孵化する前にやりたいナメクジの卵の駆除!
ジメジメした暗い所に住み、見た目もヌメヌメしていかにも気持ちが悪いナメクジですが、このナメクジは見た目が悪いだけではなく、意外と植物にも人にも大きな害を与える生物なのです。
こんな困った生物のナメクジに対する対策としては、その卵を見つけて卵が孵化する前に駆除してしまうのが最も良い予防方法です。
これからナメクジの生態、ナメクジによる被害、ナメクジの卵を駆除方法、ナメクジの成虫を駆除する方法、ナメクジの成虫と卵の予防対策などについて解説いたします。
ナメクジの生態
ナメクジの害に対する対策として、ナメクジの卵を駆除する方法を知るためにも、またナメクジの成虫を駆除する方法を知るためにも、先ずナメクジというものの生態を知る必要があります。
これからナメクジの生態として、ナメクジにはどんな種類があるのか、またナメクジの寿命はどのくらいか、さらに一見よく似ているカタツムリとナメクジとの違い、またナメクジの産卵などについて解説いたします。
ナメクジの種類
ナメクジの生態として最初にナメクジにはどんな種類があるのかということをご説明します。日本で見かけるナメクジには3つの種類があります。
第1に日本の住宅によく出てくる在来種のナメクジでナメクジ科に属する「ナメクジ」、第2に外来種のナメクジでコウラナメクジ科に属する「コウラナメクジ」、第3に山で見かける在来種のナメクジで大きさが10cm以上にもなる「ヤマナメクジ」です。
ナメクジの寿命
ナメクジの生態として2番目に解説するのは、ナメクジの寿命はどのくらいあるのか、ということです。
ナメクジの寿命は普通1年~3年の間と言われていますが、中には5年の寿命をもつナメクジもいます。寿命はナメクジが育つ環境によって違いが出て来ます。とにかく貝の仲間では長生きの部類に入るので被害を予防するためには、成虫も卵も駆除する対策が重要になります。
ナメクジとカタツムリの違い
ナメクジの生態として3番目に解説するのは、ナメクジとカタツムリはどこが違うのか、ということです。
ナメクジもカタツムリも同じ貝の仲間に属するのですが、カタツムリはナメクジにはない殻を持っています。ナメクジは元々カタツムリであったものの殻が退化してなくなった種類だとも言われています。
カタツムリは卵から孵化した時から殻を持っていますが、ナメクジは卵から孵化して以後生涯殻は持ちません。ナメクジとカタツムリは殻の有無を除けばとても良く似ていますが、カタツムリから殻を取ると死んでしまいます。ナメクジとカタツムリは別の生物なのです。
ナメクジの産卵
ナメクジの生態として4番目に解説するのは、ナメクジの産卵についてです。ナメクジが卵から孵化する前の卵の段階で駆除するためには、ナメクジの産卵についての情報は重要です。
ナメクジの産卵については非常に特殊なことがあります。それは交尾をすると雄と雌のどちらも受精するということです。従ってナメクジは雄も卵のを産むし雌も卵を産むのです。また交尾をしなくても1匹のナメクジが体内で受精をして卵を産むこともできるとも言われています。
またナメクジは1回の産卵において20~60個の卵を産卵します。そうすると1年間には300個を超える数の卵を産むことになります。つまりナメクジの繁殖力は極めて高いのです。
ナメクジによる被害
ナメクジは見た目も気持ちが悪くイヤな害虫(実は虫ではなく貝の仲間です)ですが、本当にナメクジによる被害があるのです。これから植物にはどんな被害を及ぼすか、また人体にはどんな被害を及ぼすのかご説明します。
植物への被害
ナメクジの植物への被害についてご説明します。ナメクジは植物の花を食べて見るも無残な姿にしてしまいます。また植物の葉も食べて植物の育ちを悪くし、時には枯らしてしまうこともありますから、ナメクジは駆除する必要があるのです。
人体への被害
ナメクジの人体への被害についてご説明します。ナメクジは病原菌や寄生虫を宿している可能性があり、ナメクジが這ったあとにそれらが植物に残ります。その葉を食べたり、手で触ったりすると人の口から菌や寄生虫が人体に取り込まれ病気になる恐れがあるのです。
ナメクジの卵を駆除する方法
ナメクジは植物にも人体にも被害を及ぼすので被害を予防する対策が必要です。一番良い被害予防の対策は、ナメクジの卵が孵化する前に卵の段階で駆除してしまうことです。
ナメクジの卵を駆除するには、先ず卵を見つけなければなりません。ナメクジの卵は直径が約2ミリメートルくらいの円形または楕円形で白い色をしています。注意して見れば卵は見つけられます。
ナメクジの繁殖場所・時期
上に申し上げた通りナメクジの卵は直径が2ミリくらいの大きさですから簡単に見つけることはできません。卵を見つけるためには、ナメクジはどんなところに卵を産むか、またどんな時期に卵を産むのか、知っておく必要があります。
ナメクジの成虫も卵も暗くて湿り気のあるジメジメしたところが好きです。従ってプランターの下や落ち葉の下などの暗くてジメついたところに卵を産みます。
ナメクジの卵は熱に弱いので暑い夏が終わった秋から春までが繁殖、すなわち卵を産む時期になります。この時期の気温がナメクジの卵にとっては過ごしやすい温度なのです。
卵の駆除方法①熱湯をかける
ナメクジの卵を駆除する方法の第1は熱湯をかけることです。上に申し上げた通りナメクジの卵は熱に弱いので熱湯をかければ卵はたちまち死んでしまいます。但し熱湯はそこの植物自体や植物が育つのに役立つ栄養分などにもダメージを与える恐れがあるので、かける場所には注意が必要です。
卵の駆除方法②袋に集め密閉して捨てる
ナメクジの卵を駆除する方法の第2は袋に集めて密閉して捨てることです。ナメクジの卵は1つの場所に集中して産み付けられるので、注意して卵をもれなくビニール袋に集めて入れ、固く口を縛って密閉して生ごみとして捨てるのですが、卵が孵化しないうちに収集される時を狙います。
卵の駆除方法③駆除剤を使用する
ナメクジの卵を駆除する方法の第3は駆除剤を使用することです。ナメクジの駆除剤はいろいろなものが販売されています。これらは主として卵よりも成虫を対象としたものですが、もちろん卵にも有効です。卵をターゲットとして使うなら、卵に直接ふりかければ卵は死んでしまいます。
踏み潰してはだめなの?
ナメクジの卵を駆除する方法の最後に足で踏み潰すのはどうかということを検討します。実はこの方法はナメクジの卵を駆除するにはあまり有効とは言えません。
ナメクジの卵は直径2ミリ程度と小さく、しかも1か所にたくさん集中して卵が産みつけられています。そのため小さな卵が靴の底の溝にはまってしまったり、また小さな卵が見落とされてしまう恐れもあるからです。
ナメクジの成虫の駆除方法は?
上にナメクジの卵を駆除する方法についてご説明しました。今度は卵ではなくナメクジの成虫を駆除して被害を予防する対策方法についてご説明します。成虫を駆除する方法として、昔からおなじみの塩をかけることを初め全部で6つの方法をご紹介します。
塩をかける
ナメクジの成虫の駆除方法の第1は塩をかけることです。これは昔からよく使われて来た方法です。ナメクジの成虫に塩をかけると浸透圧により、ナメクジの体内から水分がどんどん出て来てナメクジは脱水症状に陥りやがて死んでしまいます。
しかし死ぬ前に雨が降って塩が流されると元気を回復してしまうので注意が必要です。また必要な植物が育っているところに塩をまくと土に塩が吸収されて植物の生育に支障を来しますから、塩をまく場所にも注意が必要です。
熱湯をかける
先にナメクジの卵の駆除方法として熱湯をかけることを挙げましたが、ナメクジの成虫の駆除方法としてもこれは有効です。動物にしても植物にしても熱湯には弱いです。火傷のダメージを受けますが、特にナメクジのように小さな動物は大火傷になって死んでしまいます。
コーヒーかすを撒く
ナメクジの成虫の駆除方法の第3はコーヒーかすを撒くことです。コーヒーのカフェインがナメクジには有害な物質になるからです。コーヒーを淹れた後に残るコーヒーの粉のかすをナメクジの通り道に置いて、ナメクジがその上を通るようにすれば良いのです。
木酢液を撒く
ナメクジの成虫の駆除方法の第4は木酢液を撒くことです。木酢液とは木炭を作る時に出る水蒸気を冷やして蒸留したものです。この液体は殺菌、殺虫作用が強くナメクジも近づけません。しかし原液をそのまま使用すると植物にも有害なので濃度を100倍以上に薄めた上で使用します。
ビールで駆除する
ナメクジの成虫の駆除方法の第5はビールで駆除することです。ナメクジはビールの匂いが好きなので、ビールでおびき寄せて殺してしまうのです。空のペットボトルの底の部分を1/3ほどに切って、その中にビールを入れておくと、ナメクジが中に入って溺れ死んでしまいます。
殺虫剤を使用する
ナメクジの成虫の駆除方法の最後は殺虫剤を使用することです。殺虫剤を使えば簡単に駆除できます。但しナメクジは虫の仲間ではなく貝の仲間なので普通に昆虫に使われる殺虫剤では効きめがありません。ナメクジ専用の殺虫剤としておすすめできるのはナメトールです。
ナメクジの成虫・卵の予防対策
上にナメクジの卵や成虫を駆除する方法についてご説明しました。しかし駆除するよりもそもそも卵や成虫を発生させないことが最も良いやり方です。これからナメクジの成虫や卵の発生を予防するための対策についてご説明します。
ナメクジが好む環境をなくす
ナメクジの発生の予防対策は、要するにナメクジが好む環境を作らないことに尽きます。ナメクジの好きな環境とはジメジメした暗い所です。例えば落ち葉が散らばっている所や雑草が茂っている所などです。
ナメクジが好む環境を作らない予防対策としては雑草は刈り取って湿気を無くすこと、プランターや鉢植えなどは隙間のある台の上に置いて、直接地面に置かないことが必要です。
大量発生する前にナメクジの卵を駆除しよう!
ナメクジは見た目にも感じが悪い生き物ですが、実は植物にも人体にも少なからず害を及ぼします。この困ったナメクジについて、その生態や被害をご説明しました。
またナメクジの卵や成虫を駆除する方法やそもそもナメクジの発生を予防する対策についてもご説明しました。ナメクジは放っておくと大量に発生します。その前に卵の段階で駆除することが大切です。以上がナメクジの被害に悩んでおられる方のご参考になればば幸いです。