証券会社の手数料は利益に関わる!
証券会社を選ぶ際に提供しているサービスは同じで取り扱い銘柄も同じなら残る差は手数料になります。手数料は、若干の違いだと見落としがちですが、最終的には利益に関わってきます。手数料が高いと利益は少なくなりますし、手数料が安いと利益がそれだけ大きくなります。チリも積もれば山となるなので手数料をチェックしておくことはとても大切です。
初心者は手数料が安い証券会社を
証券会社は、手数料が安いところと高いところがあります。しかし、手数料が高いから不人気であるとかそういうわけではありません。手数料の高い証券会社はそれなりのメリットがあります。逆に手数料が安い証券会社は悪いところかというとそうではありません。一先ず取引を始めようと考えている初心者なら手数料が安いところがおすすめです。
証券会社の種類
証券会社と一言で言っても実は種類があります。野村證券やみずほ証券などの対面で投資についてアドバイスを営業パーソンから受けたり、勧められたりして投資する対面型の証券会社とSBI証券や楽天証券などのネットを介して株式などの金融商品を購入するネット証券があります。
総合証券(対面証券)
対面証券は、従来の営業パーソンが顧客に対しておすすめの金融商品を紹介したり、投資で迷ったりアドバイスが欲しい時に担当の営業パーソンが相談に乗ってくれます。証券の担当営業から情報を提供してもらえたり、相談に乗ってもらえたりするので安心して取引をすることが可能です。
総合証券(対面証券)のメリット
対面証券の大きなメリットは担当営業がいることです。投資をしていると何かと聞きたいことや相談したいことがあります。対面証券の場合は、担当営業に電話やメールで問い合わせることができ、旬な情報やおすすめの金融商品などを教えてもらえるのでサポートセンターに電話して自動音声に従って操作する必要なありません。
ネット証券
ネット証券は、余分な費用を省いてネットを利用して口座開設から株式や金融商品の取引をするため、口座管理費がかからないところや手数料が従来の対面証券に比べて圧倒的に安いところがメリットです。SBI証券や楽天証券など大手企業のグループ会社が運営しているネット証券会社が多く、サービス面では対面証券と差があまりありません。
ネット証券のメリット
ネット証券のメリットは、対面証券に比べて口座管理費がかからないことと取引手数料が対面証券に比べて圧倒的に安いところです。また、安いだけでなく、ネットを介して株や金融商品の取引ができるため、窓口の時間を気にせず日中だけでなく仕事終わりなど好きなタイミングで売買の注文をすることができます。
総合証券(対面証券)とネット証券の手数料の比較
証券会社には、対面証券とネット証券の2種類があることはわかりました。実際にどれくらい手数料が異なってくるのかを知りたい投資家は少なくありません。ここでは対面証券とネット証券の手数料を実際に比較してどれくらい差があるのか、なぜネット証券は安いのかなどについて紹介していきます。
ネット証券の手数料は5分の1~10分の1
対面証券と比べてネット証券は、手数料が単純に5分の1〜10分の1くらい違います。例えば、対面証券の場合、現物取引の手数料は10万円以内だと1,000円前後〜それ以上かかるところがほとんどですが、ネット証券の場合は、松井証券なら同じ条件だと手数料無料ですし、一番高い岡三オンライン証券で99円になります。
対面相談が無い分安い
対面証券は、メリットとして担当営業に投資の相談や金融商品などの情報を聞くことができますが、反面手数料が高くなっています。ネット証券は担当営業を置いておらず、ほとんどネットで済ませてしまうため、人件費などが対面証券と比較して圧倒的に安いことでネット証券の取引手数料が安い要因の一つになります。
ネット証券会社各社の手数料の比較
ネット証券は手数料が安いだけではありません。ネット証券の魅力はツールや情報の充実にあります。証券会社によって差が生じますが、大手ネット証券会社を中心に比較していきます。大手ネット証券会社は初心者だけでなく株式投資や投資の玄人にも人気の高いところばかりです。
手数料最低基準・SBI証券
SBI証券会社は、ネット証券会社の最大手でIPOの取り扱いや金融商品などを豊富に取り扱っています。外国株式も取り扱いが他のネット大手証券会社と比べても多く、アメリカや中国だけでなく、シンガポールやマレーシアなど9カ国の株式市場に上場している銘柄を取り扱っています。
ネット証券大手のSBI証券は、少額取引から投資を始めたい初心者やデイトレーダーなど多くの投資家に人気があり、口座開設数は他のネット証券大手と比べても引けはとりません。手数料が総じてやすいことや取引に使うツール、情報が豊富であることも多くの投資家から人気を集めている秘密です。
ネット証券大手のSBI証券は、売買にかかる手数料に対して二つのプランを用意しています。投資を始めたばかりの初心者や中長期で取引する投資家に人気の「スタンダードプラン」があります。「スタンダードプラン」は、1注文に対しての約定金額に応じて手数料が異なってきます。
例えば、約定金額が3,000万円を超えたら一律1,050円と定額になります。つまり、3,000万円以下の取引でも1,050円以上の手数料がかかることはありません。もう一つのプランは、デイトレーダーや積極的に取引したい投資家に人気の「アクティブプラン」があります。「アクティブプラン」は一日の約定金額の合計に対して手数料を徴収します。
例えば、一日の約定金額の合計が10万円なら10万円以内は0円で20万円以上100万円以下だと206円〜822円になります。100万円以降は、100万円増えるごとに432円ずつ手数料が加算されていきます。SBI証券は、現物取引と信用取引で約定代金の計算が異なるため、一日で最大20万円分の取引が手数料0円になります。
無料サポートが充実・マネックス証券
マネックス証券は、初心者に人気の高いネット証券会社の一つで独自のサービスや商品を豊富に取り扱っています。マネックス証券の他社との大きな違いは、アメリカ株の取り扱い銘柄数です。ネット証券大手のSBI証券が同じアメリカ株の取り扱い銘柄数1,000に対してマネックス証券は約3,000銘柄の取り扱いがあります。
マネックス証券が初心者に人気の秘密は、サポート体制が充実していることです。多くの大手ネット証券会社は、サポート体制としてカスタマーサービスを設置していますが、マネックス証券の場合は、PC操作についても相談できるテクニカルサポートを設置しています。ネットで投資を始めた人には安心のサポート体制ができています。
マネックス証券の充実している独自のサービスは、一日に同じ銘柄を売買する場合、手数料を片道分無料にしたり、月間手数料が30万円以上となる投資家には半額分のポイント還元をしたりしています。マネックス証券にもSBI証券同様、手数料コースが二つあります。それは、「取引毎手数料コース」と「一日定額手数料コース」です。
「取引毎手数料コース」は、取引が1つ約定した際、約定金額が10万円以下なら108円です。この手数料は他社と比較してもかなり安い設定です。他にも取引が1つ約定して約定金額が50万円以上ならパソコンからの取引では成行か指値注文で、スマホなら約定金額の0.1%が手数料になるなど変わることが特徴です。
もう一つの「一日定額手数料コース」は、一日の取引合計額が300万円までは一律2,700円の手数料がかかります。ただ、月に21回以上取引を繰り返すことで手数料に対して割引があり、取引を頻繁にする人にはメリットがあるように設定されています。取引の頻度によって手数料が大きく変わるので投資スタイルによってコースを決めなければなりません。
手数料がポイントに・楽天証券
もう一つのネット証券大手である楽天証券は、楽天グループと提携した特典が投資家の人気を集めています。株取引をすると楽天スーパーポイントが貯まるだけでなく、楽天銀行と提携しているので即入金に対応していて残金不足で取引のタイミング逃してしまうことや取引したかったのにできなかったという心配はありません。
貯めた楽天スーパーポイントは、楽天市場で使うこともできるため取引すればするほどお得な仕組みが出来上がっています。また、楽天証券が有償で提供しているトレードツールのマーケットスピードは、情報がリアルタイム更新されるため、デイトレーダーを始めとする多くの投資家に人気の高いツールです。
ネット証券大手の楽天証券も手数料プランは二つ用意しています。一つは、「いちにち定額コース」でもう一つは、「超割コース」です。どちらのコースも各ネット証券と比較しても手数料が安い設定になっています。また、手数料が100縁につき1ポイント楽天スーパーポイントに還元されていきます。
「いちにち定額コース」は、1日何度も取引をする場合、取引合計金額が10万円以内なら手数料は無料で利用することができます。これはネット証券業界でもっとも安い設定の一つです。少額取引をしている投資家や株式取引を始めたばかりの初心者には取引しやすい設定となっています。
もう一つのコースは、「超割コース」です。「超割コース」は、1約定ごとに手数料が徴収されます。手数料は、54円〜1,050円とネット証券最大手のSBI証券と同じ設定になっています。楽天証券は、ネット証券大手の中で手数料が楽天スーパーポイントに還元され、楽天銀行とのプログラムを設定すれば振込手数料も無料と嬉しい特典が豊富です。
割引制度が充実・カブドットコム証券
カブドットコム証券は、大手銀行の三菱UFJ銀行グループのネット証券会社です。初心者の悩みであるロスカットができない人には嬉しい自動売買の設定が可能なサービスを提供しています。平日の日中は、本業が忙しくて取引ができない人やリスク管理をしたい人には重宝できるサービスです。
カブドットコム証券は、ネット証券大手のSBI証券や楽天証券とは異なり、手数料のコースが1種類のみになります。手数料のコースは、約定毎に料金がかかるプランです。例えば、10万円までの取引の場合、97円の手数料がかかり、400万円以上の場合は、一律3,985円の手数料がかかります。
手数料コースは1種類のみですが、カブドットコム証券には、多彩な割引サービスがあります。また、多彩な割引サービスは、条件が揃うと自動的に適用されるため、割引サービスを使い忘れていたという心配はありません。しかも、どれくらい割引が適用されているかを確認することも可能です。
初心者におすすめな使いやすさ・GMOクリック証券
GMOクリック証券は、インターネット関連の企業であるGMOインターネット株式会社のグループ企業で、GMOクリック証券が提供するツールは高機能で使いやすく、デイトレーダーや初心者などに人気です。他の証券会社と比較して、提供される情報やニュース、レポートが投資家にとって豊富でタイムリーなところが重宝されています。
GMOクリック証券は、手数料プランが二つあり、「1約定ごとプラン」と「1日定額プラン」です。「1約定ごとプラン」は、名前の通り、1約定ごとに手数料がかかります。例えば、10万円以内の場合は、95円の手数料がかかり、3,000万円を超える取引の場合は、一律960円となります。
もう一つの手数料プランは、「1日定額プラン」です。このプランは、1日の約定金額の合計に手数料がかかる仕組みになっています。20万円までは230円の手数料がかかり、ネット証券大手のSBI証券や楽天証券は、同じ条件で206円と比較すると24円高くなっています。しかし、20万円以上の取引にかかる手数料は、他社と比較して安くなっています。
総合証券会社(対面証券)の手数料比較
総合証券会社の手数料は、ネット証券や総合証券同士を比較してどのような設定になっているのかあまり知られていません。総合証券会社は、対面証券と言われていますがここ最近はインターネットを介してトレードできる環境を整えてサービスを提供しています。総合証券会社の大手を3社ピックアップして各社の手数料を比較してみました。
売買手数料が最大50%割引・野村証券
野村證券は、日本の証券会社を代表する野村グループの中の一つで創業93年以上の老舗証券会社です。野村證券の手数料は、店舗注文とインターネット、電話注文でそれぞれ設定が異なっています。まず、店舗注文の場合、手数料は、20万円以下なら1約定あたり2,808円かかります。電話注文の場合は、20万円以下なら1約定あたり1,954円かかります。
野村證券が提供するインターネット注文の場合は、10万円までで150円の手数料がかかります。ネット証券と比較すると手数料が高いのですが、野村證券には、手数料を割引方法があります。それは、取引報告書や目論見書をWebやメール交付サービスやメールアドレスなどの登録をすると最大50%の割引を受けることができるエコ割です。
グローバルな大手証券会社・大和証券
もう一つの老舗大手証券は、大和証券です。大和証券は創業110年以上の歴史を持ち、日本だけでなくグローバルに拠点を展開しています。大和証券は、野村證券同様、手数料のコースを3つ用意しています。大和証券の手数料コースの3つとは店舗注文、電話注文やオンライントレードになります。
店舗注文の手数料コースは、「ダイワ・コンサルティングコース」という名称があり、1約定につき手数料が2,700円〜の設定になっています。電話注文の場合は、「ダイワ・ダイレクトコース」という名称があり、コンタクトセンターを利用して注文する方法で、1約定あたり1,890円〜の手数料設定になっています。
大和証券のインターネットを介した注文は、インターネットを通じてコンタクトセンターへ依頼し、1約定につき1,080円〜の設定になっています。1日定額手数料のハッスルレートは300万円以内なら3,240円です。また、大和証券での取引は窓口とコンタクトセンターの取引を比較すると手数料は、コンタクトセンターを通じての方が、割安です。
様々なプランを提供・SMBC日興証券
SMBC日興証券は、三井住友フィナンシャルグループの子会社でSMBCフレンド証券と日興コーディアル証券とが月日絵してできた証券会社です。SMBC日興証券が提供する手数料プランは、大きく分けて2つです。オンライントレードがメインの「ダイレクトコース」と店舗取引を行う「総合コース」があります。
「ダイレクトコース」は、オンライントレードがメインのコースで、10万円以内の取引は、135円の手数料がかかります。オペレーターを介して売買すると手数料は、2,295円〜になります。もう一つの総合コースは、店舗注文で手数料が5,400円〜、オペレーターを介して取引したら、2,295円〜とオンライントレードで1,890円〜の設定になっています。
手数料が無料の証券会社
ネット証券を中心に最近は手数料の設定が取引金額によっては無料になっています。手数料の無料は、初心者やデイトレードなどアクティブに投資する人にとって重宝できるサービスです。ネット証券の中で手数料無料を提供している証券会社を大手3社取り上げて比較しながら紹介していきます。
1日の約定代金合計が10万円までだと無料
ネット証券の大手SBI証券、楽天証券や松井証券は、1日の約定金額合計が10万円までなら手数料が提供するコースによっては無料です。SBI証券は、「アクティブプラン」、楽天証券は「いちにち定額コース」、松井証券はコースではなく、現物取引・信用取引共に10万円までなら手数料が無料設定になっています。
楽天証券
楽天証券が提供する「いちにち定額コース」は、1日の約定金額の合計が10万円以内の場合、手数料が無料になります。楽天証券は、20万円までまたは30万円までの取引に対しての手数料を改定し、他のネット証券会社と比較して同じ手数料もしくは安い手数料設定になっています。
SBI証券
SBI証券が提供する「アクティブプラン」は、1日の約定金額の合計が10万円以内の場合は、楽天証券同様、手数料を無料で利用することができます。SBI証券は、楽天証券とほぼ同時期に手数料の改定を行ったため、20万円までや30万円までの手数料は楽天証券と同じ設定になっています。
松井証券
松井証券は、SBI証券や楽天証券のように手数料のコース別によって手数料が無料になる設定ではなく、現物取引や信用取引に関係なく、1日の約定金額の合計が10万円以内であれば手数料は無料になります。少額取引をする投資家や初心者が使うには使いやすい手数料設定になっています。
総合証券(対面証券)はネット証券と比較してメリットはないのか
総合証券は、ネット証券と比較すると手数料が高いことがネックでデメリットしかないように思えますが、メリットは何もないのかこれから投資を始めようと考えている人や投資初心者にとって知りたい情報でしょう。総合証券にあって、ネット証券にないのはやはり担当営業です。担当営業がいることで投資の相談ができます。
総合証券の担当営業に投資の相談をするだけでなく、金融商品の情報や旬な情報を提供してもらえます。ネット証券は手数料が総合証券より安く、取引しやすいメリットがあります。しかし、投資初心者は、特に投資を始めたばかりの頃はプロからのアドバイスや情報を欲しいと考えている人も少なくありません。総合証券はそういった人に適しています。
証券会社の手数料はネット証券がお得!
これから投資を始めようと考えている人や投資初心者の人は、手数料を安く抑えたいと考えているならネット証券が断然お得でおすすめです。しかし、プロの意見を聞きながら手堅く資産運用をしたいと考えているならネット証券より総合証券の方が営業パーソンから情報ををもらえるので目的に応じてうまく使い分けましょう。