地方公務員の平均年収はどのくらい?給料やボーナスも詳しく解説!

地方公務員の平均年収はどのくらい?給料やボーナスも詳しく解説!

近年、民間企業から地方公務員へ転職する人が増えています。しかし肝心の年収やボーナスについて知っている人は少ないでしょう。今回は「地方公務員に興味がある、転職を考えていて年収を知りたい」そんな人に向けて地方公務員の平均年収について解説・紹介していきます。

記事の目次

  1. 1.地方公務員の年齢別の平均年収
  2. 2.地方公務員の学歴別の平均年収
  3. 3.地方公務員の学歴別の初任給
  4. 4.地方公務員の仕事内容と年収の関係
  5. 5.地方公務員のボーナスの平均
  6. 6.地方公務員の給料は年齢で変わる年功序列

地方公務員の年齢別の平均年収

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皆さんは地方公務員の年収は何で決められているか知っていますか?民間企業などは年齢や経験年数、技量などで収入が決まっているところもあるでしょう。地方公務員の場合は、主に年齢で年収が決まっているようです。

平均年収は年代だけでなく、都道府県庁職員や市役所職員など地方公務員でも様々あり、当然平均年収も異なります。初任給をもらって「公務員は給料も年収も高いって聞いてたのに」と思っていたのと違った、がっかりしたという方も中にはいるかもしれません。

しかし、これが地方公務員の特徴ともいえるでしょう。地方公務員は民間企業とは少し違い、実績に関わらず長く働けば働くほど、年齢とともに給料およびボーナス含む年収が増えていく職業です。ここからは年代別の平均年収を紹介していきます。

20歳の地方公務員の年収の平均

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まずは20代の平均年収について解説していきます。地方公務員といっても都道府県職員や市役所職員、指定都市職員、町村役職員、特別区職員があります。これらの職種は全て平均年収が異なります。地方公務員全体の20代の平均年収は約400万円となっています。

そのうちボーナスは90万円前後です。20代の中でも多少年収に差があり、20~23歳は約350万円、24~27歳は約410万円、28~29歳が約467万円となっています。また、大卒の地方公務員の場合は高卒や短大卒よりも10万円前後手取の年収が高くなっているようです。

都道府県職員は約409万円、指定都市職員が約415万円、市役所職員が約395万円、町村役職員が約353万円、特別区職員が約433万円といった平均年収となっています。大卒の場合は10万円ほど高くなるようです。

30歳の地方公務員の年収の平均

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続いては30代の平均年収を解説していきます。30代ともなればベテランと言われる世代になってきます。こちらも20代と同じく、30代の中でも平均年収に差があります。30代前半は約470万円と500万円いかないくらいの年収です。

しかし、30代半ばになると約530万円と一気に上がり30代後半には約600万円と、30代前半と比べると同じ30代でも約100万円前後の差が出てきます。これから年齢とともにどんどん年収も立場も上がっていくのでモチベーションが上がる時期でもあります。

40歳の地方公務員の年収の平均

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続いては40代の地方公務員の平均年収について解説していきます。地方公務員で40代ともなると、そろそろ年齢的にも役職が気になり出す人も多いのでは?早い人は既に役職に就いている事もあります。そんな40代全体の平均年収は約700万円です。30歳代と比べても年収の差が170万円あります。

40代でも20代や30代同様に年代の中で差が生じてきます。まず40代前半では平均年収が約660万円です。40代半ばになると約710万円、後半は約750万円と40代半ばと後半では約40万円も差があり、40代前半と後半では約90万円もの差があります。

50歳の地方公務員の年収の平均

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続いては50歳の地方公務員の平均年収について解説していきます。50歳ともなると退職まで管理職を務めている年代になります。この年代が地方公務員としては一番の稼ぎ時といっても良いでしょう。50歳代の平均年収は約770万円と40歳代後半より約20万円ほど高くなっています。

もっと細かく見ていくと50歳代前半が約750万円で、50歳代半ばが約770万円、50歳代後半が約800万円となっています。これらを見越して公務員を目指す人も多いかもしれません。役職によっても当然年収にも差も開きます。

50代半ば~後半に局長や部長職などに就いている場合は年収1000万円クラスになっている人もいます。地方公務員として50代は一番の稼ぎ時と言っても良いでしょう。また、定年退職となると一般行政職で約2000万円以上の退職金が支給されます。

地方公務員の学歴別の平均年収

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続いては学歴別の地方公務員の平均年収を解説していきます。現在、多くの民間企業などは殆どが学歴によって給料に差がある場合がほとんどです。では、地方公務員はどうなのか気になっている人も多いでしょう。実際、地方公務員の平均年収に学歴で差はあるのかというと多少はあります。

しかし、実際は学歴というより学力で分けられています。地方公務員の試験には初級試験と上級試験があります。初級が高卒レベル、上級が大卒レベルで受験の際に選択できるので高卒でも上級試験に合格すれば年収も多くなります。

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20代~30代前半の初級と上級では最初は年収にそこまで差が出ません。この期間で年収に差が出るとすれば、残業代によって大きく差が出る事もあります。30代半ば~40代半ばから初級や上級で給与にも差が出てきます。

ここから先は、高卒の地方公務員の年収や地方公務員と国家公務員の年収の差についてを解説していきます。これまで「高卒と大卒じゃ年収も違うのか?国家公務員とどのくらう年収に差があるのか」と思っていた人も是非参考にしてみて下さい。

高卒の地方公務員の年収

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まずは高卒の地方公務員の平均年収を解説していきます。高卒は大卒より年収は少ないんじゃないの?と思われている人もいるのではないでしょうか。実際、若い時の年収では約30万円ほどの差があります。

しかし、地方公務員は最初は差があったとしてもその差は働いている年数で埋めることができます。高卒の人は大卒の人よりも早くから働いているため、当然働いている年数も多いのでその分、大卒の年収に追いつくことができるので「高卒だから損だ」という事はありません。

地方公務員と国家公務員で年収の差

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続いては地方公務員と国家公務員の年収について解説していきます。そもそも国家公務員って何?という人もいるかもしれませんが、国家公務員とは国税から給与をもらっている公務員で、国会議員や税務署職員などが挙げられます。

国家公務員と聞くと地方公務員より給料・年収が高いようなイメージを持っている人が多いのではないでしょうか?国家公務員の年収は約620万円と言われています。一方で地方公務員の年収は約700万円と、実は国家公務員よりも年収が高いです。

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東京都の平均年収は約736万円なのに対し、沖縄県多良間村の平均年収は360万円と約400万円近く下回っています。このように同じ仕事内容でも地方に行くと数百万円も差が出てしまいます。

地方の自治体の財政状況によって年収が変わってくるので、必ずしも国家公務員よりも年収が上だという訳ではないのです。自分の住んでいる地域はどのくらいなのか気になる人は地方公務員の都道府県の年収情報を一度調べてみることをおすすめします。

地方公務員の学歴別の初任給

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これまでは年収について解説してきましたが、ここからは初任給について解説していきます。地方公務員といっても地方の自治体や職種によって当然初任給の差があります。東京都をはじめとする特別区や政令指定都市の方が地方の市町村よりも給与の水準が高い事が多いでしょう。

高卒の地方公務員の初任級

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まずは高卒の初任給について解説していきます。高卒者が約171600円といった初任給となっています。月額の給料には、20%の地域手当が加えられています。初任給の他に扶養手当や住居手当、通勤手当、超過勤務手当、休日給、さらに仕事によっては特殊勤務手当が支給されているのです。

大卒・短大卒・院卒の地方公務員の初任給

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続いては大卒や短大卒の地方公務員の初任給について解説していきます。大学院修士課程修了であれば約239000円、大学新卒者が約217400円、短大卒者が約186100円となっています。

これらには先程説明しましたが、地域手当や扶養手当、居住手当、通勤手当などの手当も含まれています。地方公務員は民間企業より年収が多いような気がしますが、新卒の場合は民間企業と地方公務員の平均年収はそこまで大きな差はありません。

地方公務員の仕事内容と年収の関係

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地方公務員とは、自治体組織に属して働く人たちをいいます。大きく分けると都道府県、市町村、政令指定都市の3つがあります。例えば、地方公務員として事務を行う行政職の場合は行政面からの企画立案や執行に携わります。各行政区内において地域の生活・産業に密着した業務をこなしています。

都道府県では基幹道路や河川など市町村を超える区域の事務業務や義務教育の水準維持、警察の管理・運営などを行っています。市町村では、戸籍住民登録や子育て支援など地域住民の生活に関わる事務業務を担っています。ここまでは何となく知っている人が多いのではないでしょうか?

あまり知られていないのは政令指定都市の業務です。政令指定都市は、本来道府県の事務である福祉や衛生、都市計画など委譲された事務に携わっています。また、地方公務員には、行政職以外にも教職や技術職、公安職なども含まれます。

年収・手当は仕事内容と比例するのか

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では、年収関係について解説していきます。仕事内容と年収は比例しているのか、それは地方の自治体によって給与や手当、ボーナスが異なるので一概に高い、低いとは言えないのです。しかし、政令指定都市で働いている地方公務員は一般行政職などより給料は多くもらっているようです。

また、公立病院勤務の医師や警察官、学校の教職員などは技術や危険などを伴う仕事内容の職種は比例して給料・年収は当然高くなっています。公立病院勤務医師は年収が1000万円を超えている場合もあります。

地方公務員の年収が高くなる条件

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地方公務員は民間企業のように仕事の成果で給料や年収が高くなる訳ではありません。地方公務員の評価基準はあくまで、年齢と「何年地方公務員としてキャリアを積んでいるか」が評価の対象となります。

地方公務員のボーナスの平均

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地方公務員のボーナスの平均はどのくらいなのでしょうか?まずは地方公務員のボーナス支給日を説明していきます。地方公務員のボーナスは民間企業と同じく、年2回で毎年6月と12月に支給されています。夏のボーナスは6月30日、冬のボーナスは12月10日となっています。

しかし、地方公務員は条例ではボーナスの支給日は自由に定めても良いとされていますが、大半の自治体は国に合わせているようです。ボーナス支給日が土曜日の場合は前日、日曜日の場合は前々日に支給されます。

地方公務員のボーナス支給額の決め方

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「そもそも公務員のボーナスはどうやって決まるのか?」気になっている人も多いでしょう。公務員のボーナスは、人事院が国家公務員のボーナスを決めます。地方公務員はこれに合わせたボーナス額を支給しています。

夏のボーナスは前年の算出基準をベースにボーナスが支給されています。給料+地域手当+扶養手当×支給月数で決まり、前年に比べ増減がある場合は冬のボーナスで調整されています。地方公務員は人事院が出す支給月数と同じくする自治体が殆どです。

東京都と地方の自治体とでは財政が苦しかったりする場合があるので支給月数が低い場合もあります。とはいっても人事院は何を基準に公務員のボーナスを決めているのか、気になっている人も多いのではないでしょうか?

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それは50人以上の民間事業所の給与とボーナスです。人事院は毎年、これらを調査して調査結果に基づき人事院勧告を実施、公務員の給与・ボーナスが増減するという仕組みになっているようです。

つまり、公務員は50人以上の民間事業所の平均に近い給与・ボーナスや年収をもらっているという事になります。民間事業所といっても超大手企業ともなればそれだけ平均も上がるので公務員と比べると、公務員の方が給与・ボーナスなどが少ない場合もあります。

年齢別のボーナスの平均

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2019年の冬ボーナスで見ると地方公務員(一般行政職)の場合、ボーナスの平均額は約77万円となっています。なので、18歳~23歳までで約39万円~約45万円、20代半ばから30代前半は約50万円~約60万円となっています。

30代半ばで約65万円、後半で約74万円、さらに40代から50代前半になると約83万円~約92万円となり、定年間際になると約100万円になります。また、これらのボーナスは扶養者が居ると扶養手当がボーナスにも増額されていくので、同じ年齢でも差が出ます。

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これは2016年のランキングですが、地方公務員のボーナスが多かった都道府県トップ3に入っているのは、東京都約176万円をはじめ三重県約173万円、兵庫県約170万円となっています。逆にワースト3は沖縄県約136万円、島根県約138万円、青森県約140万円となっています。

指定都市のトップ3は横浜市約185万円、北九州市約177万円、広島市約176万円でワースト3は札幌市約144万円、熊本市約152万円、新潟市約154万円がランキングに入ってしまっています。

このように同じ地方公務員でも上位と下位の差が大きいため、必ずしも民間企業より公務員のボーナスが高いという訳でもないのです。ただ、地方公務員としては低くても、一部を除く民間企業などからすると安定しているという点は変わりません。

地方公務員の給料は年齢で変わる年功序列

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ここまで地方公務員の平均年収や初任給、仕事内容などを紹介・解説してきましたが如何だったでしょうか?地方公務員は「年功序列」が未だ根強く残っています。仕事の成果で評価されるわけではなく、年齢とどれだけキャリアを積んでいるかが重要なのです。

最初のうちは給料や手当、年収も思っていたより低いと思うかもしれませんが、年齢とキャリアを積んでいくことで年収が上がり、さらに役職に就けばそれだけ年収も自ずと上がっていきます。

民間企業と違い、成績と比例して年収が安くなるという事もないという点が地方公務員を含む公務員が「安定している職業」と言われるのが分かります。これから地方公務員を目指す人や転職を考えている人はこれらを踏まえておきましょう。

Lime
ライター

Lime

「好きなことには本気で取り組む」をモットーにしています。猫とセキセイインコ好き。趣味はイラストを描いたり音楽やモノづくり、ゲームなど多趣味。メイクやネイルも好きです。ファッション関連から生活・恋愛関係の事まで幅広くお届けしていきます。

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