転職口コミサイトとは
「転職口コミサイト」とは、あらゆる会社で働く人達(または働いていた人達)による「会社の口コミ」が無料で閲覧できる専門サイトのことです。転職活動をする上で、求人サイトなどを見て「この会社がいいな」と思う条件の仕事が見つかっても、その情報にはたして信憑性があるのか気になる場合もあるかと思います。
そんな中で、転職口コミサイトを活用することで働いている人たちのリアルな声を見ることが出来るので、書き込まれている内容を比較することで応募するかどうかの判断材料が生まれ、スムーズに転職活動を進めることが出来ます。
大手サイトであれば数百万以上の口コミを閲覧することが出来、また基本的には無料で利用できるところが多いため現在転職をお考えの方は積極的に活用することをおすすめします。
転職口コミサイトの特徴
飲食店の評判を見たい時はグルメ系の口コミサイトを見る人は多いと思いますが、同様に転職活動をする際に転職口コミサイトを利用する人が増えています。転職口コミサイトの特徴は、給与・お休み・人間関係などの一般的なサイトでは見られない「働く上で参考になる・信憑性の高い」情報が集まっている部分にあります。
投稿した人の配属部署や年齢・性別なども表記されていることが多いため、求人サイトの内容を比較して自分が応募を検討しているポジションの実情がどういったものなのか予めイメージ出来ることから、転職を考えている人は情報収集にも最適でおすすめです。
現在は多数の企業が無料の転職口コミサイトを運営しているため、投稿されている内容をそれぞれ比較する目的も兼ねて複数のサイトに登録するといいでしょう。
転職口コミサイトの信憑性
転職口コミサイトは、無料で利用出来る代わりに口コミを書くことが登録手順に組み込まれている事も多いため、大勢の人が投稿していますが気になるのは「書かれている情報の信憑性」です。良い内容にしても悪い内容にしても「それが本当に事実なのか?」と考えると不安に感じる方もいるかと思います。
転職というジャンルに限らず、口コミはある程度個人の主観が入ってしまうため全ての情報を鵜呑みにすることは避けるべきです。そうなった場合にどの情報を信じたらいいか、という参考として、比較的信憑性が高いと思われる書き込みの特徴をご説明します。
信憑性の高いor低い口コミの特徴
まず最初に、「職場は暗くて雰囲気が悪い」「仕事の出来ない人間が管理職になれる」などと言った主観的な内容や、会社や特定の人物への恨み言や悪口とも取れる感情的な内容の投稿は信憑性に乏しく、企業の善し悪しを客観的に判断するための情報としては向いていないため、あくまで参考レベルに留めた方がいいでしょう。
逆に、育児休暇や介護休暇の取得率や復帰率・有給休暇の消化率・月の残業時間と言った感情的な内容が入りにくく社員全体に適用される項目や、感情的な表現を抑えて淡々とした表現に留めている内容は信憑性が高い傾向にあります。
特に「部署内で●人いた女性スタッフのうち、●人が有給を取った」「忙しい時は月●時間程度の残業がある」などの具体的な数字が書かれている口コミは職場の雰囲気がイメージしやすいため比較・参考にする情報としておすすめです。
転職口コミサイトに口コミをする理由
転職口コミサイトは、大手であれば数百万件以上の膨大な情報が投稿されています。しかし、初めて口コミサイトの存在を知った人にとっては「どうしてこんなことを書き込もうと思うんだろう」と思うかもしれません。それには主に3つの理由があり、まずはそちらから一つずつご説明していきます。
サイトを利用するため
大半のサイトは基本的には無料で登録・利用が出来ますが、登録を行う際に自分が今まで勤めてきた会社の口コミを投稿することが手順に組み込まれていることが多くあります。
お目当ての会社の評判を見たいと思っても、まずは口コミを投稿しなければ利用登録が完了しないことから、サイトを利用するためにユーザーは会社の情報を書きこみます。こうすることでユーザーが増え多くの口コミが集まり、書かれている内容の信憑性も高くなっていきます。
また、追加で他の企業の投稿を閲覧したい時にもさらに口コミを投稿しなければいけない場合もあり、一つの会社について書き込む場合でも「昇給率はどうか」「お休みは取れるか」「残業は多いか」など項目別に小出しで投稿するといいでしょう。
前職に不満があるため
2019年から働き方改革の施策が開始し、ハローワークでは求人票に虚偽の内容を書くと求人の掲載が拒否されるといった厳しいペナルティが設けられるなど、国全体を挙げて「ブラック企業撲滅」に向けての動きは進んでいるものの、未だに企業と社員間での雇用トラブルは後を絶ちません。
「実際に働いてみると面接で説明された内容と全然違う」と言う風に、転職を考えている方は何かしら会社への不満を抱えているものかと思いますが、そうなると「これから応募を考えている人に会社の現状を伝えたい」と考えてしまうこともあるでしょう。
不当な扱いを受けたことに対するやり場のない怒りや不満をど誰かに知ってほしいという思いから口コミを投稿する人もいます。しかし、あまり感情的な内容は傍から見ると疑わしく見えてしまうため、投稿する前に一度気持ちを落ち着けることも大切です。
会社のことを知ってもらうため
転職口コミサイトと言うと、上でご案内した「会社への不満を書きこむ場所」といったネガティブなイメージを持たれがちですが、反対に会社に対して良い印象を持っているユーザーによる口コミも多く投稿されています。
例えば、前職でお世話になった会社で思いもよらない悪評が書かれていると「自分はそんなこと無かったのに」と書き込んでしまいたくなる時もあるかと思います。このように、良いことであっても悪いことであっても「会社の事をより多くの人に知ってほしい」という思いから口コミを投稿する、と言うのが3つ目の理由になります。
感情的なものや過剰に企業を褒めるような偏った投稿ばかりでは内容自体が疑わしく見えてしまいます。バランスよく色んな内容が書きこまれることで信憑性が生まれ、ユーザーは内容を比較することが出来るので積極的に口コミを投稿していきましょう。
転職口コミサイトの上手な使い方
ここからは、これからサイトの利用を考えている人や現在利用している人に向けた「転職口コミサイトの上手な使い方・おすすめの使い方」をご紹介していきます。下記でそれぞれご説明する4つの項目を参考にしながら、自分が転職活動を行う上で本当に必要な情報を取り入れつつ上手に活用していきましょう。
複数サイトを利用する
転職口コミサイトは一つだけ利用するのではなく、出来るだけ複数のサイトに登録するようにした方がいいでしょう。何故かと言うと、サイトによって掲載されている情報や項目がそれぞれ多少異なるため、一つの企業の口コミを調べるにしても複数登録しておくことでより多くの情報を集めることが出来るからです。
また、一つの転職口コミサイトだけ見ていると、場合によっては情報量が少なく知りたい企業の投稿そのものが見つからなかったり、内容が偏っていたりする場合も多いため本当に欲しい情報が得られないこともあり、あまりメリットがありません。
複数のサイトに登録して、それぞれの口コミを比較することでようやく企業の善し悪しを判断するために十分な情報を得ることが出来ます。大抵は無料で利用出来るため、様々な転職口コミサイトに登録することをおすすめします。
情報が古くないかを見る
お目当ての企業の口コミが見つかった時は、その口コミがいつ投稿されたものかという点にも注意するべきでしょう。企業の中でも年月が経つにつれて就業規則などを見直しているところもあるため、投稿時期が古いものは現状とは環境が変わっている場合もあります。
特に、休日・残業などについては働き方改革により調整・改善に取り組んでいる企業も多いことから、口コミが投稿された時期によっては現在は改善されている場合もありますので、新しい投稿と比較して内容に変化がないかきちんと調べることをおすすめします。
他にも、創業から10年未満の若手企業の場合は組織としての仕組みづくりを行っている最中であることから内情も不安定なことが多く、1~2年前程度の口コミであっても現状から変動が起きている可能性も考えられますので、投稿時期が古い口コミの内容はあまり鵜呑みにしないようにしましょう。
悪い口コミだけを信じない
「上司から酷いパワハラを受けた」「人間関係はギスギスして居心地が悪い」「休日は全く取れない」など、ネガティブな内容の口コミを見ると不安になり応募を躊躇ってしまうのは仕方のないことです。
しかし、その口コミはどういった背景があって書き込まれたものなのか分からないため信憑性に乏しく、既に会社を退職している人の場合は追及される心配もないことから会社への憂さ晴らしも兼ねて大げさに内容を書いている可能性も十分に考えられます。
転職で失敗したくないという思いから、普段よりネガティブな内容や過激な口コミに対して敏感になってしまう人もいるかと思います。しかし、どれだけホワイト企業と言われていても、会社に対して誰も不満を抱かないと言うことはありませんので、悪い口コミに引っ張られて企業そのものの善し悪しを決めつけてしまわないように注意しましょう。
口コミの数が多いものを信じる
口コミは書かれている内容に注目されることが多いですが、信憑性という面で見ると一番重要視すべきなのは「投稿されている口コミの数」です。ネガティブな口コミが1件だけポツンと投稿されているのと、100人のうち60人がネガティブな口コミを投稿しているのでは書き込まれている内容に対する信頼性が格段に異なります。
従業員数が少ない地元企業や中小企業などは、数件しか投稿されていないor1件も口コミが投稿されていないこともままありますので、少ししか投稿されていないからと言って内容を全て鵜呑みにするのは避けた方が無難です。
無料の転職口コミサイトは投稿されている内容の量・質ともにばらつきがあるため、良い内容も悪い内容も間に受けすぎずあくまで参考レベルに留めて客観的に情報を比較することが賢くおすすめの使い方です。
無料転職口コミサイトの比較
転職口コミサイトの使い方や特徴などを説明したところで、ここからは実際におすすめの口コミサイトをご紹介していきます。今回ご紹介するのは「カイシャの評判」「転職会議」「Vorkers」「キャリコネ」の4つになりますが、他にも同様のサービスを展開しているところは複数あります。
口コミが多いほど情報収集・比較に役立つので、折角無料で利用出来るのであれば、ここでは載っていないサイトでもお目当ての企業の情報が投稿されているようでしたら積極的に登録することをおすすめします。
カイシャの評判
「カイシャの評判」は、大手転職サイト「エン転職」を運営する株式会社エン・ジャパンが運営する転職口コミサイトです。次にご紹介する転職会議と同じく「会社名+口コミ」で検索すると上位に表示されることが多いため知名度が高く、口コミも100万件以上投稿されていることから国内で1・2を争う規模を有しています。
カイシャの評判の特徴
このサイトの最大の魅力は、他社サイトが口コミの閲覧を行う場合はユーザー登録が必須であることに対して、登録しなくても無料で全て閲覧できる便利さにあります。口コミは100万件以上あり、情報収集・比較がしやすいユーザビリティの高さが特徴です。
また、投稿されている項目も給与・福利厚生・休日と言ったポピュラーなものは勿論のこと、「仕事を通じた達成感」「承認・称賛する社風」など会社の雰囲気も分かるような項目がスコアという形でそれぞれ評価されています。使いやすく口コミの投稿数も多いため、まず押さえておきたいおすすめのサイトです。
転職会議
「転職会議」は、「転職ナビ」「マッハバイト」などを始めとする複数の就職・転職者向けサービスを提供する株式会社リブセンスが運営している大手口コミサイトになり、企業名で検索すると上位に表示されていることも多いため名前だけでも何となく聞き覚え・見覚えがあるという方も多いかと思います。
新卒・インターン向けの口コミサイトにあたる「就活会議」も運営していますが、新卒者間による口コミも情報収集先の媒体としておすすめのため、余裕があればこちらも併せて登録しておくといいでしょう。
転職会議の特徴
転職会議は無料のユーザー登録が必須であり、他の口コミを閲覧するためには自分も投稿する必要があるため「カイシャの評判」と比較すると利便性は多少下がります。しかし、ユーザー数は500万人を超えることから規模としては国内最大級にあたり、大勢の企業の口コミが集まっている情報量の多さが最大の特徴です。
登録されている項目は年収・休日・福利厚生を始めバランスのいい内容が揃っています。また、転職サービスと連携していることから口コミを見て魅力に感じた会社があった場合は「エージェントへ無料相談」ボタンを押すことで転職相談を行うことが出来ます。
Vorkers(ヴォーカーズ)
Vorkers(現 openwork)は、300万件以上投稿されている情報量の多さを強みに順調にユーザー数を伸ばし続けている成長真っただ中の転職口コミサイトです。最初に無料登録が必要ですが、1日100件の口コミが閲覧出来るため長期間掛けてコツコツ情報収集に取り組みたい方に最適です。
Vorkers(ヴォーカーズ)の特徴
口コミの投稿数が多く、大手企業等は数千件以上の口コミを閲覧することが可能です。また、無料登録の段階では1日100件しか閲覧出来ませんが、過去に働いていた会社のレポートを投稿したり提携している転職サービスに登録することで全ての口コミが閲覧可能となります。
転職会議と比較すると、こまめに口コミを投稿する必要がないためより気軽に使うことが出来、転職エージェントも併用できるサービスの手厚さがおすすめポイントです。サービスは全て無料で利用できるため、積極的に活用していきましょう。
キャリコネ
「キャリコネ」は人材サービスを提供する株式会社グローバルウェイが運営しています。無料会員登録を行ったあとで、企業のレポートを投稿するか提携している転職エージェント15社に一括登録することで多くの口コミを閲覧することが出来るようになります。
転職エージェントは個別に登録しようと思うとそれなりの労力が掛かることから、転職活動を始めたばかりという方はこれを機に登録しておいて損はないでしょう。
キャリコネの特徴
このサイトの最大の特徴は、誰しもが気になる「年収・給与面」の口コミに重点を置いていることにあります。年代別・役職別の基本年収を始め、部署・年齢・役職の有無などを明記した「給与明細」が口コミと共に投稿されており他社にはない独自性の高い運営を行っています。
提携している転職エージェントに対して一括登録を行うことで無期限で口コミを閲覧することが出来、かつ気になった企業があればすぐに転職相談・選考といった次のステップへスムーズに進められる便利さが魅力です。
転職口コミサイト以外で情報が欲しい時は?
転職口コミサイトに登録してみたものの、どのサイトでもお目当ての企業の情報があまり投稿されていなかった場合、更に多くの情報が欲しいと考えた時には実際にどのような方法があるのでしょうか。
そういった疑問に答えるため、転職口コミサイト以外の方法を用いての企業の内情などの情報を知るための方法をいくつかご紹介していきます。
Yahoo!ニュースなどで検索
企業の情報を多く集めたい時は、ニュースサイトで企業名でのキーワード検索がおすすめです。また、会社の本社や営業所などが設けられている地域の地元新聞サイトであれば、より詳しく信憑性の高い情報が掲載されているため併せてチェックします。
企業によっては長時間労働により労基からの指導が入っていたり、パワハラ・セクハラなどで騒ぎになっている場合もあります。Googleなどでも企業名で検索するとコーポレートサイトに続いて関連するニュース記事が表示されることもあるため、見落としている情報がないように検索結果は1P目以降にもきちんと目を通す癖を付けた方がいいでしょう。
転職エージェントに登録
当記事にてご案内したいくつかの転職口コミサイトの中には、転職エージェントへ登録することで閲覧制限が解除される・優遇されるサービスもありましたが、転職支援を行う会社に登録して内部情報を聞き出すことも情報収集の方法として最適です。
転職エージェントは企業と求職者の仲介を行う立場であることから、採用する側・働く側の両方と接触しているため「企業の内情」や「会社を辞めようと思った理由」などの口コミサイトだけでは分からない「生の声」を持っていることも多くありますので、口コミサイトと提携しているエージェントへ併せて登録しておくと手間が省けて便利です。
インターネット掲示板で検索
インターネット上で公開されている掲示板サービスや、Yahoo!知恵袋などの匿名型の投稿サイトにも企業の口コミが書き込まれている場合があります。ただ、ニュースサイトや転職エージェントと違い、発信元が匿名であることから投稿されている内容はネガティブ・感情的なものも多く、信憑性は低い傾向にあるため参考程度に確認するといいでしょう。
TwitterなどのSNSを活用
Facebookなどの一部例外もありますが、SNSも掲示板同様に匿名性が高いため信憑性にはやや欠けるものの、Twitterなどを用いた企業への内部事情の告発を切っ掛けに大問題へ発展していく事例も過去に複数あり、SNSのチェックも情報収集に欠かせません。Yahoo!リアルタイム検索なども活用し企業に関する投稿がないか確認しましょう。
転職エージェントを併用するメリット
転職活動を行う上で口コミサイトと併行して利用するのに「転職エージェント(職業紹介事業者)」は最適です。現在、リクナビダイレクトやマイナビ転職、エン転職などの大手を始めとした無料の転職支援サービスを利用して次の転職先を決める求職者は全国で増えつつあります。
エージェントでなければ知りえないような内部情報を有している場合も多いことから情報収集にも役立ち、書類選考などの選考プロセスにおける面倒な作業も代理で行われるため、現在働いていて時間が取れない人にとっては強い味方と言えるでしょう。
地元に特化した転職エージェントにも登録
国内最大級の規模を有するリクナビ・マイナビは取引企業も多いため、案件数の豊富さから登録しておいて損はありません。また、現在は全国各地で地域ごとに特化した転職支援を行うエージェントも多く、地元企業の情報であればそういった会社の方が詳しい情報を持っている可能性も高いので大手と併せて登録しておきたいところです。
転職口コミサイトを上手に使って良い転職をしよう!
口コミサイトはこれまでその会社で働いていた人でなければ分からない情報も多く含まれるため、転職活動においてはなくてはならない存在とも言えます。全ての書き込みに信憑性がある訳ではありませんが、あなたの口コミが誰かの参考になる可能性も大いにあるため、閲覧は勿論のこと、自身も積極的に投稿してみてはいかがでしょうか。
今回ご紹介した中では、情報量・使いやすさなどを総合して「カイシャの評判」はまず最初に抑えておくべきおすすめ口コミサイトになります。他のサイトにも一緒に登録して、それぞれの項目ごとの内容を比較しながら有利に転職活動を進めていきましょう。