雑草は熱湯をかけると駆除できる?必要なお湯の温度や効果を解説!

雑草は熱湯をかけると駆除できる?必要なお湯の温度や効果を解説!

庭や、空き地に生える雑草は除草剤を使えば駆除出来るでしょうが、除草剤を使わず、熱湯で駆除出来るというのは本当でしょうか。また、どれくらいの温度で駆除出来るかなど、そうなると熱湯についての疑問は出て来ます。そこで、雑草は熱湯で駆除できるかを検証します。

記事の目次

  1. 1.雑草に熱湯をかけると駆除効果はある?
  2. 2.雑草に熱湯をかける際の温度はどれくらい?
  3. 3.雑草に熱湯をかけるメリット
  4. 4.雑草に熱湯をかけるデメリット
  5. 5.雑草駆除には除草剤を!
  6. 6.雑草駆除は熱湯より除草剤を活用しよう!

雑草に熱湯をかけると駆除効果はある?

雑草
Photo by williac

庭や空き地に、自由に生えている雑草を放置していると、夏場の蚊の発生や、ゴミの不法投棄などと、良い事はないでしょう。そんな雑草を駆除するのに除草剤を使うのは簡単ですが、空き地に散布するにはかなりの量も必要ですし費用もかかります。そこで、雑草を熱湯で駆除するという案も出るのですが、果たして熱湯で雑草の駆除が出来るのでしょうか。

熱湯のかかる地上部に効果あり

雑草
Photo by seishin17

最終的な結論として言えば、見えていて熱湯のかかる地上の雑草は駆除出来ても、熱湯のかかることのない地下の雑草までは駆除出来ないというのが事実です。どうしても、地下の雑草を駆除しようとするならば、数回に分けて根気よく熱湯をかけ続ける事です。しかし、そんな時間も無い場合には、ほぼ不可能に近いでしょう。

雑草に熱湯をかける際の温度はどれくらい?

熱湯
Photo by elgringospain

雑草に熱湯をかける場合の温度とは、どれくらいがいいのでしょう。一番効果のある温度というのは、やはり沸騰したてですが、まずそのまま庭へ運ぶのは少し無理があるでしょう。とはいえ、キッチンで沸かした熱湯をそのまま維持して庭まで運ぶ手段は、手で持っていくか、保温器の上に乗せてキャスター付きの台で運ぶくらいしか無いでしょう。

屋外で湯を沸かす
Photo by imcountingufoz

例えば、キッチンで熱湯を沸かして、庭までどれくらいの距離かにもよりますが、少しは冷めるでしょう。沸騰時点の温度を100度としても、5分経つと83度まで温度は下がりますから、庭に着く頃にはある程度温度は下がっています。

庭が広くて、バーベキューなどが出来る設備があれば、そこでお湯を沸かして熱湯になった時点で直ぐに雑草にかけると、効果的でしょう。また、屋外なら大きな鍋で熱湯を沸かすことも可能です。鍋を火にかけながら、ひしゃくで雑草に熱湯をかける方法もアリかも知れません。ただ、果てしなく時間はかかる事は、覚悟しましょう。

60度~70度で枯死した事例あり

雑草と熱湯
Photo bymac231

熱湯で雑草を駆除する時に、どれくらいの温度かという疑問に、60度から70度くらいでも、雑草には効果があるという事例もあるようですので、一概に、温度は沸騰したての100度でないといけないとは言えないようです。しかし、熱湯を雑草の生えた庭まで運ぶ時の危険度は、半端ないでしょうから、あまりおすすめは出来ません。

沸騰したお湯
Photo byJosch13

火傷しないような気配りも考えると、例え60度の温度であっても、十分火傷はする温度ですので、注意は必要です。また、キッチンから庭までの障害物もネックです。何も置いていないバリアフリーのようなお宅なら別ですが、普通はなにかしら障害になるものがありますから、それを避けながら熱湯を持って運ぶのは無謀でしょう。

雑草に熱湯をかけるメリット

雑草と熱湯
Photo by nSeika

除草のために雑草に熱湯をかけるメリットは、手軽に出来る事が一番のメリットでしょう。お湯を沸かして熱湯になれば、かけるだけですから、簡単は簡単です。また、除草剤のような薬品を使いませんから、薬害の危険性がありませんので、お子様やペットがいるご家庭でも、簡単に出来る雑草の駆除の方法だと言えます。

今すぐにおこなえる手軽さ

雑草と熱湯
Photo by VaMedia

雑草を熱湯で駆除出来るメリットがどれくらいあるのかに対して、今すぐにおこなえる手軽さにある事は分かりましたが、これは確かにお湯を沸かすのはすぐに出来ます。しかし、雑草の量と熱湯の量を考えれば、途方に暮れるほどの熱湯が必要な事が分ります。今すぐにおこなえる手軽さだけを見ていては、解決出来ない事があることも知っておきましょう。

ブロックの隙間雑草
Photo by bradleygee

ただ、壁やブロックの隙間から生えている雑草には、熱湯駆除は有効ですので、どれくらいの量かにもよりますが、庭に撒くより熱湯の量もそれほど要りませんので、おすすめです。特に、外壁のインターロッキングの隙間によく見かける雑草などには有効です。但し、くれぐれも火傷には注意しましょう。また、無理な体勢での作業は避けましょう。

雑草に熱湯をかけるデメリット

雑草に熱湯
Photo by pederwindle

熱湯を雑草にかけると、とりあえず雑草の駆除はなにかしら出来ると仮定して、メリットは分っても、デメリットが上回るようでしたら、熱湯で雑草を駆除する事を考えなくてはならず、一概に熱湯で雑草が駆除出来ると、喜んではいられません。

では、雑草に熱湯をかけると、どのような不具合がどれくらい起きるのかデメリットも見てみましょう。まず、多量の熱湯がいる事は分りました。そして、運ぶ途中にこぼさないかという危険性もあり、熱湯が運ぶ間に冷めてしまう点もデメリットです。庭でお湯を沸かす事が出来るなら、そちらの方が危険度は低いですし、熱湯の温度も下がりにくいでしょう。

土の中の細菌や微生物もいなくなる

除草
Photo byterimakasih0

熱湯でたとえ雑草が枯死しても、その土の中の細菌や微生物までいなくなってしまいます。そうなると、この熱湯をかけた場所に、次に何か植物を植えたいと考えていたとしても、植える前に土に必要な処理をして、耕す必要があるため、新しい土作りの作業に時間がかかります。熱湯をどれくらいかけるかにもよりますが、その土は当分は使えないでしょう。

土を掘る
Photo by Damanhur, Federation of Communities

土の中には植物が必要とする有機物やミミズなどの生物が土を肥やしていますが、それが全ていなくなるという事は、土の大切な役割まで失ってしまう事になるのです。従って再度土を肥やすための作業が必要なため、大変です。熱湯をかけると、例え雑草は駆除出来たとしても、当分は他も全てダメになる事を把握しておきましょう。

何度もお湯を沸かす必要がある

熱湯
Photo bykboyd

先にもありますが、熱湯を何度も沸かす必要があることは否めません。また、キッチンと庭との距離がある場合には、その往復だけでも大変な上、熱湯を持ってとなると、集中力を切らさないようにするだけでも疲れます。

雑草のために、そこまでする意味があるのかは不明ですし、コスト的に見ても、水道代やガス代などを考えれば、どれくらいのコストがかかるか分ります。ましてや、そこで火傷でもしようものなら、治療費もかかってきますので、光熱費と治療費を合わせても、除草剤の方が安くつくことは明確でしょう。

雑草駆除には除草剤を!

除草剤
Photo by JeepersMedia

雑草の駆除に熱湯をという方法でお伝えしましたが、メリットとデメリットを見て、やはり雑草駆除には除草剤を使った方が、良い事が分って頂けたでしょうか。特にデメリットで上げた、火傷の危険性は防ぎようがありませんから、危険を冒さずとも除草剤に頼りましょう。除草剤の種類も多種あり、他の植物に害を及ぼさないのもあり、使いやすいです。

除草剤はかけるだけで簡単

除草剤
Photo bywuzefe

除草剤を使うに当たって、どうしても否めないのが他に対する影響です。子どもやペットがいる家庭でも、安心して使えるのかという事です。除草剤は確かにかけるだけで簡単ですが、どれくらいかけると効果的なのかなど、その辺りを詳しく解説しましょう。最近の除草剤は、用途によって使い分けが出来るように、色々と種類も増えています。

除草剤の種類

雑草駆除
Photo by Loco Steve

除草剤には、おおまかに2つのタイプの除草剤があり、使う用途によって使い方を吟味します。庭や空き地に、今の時点で鬱蒼(うっそう)として困る雑草に効くタイプと、そのうち出てこようとする雑草に効くタイプです。この二つを使い分けて、雑草を根っこから駆除してしまいましょう。また最近出てきた、ハイブリッドの除草剤もご紹介しましょう。

液体の除草剤

液体除草剤
Photo byLJNovaScotia

液体の除草剤は、生い茂っている雑草に直接散布して効果のあるタイプで、「茎葉処理型」と呼ばれる除草剤で、葉っぱにかけると、茎に浸透して効果が出る即効性のある除草剤ですが、根っこまでは届きません。また、雨が降ると流されて効果は薄れます。

そして、除草剤によっては、原液を水で薄めて散布するタイプと、初めから濃度を薄めるための媒体が含まれた希釈済みで、そのまま散布できる除草剤とに分かれます。使い方は、雑草の頑固度合いによって使い分けますが、強烈に頑固な雑草には、雑草を少し傷つけてから原液のまま散布する場合も出て来ます。

顆粒の除草剤

枯れ草
Photo by Mary Gillham Archive Project

顆粒の除草剤は、まだ見ぬ雑草に効果のあるタイプで、「土壌処理型」と言い、雑草を予防するのにも使われます。この除草剤は土に撒いて、雨などの水分と共に土に浸透して、根っこから絶滅させます。

速効性は無いものの、長期の効果が見込まれますので、当分は雑草の姿は見なくて済みます。ただ、土に浸透するため、近くにある枯らしたくない植物まで枯らしてしまう恐れがあり、注意が必要です。この顆粒タイプの除草剤がどれくらい長持ちするかは、通常半年程度と言われます。乾燥しないように雨が少ない時は、水を撒いておく方が早く浸透します。

ハイブリッド除草剤

雑草
Photo bycocoparisienne

こちらは、液剤と顆粒双方の効果を持ち合わせており、製品としては液体のハイブリッドが多く出回っています。速効性を持ち長期効果のある除草剤で、これに匹敵するタイプは無いでしょう。年に2回の使用だけで、今生えている雑草はもちろんのこと、散布以降に雑草が生えてこないようにしますので、コスト的にも安いでしょう。

除草剤の選び方①

雑草
Photo by BLM Oregon & Washington

では、液体か顆粒かを選んだら、次は「農耕地用」なのか「非農耕地用」なのかのどちらかを選択ます。この二つの違いの大きな点は、農薬取締法で定められている農薬としての登録が、出来ているかいないかの違いです。

簡単に言うと、毒性が無いか、環境に悪影響を及ぼさないかという登録です。登録されている農耕地用は、人の口にする作物に使用しても問題は無く、非農耕地用は登録されていませんので、絶対に人が口にする作物には使ってはいけません。また、非農耕地用の方は、近くに畑や田んぼがある場所でも、使用出来ませんので、注意が必要です。

除草剤の選び方②

雑草
Photo by classroomcamera

そして、次は「接触型」なのか「移行型」なのかでも選ぶのですが、接触型というのは、字の通り直接触れて与える薬で、触れた箇所に速効性の効果のある除草剤です。ただ、触れていない箇所は効果が出ませんので、ムラが出来やすいのが難点です。

移行型というのは、除草剤をかけた部分から、除草剤が移動していって効果を全体に浸透させます。従って植物全体に除草剤が浸透して、根っこまで根絶します。ただ、すぐに効果は出ずに時間がかかるという事が難点ですが、抜いたつもりでもわずかな根っこで復活する、しつこい雑草には一番効果が発揮される除草剤ですのでおすすめです。

除草剤の選び方③

雑草処理
Photo by BLM Oregon & Washington

次は、「選択性」なのか「非選択性」なのかという事ですが、この選択性というのは、枯らしたい部分を選択できます。つまり、芝生の場合などは芝生は美しいまま残したいけど、横に雑草が生えている時に、選択性を散布すると、雑草だけに効果を発揮します。

となるとお分かりでしょうが、非選択性は、かかったもの全部消滅させるということになります。駐車場や空き地、コンクリートの道路などに使われる除草剤は非選択性です。この場合は、周囲に畑や田んぼがある場合には使えませんが、全部無くしてしまいたい場所には、絶大な効力を発揮しますので、除草をしたという満足感に浸れます。

除草剤の選び方④

除草した土
Photo by epnguichen

最後に散布した除草剤にどれくらい残効性があるのかを、確認しなくてはいけません。除草剤を散布した後、土の表面や中にどれくらいの除草剤の成分が残るのかという表示です。通常では、残効性は高いとか低い、または残効は約1週間とか約2週間というような表示があり、その表示で判断します。除草剤を選ぶ時に、残効性の有無もチェックしましょう。

除草剤の選び方の注意

雑草
Photo by classroomcamera

このように、除草剤でも色々な条件で選択肢が違ってきますので、枯らしたい雑草が、どこにどれくらい生えていて、その周辺には何が植わっているのかをしっかり把握し、周囲の植物にまで悪影響が及ばないように除草剤を選ぶ事が大切です。決して安易に、これでいいかという選び方はしないで、植物たちに責任を持ちましょう。

除草剤と防草シートの併用

雑草
Photo byMabelAmber

除草剤で雑草の処理が出来た後には、雑草の再生を避けるために、防草シートを一緒に使うことで、より高価を発揮します。やはり除草剤でも時間とともに、効果は薄れてきます。完全に雑草をシャットアウトしたい場合には、完全に遮光をすることで、再び雑草に悩まされることのないようにしたいものです。

雑草
Photo by HoskingIndustries

ただ、防草シートにも様々なタイプがあり、使用する場所や潜んでいる雑草の種類でも変わってきますので、防草シートを併用する場合には、園芸店で相談する事をおすすめします。因みに、防草シートには繊維を織っているタイプと織っていないタイプがあり、繊維が織っていないタイプの方が完全に遮光してくれますので、効果的ですが高価です。

雑草駆除は熱湯より除草剤を活用しよう!

雑草駆除した庭
Photo by denisbin

これまでの解説で、雑草には熱湯よりも除草剤の方が圧倒的に効果的だという事が分りました。熱湯で、労力を使い危険を冒しながら除草したところで、完全に除去出来るとは限りませんので、それに比べると、徹底的に駆除出来る除草剤を使った方が、良い結果になる事も分ります。鬱陶しい雑草の駆除は、熱湯より除草剤を活用しましょう。

vivikoma
ライター

vivikoma

楽しく情報配信します。色々なジャンルのライターとしての技術を磨きたいと思っています。 特に花屋務めが長かったため、ガーデニングや植物に関する知識はある方です。 分かりやすい文章を書くことを心がけています。

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