結婚祝いのお返しには「のし」が必要?
結婚祝いのお返しとして、プレゼントを贈る結婚内祝い。選び方も様々で、一つ一つプレゼントを選んでお返しするだけでなく、通販カタログを送付し、欲しい物を選んでもらうことも増えているのではないでしょうか。伝統を大事にしつつも現代のライフスタイルに合った自由な選択。そんな結婚内祝いを華やかに見せてくれる『のし』について紹介をします。
結婚祝いなどの慶事にはつける
結婚祝いのお礼の贈り物にのしを付ける意味や、選び方を知れば、のしを選ぶのは楽しく、贈り物への温かな気持ちを添えることができます。贈り物を受けとる方々にもその気持ちが伝わりやすくなります。のしの言われは古く、お祝いに縁起の良いとされていた、海産物の『のしあわび』を包み贈っていました。
それが簡略化されて、色紙をたたんで贈り物などにそえる、方形の紙細工になりました。結婚祝いなどの慶事にのしを付けるのは、古くから大切にされてきたマナーです。その伝統を現代も受け継いでいるのは、日本人らしい心配りではないでしょうか。
手渡しする場合でもつける
結婚内祝いのお礼を、郵送にする方は多いのではないでしょうか。お互いの予定が合わせづらかったり、遠方に住んでいる方へのお返しに足を運ぶのが難しかったり、理由は様々です。ライフスタイルが多様化している現代で、手渡しせずに郵送するのは一般的になりつつあります。しかし手渡しであれば顔を合わせ、丁寧にお礼を伝えることもできるでしょう。
結婚式の様子などお話することができます。感謝の気持ちがダイレクトに伝わりやすくなります。手渡しの場合にのしは必要なのでしょうか。選び方はどうすればよいのでしょうか。結婚内祝いにのしをつけて、直接ご自宅へお伺いするのが古くからの習慣でした。
ですので郵送であっても手渡しでも、お返しにはのしを付けるのは、現代でも変わらないマナーだと言えます。
結婚祝いのお返しでの「のし」のマナー①選び方
結婚祝いのお返しにのし紙をかけて贈るのがマナーになりますが、たくさんの種類があり、選び方に迷ってしまいます。結婚内祝いの『のし紙』には、紅白、もしくは金銀の、本数は10本の結び切りの水引を選びます。結び切りの水引には、一度結ばれたら二度とほどけないという願いと、二度と繰り返さないという意味がこめられています。
結婚祝いのお返しには「のし紙」を使う
結婚内祝いの選び方には古いしきたりがあり、お祝いに縁起の良いとされていた、海産物の「のしあわび」を包み贈っていました。しかし貴重でなかなか手に入る品物ではなく、それが代用とし簡略化されて、色紙をたたんで贈り物などにそえる方形の紙細工「熨斗飾り」になりました。
色紙をたたんで贈り物などにそえる方形の紙細工「熨斗飾り」になりました。現代ではさらに簡略化されて、水引とのしが印刷された「のし紙」を使うようになりました。
「のし紙」はのしと水引が印刷されたもの
結婚内祝いの「のし紙」の選び方は、古くからの伝統が今も大事にされ、マナーとして用いられています。現代では簡略化されて印刷熨斗が使われるようになりました。のしと水引が印刷されたものを指します。のし紙には慶事の目的によって使い分け選ぶことがルールとなっています。
内祝いののし紙の選び方には結び切りが使われることが多いですが、あわじ結びがあります。あわじ結びは縁起の良い鮑の形に似ていることから鮑結びとも呼ばれ、末永いお付き合いの願いがこめられています。
結婚内祝いだけでなく、一般祝い、婚礼、弔辞まで幅広く使えるため選ばれることが多いです。
水引は慶事にあわせたもの
のし紙と同じく水引も目的によって選び方が異なります。本来の目的に合わない形式を選んでしまうと、非常に失礼にあたるため注意が必要です。お中元やお歳暮で生臭物を贈る場合や弔辞の場合、のし無し水引を用います。5本結びを基本とした水引には、3本、7本、10本などのいくつか種類があります。まず3本結びは、5本結びを簡略化したものになります。
5本結びををより丁寧にしたものが、7本結びとなります。豪華さや丁寧さをより増した形式にしたいなら、5本結びを倍にした10本結びの水引にしましょう。主に結婚祝いなどの慶事には10本結びがよく使われています。
種類がたくさんある水引の選び方は迷うことが多いですが、マナー違反にならないためにも覚えておくといいでしょう。
結婚祝いのお返しでの「のし」のマナー②表書
表書きはお付き合いの大切なマナーになります。お祝い事や不幸はいつも突然やってきます。基本的な知識や書き方を知っていれば、表書きの種類の多さにに迷うこともなく正しい書き方ができます。
表書きは結婚祝いや内祝い、出産、入学祝いなどのお祝い事だけでなく、法要、弔事にも用いられます。謝礼などを渡す場合にも必要になります。相手に対しての丁寧な気持ちを表す大切なマナーになります。
水引の上には贈り物の目的を書く
昔は贈り物と一緒に目録を付けて贈る習慣がありました。それが簡略化したものが表書きです。のしの表書きは、水引の結び目の上に書き入れる内容のことになります。宛名を入れる場合の書き方は左上に小さめに書き添えます。渡す相手や宗派によって水引だけでなく表書きも様々になります。
渡す相手や宗派によって水引だけでなく表書きも様々になります。例えば結婚に関わる慶事だけでも、結婚祝いや内祝い、ご近所への挨拶回りや付き添いへの心づけ、晩酌人のお礼など多岐に渡ります。
「寿」もしくは「内祝い」
表書きとはのし紙の水引の上にに書く文字のことを指します。結婚内祝いの場合書き方は『内祝』か『寿』と書くのが一般的です。手書きの場合の書き方は文字が水引にかからないよう中央に書くようにしましょう。
お祝いをいただいた方にお返しのお贈りするため「御礼」でもよいように思いますが、内祝は「親しい方と慶事の喜びを分かち合う」ための贈り物ですから、お返しやお礼とは違うものです。
水引の下には贈り主の名前
水引の結び目の下の書き方には結婚後の新姓か、もしくは新姓の下に2人の名前を並べて書きます。新郎新婦を紹介する機会にもなるので、名前を並べる書き方が好ましいです。しかし結婚は家同士の結びつきであるため、新姓を優先する家もあるので、書き方に迷った時は両親などに相談してみましょう。
職場の方へ結婚内祝いを贈る場合の書き方にも、のしには旧姓を書き込こまず新姓を書くのがよいでしょう。
のしの文字より小さく書く
名前はお祝いの内容よりも小さく書く書き方がマナーになります。小さく書くことで全体のバランスが取れ、見た目が良くなります。書き方だけでも丁寧な気持ちで内祝いを贈ってくれたと、受け取る方への感謝の気持ちが伝わりやすくなります。
相手に喜ばれる贈り方には正しい書き方が大切です。何も考えずに書いていたのではバランスが悪くなり雑な印象を与えてしまいます。
筆や筆ペンで書く
表書きの書き方は楷書体で書きます。楷書体とは字画を崩さず書く書き方のこと言います。楷書体で書くことによって丁寧な気持ちを相手に伝えることができます。文字を書く場合、喜ばしいことは濃く、悲しいことは薄くと覚えておくと書き方のマナー違反になりません。ボールペンや万年筆で書いてしまうとどうして文字が薄くなってしまいます。
ボールペンや万年筆で書いてしまうとどうして文字が薄くなってしまいます。筆または筆ペンで書くことによって太く濃くなるので正しい書き方になります。
結婚祝いのお返しでの「のし」のマナー③名前の書き方
水引下段の書き方は、表書きより少し小さく贈り主の名前を書き入れます。書き込む名前は結婚後の新姓、新姓の下に新郎新婦の名前、両家それぞれの苗字、の3パターンの書き方があります。
来賓のお車代や美容師への心づけの場合はそれぞれの苗字になりますが、晩酌人へのお礼や付き添いへの心づけは両家連名にします。ご近所への挨拶回りは夫婦名のみの連名か結婚した苗字で書いてください。
夫婦の名前を並べた書き方が一般的
水引の結び目の下に書き込む名前の書き方は3パターンあります。「結婚後の新姓」、「新姓の下に新郎新婦の名前」、「両家それぞれの苗字」です。その中でも「新姓の下に2人の名前を並べて」た書き方で書き入れることが多いです。
結婚内祝いを通し感謝の気持ちを連名で伝えることや、門出を迎えた新郎新婦を紹介する機会になるので「名前を並べて書く」書き方が好まれます。
のしには新姓を書く
結婚内祝いを通して新郎新婦を紹介する機会になるので、名前を並べて書く書き方は「連名」が好ましいようですが、結婚はふたりだけのものではなく家と家の結びつきだと考える場合もあります。
古いしきたりを大切にする家であるならば、「新姓」をふさわしい書き方として書き入れることを優先します。書き方に迷ってしまう時は両親などに相談してみるとよいでしょう。
旧姓はのし以外の方法で伝える
結婚後も仕事上では旧姓を通す方が増えています。職場の方へ内祝を贈る場合、のしにも旧姓を書き込む書き方がいいのでしょうか。結婚後に名乗る旧姓は本名ではなく「通称」になります。
のしには正式な「本名」を書き入れる書き方のがマナーと言えるでしょう。郵送する場合などに誰だかわからなくなる不安があるならば、メッセージカードに旧姓を書き添えましょう。
結婚祝いのお返しでの「のし」のマナー④のしのかけ方
お店などで結婚内祝いの贈り物を包んでもらう時に迷ってしまうのが、「内のし」か「外のし」のどちらにすればよいかということではないでしょうか。弔事の贈り物や鮮魚、肉、かつお節などの生ぐさものを贈る以外には、のし紙をつけるのがマナーになります。では内のしと外のしはどのような時に用いるのが、正しいマナーになるのでしょうか。
「内のし」のかけ方
贈り物に直接のし紙をかけ、その上から包装紙で包む方法を「内のし」と言います。内祝いは「自分のお祝い事をおすそ分けする」という意味があります。そのため気持ちを控えめに表したい時に内のしは使われます。業者などを通じて送る場合は、郵送や宅配途中で汚れたり、破損したりする恐れもあることから、内のしの方が好まれます。
「外のし」のかけ方
贈り物を包装紙で包んだ上からのし紙をかける方法です。表書きが外に出ているので、誰からの、どんなお祝いの品物かがひと目で分かるので、お祝いの気持ちを強くアピールすることができます。 また相手に直接会って手で渡す場合は外のしを用いるのが一般的です。なお、内のし、外のしに関わらずリボンなどでラッピングすることは避けましょう。
「内のし」と「外のし」の違い
内のしと外のしのどちらの掛け方が正しいということはありません。お渡しする方法として、どちらか使い分けることがよいでしょう。直接相手に手渡すなら外のしで贈り物を包装し、配送するなら内のしで贈り物を包装し送るというように覚えておけば失礼にあたりません。結婚内祝いの贈り物を通し、新郎新婦の丁寧な気持ちが伝わる方法が大切です。
結婚祝いのお返しでの「のし」のマナー⑤その他の注意点
結婚内祝いの贈り物の選び方で気を付けなければならないことがあります。縁起の悪いとされる、「切れるもの」「割れもの」は避けましょう。
割れるものは主にガラスや薄手のカップなど、届く時に破損が心配される品のことを言います。また「割り切れる」ということで、偶数は避ける傾向にあります。ただし「ペア」の意味があるため「2」は良いとされています。
目上の人に対しては靴下や靴などはタブーとされています。櫛も苦しみの「く」と死ぬの「し」が重なって縁起が悪いということから、結婚内祝いには贈ってはいけない品物とされています。
のし紙のないまま品物を贈る
結婚内祝いのお返しの贈り物には、のし紙を掛けるのが一般的なマナーです。結婚内祝いまでが結婚式という慶事になります。のし紙のない贈り物は送るのは非常識と捉えられてしまいます。
結婚内祝いで用いる「結び切り」は水引の数が5本か7本の「奇数」ですが、喜数といわれ縁起が良いとされています。ほどけやすく何度でも結び直せる「蝶結び」の水引は結婚内祝いではタブーです。
挨拶状をつけない
結婚内祝いでは「お礼のご挨拶」が主になります。贈り物はその挨拶に添える気持ちです。ですから挨拶状を忘れてしまうのは大変失礼にあたります。内祝いには必ずご挨拶をつけます。結婚祝いのお返しとして贈り物を郵送する場合、必ず別でお礼のお手紙を送っておくか、贈り物一緒に感謝の気持ちが伝わるお礼状を添えて送ります。
結婚祝いの贈り忘れ
最も失礼にあたるのが、結婚内祝いの贈り物を送り忘れてしまうことです。また結婚内祝いは挙式から1カ月以内に贈るのが最低限のマナーとされています。お祝いをいただいたときに、お名前と日付、品名、金額、住所などを書いてリストにしておくと贈り忘れることがありません。品物と重ならない品物をお贈りするのもマナーです。
結婚内祝いの金額の目安
結婚内祝いでは、頂いたお祝いの半額を贈り物でお返しする「半返し」がマナーです。頂いたお祝いが高額の場合、半返しするとかなりの額をお返しする事になり、かえって失礼にあたる場合があります。こうした時はお返しを三分の一程度にとどめて、それ以上に感謝の気持ちを伝えることが大切です。
新婚旅行の後におみやげを持ってご挨拶に伺う、手紙や電話でお礼を述べるなど、行動で表すとよいでしょう。
結婚祝いのお返しはのしのマナーを知って贈ろう!
結婚内祝いは自分たちの喜びを分かち合おうという、慶び事があった時に感謝の気持ちを添え、のしを掛けて贈るお返しでした。けれど近年は内祝いは結婚祝いを貰った後のお礼やお返しという考え方が一般的です。
夫婦となった二人がお世話になった方へ失礼がないようにのしを通して正しいマナーを知り、結婚祝いのお返しの贈り物やお礼状にふたりの丁寧な気持ちを伝えるようにしましょう。