転職回数が多い人は不利になる?イメージダウンしないための受け答えを解説

転職回数が多い人は不利になる?イメージダウンしないための受け答えを解説

就職活動に関係することでよくいわれるのが、転職回数の多い人は不利であるということです。そのため、転職回数を気にしている人も多いはずです。でも、面接での受け答えなどで有利に進めることも出来ます。そんな転職活動を有利に進めるコツを解説します。

記事の目次

  1. 1.転職が多い人は面接で不利なのか
  2. 2.転職回数が多いは平均何回以上?
  3. 3.転職回数の数え方
  4. 4.転職回数が多い場合は下準備が重要
  5. 5.転職回数が多くてもプラスになる回答
  6. 6.転職回数が多い場合の職務経歴書の書き方
  7. 7.転職活動例ー研究職の場合
  8. 8.「転職回数が多い=経験の多さ」とプラスにとらえよう

転職が多い人は面接で不利なのか

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よく、「転職回数が多い人は不利になる」と言われます。しかし、就職の形態が多様化してきている現在、必ずしも当てはまるとは言えません。転職回数が多い人でも優秀な人材はたくさんいますし、企業としてもそのような人材は欲しいです。それではどのようにしたら、転職回数が多くても有利にすることが出来るのかということを解説していきます。

転職が多くても回答次第で有利になる

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私たちはともすると就職活動の時に転職回数が多いと不利になると思いがちですが、実は人事担当者が一番気にしているのは、転職した理由や、自社にどのような貢献ができるか、なのです。ですから、面接でそのような点についての受け答えがきちんとでき、自分が自社にとって必要な存在になれることをアピールできれば、有利にすることも十分可能です。

詳細は後述しますが、面接などの受け答えの仕方によっては人事担当者に好印象を与えることが出来ます。つまり、回答の仕方次第で味方につけることも出来るのです。

転職回数が多いは平均何回以上?

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それでは、平均の転職回数はどのくらいなのかというと、紹介・派遣会社の調査によれば、日本における転職回数は大体2回というのが転職を経験した人の平均です。これは、日本の労働政策研究・研修機構(JILPT)という機関の調査結果です。

日本では、一つの会社に定年まで勤めるという文化が長いこと続いたので、あまり転職回数としては多く感じる数ではありません。しかし、近年では雇用形態の多様化が進んでいるので、この値もだんだんと変化してきています。

また、外国(特に欧米)では、ステップアップするための転職は決して珍しいことではなく、平均の転職回数も日本よりはるかに多いです。例えばアメリカでの転職回数は平均で11以上となっています。ですので、転職先を探すのに外資系の会社を探すのも一つの方法と言えます。

転職回数の「多い・少ない」の認識は人事担当による

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転職回数の多い・少ないの判断は、人事担当者によることがほとんどで、明確な線引きはありません。しかし、だからといって、転職理由が「仕事の内容が詰まらなかった」では「すぐにやめられてしまうのではないか」と思われて不利になってしまいます。以下では、転職回数の数え方や、前もってとるべき対策などを解説していきます。

転職回数の数え方

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まず、転職回数はどのように数えるかということです。このようなことは普段あまり気にすることがないので、改めて聞かれると考えてしまう人も多いはずです。しかし、転職活動をする場合には必ず知っておく必要があります。ここでは、転職回数の正式な数え方を解説します。

在籍した会社の数から1を引く

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では、転職回数を数えるのはどうするのが正解なのかということですが、在籍した会社や組織の数から1を引いた数が転職回数になります。例えば、現在、在籍している会社が3社目であれば、転職回数は2回というのが正解です。うっかりすると、在籍した会社の数=転職回数と考えてしまいやすいので、注意する必要があります。

転職回数が多い場合は下準備が重要

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先ほど、「必ずしも転職回数が多い人が不利になるとは限らない」と書きましたが、何も準備しなくていいわけではありません。転職回数が多いということは、「性格的に問題があるのではないか」とか、「ここでも長続きしないのではないか」などと思われてしまう可能性もあります。しっかりと履歴書や面接での受け答えに対する対策をすることも必要です。

採用者が納得できる理由を用意する

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転職回数の多い人の場合、人事担当者が一番気にするのは「ここでうまくやっていけるか」や「ここでどのような経験を生かせるのか」などです。ですから、履歴書や面接などでアピールすべき点は、「自分はここでこのような貢献ができる」といったことです。

特に、転職回数が多く、かつ平均の勤務期間が短かったり、勤務期間が1年未満の職場があったりする場合は、性格的な問題などが原因ではないことについて人事担当者を納得させることのできるような事情を説明する必要があります。

ただ、平均の勤務期間が短かったりする場合でも、研究職の場合のように「研究費での雇用で研究費が切れてしまった」とか、「血縁者の看病のため、最初の職場を短期間で退職せざるを得ず、その後十分なスキルアップの機会に恵まれなかった」などの場合は、やむを得ない事情と考えることができ、あまり不利になることを気にしすぎることはありません。

経験が役立つことを伝える

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企業が人を採用しようとするときに、重要視することが、「戦力になるかどうか」ということです。転職回数の多い中途採用者の場合、企業が欲しいのは即戦力になる人材です。

ですので、転職回数が多い場合は特に「どのような経験があってどのように生かせるか」といったことのアピールは必須です。つまり自分が即戦力になりうるということのアピールです。

このことを履歴書や面接での受け答えでしっかりとアピールすることによって、転職回数の多さを不利から有利へと変えて採用したい人材だと思ってもらうことができ、内定へとつなげることができます。

もっとも、未経験の職種に応募したい場合もあり、そのようなときには、それまでの経験がその職種でどのように生きるかというところへ話をつなげる必要があります。

入社意欲をアピールする

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また、履歴書や面接の受け答えなどでは、自社への入社意欲も重要な評価ポイントになります。ただ「有名だから」とか「お給料がいいから」などといった理由では「それでは何もここでなくてもいいのではないか」と思われてしまい、それだけでマイナスのイメージを持たれることにつながってしまいます。

転職回数が多くても履歴書や面接の受け答えでの「貴社のこのようなところに自分の経験をぜひ生かしてみたい」といった自社への入社意欲が高い場合、人事担当者の採用意欲につながっていきます。

受け答えをちゃんと出来るようにしておく

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実際の面接などでは、以上のことを基にして、受け答えをしていくことが大切です。しかし、ただ、様々なサイトや本を見て、マニュアル通りの平均的な受け答えをすればいいというわけではありません。そのような平均的な受け答えでは、すぐに人事担当者に見抜かれてしまいます。

ですから、平均的な受け答えではなく、自分の言葉で、「自分はどのように考えているのか」ということを伝えることが重要です。そのようにすることによって、面接での受け答えに説得力を持たせることができ、転職回数という不利を有利に変えることが出来るのです。

転職回数が多くてもプラスになる回答

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先ほども書いたように、マニュアル通りの平均的な受け答えではすぐに見抜かれてしまいます。それでは、転職回数が多くても、不利を有利に変えることが出来るような面接での受け答えとはどのようなもので何が重要なのか、どのように対策をしたらよいかということをここでは解説していきます。

転職に一貫した目的があることを伝える

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それまでの転職回数が多い場合、人事担当者が最も気にするのは「性格的に問題があるのではないか」とか「ここでも長続きしないのではないか」ということです。

ですので、転職するのにははっきりとした目的があることをきちんと伝えることが必要です。そうすることによって、前述したような懸念を払拭してもらうことが出来ます。

ネガティブな理由は避ける

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また、面接の受け答えなどで、転職の理由に「人間関係がうまくいかなかった」などのネガティブな発言は避けるべきです。転職回数が多い場合は特に人事担当者に「やはり性格的に問題があるかも」と思わせてしまい、ますます不利になってしまいます。

転職回数が多いという不利を有利に変えるには、希望する会社に対する「この会社のこのような部分に魅力を感じた」「自分はこのように貢献できる」といったようなポジティブな発言をすると「魅力的な人材だ」と思ってもらうことが出来ます。

短期間で辞めた理由は丁寧に伝える

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やむを得ない事情で短期間で転職せざるを得なかったという場合、事情を聞かれたら丁寧に説明することが大切です。理由に納得してもらうことが出来れば、決してそれで不利になることはありません。

ただし、伝え方にはくれぐれも注意が必要です。ネガティブな表現は使わずに、例えば「このような理由からこちらの仕事ではより自分の経験を生かすことが出来ると考えました」などのポジティブな表現を使うことによって、より納得してもらいやすくなり、有利にすることができます。

転職回数が多い場合の職務経歴書の書き方

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ここまで、企業の人事担当者が転職回数の多い人についてどのように考えているかなどについて述べてきました。次に、それでは、転職回数が多い人の場合、平均的なケースの場合と比べてどのようなことに注意して履歴書を書いたらよいかということについて解説していきます。

職歴はごまかさない

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まず大事なことは、「職歴は絶対にごまかさない」ということです。これは転職回数の多い少ないに限らず基本中の基本ですが、転職回数が多いと、つい「1,2回くらいなら」と思いたくなります。

しかし、履歴詐称は立派な犯罪です。内定した後でそのことが発覚した場合、内定を取り消されても文句は言えません。また、職歴が不自然に空いたりしますので、すぐに発覚すると考えるべきです。

また、意外と世間は狭いので、一度そのようなことをしてしまうと、噂が広がり、転職どころか、最悪どこへも就職できなかったということにつながります。

アルバイトは職務経歴に書かない

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アルバイトは基本的には履歴書に書かなくてOKです。通常、アルバイトは職歴に含みません。しかし、あまりにも空白の期間が長い場合や、アルバイトをしていた企業に応募する場合などやっていたアルバイトが直接志望動機などに関係する場合は記入したほうが有利になることがあります。

経験・スキルアップしていることを記載する

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スキルアップしているところを探すのは難しいかもしれませんが、色々なことを振り返ってみて、少しでもスキルアップしたと思えることを探し出すとよいです。

それは技術的なことに限らず、「様々な人と接した経験があるので、大抵の人とはうまくやっていける自信がある」といったようなことでも構いません。このことだけでも「技術的には他の人と同じくらいだけど、誰とでもうまくやっていけそうだ」と思ってもらえ、有利になります。

また、転職回数が多くてもスキルアップしていることを記載することで、「経験的には浅くても、向上心があるから仕事をきちんと覚えてもらえるだろう」と判断してもらえて内定につながるということもあります。

自分の経験上の「貢献できること」をアピールする

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前述したように、企業の人事担当者が最も重視することの一つが「自社にどのように貢献してくれるか」です。ですから、一番強調すべきなのはその点です。

希望する企業が「どのような人材を求めているのか」ということは、その企業のホームページなどを見ることによって簡単に知ることが出来ます。実際に就職してから「こんなはずではなかった」ということにならないためにも、希望する企業の研究は必ずしておきましょう。

そうすることによって、ミスマッチの可能性を減らすことができ、自分にとっても企業にとっても良い結果とすることができます。

転職活動例ー研究職の場合

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ここで、転職活動の仕方の例として、研究職の場合の転職活動の仕方について紹介します。研究職は、専門職であり、募集の仕方も企業などとはことなります。ですので、通常の場合とは少し転職活動の仕方が異なりますが、気を付けなければならない大まかな原則は同じです。

自分の興味のある研究室を探す

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研究職の場合、まずは大学などの様々な研究機関から自分の興味のある研究を行っている研究室を探し、その中で、興味を持ってもらえそうなところにメールを送ったりします。

また、研究職専門の求人サイトもいくつかあるので、そこを頻繁に閲覧して、興味があるところで、条件を満たすことが出来るところに応募することも有効です。

メールを送るときは履歴書とともに習得技術などをつける

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メールで自分をアピールしたい場合、履歴書や習得技術と研究歴などを添付ファイルとして一緒に送ります。その時、メールの本文には必ず、その研究室の研究のどの部分に興味を持ったのか、や、自分の習得技術や研究歴をどのように活かしてどのように研究を発展させたいかといったことも書くことが重要です。

この履歴書や習得技術と研究歴を見た先生が興味を持ってくれて、公募に出ていなくても、持っている研究費などによるポジションで採用してもらえるかもしれないという事情があるからで、実際に研究職では転職活動をするうちにこの方法で決まることもあります。

専門の求人サイトで応募するときは志望動機や抱負を丁寧に作る

専門の求人サイトの求人に応募するときは、特に志望動機や今後の抱負などを丁寧に作ります。そこで自分がどうしてその研究室を志望したのかや、研究に自分の持っている技術や研究歴をどのように生かすことが出来るかといったことを自分の言葉で書くようにすることが重要です。

どちらにも共通するのは丁寧に事情の説明をすること

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共通しているのは、研究職に特有の「科学研究費による雇用だったため、研究費が切れてしまい、転職活動をした」ということで、これは本当にやむを得ない事情なので、丁寧に説明することで納得してもらえた結果、今までに転職回数十数回と非常に多いにも関わらず、採用してもらうことが出来るケースも珍しくありません。

「転職回数が多い=経験の多さ」とプラスにとらえよう

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転職活動を始めるには様々な理由があり、人によっては非常に転職回数が多くなってしまうこともあります。しかし、そのような人でも、履歴書の書き方、面接などでの受け答えの仕方などによっては、そのことを有利に変えることが出来ます。ですから、決してあきらめることはありません。むしろピンチをチャンスに変えるくらいの気持ちで臨みたいものです。

丹羽 陽子
ライター

丹羽 陽子

普段は研究関係の仕事をしています。読書が好きで、様々な本を読んできたので、その経験を活かして、いろんなことを書いて、ライターとしての幅を広げたいです。記事を書くたびにいろんな発見があって、楽しみながら書いています。

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