普通自動車免許とは
自動車の運転免許証についてですが、実は3つの部分に分けることができます。最も一般的な「普通自動車免許」の正式名称は「普通+自動車+第一種免許」となります。まず始めに、「普通」の部分からですが、「普通」以外には「中型」と「大型」そして2017年に制定された「準中型」の4種類があります。
普通自動車免許以外に4種類の免許がある
2007年6月2日の改正道路交通法の施行によって、「中型車両」の区分が新設されました。それまでは「普通免許」の上位免許は「大型免許」のみでした。そうすると、今までの「普通免許」で新設された「中型車両」を運転できなくなるのは困るということで、既に「普通免許」を取得済みの方は条件付きで「中型車両」を運転できるようにしました。
それが「車両の総重量が8t未満で最大積載量は5t未満、乗車定員が10人以下の自動車を運転することができる」という条件です。年月が経ち、「準中型車両」という区分がさらに新設されました。そのため、2007年6月2日~2017年3月12日に「普通免許」を取得した方は、同様の理由によって条件付きで「準中型車両」の運転をできるようにしました。
それが「車両の総重量が5t未満で最大積載量は3t未満、乗車定員が10人以下の自動車を運転することができる」という条件です。そして、2017年3月12日以降に「普通免許」を取得した方は、「車両の総重量が3.5t未満で最大積載量は2t未満、乗車定員が10人以下の自動車を運転することができる」という条件になっています。
次に「自動車」の部分ですが、ここには「自動車」以外の乗物が入る事もあります。まずは「自動二輪車」です。これには、「普通」「大型」「小型」があります。そして同じ「自動二輪車」でも原付(排気量50cc以下)の「原動機付自転車」は別の区分となっています。それ以外には「小型特殊自動車」と「大型特殊自動車」があります。
「特殊自動車」とは、キャタピラがあったりロードローラーがあったりするものや、農耕作業車、ショベルカーなどの走行以外に使用する目的を持つ自動車です。もう一つ、運転席と荷台や客車が分離できるタイプの「牽引自動車免許」があります。
この「牽引免許」は少し特殊な免許で、運転には関係ありません。あくまでも「牽引」、つまり車両の連結部分に関連する免許となります。「牽引」して運転する場合の車が普通車であれば「普通自動車免許」、大型車であれば「大型免許」が必要となりますので注意してください。ちなみに「牽引」が正式名称で「けん引」は略称となります。
「自動二輪車」は「二輪」、「原動機付自転車」は「原付」と正式名称と略称が異なるものもあります。ここではあえて混在させていますが、履歴書に記載する場合には正式名称で記載するのが本来のルールです。
3つ目が免許証に記載の「第一種」と「第二種」の部分です。旅客を運送するために必要になるのが「第二種免許」となります。バス、タクシー、ハイヤーなどの旅客を運送する目的の自動車を運転するための免許であり、自家用バスの運転や、送迎用の自家用車などの運転などは旅客運送には含まれません。
日本には3種類の「自動車免許」があります。1つ目は「仮免許」で、「自動車免許」を取得しようとする人が路上での練習をするために発行されます。2つ目が「第一種免許」で、公道で自動車や自動二輪車を運転するために必要になります。
そして旅客運送をするために必要となるのが「第二種免許」です。この免許なしに旅客を運送すると違法行為となり、逮捕されたり起訴されたりするので絶対に行わないでください。雇用者もそれを避けるために、免許証が「第一種」なのか「第二種」なのかを確認するので、応募者は正式名称で書くように書き方を気を付けるようにしましょう。
第一種運転免許の種類と正式名称一覧
「第一種免許」は合計で12種類あります。初出の免許については正式名称で、2回目からは略称にて記載します。まず1つ目は「普通自動車第一種免許」です。この免許を取得することで2つ目の「小型特殊自動車免許」と3つ目の「原動機付自転車」の免許も同時に付与されます。
次に4つ目の「中型自動車第一種免許」です。「普通免許」に加えて「中型車」と「準中型車」を運転することができます。既に述べたように「中型車」は、2回区分が変更されています。
2007年6月1日より前に「普通免許」を取得している方は、「車両の総重量が8t未満で最大積載量は5t未満、乗車定員が10人以下」の「中型自動車」を運転することができます。2007年6月2日~2017年3月11日に「普通免許」を取得した方は、車両の総重量が5t未満で最大積載量は3t未満、乗車定員が10人以下の「準中型自動車」を運転することができます。
それ以降に「普通免許」を取得した方は、車両の総重量が3t未満で最大積載量は2t未満、乗車定員が10人以下の「普通車」を運転することができます。新しい区分となる5つ目の「準中型自動車免許」は、「車両の総重量が3.5t以上7.5t未満で最大積載量は2t以上4.5t未満、乗車定員が10人以下」の「準中型自動車」を運転することができます。
また、「準中型自動車免許」は、一種と二種の区分がされていないことも特徴です。6つ目の「大型自動車第一種免許」は、車両の総重量が11t以上で最大積載量は6.5t以上、乗車定員が30人以上の自動車を運転することができます。履歴書に記載する場合には、書き方で損をしないように正式名称で記入しましょう。
7つ目は「普通自動二輪車免許」で、400cc以下のオートバイを運転することができます。「普通二輪」には、「原動機付自転車免許」及び「小型特殊自動車免許」も付与されます。8つ目は「大型自動二輪車免許」で、400ccを超える全てのオートバイを運転することができます。
9つ目は新設された免許で「小型限定自動二輪車免許」で、125cc以下のオートバイを運転することができます。
10個目は「小型特殊自動車免許」で11個目は「大型特殊自動車免許」です。工事用の重機や農作業用のトラクターやコンバインなどを運転するための免許証です。長さ4.7m以下、幅1.7m以下、高さ2m以下、速度15km以下のものに限り「小型特殊自動車」となりますが、それ以外は「大型特殊自動車」となります。
12個目は「牽引自動車第一種免許」です。いわゆるトレーラーと呼ばれる750kgを超える「牽引する車」を連結して運転するために必要な免許です。
第二種運転免許の種類と正式名称一覧
「第二種免許」は5種類です。タクシーやハイヤー、運転代行などに必要となるのが1つ目の「普通自動車第二種免許」です。マイクロバスを利用するホテルや旅館の送迎、中型観光バスなどに必要となるのが2つ目の「中型自動車第二種免許」です。そして大型観光バスや路線バスなどで必要になるのが3つ目の「大型自動車第二種免許」です。
雪上車やユンボなどの大型特殊車両を旅客営業する際に必要となるのが4つ目の「大型特殊自動車第二種免許」です。トレーラーバスなどの運転席と客席が分かれているタイプの大型車両で旅客営業する際に必要となるのが5つ目の「牽引自動車第二種免許」です。
履歴書には正式名称を書く
ここまで免許証のことについて詳しく述べてきました。免許によっては取得した年月日によって、運転できる車両や乗車定員が異なってきます。履歴書には、面接官となる担当者が、できるだけ理解しやすいようにする書き方が重要となります。正式名称を書くことが基本となりますが、その条件なども正式名称で書き込むとさらに分かりやすくなります。
普通自動車免許の取得日の確認方法
免許の取得日を確認するには、免許証の左下の日付を見ましょう。「普通自動車免許」以外の免許を取得していない方は、「他」と書かれている日付が「普通自動車免許」の取得日となります。「普通自動車免許」の取得後に「大型」や「中型」免許を取得している方は、免許証を見ただけでは「普通自動車免許」の取得日がわかりませんので後述します。
また、免許証を紛失した方は再発行した日付となっています。その方も、同様に後述する方法で免許証の取得日を確認してください。
普通自動車免許の履歴書への書き方
道路交通法上の表記では、「普通自動車免許」となっています。なので履歴書に「普通自動車免許」と書いても問題となるケースは極めてまれであると言えます。しかし、ゼロであるとは言い切れません。万全を期すためには、いつでも正式名称を書けるように、正式名称と条件等の書き方を覚えておきましょう。
「中型」や「大型」などの種類の免許を持っている方は、アピールポイントとなります。しっかりとした書き方で履歴書に正式名称を記載しましょう。
普通とある場合は普通自動車免許の正式名称を書く
自分の免許証を確認してみましょう。「種類」という欄に、上7マス、下7マスで合計14マスの色付のマスがあります。上の真ん中のマスに「普通」とあったら、あなたの免許証は「普通自動車免許」です。「普通自動車免許」を取得したはずなのに「普通」と書いてない方は、上述の「中型」「準中型」の区分変更の影響を受けています。
「中型」と書かれている方は、「免許の条件等」という欄に「中型車は中型車(8t)に限る」という記載があります。「準中型」と書かれている方は、免許の条件等という欄に「準中型車は準中型車(5t)に限る」という記載があります。
オートマ限定は必要以上に書かずともOK
この「免許の条件等」という欄に、「〇〇車はAT車に限る」と取得した免許についての条件が書かれている方はAT限定免許になります。2005年からは二輪にもAT限定の制度ができました。そしてこれは、車を使用する職種へ応募する場合以外には、あえて記載する必要はありません。
「営業」「ドライバー」などの自動車の運転が必須となる職種になると、AT限定免許ではその企業が所有する車両を運転できない可能性があります。通常の営業車やトラックであれば、80~90%以上の確率でAT車だと考えられます。しかし、何らかの理由によってMT車を使用している企業もありますので、応募の際には注意してください。
これ以外にも、「眼鏡等」と書かれている方は、単眼の視力で0.3以下、両目での視力が0.7以下の方です。運転するには視力矯正用具が必要となりますが、こちらも同様に、無理に履歴書に書く必要はありません。
普通自動車免許を書く時の注意点
繰り返しになりますが「普通自動車免許」ではなく「普通自動車第一種免許」と正式名称で書く習慣を付けておきましょう。履歴書は、企業では保存保管しておくべき重要書類です。企業によっては、正式名称を記入していないという理由で不採用という事例もありますので注意しましょう。
第一種運転免許の履歴書への書き方
履歴書の中にある「免許・資格」の欄に、取得年月と正式名称を書きこみます。最初に免許類を書き、次に資格類を書きます。記入する際には、西暦・元号を統一すれば、どちらで記入してもかまいません。取得時から名称の変わっている資格は、取得時点での名称を記載して、カッコ書きなどで現在の名称などを記載して説明しましょう。
現在勉強中の免許や資格などを記載するのも有効ですが、応募企業への関連性が認められないと採用担当者が疑問を持ちかねません。持っている資格を全て記入するのではなく、応募企業へアピール可能な資格のみ正式名称を記入するような書き方にしましょう。
道路交通法においては、上位の資格は下位の資格を兼ねることができるとされています。ですから、「大型自動車」の資格を取得している人は、あえてその下位資格である「中型自動車」「普通自動車」等の資格をわざわざ記載する必要はありません。ただし、記載したい場合については後述しますので参考にしてください。
第一種の場合も正式名称を履歴書に書く
多くの方が取得している免許は「第一種免許」です。そして輸送業や観光業で必要となるのが「第二種免許」です。それでも、履歴書の書き方は正式名称の「普通自動車第一種免許」となります。何故なら、それがルールだからです。面倒かもしれませんが、あえてルール違反をして減点される必要はありません。
第一種の補足が必要な場合
前述のとおり、免許証には条件が付いていることがあります。最も有名なものは「〇〇〇車はAT車に限る」という「AT限定」です。次は視力の条件となる「眼鏡等」です。それ以外にも、聴力や何かしら身体に障害があり運転する際の条件がある場合には全てここに記載されます。
そして「普通自動車免許」でも、取得年度によって異なる条件が付く場合も、「中型車は中型車(8t)に限る」や「準中型車は準中型車(5t)に限る」と記載が必要になりる場合がありますが、こちらも正式名称で記載しましょう。
第二種運転免許の履歴書への書き方
これまで記載してきた「第一種免許」とは異なり、「第二種免許」については扱いが少し異なります。何故なら履歴書には、応募先企業に関連する免許・資格のみを書くことが前提だからです。ですから、「第二種免許」を記載するということは、「旅客運送」に関連する企業への応募ということになります。
そうなってくると、運転に関連する取得した資格を全て記載した方がよい場合などもあります。大きな運送関連企業で、「観光部門」と「配送部門」を保有していたり、貸与される社有車が共用使用など、保有資格によって配属が変わってくることもあるためです。
第二種の場合も正式名称を履歴書に書く
旅客車両の運行に関連する免許である「第二種免許」。この免許を保有する人材を必要とする企業は、「第一種免許」「第二種免許」という区分にかかわらず、運転免許や運転経歴に関連する情報は全て提出するのがよいでしょう。ですから、所有する免許はきちんと正式名称で履歴書に記載するようにしましょう。
運転免許を複数履歴書に書く書き方
繰り返しになりますが、道路交通法においては、上位の資格は下位の資格を兼ねることができるとされています。ですから、「大型自動車」の資格を取得している人は、あえてその下位資格である「中型自動車」「普通自動車」等の資格をわざわざ記載する必要はありません。正式名称で「大型自動車第一種運転免許」と記入しましょう。
それでも履歴書の提出先企業に自分の取得した免許をPRしたい場合には、複数の免許を取得したことをPRする書き方があります。
古い免許証から書く
免許を複数履歴書に書く際には、取得年度が古い物から記載します。そうすると、「大型免許」を取得した方は「中型免許」や「小型免許」を取得する必要はありませんので、きれいな「免許・資格」欄ができあがります。これは「自動車」「自動二輪車」「特殊自動車」に関係なく共通の書き方です。
ここに、本来は記載の必要のない資格についても時系列順に書き込めばよいのです。そうすると、担当者はどの資格をどの順番で取得したのかが理解できます。
全ての免許の取得年月日を知るには
ご自分の免許証の左下を見て下さい。そこには、3種類の取得年月日を記載する欄が設けられています。1つ目は、「二・小・原」とありますようにオートバイ関連の枠です。2つ目は、「他」と記入されています。これは4輪が全てまとめてありますので「大型」「中型」「普通」「小型」を取得した人が、最後に取得した年月日が記載されています。
という訳で、複数種類の免許を取得した方については、個別の取得年月日を免許証で確認することはできません。また、紛失や盗難等によって免許証を再発行したことのある方もいるかもしれません。そんな方については、免許証が再発行された年月日が記載されています。
ご自身がそれぞれの種類の免許を取得した正確な年月日を知るためには、過去には2種類の方法がありました。1つは「専用端末」を使用する方法で、無料で、その場で確認することができます。もう一つは、「運転経歴証明書」を発行してもらう方法でした。この「運転経歴証明書」の制度は現在はありません。
専用端末の利用
皆さんが現在持っている免許証は、2007年以降に更新した際に順次ICチップが埋め込まれているタイプの免許証へとなりました。そのICチップには、各種の運転に関する情報が登録されています。ですから、専用端末を利用することによって、詳細な情報を確認することが可能となります。
専用端末は、各地の「運転免許センター」および「警察署」に設置されています。確認用の端末を使用することによって、各種免許の取得年月日を確認することができます。ただし、免許証取得時に登録した4桁の暗証番号が必要となります。
暗証番号を3回以上間違えてしまうとICチップはロックされてしまい、それ以上情報を確認することはできなくなります。ロックされてしまった場合や暗証番号を忘れてしまった場合には、必ず本人が免許証を持って最寄りの「警察署の免許窓口」か「免許センター」でロック解除の手続きを行ってください。
運転免許経歴証明書の発行
以前はICチップの入っていない免許証を持っていない方のために、「運転免許経歴証明書」を有償で発行していました。しかし、現在では全ての方の免許証にICチップが入ったので、その必要はなくなりました。その代わりに、免許証と同様に身分証明証として利用可能な「運転経歴証明書」を発行しています。
これは、運転はしないけれど身分証明書として運転免許証を使用したいという高齢者に、自主的に免許返納をサポートする目的で発行されています。
運転免許はどこまで履歴書に書くべきか
昭和から平成、そして令和へとなり、車離れも加速しています。自動車の運転免許を持っていない20代の若者も増えてきました。自動車の運転に関する「免許・資格」に関しては、取得していて不利になることはありませんので、履歴書に正式名称で記載した方が良いと考えられています。
ですから「二輪」「四輪」「特殊」で自身が保有する免許のうち、上位資格を記載する通常の記載方法で正式名称で記載しましょう。
普通自動車免許で運転できる車の種類
「普通自動車免許」で運転できる車の種類は、「普通自動車」「小型特殊自動車」「原動機付自転車」の3種類が基本となります。これに前述の「中型自動車」の区分変更によって、2007年5月31日までに「普通自動車免許」を取得した方は「中型車は中型車(8t)に限る」となります。
そして、2017年3月11日までに「普通自動車免許」を取得した方は「中型車は中型車(5t)に限る」となります。2017年3月12日以降に「普通自動車免許」を取得した方は、条件等の記載はありませんが3tまでの車を運転することができます。
第一種運転免許の場合
「第一種運転免許」は日本の公道を走ることのできる資格になります。ですから、自家用車、レンタカー、マイクロバス、トラック、トラクター、耕運機、パワーショベルなどを運転することができます。(中型車・大型車は免許の許容しているt数まで、特殊自動車は持っている資格の範囲まで)
「特殊車両」については、運転することは可能です。しかし、公道を走るためのナンバーを取得したものでないと、公道を走ることはできませんので注意してください。
第二種運転免許の場合
「第二種運転免許」は、旅客自動車を旅客を運送する目的で運転する場合に必要となる資格です。旅客自動車というのはバス、タクシー、ハイヤー、それ以外に民間救急車、自動車運転代行などの車両になります。これらの車両が、旅客を乗せて運行する際に「第二種運転免許」が必要になります。
普通自動車免許を履歴書に書く時は正式名称を書く
最も一般的な「普通自動車免許」にも、取得時期によって運転できる車両の重量が異なるために3種類(8t、5t、3t)、さらに「一種」と「二種」を合わせれば合計で6種類の異なる免許(条件)が存在することになります。運送関係企業の採用担当者は、採用にかなり気を遣うことでしょう。
それ以外にも、「大型」や「中型」などの種類の免許が存在します。運送には関係のない業種においても、履歴書に運転に関連する資格が正式名称で書いてあって困ることはありません。ところが、略称や通称で記載されていた場合には、何かしらの間違いや勘違いが発生する可能性は残ります。
履歴書や公式な文書には、「資格・免許」を正式名称で記載するようにすることを習慣付けておきましょう。それに付随する条件も、正式名称かつ正しい書き方で記載しましょう。