プラスチックの頑固な黄ばみの落とし方を解説
私たちの身の回りには、プラスチックでできた製品が多くあります。部屋を見渡してみても、エアコンやパソコンなどの電化製品にプラスチックが使われています。さらには、キッチン製品、トイレやお風呂などにもプラスチック製品はたくさんあります。
その身の回りのプラスチックがもし黄ばんでいたら、見た目にもあまり良い印象は持てません。目につく場所にあるものであれば、なおさら気になってしまうことも多いはずです。
経年による黄ばみを綺麗に落とそう!
そこでこの記事では、そもそもなぜプラスチック製品は黄ばんでしまうのか?というプラスチックの黄ばみの原因について、またその原因にあわせたプラスチックの黄ばみの落とし方・取り方について、詳しく紹介していきます。
今まで黄ばみに気づいていても、落とし方がわからずに放っておいたプラスチック製品はありませんか?そういう方は少なからずいるはずです。そういう方はこの記事を参考に、プラスチックの黄ばみを落として、白くきれいにしましょう。
プラスチックの黄ばみの原因
プラスチックの製品を長く使っていると、どんなにきれいに洗っても、どんなに汚れを落としてもきれいにならない、という経験をしたことはありませんか?プラスチックが黄ばんでしまう原因は、主に3つあります。
1つ目は、プラスチックの添加物が化学変化を起こしてしまう場合です。2つ目は、たばこのヤニや食べ物の汚れがプラスチックについてしまって黄ばむ場合です。そして3つ目は、プラスチックの素材が劣化して黄ばんでしまう場合です。
それぞれの黄ばみの原因によって、落とし方や取り方も変わってきます。それぞれの原因に適した黄ばみの落とし方・取り方について詳しく紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。
①プラスチック添加物の化学変化
まず、プラスチックの黄ばみの原因の1つは、プラスチックの添加物が化学変化を起こし、その化学変化により黄ばみが発生してしまうことです。このプラスチックの添加物とは、酸化防止剤と難焼剤のことです。
この酸化防止剤と難焼剤は、長い時間暗い場所に置くと、化学変化を起こしてしまいます。そしてその化学変化が原因で、プラスチックが黄ばんでしまうということになります。
経年による変化
季節によって使う・使わないがある季節商品や、たまにしか使わない製品などは、押入れや棚などの暗い場所に保管することが多いでしょう。しかし、それがプラスチック製品だった場合は、経年によりどんどん黄ばんでしまうということになります。
年々黄ばみがひどくなる、ということにならないためにも、黄ばみの原因をしっかり理解して、できるだけ黄ばみをおさえる工夫をしていきましょう。
②たばこや食べ物のカス
次に、プラスチックの黄ばみの原因として、たばこや食べ物のカスがあげられます。たばこのヤニや食べ物の残り、洗い残しがプラスチックに付着してしまっている場合です。
この原因の場合は、他の原因と比べると簡単に落とせる黄ばみです。ですので、この汚れが原因で黄ばんでいるプラスチック製品があれば、ぜひこの記事を参考に、きれいに黄ばみを落としてみてください。
もちろん、そもそもプラスチックが黄ばんでしまわないように、食べ物のカスなどはきちんと落とすように洗いましょう。たばこを吸う方や、吸う方が近くにいる場合は、たばこを吸っている近くにプラスチックを置かないようにしましょう。
ニコチン等がプラスチックに付着
たばこでプラスチックが黄ばんでしまう原因は、たばこに含まれている「タール」と「ニコチン」という成分によるものです。普段は気にならない程度でも、蓄積していくとプラスチックに付着して黄ばみの原因になってしまいます。
エアコンや換気扇など、部屋の空気を調節している製品には、このタールやニコチンが付着している場合があります。黄ばみがないか、一度確認してみてください。
③プラスチックの劣化
最後に、プラスチックの黄ばみの原因としては、プラスチックの素材そのものが劣化してしまうことによるものがあげられます。多くのプラスチック製品は、ABS樹脂という素材でできているものがほとんどです。
このプラスチックのABS樹脂という素材には、「ブジエタン」という物質が含まれています。このブジエタンが黄ばみの原因です。
ブタジエン成分の劣化
ブジエタンは、経年劣化することにより、変色してしまう性質をもっています。この劣化での変色が、黄ばみの原因となります。これが黄ばみの原因の場合は、落とすことができないと言われています。ですので、黄ばみを落とすことは諦めるより他はありません。
しかし、それでも諦めたくない!という方は、「黄ばみを落とす」ではなく、塗装やシートを張るなどの方法で「黄ばみを隠す」という手法もあります。最終手段としては、この方法も試すことはできます。
プラスチックの黄ばみの落とし方に必要な成分は2つ
たばこや食べ物など、外的要因でプラスチックの黄ばみができてしまった場合は、基本的にはしっかりと洗えば、ほとんど黄ばみを落とすことができます。
しかし、化学変化によってプラスチックの黄ばみができてしまった場合は、洗うだけでは落とすことができない場合がほとんどです。化学変化による黄ばみには、「漂白活性化剤」と「過酸化水素」の2つの成分と「紫外線」が有効です。
①漂白活性化剤
まず、漂白活性化剤です。漂白活性化剤は、衣類などの洗濯石鹸や漂白剤に含まれている成分です。短い時間で漂白する成分の効果を発揮させるために、とても重要な成分です。
衣類だけでなく、今ではさまざまな製品に対応している漂白剤があります。黄ばみを落としたい製品に合わせて、漂白剤の準備をしておくと良いでしょう。
②過酸化水素
次に、過酸化水素です。この過酸化水素も洗濯洗剤や漂白剤、殺菌剤などに用いられている成分となりますす。「オキシドール」は、この過酸化水素でできている液体です。
黄ばみを落としたいプラスチック製品の中には、水につけられないプラスチックがある可能性があります。その場合は、このオキシドールを使うことで、黄ばみを落とすことができます。
プラスチックの黄ばみの取り方手順
それでは、実際にプラスチックの黄ばみの落とし方・取り方について詳しく説明していきます。前述したとおり、この黄ばみの落とし方・取り方は、たばこや食べ物のカスなどの外的要因で黄ばんだ場合と、化学変化によって黄ばんでしまった場合に有効です。
しかし、何が原因で黄ばんでしまったかわからない場合もあるでしょう。その場合にも、今回紹介する方法を一度試してみてください。今回紹介する方法をぜひ参考にして、プラスチックの黄ばみをきれいに落としていきましょう。
①付け置き漂白で天日干し
まず、黄ばみに悩んでいるプラスチック製品を準備します。準備した製品が一部分だけプラスチックの場合は、プラスチック部分のみを外したり、取り出せる場合は外しておいてください。
その準備をしておかないと、プラスチック製品が電化製品などで、電子機器が含まれている場合に故障の原因になってしまいます。壊れてしまってはきれいにしても意味がなくなってしまいます。十分注意してください。
次に、取り出したプラスチックを、漂白活性化剤と過酸化水素を混ぜた洗浄液につけます。2つの成分がすでに含まれている商品を使用すれば、それぞれを別に準備する手間が省けます。
1週間程付け置き
そして、洗浄液につけたプラスチックを、そのまま天日で干しましょう。紫外線に当てることで、黄ばみはさらに白くなります。
天気の状態にも左右されますが、できれば1週間ほど天日干しができると良いでしょう。おすすめは紫外線たっぷりな、梅雨の前の初夏に黄ばみを落とすことです。初夏であれば1週間天日に干すことができるでしょう。
途中で洗浄液が蒸発してしまわないように、ラップなどで蒸発を防ぐと、より効果的ですので覚えておきましょう。
②メラミンスポンジでこする
プラスチックのつけ置きが十分にできたら、今度はメラミンスポンジを使用して落としていきます。ちなみに、外的要因でできた黄ばみは、このメラミンスポンジでこすると汚れが簡単に落ちることがほとんどです。
原因が何かわからない黄ばみは、まずメラミンスポンジでこすってみることをおすすめします。それでも落ちなかった場合は、つけ置きを試してみてください。
表面上の汚れ除去
メラミンスポンジで、つけ置きにより浮き出た汚れなどをしっかりと落としていきましょう。メラミンスポンジは、軽くこするだけでしっかり黄ばみを白くすることができます。また、プラスチックについている水分も、しっかり除去するようにしましょう。
電化製品などの精密機器の部品の場合、水分が残っていると故障の原因になってしまうことがあります。汚れを落としつつ、水分もしっかり落としていきましょう。
以上が、プラスチックの黄ばみの落とし方・取り方の詳しい方法です。黄ばみの原因や度合いに合わせて、上記の方法を試してみてください。
プラスチック黄ばみ落としのおすすめグッズ
プラスチックの黄ばみの原因や、その落とし方や取り方を紹介してきました。黄ばみを落とすためには、必要な成分や、簡単に落とせるものがあります。ここからは、プラスチックの黄ばみ落としのための、おすすめグッズを紹介していきます。
あくまでもおすすめグッズです。必ずしもそれにこだわる必要はありません。必要な成分がしっかり入っていれば、同様の効果が得られますので、身近にあるもので代用できればそれでも構いません。
①メラミンスポンジ
まずおすすめするのは、メラミンスポンジです。今ではお掃除道具として、あって当たり前のものとなりました。メラミンスポンジさえあれば、タバコや食べ物のカスなどの外的要因の黄ばみに対処することができます。
また、化学反応でできてしまった黄ばみに対しても、つけ置きだけで十分に落とせなかった場合はメラミンスポンジを使うと良いでしょう。最後の仕上げとして使えば、より一層黄ばみを落とすことができます。
②ワイドハイター
プラスチックの黄ばみを落とすためには、「活性漂白化剤」と「過酸化水素」の2つの成分が必要です。この2つを別々に準備してももちろん良いのですが、両方の成分が一緒になっているものがあればとても便利です。
ワイドハイターであれば、この2つの成分が含まれているのでおすすめです。粉末タイプやスプレータイプもありますが、今回の方法では液体タイプがおすすめです。
③付け置き用容器
最後に、つけ置き用の容器があると良いでしょう。黄ばみを落としたいプラスチック製品の大きさによって、準備する容器も工夫が必要です。小さいものであれば、家にある容器で十分ことが足ります。
黄ばんでしまったプラスチック製品は、漂白液に十分浸かっていると黄ばみが落ちやすいです。容器が大きすぎると、漂白液を使う量が増えてしまうので無駄になる可能性があります。
漂白液を無駄にせずに済むように、黄ばんでしまったプラスチックがすっぽり入るくらいの容器がおすすめです。
素材の劣化での黄ばみはどうすれば良い?
メラミンスポンジでこすっても、漂白液につけ置きして天日に干しても、プラスチックの黄ばみがとれないことがあります。その黄ばみの原因は、プラスチックの素材が劣化してしまっていることです。では、その場合はどうすれば良いのでしょうか?
前述したとおり、プラスチックの素材の劣化による黄ばみの場合は、黄ばみの落とし方・取り方はなく、諦めるしかないと言われています。
黄ばみを隠す!
しかし落とすことを諦めきれない方は、最終手段として「黄ばみを取る」のではなく「黄ばみを隠してしまう」という方法があります。どうしても落ちない黄ばみで、目につく場所にあってどうにかしたいという方は、隠してしまう方法をおすすめします。
今では、プラスチック製品用の塗料やスプレー、マスキングテープなど、様々な商品が売られています。100円均一で手に入る商品もありますので、低価格で試せるのでおすすめです。
ただ黄ばみを隠すだけでなく、おしゃれにしたい!という方にもおすすめの方法です。手軽にできますので、ぜひ試してみてください。
プラスチックの黄ばみを綺麗に落とそう!
いかがでしたでしょうか。プラスチックの黄ばみには、それぞれ原因があることがわかりました。プラスチックが黄ばんでしまった原因によっては、すぐに落とすことができるものもあります。何もせず放っておくと、どんどん黄ばみがひどくなってしまいます。
紹介した落とし方には準備が必要なものもありますが、とても身近なものばかりです。黄ばみの取り方も難しいことはありません。誰でも簡単にできてしまいます。
早めに対処すれば、手間も時間もかからずに黄ばみを落とすことができます。今まで諦めていた、身の回りの黄ばんでしまったプラスチックを、今回紹介した黄ばみの落とし方・取り方で、ぜひ白くきれいにしてみてください。