一人暮らしの揚げ物で困ること
揚げ物は日本人ならばみんなが大好きな食べ物です。唐揚げ、天ぷら、トンカツ、アジフライ、可能ならばやはり出来立てアツアツで食べたいものですが、いざ自分で作るとなると準備や後処理が面倒なので作るのを控えてしまいがちです。特に一人暮らしのキッチンだと調理スペースもかなり限られるので準備も調理も片付けも大変です。
このページではそんな揚げ物作りを一人暮らしでも簡単に作るコツや、おすすめの道具、上手な後片付けの方法をご紹介します。
①何を用意すればいいか分からない
一人暮らしで普段料理をあまりしない方はまず揚げ物を作るのに何が必要なのか分からないことが多いです。揚げ物という料理は家庭で作る料理の中でもハードルの高いイメージが強いので作るのが面倒になってしまいがちです。しかし実際には揚げ物に使う道具は意外と少なく、工夫すれば一人暮らしの方でも後処理も簡単に済ませることが出来ます。
②残った油の処理
一人暮らしで揚げ物を作るとなった時に一番面倒になるのが残った油の処理です。一度使った油は放っておくと酸化して状態が悪くなり使えなくなります。
残った大量の油をそのまま捨てるのももったいないですし、次に使うためにとっておくにしてもそれをしまうスペースを確保しなければなりません。いざ捨てるとなってもゴミ袋に入れると液漏れの不安があります。だからといってそのまま流し台に捨てるわけにはいけません。こういった後処理の大変さが揚げ物作りで一番大変な作業なのです。
③揚げた後の掃除
揚げ物を作っていると油跳ね等によってどうしてもガス台周りが油で汚れます。油汚れはそのまま放っておくと汚れが落ちにくくなってしまい、酸化した油の臭いも付いてしまいます。汚れを拭き取る布巾も油だらけになるので一度使うと布巾を洗うのにも一苦労です。揚げ物の後の掃除は他の料理を作る時より大変な作業になります。
一人暮らしの揚げ物で必要なもの
揚げ物を作るのに必要な道具はたったの4つだけです。揚げ物を掴む箸やトング、揚げた後に油をきるためのバット、使用した油を保存する容器、揚げ物を作るための鍋、たったのこれだけで揚げ物を作ることが出来ます。キッチンの収納スペースの大きさに合った道具を選び、しっかり収納しておけばスペースも圧迫しないので一人暮らしの方でも安心です。
トングや菜箸など掴めるもの
揚げ物を作っていると油の温度が高くなり、油跳ねや熱気で火傷を負ってしまう危険性があります。なので使うトングや菜箸等の揚げ物を掴む道具は尺の長い物を用意するようにしておくと安全です。材質はシリコン製の物であれば耐熱性があり滑り止めにもなるので簡単で便利です。100均でも売っているので一人暮らしの学生の方でも手軽に入手出来ます。
油を切れるもの
作った揚げ物の油をきるための道具は必須です。せっかくカラッと仕上がった揚げ物もしっかりと油を切らなければ食べる頃にはベトベトになってしまいます。油をしっかりと切るのに必要な物は、バット、網、キッチンペーパーです。バットが家に無い方は、小さめのフライパンにキッチンペーパーを敷いて代用することができます。
もしくは、魚焼き用のグリルが付いているのであればそこにキッチンペーパーを敷くことでも代用ができます。
油
揚げ物を作るには普段の料理をするよりも多くの油が必要になります。しかしお店で作る料理のようにしっかりと浸かる程の量の油は一人暮らしの料理では必要ではなく、揚げたいものが半分だけ浸かる量があれば十分です。
揚げるというよりは揚げ焼きに近いですが、アジフライやトンカツ等厚みがあまり無い料理であればこれくらいの量の油でひっくり返しながら焼くことで油の量を節約することができ、大量の油の処理に悩む必要も無くなります。少量の油で済むので揚げ油にはごま油やオリーブオイルを使うこともできます。
揚げ油に使う油でおすすめなのがこめ油です。酸化しにくい性質を持っており、サラダ油の2倍以上劣化に強いと言われてます。
使用した油を保存できるもの
通常揚げ物をした後の油はオイルポットに入れて保存するか、状態が悪ければ捨てるかします。その都度捨てても問題はありませんが、茶漉しを使ってオイルポットや瓶に保存しておいて炒め物等に使うことも出来ます。
油を容器に入れて保存する時は、必ず一度冷ましてから容器に入れるようにしましょう。熱いままの油を容器に入れると容器が割れたり変形する恐れがあります。また油を捨てる場合も、直接排水口に流してしまうと排水管の詰まりの原因にもなります。市販の凝固剤を使う等してごみ箱に捨てるようにしましょう。
鍋
一人暮らしの部屋の収納スペースは限られているので、揚げ物をするためだけに専用の鍋を用意するのは難しいという方が多いです。なので少し深めのフライパンで代用することで油の節約にもなり、専用の鍋を用意する必要も無くなります。
既に手持ちのフライパンがあるのならばわざわざ新しく用意する必要もありません。ただ、底の広いフライパンだと一度に使う油の量も多くなってしまうので注意が必要です。
一人暮らしの味方!こめ油を使おう
近年こめ油という油が流行になっています。通常の油よりカラッと揚がり劣化にも強く、栄養価も高いことから揚げ油としての人気が上がってきています。何度使っても油が古くならないのでいちいち古くなった油の後処理に悩むこともなく、一人暮らしの揚げ物にぴったりの油なのです。
こめ油とは
こめ油とは、米ぬかや米の胚芽を原料にして精製した油のことです。ビタミンEを多く含み、油切れも良く、加熱による酸化に強いので油の劣化が起きにくいのが特徴です。価格はサラダ油の二倍くらいしますが、サラダ油よりも数倍長持ちするので長い目で見ればこめ油の方が実は経済的なのです。
一人暮らしで揚げ物用鍋がない時は?
一人暮らしでは揚げ物用の鍋はスペースを取りやすいのでできることなら違う道具で代用したいものです。揚げ物に使う道具は全て家にあるもので代用が利きます。揚げ鍋も同じように手持ちの物で代用が可能で、簡単に揚げ物を作ることが出来ます。ここでは一人暮らしで揚げ物用の鍋が無い時の対処法をご紹介します。
鍋がない時はフライパンや小鍋で
揚げ鍋が家に無い時は、深さのあるフライパンや小鍋で代用することが出来ます。底の浅いフライパンだと油跳ねで周囲が汚れやすく、また底の広い物だと必要な油の量が多くなります。一人暮らしでも使いやすい小型の鍋やフライパンがベストです。
フライパンでの揚げ物は、揚げるというよりは揚げ焼きに近いので火通りに時間がかかります。なので途中でひっくり返すか、材料を薄くする等して火を通りやすくする工夫が必要です。また、揚げ物用の鍋よりも底が浅い分油跳ねの影響を受けやすいので、材料の水分をキッチンペーパーでしっかりと拭き取っておきましょう。
フライパンで揚げ物を作れば油の節約にもなり後処理も簡単で。一人暮らしで滅多に揚げ物を食べないという方にはおすすめの方法です。
一人用電気フライヤーもおすすめ
最近では一人暮らし用のコンパクトな電気フライヤーが販売されています。付属のバスケットに材料を入れて、設定温度まで上がった油に入れるだけで簡単に揚げ物を作ることが出来ます。温度調節のダイヤルもついており、設定温度以上に油の温度が上がるのを防いでくれます。スペースもとらないので一人暮らし向きの便利なフライヤーです。
揚げ物は高温の油を使うので火傷や引火等の危険も伴います。しかし電気フライヤーであれば設定温度以上に油の温度が上がることも無く、フライヤー専用のフタも付いているので油跳ねの心配もありません。料理下手な一人暮らしにまさにぴったりのフライヤーなのです。
一人暮らしで揚げ物をした時【油処理方法】
一人暮らしで揚げ物を作る時にどうしても考えてしまうのが、残った油をどうするかということです。一人暮らしの部屋の限られたスペースに大量の残り油を置いておくだけのスペースを確保するのは難しく、油をどうやって処理したらいいのか分からないという方は多いです。ここでは残った油の処理の仕方をご紹介します。
ポリ袋や牛乳パックに入れて捨てる
家にある牛乳パックやポリ袋等残った油を入れたまますてることの出来る容器に移してごみ箱に捨てると簡単で楽に処理が出来ます。容器にはあらかじめ新聞紙等の油を吸収出来る物を詰めておいて油が漏れないようにしておきましょう。ごく稀ですが、自家発火する恐れもあるので一緒に水も入れておくと安全です。
凝固剤を使って捨てる
市販の凝固剤を使って残り油を固めることで簡単に処理することも出来ます。使い終わった油を熱いうちに凝固剤を入れてかき混ぜて置いておくと自然と固まります。この方法で一番良い点は手を汚さずに油の処理が出来る所です。ただ凝固剤を買わなければならないので容器に紙を入れて捨てる方法よりもお金がかかります。
油を再利用する
揚げ油は一度使用したくらいでは捨てる必要はありません。目の細かいザルや茶漉しを使ってしっかりと漉して保存しておけば次に使う時も美味しく揚げ物を作ることが出来ます。油は熱いうちはサラっとしていますが冷めると粘りが出てしまうので漉し辛くなります。なので粗熱がとれたくらいで漉すとスムーズですのでおすすめです。
一度使った油は日が進む程酸化して状態が悪くなってしまいます。早めに使い切ってしまうようにしましょう。捨てる油の状態の目安ですが、油が薄茶色ぐらいであれば次に使ってもほとんど料理に影響はありません。油が黒く濁った色になれば捨て時です。
また生の野菜や魚を素揚げするととても早く油が劣化します。作る料理によって油の劣化具合は変わってきますので油の色と状態を確認して次回も使うか捨てるか判断しましょう。
一人暮らしで揚げ物をした後【掃除方法】
揚げ物を作った後の掃除は他の料理を作った時よりも大変です。後の掃除が面倒なので揚げ物をしないという一人暮らしの方は少なくありません。しかしポイントをおさえておけば揚げ物をした後の掃除もグンと簡単になります。ここでは一人暮らしで揚げ物を作った後に掃除をするときのコツや汚さないようにするポイントをご紹介します。
揚げ物後はすぐに拭き取る
油は時間が経って冷えると固まってベトベトになって掃除し辛くなります。なので料理が終わったらすぐに拭き取れば簡単に油汚れを取ることが出来ます。周りが汚れないように工夫しておくことも大切です。揚げ物をしているときの汚れの大半は油跳ねによるものです。油跳ねを防ぐには材料の水分をしっかり拭き取るかキッチンネットを使用すれば大丈夫です。
重曹を使う
時間が経ってベトベトになってしまった油汚れには重曹が有効です。水に溶かした重曹を掃除用に布巾に浸けて使えば簡単に油汚れが落ちます。それでも油汚れが落ちない時は重曹入りの水を一度沸騰させて使うと洗浄力が上がって汚れを落としやすくなります。最近では重曹入りのお掃除シートというものも売っているのでそれを使うのもおすすめです。
アルコール除菌スプレーを使う
アルコール除菌スプレーを使っても簡単に油汚れを落とせます。アルコールには水にも油にも馴染みやすい性質を持っており、油汚れを浮かして落としやすくしてくれます。アルコールは洗剤よりも油汚れを落とす力が強く、ガス台周りの簡単な油汚れから、換気扇についたガンコな油汚れまで、何でも落とすことが出来ます。
一人暮らしの揚げ物で油跳ねが嫌という場合
一人暮らしの部屋のキッチンはスペースが狭いことが多いです。なので揚げ物を作って油跳ねすると壁側や床にも油が飛び散ってしまい、後の掃除が大変になってしまいます。揚げ物をしたくないという方の理由の大半は後掃除の面倒さによるものです。ここでは一人暮らしの揚げ物で油跳ねを防ぐコツをご紹介します。
油が跳ねにくいようにする
揚げ物をすると油跳ねが起きる理由は水分が原因の大半を占めています。水と油では沸騰する温度が違うため、高温の油の中に水分を含んだ食材を入れると中の水分が先に蒸発します。油の中で逃げ場を失った水蒸気が小さな爆発を起こします。これが油跳ねになります。なので油跳ねを防ぐには余分な水分を除去することが重要なのです。
食材の水分を拭きとっておく
料理をする際には必ず食材を洗うという工程が入ります。揚げ物をする時に水分を十分に拭き取れていないと油跳ねの原因になってしまいます。特に野菜類は土汚れを落とすために水でしっかり洗わなければならないので水分が残りやすいです。食材を素揚げして料理をする時はしっかりと余分な水分を拭き取っておきましょう。
余分な衣は取っておく
唐揚げや天ぷらを作る際、その衣がたくさん水分を吸っているためどうしても油跳ねが起こります。そういった料理を作る時に油跳ねを防ぐには付ける衣の量を減らすのが一番効果的です。特に天ぷらは揚げ物の中で一番油跳ねする料理ですので余分な衣はあらかじめ落として揚げるようにしましょう。
キッチンネットを使う
揚げ物をする鍋やフライパンにキッチンネットをかぶせることで油跳ねを防ぐことが出来ます。キッチンネットとは目の細かい平たいザルのような形状をしており、油跳ね防止以外にも食材の水切りや裏ごしにも使えます。平たい形状で収納スペースを圧迫しないので一人暮らしの方にはおすすめです。
油を使わないで揚げる
いっそのこと油を使わないという手段もあります。近年のヘルシーブームにより、高カロリーな揚げ物を油を使わず作ることの出来る調理法や機械が続々と登場して話題になっています。オーブンやトースターで焼いたりノンフライヤーと呼ばれる機械を使ったりすることで簡単に揚げ物を作ることが出来るので一人暮らしの方に人気があります。
ノンフライヤーを使う
ノンフライヤーという機会を使うことで揚げ物を簡単に作ることが出来ます。ノンフライヤーとは油を使わず熱と空気だけで揚げ物を作ることが出来る機械のことです。油の臭いが衣服や髪に付く心配が無く、油を使わない分ヘルシーに料理出来るのが魅力です。1人暮らしの女性にはノンフライヤーをおすすめします。
ノンフライヤーは1万円以下のコンパクトサイズの物も多く販売されています。これから一人暮らしを始める時に他の家電と一緒に買っておくと便利です。
電子レンジやフライパンで作れる唐揚げ粉を使う
電子レンジやフライパンで誰でも簡単に唐揚げを作ることの出来る専用の唐揚げ粉があります。鶏肉に専用に唐揚げ粉をまぶして電子レンジでチンするかフライパンで焼いて調理します。鶏肉の持つ水分と油分だけで唐揚げを作れるのでとてもヘルシーに仕上げられるのが特徴です。一人暮らしで調理スペースが狭くて揚げ物が出来ない方におすすめです。
一人暮らしでも揚げ物は簡単に出来る!
一人暮らしで揚げ物を作るのは以外と簡単です。用意する道具や調理や掃除のコツを押さえてしまえば誰でも簡単に出来たての揚げ物を楽しむことが出来ます。今までスーパーのお惣菜で冷たい揚げ物を買っていた方も、揚げ物を今まで敷居の高い料理だと思って遠慮していた方も是非一度試して出来たてアツアツの揚げ物を楽しみましょう。