語表現となりますから、目上の人に用いるのが正しい使い方となります。
 
なお、日常生活やビジネスシーンで用いる場合には、目上の人からいただいた「心配り」などに対し感謝や謝意、お礼の意を表現する使い方が一般的です。もちろん、目上の人からのメールに対する返事として用いることもできます。
 
ただし、使い方を間違えると当方の意図が伝わらないばかりか、相手に失礼にあたることも少なくありません。そこで、例文を使って「お心遣い」の正しい使い方を紹介します。

例文①

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「お心遣い」は目上の人に対する感謝を表す際に使うと非常にスマートです。例えば、転勤などが決まり上司や先輩から餞別をいただく場面があります。
 
例文にすると「私の転勤に際しましては、過分なお心遣いをいただき、誠にありがとうございました。」といった使い方が適当です。
 
同僚や部下からいただいた餞別であれば、単に「ありがとう」でも意味は通じます。しかし、目上の方だと感謝とともに敬意を伝えましょう。例文のように敬語表現である「お心遣い」を添えることで、スマートに敬意を伝えることができます。

例文②

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「お心遣い」はビジネスシーンでお礼を意味する場面で使うと丁寧です。例えば、自社において新たに支店や営業所を開設した際、取引先から祝電やお花を贈っていただく場面があります。
 
例文にすると「弊社○○支店開設の折には早々にご祝電を頂戴し、温かいお心遣いに深く感謝いたしております。」といった使い方が適当です。
 
ビジネスシーンでは「お心遣い」は適さないとする向きもあります。しかし、企画書などビジネス文書でない限り例文にある「お心遣い」の使い方は間違いではありません。むしろ優しい表現となり、相手から好感を持たれるでしょう。

例文③

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メールで感謝の意を伝えたい時には「お心遣い」を使うとよいでしょう。例えば、地域の懇親会などに参加した場合、翌日にはメールなどで謝意を伝えたい場面があります。
 
例文にすると「メールにて失礼いたします。昨日は懇親会にご招待いただき誠にありがとうございました。ご親切なお心遣いに感謝いたしております。」といった使い方です。
 
メールの場合だと、双方の顔が見えませんから、より丁寧な表現が求められます。その場合、例文のようにメールで感謝の意を伝える非礼をお詫びした上で「お心遣い」を用いると良いでしょう。

例文④

Photo byTeroVesalainen

目上の人からのメールに対する返事にも「お心遣い」を用いると、文章全体の格式が上がります。例えば、体調などを心配してメールをいただいた際には、早急に返事をしたいものです。
 
例文にすると「お気遣いいただきまして誠にありがとうございます。おかげさまで順調に回復しており、明後日には退院の見込みです。」といった使い方になります。
        
単に「メールをいただきまして誠にありがとうございます。」としても意味が間違っているわけではありません。しかし目上の人に対しては「お気遣い」を用いることで「恐れ多い」といった意味が含まれ、敬意を表す表現にすることができます。

例文⑤

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一般的に「お心遣い」の後には、感謝の意味を表す文節を続けます。しかし、目上の人から「お心遣い」いただいたことに対する結果を報告することで、感謝の意を伝えることも可能です。

例文にすると「昨日は急に予定を変更し申し訳ございませんでした。温かいお心遣いをいただき、すっかり元気になりました。」といった使い方となります。

例文では感謝の意味となる言葉は全く用いていません。しかし「お心遣い」を加えるだけで、相手に対する敬意や感謝の意を込めることができるのが、この言葉のもつ特徴だといえます。

お心遣いの注意点

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「お心遣い」は目上の人からの「心配り」に対して感謝の意を伝える尊敬語となります。尊敬語でありとても丁寧な表現であるため、対面だけでなくメールに対する返事など様々なシーンで用いることができるのが特徴です。
 
しかし、使い方や意味を正しく理解しておかないと、全く場違いなシーンで用いてしまう恐れがあります。そのようなミスを防ぐには、「お心遣い」のもつ意味や特徴から注意点を整理することが大切です。そこで、「お心遣い」の使い方における注意点を紹介します。

ビジネスシーンにおける使い方の注意点

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ビジネスシーンでは、上司や取引先と対面やメールでコミュニケーションをとる場面が多々あります。その際「お心遣い」は大変便利な言葉ですが、むやみに使うのは間違いです。
 
また、「お心遣い」はビジネスシーンでは使えないと思い込んでいる人もいますが、使い方を間違えなければ問題ありません。そこで、ビジネスシーン用いる際の注意点と正しい使い方をまとめてみました。

「お心遣い」を使えない場面

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ビジネス文書では「お心遣い」は使えません。ビジネスシーンで用いられる業務報告や企画書など公の文書はビジネス文書と呼ばれています。

ビジネス文書には様々なルールがありますが、その中でも訓読みの言葉(和語)を用いることは好ましくありません。

「お心遣い」は訓読み(和語)言葉に分類されますから、ビジネス文書では使えないのです。正しくは漢語の動作性名詞である「ご配慮」を用いるとよいでしょう。

「お心遣い」を使える場面

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ビジネスシーンであっても、上司や取引先との対面で打ち合わせを行う場面などであれば「お心遣い」を使うことに問題はありません。

「お心遣い」を使えないのは、あくまでも公式のビジネス文書です。したがって、公式の場面であっても対面であればビジネス文書とは性質を異にしますから、訓読み(和語)言葉を避ける必要はありません。

むしろ「お心遣い」を用いることで、上司や取引先には丁寧で優しい表現となり好感を得ることができるでしょう。

ビジネスメールの返事に「お心遣い」が使える理由

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「お心遣い」はビジネスメールの返事に使うことは可能です。ビジネスシーンにおいてメールは必要不可欠なコミュニケーションツールだといえます。

そのため、業務報告や企画書といったビジネス文書だけでなく、様々な場面で利用しているのが実態です。したがってビジネス文書以外の目的でメールを利用する場合、「お心遣い」を用いることに問題はありません。

むしろ、取引先などとのメールの返事には「心遣い」を積極的に使うべきでしょう。メールに対する返事などに「お心遣い」を用いることで相手に経緯が伝わり、より関係を良好にする効果があります。

「お心遣い」の間違った使い方

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これまで紹介してきたとおり「お心遣い」は敬意を表す接頭語「お(御)」を付した「心遣い」の尊敬語です。つまり「心遣い」と「お心遣い」では、行為(心遣い)した者が異なります。

具体的には「お心遣い」は目上の人が行った行為(心遣い)であり、「心遣い」は自分が行った行為(心遣い)となります。つまり、行為(心遣い)した者が自分である場合、「お心遣い」とするのは間違った使い方です。

間違った「お心遣い」の例文

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例文「お心遣いいただきありがとうございました。」は行為者が目上の人ですから正しい使い方になります。これに対して「お心遣いさせていただきました。」は行為者が自分ですから間違った使い方です。

稀に「お心遣いいただけませんでしょうか。」といった使い方をする人がいます。この例文において行為者は目上の人ですから正しい使い方だと考えがちです。しかし、目上の人に対して「心遣い」を求めることは大変失礼にあたります。

「お心遣い」はあくまでも目上の人の「心遣い」に対して感謝を伝える文節で用いる尊敬語です。したがって、好意を促す言い回しで使いうことはあり得ません。

「お心遣い」の言い換え

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一般的に「お心遣い」はビジネス文書では使いません。よって同じ意味を持つ言葉に言い換えることが必要です。この時に適している言葉が音読み言葉である「ご配慮」となります。

「ご配慮」の読み方は「ごはいりょ」です。「心を配ること」を意味し、敬意を表す接頭語「ご(御)」を付していることから尊敬語になります。すなわち、目上の人の行動(配意)に対して用いる言葉であることを理解しておきましょう。

「ご配慮」の特徴

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例文のように「ご配慮」を「お心遣い」に言い換えることは可能です。ただし、「ご配慮」を用いると、堅いイメージとなります。したがって、使い方としてはビジネス文書もしくはそれに準ずる文書やメールの返事に用いるのが適切です。

「お心遣い」はあくまでも自分が「心遣い」を受けた際に使います。ところが、「ご配慮」は相手に対して「配慮」を求める際に使えるのが大きな違いです。

例えば、目上の人に対して「ご配意いただけませんか。」と使うことはありますが「お心遣いいただけませんか。」とは使いません。つまり「お心遣い」は謙譲語に近いニュアンスであることを理解しておきましょう。

「お心遣い」を使ったメールでの返事の出し方

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「お心遣い」は「心配り」を意味する言葉であり、非常に優しいイメージをもっています。そのため、目上の人や上司、取引先などからいただいたメールに対する返事に使うとよいでしょう。

ただし、メールは後々まで残るものです。「お心遣い」の正しい意味を理解せず、間違った使い方をすると非常に気まずい思いをすることになります。そこで、「お心遣い」を使ったメールでの返事の出し方をまとめてみました。

メールで「お心遣い」の意味は変わるのか

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「お心遣い」の言葉の意味は、口頭とメールで大きく異なることはありません。いずれも「心配り」「人のためにあれこれ気を配ること」といった意味で使います。

日常生活では目上の人、ビジネスシーンでは上司や取引先からメールによって「心遣い」をいただくことがあります。この場合、「お心遣い」は感謝を意味する文節で使われることも変わりありません。

メールの返事ではより丁寧な表現が求められる

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口頭とメールにおいて相違する点は、言葉の意味ではなく「お心遣い」に続く文節です。一般的に「お心遣い」に続くのは感謝を意味する文節です。

口頭の場合、あまり堅いを表現を使うと会話全体が堅苦しくなりますから、敢えてシンプルな言い回しとします。しかし、メールは文章として後々まで残るものですから、文法に則った堅い表現を取り入れましょう。

メールの返事の例文

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一般的に「お心遣い」を使った例文は「お心遣いありがとうございます。」となります。この例文は口頭で相手の心遣いに対する感謝を伝える場合に適した使い方です。

メールの場合だと「お心遣いいただき誠にありがとうございます。」「お心遣いを賜りありがとうございます。」となります。

前者に比較すると後者は非常に堅い表現です。しかし、文字にして残す場合には文章全体が引き締まり相手にも好印象を与えます。

ビジネスメールでは冒頭に入れる

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ビジネスメールで「お心遣い」を用いる場合、メール文書の冒頭に「お心遣い~」の文節を入れるのが鉄則です。

「お心遣い」を用いるフレーズは、目上の人の「心遣い」に対する感謝を意味します。したがって、メールで返事をする場合には、「お心遣い」から書き出すのが大人のマナーです。

また、同じメール本文に「お心遣い」を用いたフレーズを複数いれないよう留意しましょう。何度も「お心遣い~」を用いたフレーズが登場すると、せっかくの感謝の意に重みがなくなるのがその理由です。

「お心遣いありがとうございます」の意味や使い方!メール返信の例文も紹介!のイメージ
「お心遣いありがとうございます」の意味や使い方!メール返信の例文も紹介!
「お心遣いありがとうございます」は、メールの返信としてビジネス使われますが日常の会話では「お心遣いありがとうございます」といった使い方はあまりしません。「お心遣いありがとうございます」の意味、類語、英語の使い方などの知識について説明をします。

お心遣いは「心配り」という意味

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「お心遣い」は「心配り」という意味の言葉です。ただし、接頭語「お」が付いていることから、単に「心配り」を意味するのではなく、相手に対する敬意の意を含んでいます。また、自分の行動ではなく、相手の行動を表すことが大きな特徴です。

なお、「お心遣い」は相手に感謝を伝える意味で使います。そのため「お心遣い」には感謝を意味する文節が続くのが一般的です。したがって、例文にすると「お心遣いいただきありがとうございます。」となります。

「お心遣い」は相手に対する敬意を示す優しい言葉ですから、上司や取引先からのメールの返事などに使っても差し支えありません。ただし、ビジネス文書に音読み(和語)言葉は使えませんから注意しましょう。

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ライター

nuutarow

「人にやさしく」「前向きに生きる」を信条に笑顔で日々を過ごしているフリーライター、ビジネスブロガーのnuutarowです。得意分野はビジネス、ライフスタイル、恋愛、エンタメなど、これまで多くの人々と接してきた経験を活かして執筆しています。趣味は音楽制作、ランニング、読書です。みなさんの心に残る記事をお届けします。

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