「ご承知おきください」の意味
ビジネスの場に於いて、相手に何かを理解してほしい場面はよく出てきます。では、その相手に何かを理解してほしい場合、どのような言葉を使って相手に伝えますか。ビジネスの場で誰かに何かを理解してほしい場合は「ご承知おきください」と言う言葉を使用します。ではこの言葉の持つ正しい意味や使い方はどういったものなのでしょうか。
「ご承知おきください」の意味は「理解して準備しておいてください」
まず、この「ご承知おきください」と言う言葉は、相手に前もって知っておいてくださいという意味があります。「承知」という言葉には、誰から「依頼を聞いて受け入れること」や、ある事柄の「事情を知ること」、そして「その事情を知って許すこと」といった意味があります。「承知致しました」と相手に事柄を理解したことを伝える際にも使う言葉です。
又、ご承知おきくださいの「ご〜ください」は尊敬を意味する接頭語である「ご」と「ください」という丁寧語が組み合わさった言葉で、「おき」は、「そのままにする」や「前もってする」といった意味です。従って、ご承知おきくださいはこれから行うこと等に対して「ご理解ください」や「理解し準備しておいてください」等といった意味になります。
「ご承知おきください」の類語と言い換え
相手への理解を求める際に使う「ご承知おきください」という言葉ですが、このご承知おきくださいという言葉と同じような用途で言い換えができる類語がいくつか存在します。それぞれ若干言葉に含まれた意味や気持ち等が異なる為、自分がどの場面に於かれているのかを考え、ご承知おきくださいの類語の使い方を見極め言い換えてみましょう。
①ご了承願います
1つめの類語は「ご了承願います」という言葉です。ビジネスの場でこの言葉は聞いたことがある、或いは使ったことがある方も多いでしょう。ご了承くださいのこの「了承」という言葉には、納得して承知すると言う意味があります。従って、ご了承くださいと言うと、「どうか納得して受け入れてください」と言う意味を持つ言葉となります。
「ご了承願います」という言葉の使い方の例文は「本日はいつもと会場が変更となっております。ご了承願います」といった形で使用しましょう。まだ起こっていないことや、今現在起こっていることに対して事情を知ってもらい、納得してもらう際に使用します。文末に「お願い致します」と付け加えるとより丁寧な表現です。
ご了承くださいの「ください」という言葉はどうしても押しつけがましいような印象がある為、使い方には注意が必要です。ですからこの「了承」という言葉の使い方は「ご了承願います」と表現する方が好ましいです。又、目上の方に話す際は「ご了承のほどお願い申し上げます」と言い換えるとより丁寧に聞こえ印象が良くなります。
➁ご容赦ください
2つめの類語は「ご容赦ください」という言葉です。「容赦」という言葉には許すことという意味がある為、この言葉の使い方は自分に非がある場合等に許しをもらう際に使用する類語です。「恐縮ではございますが、何卒ご容赦ください」と言い換えれば、相手に理解を求めつつ自分の非も認め反省しているので、許してくださいという意味になります。
「ご容赦ください」の使い方の例文は「商品の数に限りがございますので、売り切れの際はご容赦ください」といった形で使用します。「ご容赦ください」のみですと、命令形として受け取られる場合もありますので、「ご容赦くださいますようお願い申し上げます」と「お願い申し上げます」を付け加えて言い換える方が好ましいです。
③お含み置きください
3つめの類語は「お含み置きください」です。これは「覚えておいてくださいね」という言葉を丁寧にした言葉の為、意味や使い方もその言葉通りの類語です。「含み置く」には物事を理解し了承すると言う意味があります。又、「お含み置きください」という言葉自体が尊敬語であることから、目上の方へそのままこの類語を使用できます。
「お含み置きください」の使い方の例文は「本日、諸事情により就業時間を1時間早めさせていただきます。お含み置きくださいますよう、お願い申し上げます」といった形で使用します。尚、今述べた文章のように「お含み置きください」にも文末に「お願い申し上げます」を付け加えると更に丁寧な印象になるので加えて述べるようにしましょう。
④ご認識ください
4つめの類語は「ご認識ください」です。認識と言う言葉の意味から類語として上げられますが、実際には「ご認識ください」と言う言葉の使い方は誤りです。「認識」という言葉を使い類語を言う場合の使い方は「ご認識のほどお願い致します」や「ご認識のほどお願い申し上げます」と言い換えて表現するのが正しいです。
⑤目を通していただければ幸いです
5つめの類語は「目を通していただければ幸いです」です。資料等が手元に存在する場合等に使用します。ビジネスの場に用意される膨大な資料をその場で読むことが難しい場合が多い為、この言葉を言い、資料の説明を省きます。より強制的にしたい場合は、「目を通していただきたいと存じ上げます」や「目をお通しください」と言い換えることができます。
「ご承知おきください」の使い方
ご承知おきくださいの類語をいくつか紹介してきましたが、では実際相手に理解を求める際に使用する「ご承知おきください」という言葉はどのように使う言葉なのでしょうか。ご承知おきくださいの類語は使う場面や例文の想像のがつきやすい言葉が多いですが、ご承知おきくださいという言葉はイマイチ使い方や使う場面や例文が想像しにくい言葉です。
相手に事情を理解・納得してほしい時
「ご承知おきください」というこの言葉の使い方の基本は、相手に事情を理解してほしい場面や事情を納得してほしい場面での使用です。又、他の使い方として相手に通告をした場面や念押ししたい時にも使用できます。しかしこの「ご承知おきください」という言葉には実は命令の意味が含まれている為、使用の際には注意が必要な言葉でもあります。
「ご承知おきください」のメールで使える例文
ご承知おきくださいの意味や使い方が分かった所で、ここからは「ご承知おきください」のメール等で使える実際の使い方や例文を紹介しましょう。
紹介する例文はメールはもちろん、面と向かって誰かと話をする際にも使用できる為、覚えておくと便利です。
①一般的な使い方の場合
まず、一般的なご承知おきくださいの例文です。相手に向かって何かを知っておいてもらいたい場合に使う表現に「こちらの内容をご承知おきください」という言葉があります。メールだけでなく、プレゼンや勉強会の場で使用できる表現です。「可能であれば」や「絶対に」、「ぜひ」といった言葉を例文の頭に付けて言い換えれば更に強調できます。
➁自己紹介をする時
自己紹介のような自分のことを知ってほしい場面での使い方もあります。例文は「○○と申します」と自分の名前を述べた後、「ご承知おきを」と付け加えます。よく聞く「お見知り置きを」という言葉と似た意味の表現となります。「お見知り置きを」の方がメジャーな表現の為、意味が通じない場合もあるので気を付けましょう。
③自分の事やしたい事を覚えてもらう
自分のしたいことや伝えたいことを知ってもらったり、覚えてもらえるかお願いする場合にも「ご承知おきください」が使えます。例文は「ご承知おきいただけますか」です。「お許しいただけますか」や「よろしいでしょうか」と似た意味になります。又、「ご承知おきいただけますか」ではなく「ご承知いただけますか」と短縮して言い換えることも可能です。
又、より強制力を持たせる表現の例文として「ご承知おきいただけると幸いです」や「ご承知いただきますようお願いいたします」と言い換えることもできます。しかしこれらの表現はその言葉の強制力から失礼だと感じてしまう方もいる為、使い方には注意が必要な表現です。このように少しの表現で上からになってしまうこともあるので、気を付けましょう。
「ご承知おきください」は目上の人に使えない
ここまで意味や使い方、例文等、「ご承知おきください」という言葉について様々なことを紹介してきましたが、実はこのご承知おきくださいの言葉にはある大きな注意が必要なのです。それは、目上の方へこの「ご承知おきください」という言葉は使えないということです。ではどうして目上の人へご承知おきくださいという言葉が使えないのでしょうか。
失礼な表現となってしまう
「ご承知おきください」は一見すると丁寧な表現に見えてしまいます。しかし実は目上の方に使うと失礼だとされている言葉になります。「承知」という言葉は「分かる」や「知る」を謙譲表現した言葉です。つまり謙譲ということは、へりくだった表現になります。そこに「〜おいてください」とお願いの言葉を付け加えてしまっています。
以上のことから、承知する、つまりへりくだる対象が目上の方となり失礼だとなってしまいます。又、承知という漢字の中にある「承る」という言葉には強い強制の意味合いもある為、そういった意味でも目上の方への使い方は誤りであると言えます。目上の方には類語の項で紹介した「お含み置きください」等、別の表現に言い換えましょう。
「ご承知おきください」に似た意味の注意表現
類語の箇所で紹介した表現以外にも「ご承知おきください」に似た表現は他にもあります。しかし、ここから表現するご承知おきくださいの類語は使用する際に注意が必要な言葉ばかりです。その上、ビジネスのシーンでは好まれない表現ですので、ご承知おきくださいの類語や言い換えとして使ってしまわないよう気をつけましょう。
①ご承認ください
ご承知おきくださいの類語にしてはいけないまず一つ目は「ご承認ください」という言葉です。何かを承認してもらいたい、認めてもらいたい時に使う表現です。
「承知」と「承認」で同じ「承る」という漢字を使っている為、類語と勘違いをしそうになりますが、承認はその事柄が正当なものであると認めることという意味であり、承知とは意味が異なります。その為、ご承知おきくださいの言い換えとしてふさわしくありません。
承知はあくまで理解を求める表現であり、認めるという意味を持つ承認とは全く異なる言葉です。又、「ご承認ください」を更に丁寧に表現する場合は、「ご承認いただきたく存じます」と言い換えましょう。これは口語だけでなくメールでも使える表現であり、目上の方へ使用しても問題のない言葉です。
➁知っておいてください
次は「知っておいてください」という言葉です。理解してほしい承知と類語のような雰囲気もありますが、これもご承知おきくださいの言い換えにはふさわしくありません。
この「知っておいてください」という言葉の類語にあたるのが初めに紹介した、「ご承認ください」です。ご承認おきくださいを簡単にした表現がこの「知っておいてください」という言葉となります。
承知と承認で意味が全く違う為、「知っておいてください」もご承知おきくださいの類語にはならず、言い換えることも不可能です。又、知っておいてほしいと言う表現は更にシンプルにすると「覚えておいてください」という表現になります。しかしこれらはラフな印象がある為、目上の方やメールではもちろん、ビジネスの場でもあまり好ましくありません。
「ご承知おきください」の英語表現
ここまで「ご承知おきください」という言葉の意味や使い方、類語、言い換え、注意すべき点等を紹介してきました。次に紹介するのが、ご承知おきくださいの英語での表現です。国際社会に於いて、英語はこれから増々必要となります。取引先が必ずしも日本人であるとは限らないご時世です。ですから是非英語での表現も学んでおきましょう。
ビジネスで使える表現
英語で「ご承知おきください」を述べる時は、「Please be advised.」です。「advise」には、「忠告する」や「勧める」、「通知する」、「知らせる」と言った意味があります。日本語でもよく耳にする「助言」という意味を持つ「advice」という単語の動詞です。とてもシンプルで覚えやすい表現ですので、覚えておきましょう。
又、「Please note that〜」という英文で「〜についてご承知おきください」と表現することもできます。「that」以降に承知してほしい事柄を述べることで、「that以下のことについてご承知おきください」という文章になります。この文章には「注意してください」という意味もある為、一緒に覚えておきましょう。
「Please note that〜」の例文として例えば、「Please note that homepage address changed.」とすると、「ホームページのアドレスが変わりましたので、ご承知おきください」又は「ホームページのアドレスが変わりましたので、注意してください」となります。このようにビジネスの場でとても使いやすい表現です。
ちなみに、先述した「ご承知おきください」の類語である「ご了承願います」、「ご容赦ください」、「お含み置きください」を英語にすると次のようになります。
まず、「ご了承願います」を英語にすると「Please understand.」です。例文は「I am really sorry, but please understand.」、「誠に恐れ入りますが、ご了承願います」となります。次に「ご容赦ください」には「pardon」や「excuse」を使います。
そして「お含み置きください」を英語にすると「please bear in mind (that)~」です。that以下を覚えておくと言った意味で使用する為、お含み置きくださいの英語表現としてふさわしい英語となります。that以下に含み置いてほしい事柄を述べることで、何に対して含み置いてほしいのかが述べられます。
又、「お含み置きください」の英語表現はもうひとつあり、それが「please understand (that)~」です。「understand」には「理解する」や「承知する」といった意味がある為、お含み置きくださいでも使用できますが、「ご了承願います」の英語としてもおかしくありません。
ビジネスメールで使用する敬語
社会人として、面と向かっての会話や電話だけでなく今ではメールの使用は必須です。メールは顔が見えず、声も分からない状態の為、ちょっとしたことでトラブルになることもあります。紹介してきた「ご承知おきください」はもちろん、その他のメールで気をつけなければいけない敬語表現についても紹介しましょう。
初めましてのメール
初めましての挨拶を直接会ってできるとは限りません。メールでの挨拶が初めましてとなる場合はどのような挨拶を良いのでしょうか。
まず、ついやってしまいそうになるのが「お世話になっております」という言葉の使用です。ある程度やり取りのある相手はこの言葉からメールを始まるのは構いませんが、まだ何もしていない相手に対して「お世話になっております」はおかしな表現になります。
初めましての相手にも普通の挨拶と同じように「初めまして」や「突然のメール、失礼致します」等とメールを始めるようにしましょう。その文章の後に自分の企業名や部署、名前等を書き、用件を書きます。それ以降のやり取りについては「お世話になっております」と初めて構いません。
相手の企業や相手の名前の呼び方
メールで相手企業のことを指す時は「貴社」を使用します。相手企業を指す言葉には「御社」もありますが、これは話し言葉になるので書き言葉である「貴社」を使いましょう。
そして相手の名前や役職を呼ぶ際には「○○課長」や「○○部長」又は、「課長の○○様」や「部長の○○様」とします。「課長様」や「部長様」と役職の後に「様」を付けるのは過剰敬語になる為、辞めましょう。
メール本文の初めには必ず送り先の相手の名前を入れます。その際には、会社名、部署、役職も加えて名前を書かなければいけません。もし担当者の方の名前が分からない場合は「ご担当者様」と書くようにします。又、株式会社も「㈱」と略すことなく、「株式会社」としっかり表記するようにしましょう。もちろん、相手の企業名を略すことはマナー違反です。
添付書類の受け取りをお願いする
ビジネスメールで添付した資料を相手の方にしっかり受け取って欲しい場合には「ご査収くださいますようお願い申し上げます」と本文に書きます。「ご査収ください」には「よく調べて受け取ってください」という意味があります。「ご査収ください」の後に「お願い申し上げます」を付けることで相手への敬意を表すことができます。
確認したいことがある場合
メール上で何かを確認することもビジネスの場ではよくあります。その際には「~につきましてお尋ねさせていただきたく存じます」という言葉を使いましょう。この言葉の後に詳しい内容を述べて確認したいことを確認します。物事の確認の為に相手の時間を使ってしまうことがある為、「お手数をお掛けしますが」等と加えると更に印象が良くなります。
お願いしたいことがある場合
相手に対して何かお願いごとをすることもあります。こちらも相手の時間を使ってしまうことになる為、より失礼のないメール文にしましょう。
「恐縮ですが、~お願いできますでしょうか」や「お忙しいところ申し訳ありませんが~していただけましたら幸いです」といった例文を使用しましょう。「恐縮ですが」や「お忙しい所申し訳ありませんが」はクッション言葉にあたります。
急ぎであってもそうでなくとも、自分はお願いをしている立場だということを忘れずに、こういったクッションとなる言葉を添えて文章を書くと相手も気持ちよく対応してくれます。又、お願いをする際に「〜して下さい」と表記してしまいことも多いですが、これは命令の文章になる為、絶対に辞めましょう。
クッション言葉とは
お願いごとをする際に送るメールの例文を紹介した際にお話しした「クッション言葉」は他にもたくさんあります。このクッション言葉は、相手にお願いごとがある時だけではなく、断りの連絡をする際に使用することで相手に伝えづらいことも失礼なく伝えられる言葉を指します。いくつか例文を紹介しましょう。
お願い、依頼、質問をしたい時
先述したようなお願いごとをしたい場合やその他、依頼や質問をしたい時に使用できるクッション言葉は次の通りです。
既に紹介した「お忙しい所恐縮ですが」や「お忙しい所申し訳ありませんが」の他に「誠に勝手なお願いですが」や「ご迷惑をおかけしますが」、「差し支えなければ」、「お手をわずらわせますが」等があります。
何度も言う通り、お願いや依頼によって相手に手間をかけ、時間を使ってもらうことになります。「〜をお願いできますでしょうか」と用件だけをお願いすることも完全な間違いではありませんが、その前に少しクッションになるクッション言葉を入れることで、より相手に気持ちよく対応していただくことができると共に、印象も良くなります。
断りたい時
やむおえない事情で相手の要求を断らなければならない場面も多くあります。その際に使えるクッション言葉は次の通りです。
「あいにくですが」、「残念ながら」、「〜したいのはやまやまですが」、「心苦しいのですが」、「申し訳ございませんが」、「お役に立てず申し訳ございませんが」等々、この他にもたくさんある為、文章によってクッション言葉を言い換え使用しましょう。
又、断る際に大事なのが申し訳ない気持ちを相手に伝えること、早めに断ること、理由を必ず述べること、そして次回がもしある用件なのであれば次回は必ず参加したいという気持ちを伝えることです。断ること自体は様々な事情がある為、悪ではありません。大切なのは断る際の姿勢です。丁寧に誠実に対応すれば相手の理解は得られます。
反論、意見、指摘をしたい時
相手の発言に対して、yesばかりではいられません。時には反論や意見を述べたい場面もあります。その際に使えるクッション言葉は「大変失礼とは存じますが」や「誠に申し上げにくいのですが」、「確かに仰る通りですが」等です。意見をするとは言え、偉そうになってはビジネスは成り立ちません。一歩引いて大人な対応で臨みましょう。
報告、説明、感謝を述べたい時
一緒にやってきたプロジェクトやイベントが無事終了したり、相手に何かしらの感謝を述べたい時に使えるクッション言葉は次の通りです。
ポジティブな報告の際には「おかげさまで」という言葉が使用できます。又、報告ポジティブな物ばかりではなく、ネガティブな報告もあります。その際には「大変申し訳ないのですが」や「あいにくですが」、「誠に勝手ながら」等を使いましょう。
何かを報告する際に、どんな内容の報告であれ、ただただ報告しただけでは冷たい印象になりかねません。そんな時にクッション言葉を後述する文章により言い換えながら使い分けることで印象が随分と変わります。メールとという相手の顔が見えない媒体だからこそ、少しの気遣いで相手との距離が近くなり、次のビジネスへの繋がりになります。
間違えやすいビジネスメールの敬語表現
メールでの敬語表記について、特に大事なポイントは先述した通りです。しかし敬語は難しい言葉の為、常日頃合っていると思って使っていた言葉が実は間違った敬語であったということは稀にあります。そういった表現を使っていないか、間違っている具体的な敬語表現を記して紹介します。
了解
一番間違えやすいのは、「了解」という言葉です。「了解」だけで使うことはもちろん合ってはならないことですが、「了解です」や「了解しました」も間違いと認識されることが多い為、取引先や上司にはなるべく使わない方がベターです。分かったことを伝える際には、「かしこまりました」や「承知いたしました」と言いましょう。
丁寧すぎる言葉
「拝見させていただく」や「説明させていただく」の「〜させていただく」は一見すると丁寧な表現と思われますが、丁寧すぎる表現として使い方としては間違いです。「拝見いたします」や「説明いたします」といったように、「〜いたします」という言葉に言い換えて使用しましょう。
「お願いします」といったように「〜します」という表現も一見すると敬語で問題ないように思われます。もちろん、必ずしも間違いであるとは言いきれませんが、取引先や上司の方に対しては「お願いいたします」と語尾を「〜いたします」に言い換えるようする方がベターです。
相手への許可
相手に対して自分が何か許可を出す場合、同僚や後輩であれば「大丈夫」や「OK」等ラフな表現で構いませんが、目上の方等に対しては自分が許可を出す立場と言えど、上から目線ではなく丁寧な言葉遣いが必要です。その際には、「そのまま進めていただければと思います」又は「そのまま進めていただければと存じます」という表現をしましょう。
「ご承知おきください」は相手に理解して欲しい時に使う
「ご承知おきください」という言葉は相手へ理解をしてほしいとお願いをする際に使う言葉です。こういった言葉一つで相手の印象が変わり、その後のビジネスにも影響することがあります。「ご承知おきください」という言葉を通して、他にも様々な敬語を紹介しましたが、お互いに気持ちの良いビジネス関係を結べるように言葉を使い分けましょう。