生活保護制度とは?仕組みや条件に受給金額まで詳しく解説!

生活保護制度とは?仕組みや条件に受給金額まで詳しく解説!

生活保護制度は働くことが出来ない人、収入があっても生活することが困難な人などを支援する仕組みです。生活保護制度の支援を受けるには申請をする必要があります。また支援を受けるには、条件があるなど生活保護制度がよく理解出来るように生活保護制度について説明をします。

記事の目次

  1. 1.生活保護制度とは
  2. 2.生活保護制度の基本原理と基本原則
  3. 3.生活保護制度を受けられる条件
  4. 4.生活保護制度の受給金額
  5. 5.生活保護制度の問題となっている仕組み
  6. 6.生活保護制度の相談先
  7. 7.生活保護の扶助の種類とは
  8. 8.生活保護制度は最低限生活していく為の支援

生活保護制度とは

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生活保護制度とは、どんな制度が知っていますか。生活保護制度とは、収入が少ない人が毎月最低限の生活が出来るように国が支援する制度のことです。毎月支援する生活保護の制度では、毎月の住まいの家賃や食べ物・飲み物、水道、ガスの光熱費などの生活費にプラスして、医療、教育、介護、出産、葬儀などにかかる費用も支援する仕組みになっています。

生活保護制度は、自分の収入だけでは生活することが難しいまたは、生活が困難な人を支援する目的で出来た制度です。そのため、生活が困難な人は申請して様々な条件をクリアすることが出来れば生活保護制度の支援を受けることが出来るようになります。

国民に健康で文化的な最低限度の生活支援

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生活保護制度は、日本国憲法第25条の第1項で定めている「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」つまり、人間らしい生活が出来ることを保障する生存権を定めています。

生活保護制度の「生活保護法」の趣旨に沿った形で、国や地方公共団体が教育・医療・交通・司法・消防・警察などの公共サービスの経費として国民から徴収した税金を原資として出来たのが生活保護制度です。

生活保護制度の基本原理と基本原則

生活保護制度の誕生の元となっているのが「生活保護法」です。生活保護制度の誕生の元となっている「生活保護法」の必要な条件には様々な基本原理と基本原則があります。「生活保護法」の基本原理には、国家責任の原理・無差別平等の原理・最低生活保障の原理・保護の補足性の原理の4つがあります。

また生活保護制度の生活保護法の基本原則には、申請保護の原則・基準及び程度の原則・必要即応の原則・世帯単位の原則の4つが示されています。次項から生活保護制度の生活保護法で示されている基本原理と基本原則について説明をしていきます。

①国家責任の原理

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生活保護制度の生活保護法の基本原理「国家責任の原理」とはどんな原理なのでしょうか。生活保護制度の生活保護法の基本原理「国家責任の原理」とは、国が責任を持つということです。詳しく説明しますと、生活することに困っている人に国が人間らしい最低限の生活が出来るようにお金を提供してその人や家族を支援することを目的としていることです。

②無差別平等の原理

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生活保護制度の生活保護法の基本原理「無差別平等の原理」とはどんな原理なのでしょうか。生活保護制度の生活保護法の基本原理「無差別平等の原理」とは、法律が定める必要な条件をクリアしていればどんな地位の人でも、どんな生活をしている人でも差別をすることなく、皆が等しく扱われなければならない、保護されなければならない原理のことです。

③最低生活保障の原理

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生活保護制度の生活保護法の基本原理「最低生活保障の原理」とはどんな原理なのでしょうか。生活保護制度の生活保護法の基本原理「最低生活保障の原理」とは、普通に食事が出来て、病気になれば医療機関に受診ができるなど健康でごく一般的な衣食住ができる生活のレベルのことです。

生活保護制度の生活保護法の「最低生活保障の原理」は、生活が困難な人を支援するのと同時に自立への支援をすることも含まれています。

④保護の補足性の原理

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生活保護制度の生活保護法の基本原理「保護の補足性の原理」とはどんな原理なのでしょうか。生活保護制度の生活保護法の基本原理「保護の補足性の原理」とは、働くことに対しての意欲を示して様々な方法で努力したけど、その努力にも関わらず、普通に生活が出来ない人は、生活で足りない分を生活保護制度が支援するという原理のことです。

⑤申請保護の原則

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生活保護制度の生活保護法の基本原則「申請保護の原則」とはどんな原則なのでしょうか。生活保護制度の生活保護法の基本原則「申請保護の原則」とは、生活保護制度の支援を受けるには、生活に困っている人自体が生活保護制度の支援を受けるための申請をする必要があります。

その申請したことで生活保護制度の支援を受けることが出来るようになり、その申請で支援を受けることは保護されているという原則です。

⑥基準及び程度の原則

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生活保護制度の生活保護法の基本原則「基準及び程度の原則」とはどんな原則なのでしょうか。生活保護制度の生活保護法の基本原則「基準及び程度の原則」とは、健康でごく一般的な衣食住ができる生活のレベルの金額に満たない収入の人を支援するという考え方です。

つまり不足している生活費を生活保護制度の支援金によって補うということが原則になります。この生活保護制度の支援金の金額は、生活保護制度が必要になる人の年齢・性別・世帯人数など家族構成により違いがあります。また支援金の金額は、住んでいる地域ごとに厚生労働大臣により細かく基準が設けられています。

⑦必要即応の原則

生活保護制度の生活保護法の基本原則「必要即応の原則」とはどんな原則なのでしょうか。生活保護制度の生活保護法の基本原則「必要即応の原則」とは、年金制度などのように支援する金額が決まっているのではありません。

基準及び程度の原則と少し重なりますが、健康でごく一般的な衣食住ができる生活のレベルの金額に満たない不足分を支援することが原則です。つまり、生活保護制度は人によって支援する金額が違うということになります。

⑧世帯単位の原則

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生活保護制度の生活保護法の基本原則「世帯単位の原則」とはどんな原則なのでしょうか。生活保護制度の生活保護法の基本原則「世帯単位の原則」とは、生活保護制度の支援を受けるために申請した場合は、原則世帯を単位として支援するか支援しないかを決まるということです。

しかし、例外として同じ住宅に住んでいても生活が分離している場合は世帯ではなく、個人の単位で生活保護制度に申請することが出来て認められば、生活保護制度の支援を受けることが出来ます。

生活保護制度を受けられる条件

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ここまでは、生活保護制度の基本原理と基本原則、生活保護制度の仕組みなどについて説明をしてきました。ここからは、生活保護制度の支援が受けられる条件について説明をしていきます。

生活保護制度の支援が受けられる条件には、基本的に働けない人、収入が少なく預貯金がない人、お金になるものを全て売り払った人などが生活保護制度の支援が受けられる条件になります。次項からそれらの生活保護制度の支援が受けられる条件について説明をしていきます。

①基本的に働けない人

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生活保護制度の支援を受けられる条件として「基本的に働けない人」があります。生活保護制度の支援を受けられるのは働けない人が条件になります。働けない人とは、病気や重度の怪我により動くことが出来なく仕事をすることが困難な人のことです。

働けない人つまり収入を得ることが出来ない人になります。収入を得ることが出来なければ生活をすることが困難になります。そんな人は申請して認められれば、生活保護制度の支援を受けられることになります。働けない人は、生活保護制度の支援が受けられる条件を満たしているので生活保護制度の支援を受けるための申請をするようにしましょう。

②預貯金がない人

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生活保護制度の支援を受けられる条件として「預貯金がない人」があります。生活保護制度の支援を受けられるのは預貯金がない人が条件になります。病気や重度の怪我により働くことが出来なく、生活保護制度の支援を受けるための申請をしても土地・持ち家などの資産や預貯金がある人は、生活保護制度の支援を受けることは出来ない仕組みになっています。

つまり生活保護制度の支援を受けるためには預貯金があってはいけないということです。また預貯金はないが、土地・持ち家などの資産がある場合は、資産を売却しても生活が困難と判断されれば生活保護制度の支援を受けることが出来るケースもあります。

③換金できるものは全て換金

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生活保護制度の支援を受けられる条件として「換金できるものは全て換金」があります。生活保護制度の支援を受けられるのは換金できるものは全て換金することが条件になります。

生活保護制度の支援を受けられる条件の預貯金がない人と同じように土地・持ち家を含めた家にあるもので昔買った高級な家電製品、宝石などお金になるものは全て換金してその換金したお金でも生活をすることが困難と判断されれば生活保護制度の支援を受けらる仕組みになっています。

④生活の援助可能な親戚がいない

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生活保護制度の支援を受けられる条件として「生活の援助可能な親戚がいない」があります。自分に生活していく上で必要な収入がなく、また預貯金などもない場合は、生活保護制度の支援を受けられ条件に該当して生活保護制度の支援を受けられ仕組みです。

しかし、いくら自分に収入がなくても、自分の周りにいる親戚が生活にかかる費用を援助することが可能また、援助していると判断されれば、生活保護制度の支援を受けることが出来ない仕組みです。つまりお金で支援してくれる親戚が周りにいないことが生活保護制度の支援を受けるための条件になります。

⑤法律に基づく手当を全部活用

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生活保護制度の支援を受けられる条件として「法律に基づく手当を全部活用」があります。経済的な自立や子どもの福祉向上を図るため各地方公共団体が提供している福祉資金、雇用保険を受け取れる条件をクリアしていない人を支援する求職者支援制度などがあります。

生活保護制度の支援を受けられる条件は、これらの国や地方公共団体が提供して制度を活用しても生活をするのが困難と判断されれば生活保護制度の支援を受けることが出来る仕組みになっています。

生活保護と年金の受給額を徹底比較!両方とも受け取ることもできる? | 副業・暮らし・キャリアに関するライフスタイルメディア
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生活保護制度の受給金額

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生活保護制度の支援で受け取れる金額はどのくらいになるのでしょうか。生活保護制度の支援で受け取れる金額は、厚生労働省が定めた地域や世帯の人数ごとに決められている最低生活費を基準にして金額が決まっています。当然のことながら単身世帯と2人世帯とでは金額が違います。

また生活保護制度の支援で受け取れる金額は、食べ物・飲み物などの食費の第1類と衣類の費用と電気・ガス・水道などの水道光熱費用の第2類に分類することが出来ます。

また単身世帯、母子家庭・15歳以下の子供1人、子供2人など家族構成により生活保護制度の支援で受け取れる金額は変わり、家族構成のケースごとに金額が細かく決められています。次項からそれらの生活保護制度の支援で受け取れる金額について説明をします。

単身世帯

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単身世帯の生活保護制度の支援で受け取れる金額はどのくらいになるのでしょうか。単身世帯の生活保護制度の支援で受け取れる金額は、厚生労働省が定めた地域や世帯の人数ごとに決められている最低生活費によって決まります。

この最低生活費は地方自治体により違いがありますが、約13万5000円です。この約13万5000円の金額が基準になります。この金額以下の収入を得ている人はその差額の金額を受け取れることになります。

②2人世帯

2人世帯の生活保護制度の支援で受け取れる金額はどのくらいになるのでしょうか。2人世帯の生活保護制度の支援で受け取れる金額は約18万3000円です。この約18万3000円ですが、年金制度で受け取れる金額よりも高いことがわかります。

しかし、この金額は全く収入がない人に支援する金額です。ですので、生活保護制度で支援を受けいる人に少しでも収入があればその収入が引かれた金額になります。つまり収入が7万円ある場合は、11万3000円の金額の支援を受けることが出来るということです。

③母子家庭・15歳以下の子供1人

母子家庭・15歳以下の子供1人の場合の生活保護制度の支援で受け取れる金額はどのくらいになるのでしょうか。母子家庭・15歳以下の子供1人の場合の生活保護制度の支援で受け取れる金額は、生活扶助金として約5万4000円、住宅扶助として約6万円が受け取れます。

また15歳以下の子供1人の児童養育加算で2万2千円程度がプラスされ、生活保護制度の支援で受け取れる金額の合計が約14万になります。

④母子家庭・15歳以下の子供2人

母子家庭・15歳以下の子供2人の場合の生活保護制度の支援で受け取れる金額はどのくらいになるのでしょうか。母子家庭・15歳以下の子供2人の場合の生活保護制度の支援で受け取れる金額は、生活扶助金として約5万4000円、住宅扶助として約6万円が受け取れます。

また15歳以下の子供2人の児童養育加算で2万4千円程度がプラスされ、生活保護制度の支援で受け取れる金額の合計が約14万になります。つまり母子家庭・15歳以下の子供1人と2人では生活保護制度の支援で受け取れる金額は2千円しか変わらないということになります。

生活保護制度の問題となっている仕組み

ここでは、生活保護制度の問題となっている仕組み、現状と課題などについて説明をします。生活保護制度の問題となっている仕組みとは、生活保護制度の支援を受けている人が働いて収入を得る場合は、パートやアルバイトでの約2万円前後の収入であれば生活保護制度の支援金には影響しない仕組みになっています。

生活保護制度・働いたら損が定着

しかし、それ以上の収入を得た場合は、その得た収入分が生活保護制度の支援金から引かれて受け取れる支援金の金額が少なくなります。つまり、生活保護制度は働き過ぎると損となる仕組みの制度です。

生活保護制度の課題としては、年々増える失業者や雇用保険に加入していない人が生活保護制度の支援を受けるなど生活保護制度を利用する人が増えていることでの出費の拡大があります。

生活保護制度の相談先

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生活保護制度の支援を受けるためには、どこに相談したり申請をすればよいのでしょうか。生活保護制度の支援を受けるための相談先には市区町村の福祉事務所、生活困窮者自立支援の相談窓口、法律の専門家、民生委員、民間の支援団体などがあります。次項からそれらの相談先について説明をします。

①市区町村の福祉事務所

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生活保護制度の支援を受けるため相談したり申請したり出来る窓口として「市区町村の福祉事務所」があります。市区町村の福祉事務所は、生活保護の相談、生活保護制度の支援を受けるための申請をすることが出来ます。また児童福祉法・母子及び寡婦福祉法・身体障害者福祉法などの制度を受けるための相談と申請をすることが出来る場所です。

②生活困窮者自立支援の相談窓口

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生活保護制度の支援を受けるため相談したり申請したり出来る窓口として「生活困窮者自立支援の相談窓口」があります。生活困窮者自立支援の相談窓口とは、厚労省が提供していて全国に窓口があります。生活が困難な人を支援することを目的とした制度です。生活に不安を持ってる人の相談を受けたり、自立への支援プランを提供したりする仕組みの制度です。

③法律の専門家

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生活保護制度の支援を受けるため相談したり申請したり出来る窓口として「弁護士などの法律の専門家」があります。弁護士は生活保護制度の支援を受けるための相談には乗ってくれます。また、生活保護制度の支援を受けるため申請のお手伝いもしてくれます。また必要があれば申請用の書類作成のお手伝いと申請窓口への同行なども行ってくれます。

④民生委員

生活保護制度の支援を受けるため相談したり申請したり出来る窓口として「民生委員」があります。民生委員とは各地域にいる厚労省が認めた地方公務員のことです。しかし、民生委員としての報酬はなく、あくまでもボランティアとして扱いになります。

生活に関する相談や、アドバイスを行ってくれます。そのため生活保護制度の支援を受けるため相談も受けられます。民生委員は相談の他、情報提供、連絡通報などの活動もしています。

⑤民間の支援団体

生活保護制度の支援を受けるため相談したり申請したり出来る窓口として「民間の支援団体」があります。「民間の支援団体」とは、1954年11月20日に設立された「生活と健康を守る会」です。「生活と健康を守る会」は都道府県の連合会として北海道連合会、青森連合会、沖縄県連合会など全国で活躍する仕組みになっています。

「生活と健康を守る会」では、仕事を失って生活が困難になった人や病気で働くことが出来なくなった人のために生活保護制度の支援を受けるための生活保護の申請を支援しています。

また、医療費、介護保険料、国民健康保険料などを安くまたは無料にするための申請の仕方などの支援も行っています。さらに生活と健康を守る新聞、生活困窮者自立支援制度を特集とした発行物などにより情報を提供しています。

生活保護の扶助の種類とは

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生活保護の扶助の種類には、生活扶助、住宅扶助、医療扶助、介護扶助、教育扶助、出産扶助、生業扶助、葬祭扶助などの種類があります。生活扶助とは生活するための衣食に関する費用を扶助します。生活扶助は物価と立地により金額が決まります。

住宅扶助は生活するための住に関する家賃などの費用を扶助します。医療扶助とは無料で医療機関を受診できる医療券による扶助になります。介護扶助とは、介護が必要な人の住宅改修費用の支援や無料で介護サービスが受けられる扶助をします。教育扶助とは学校教育で必要になる教科書、学用品など現金で支援してくれます。

出産扶助は分娩に必要な給付が受けられます。生業扶助とは、生活をするために必要となる仕事に関連した資金や技能の習得のための支援をしてくれます。葬祭扶助は火葬や埋葬などにかかる費用の足りない部分の金額を支援してくれます。

生活保護制度は最低限生活していく為の支援

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生活保護制度がどんな仕組みになっているのか、また預貯金がない人、働くことが出来ない人など生活保護制度の支援が受けられる条件を説明してきました。

また生活保護制度の国家責任の原理・無差別平等の原理・最低生活保障の原理など生活保護制度の原理、生活保護制度で支援される金額など生活保護制度が理解できる内容について説明をしてきました。

生活保護制度の支援を受けるための相談・申請する窓口なども紹介しました。生活保護制度は自分の収入では足りない分を支援する制度であって全額支援してくれる制度ではないことを理解しておきましょう。さらに、生活保護は最低限の生活していく為の支援をしてくれる制度であることを理解しておく必要があります。

kawakei
ライター

kawakei

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