ITパスポート試験の概要まとめ!受験するメリットや難易度・勉強方法も紹介!

ITパスポート試験の概要まとめ!受験するメリットや難易度・勉強方法も紹介!

ITパスポートは、ITに関する基礎的な知識と技術を証明することができる国家資格で、試験に合格することで取得することができます。ITパスポートの資格を持っていることで一定のITに関する能力を証明できます。試験対策の勉強法や受験のメリットなどを紹介します。

記事の目次

  1. 1.ITパスポート試験の概要
  2. 2.ITパスポート試験を受験するメリット
  3. 3.ITパスポート試験の難易度
  4. 4.ITパスポート試験の勉強方法
  5. 5.ITパスポート試験の他のIT系試験との違い
  6. 6.ITパスポートの受験の流れと注意点
  7. 7.ITパスポートの取得はIT系の入門として最適

ITパスポート試験の概要

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今回はITパスポートの試験について解説していきます。ITパスポートとは、IT系の基礎的な知識と技術を証明する国家資格で、試験を受験して一定の点数を獲得すれば試験合格となり、ITパスポートの資格を取得することができます。

今やITは様々な場面で必要になる能力です。以前のように、一部のエンジニアだけが携わっていればいいような状況ではなくなってきました。企業活動においてもIT系企業でなくても多かれ少なかれIT技術や設備の活用は必要になってきます。

そんなIT分野の初歩といえるITパスポートの資格の特徴と、試験に向けての勉強方法、ITパスポートを取得するメリット、他の類似資格試験との違いについて解説していきます。

ITパスポートは国家試験

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ITパスポート試験は、経済産業省が管轄する情報処理推進機構が主催の試験で、12種類ある「情報処理技術者試験」のうち最も初歩的なレベルの国家試験です。「情報処理の促進に関する法律」に基づいています。

ITパスポート試験は2009年頃に開設された比較的新しい資格です。ITの専門家だけでなく、広く一般社会でもITの技術や知識は必要になってきていることが背景となり、内容を初歩的にした資格試験が登場しました。

試験が開始されてまだ10年ほどしか経過していませんが、一回の試験への応募者数が77万人を超える実績を残すなど、人気の資格試験になっています。

ITパスポートは履歴書に書ける

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ITパスポート試験の合格情報は、履歴書に記載することができます。ITパスポート試験は、れっきとした国家資格で、ITに関する一定の知識と技術を証明する資格ですから、就職活動や転職活動の際に大きなセールスポイントとなります。

履歴書への書き方は、「○○年△△月 ITパスポート試験 合格」とします。ITパスポート試験が正式名称となっています。公式の略語として「iパス(アイパス)」がありますが、履歴書に記載する際には「ITパスポート」と正式名称を記載しましょう。

ITパスポートはだれでも受験できる資格

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ITパスポート試験を受験するために必要な資格や条件は全くありません。誰でも受験することができます。IT系資格の中で最も難易度が低い試験ではありますが、IT系の知識や技術を持っていない完全な初心者の場合は慣れない言葉が多く受験に苦労することが考えられます。

独学で勉強するのか、通信教育を利用するのか、あるいは専門の学校に通って勉強するのか、勉強方法とその費用を十分に検討して、自分に合った勉強方法を取り入れるようにしましょう。

IT系初心者でも、勉強方法を確立してきちんと受験対策を取れば十分に合格可能な試験です。計画的な受験対策を実施するよう心がけましょう。

試験日・申込方法

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ITパスポート試験の試験日は、決まっていません。受けたい人が受けたいときに自由に受験することができます。試験会場は全国に107カ所あり、申請すればいつでも受験することができます。他のIT系資格試験では受験会場が指定されますが、ITパスポートについては会場も自由に選べます。

ITパスポート試験の受験申込方法は、インターネットから行ないます。費用はかかりません。ID登録URLに入り、自分専用のIDを登録します。登録したIDから利用者メニューを表示し、受験申し込みをします。試験会場、試験日、試験開始時間、受験費用の支払い方法を指定します。

申し込みは以上で終了で、送付されてくる確認票を試験当日に受験会場に持参していくだけです。非常に簡単で手軽に申し込みをすることができます。

受験費用

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ITパスポート試験の受験費用は、一回当たり5700円(税込)です。受験費用の支払いは、クレジットカード、コンビニ決済、バウチャーから選択することが可能です。受験申し込みの際に、費用の支払方法を指定することになりますので、申し込みの前にあらかじめ費用支払方法を決めておきましょう。

受験費用は、決して安くはありませんので、一回の受験で合格できるよう、十分に受験対策を行ない、勉強方法を確立してしっかり準備して試験に臨みましょう。十分に準備をしておけば、合格できる試験内容になっているので、気負う必要はありません。

ITパスポート試験を受験するメリット

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ITパスポート試験の概要について解説をしました。続いては、ITパスポート試験を受験するメリットについて紹介します。ITパスポート試験は、IT系の資格の中でも最も初歩的な資格ではありますが、もちろん資格を取得するメリットは大いにあります。

最近はIT系技術が至るところで活用されています。特に企業活動においてはIT技術を利用しないと成り立たないくらいにまで浸透しています。そのため、IT系企業に就職しなくても、IT技術と知識を活かす機会は非常に多くあります。

難易度が低いとはいえ、国家資格ですから、ITパスポート試験の資格を取得することで、IT系技術や知識を持っていることの公的な証明となりますので、様々なシーンで有利に働かせることができるようになります。

ITの基礎ができていると証明できる

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ITパスポートの試験を受験するメリットといえば、ITの基礎的な知識と技術を持っていることを証明できる点です。比較的難易度が低いものの、一定の知識と技術の保有は証明できます。

ただ、本格的にITエンジニアとして従事する能力を保有する証明にはなり得ません。ITパスポートの試験は、IT分野に従事する者が当然持っておくべき基礎的な能力を証明する資格ですので、本格的なIT業務に従事するには十分ではありません。

事務系の職種の就職に有利

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ITパスポートの試験に合格して資格を持つことで、事務系の職種の就職及び転職には非常に有利になる点は大きなメリットです。今や様々な業種でもパソコンに触れたり電子ネットワークを活用した業務を行なうことが常態化している中で、ITの技術と知識を持っていることは採用の面ではメリットといえます。

特に昨今重要視されているのがセキュリティ面の対策です。企業の機密情報が漏えいする事件が報道される中、情報セキュリティの対応というのはどの企業においても喫緊の課題です。

そのため、セキュリティに関する知識の証明にもなるITパスポートの試験合格という実績は、就職採用や転職活動において、あらゆる業種で重宝されるため、メリットとなるポイントです。

ITパスポート試験の難易度

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ITパスポート試験を受験するメリットを紹介しました。続いては、ITパスポート試験の難易度について解説します。すでに紹介したように、ITパスポート試験は、「情報処理技術者試験」の中で最も難易度が低いレベルの試験になります。

難易度が低いとはいえ、IT関連の知識が問われ、扱っている範囲も非常に広いです。まんべんなく広範囲に知識と技術を持っておかないと合格は難しいです。

特にIT関連の予備知識がない初心者の方などにとっては、なじみのない言葉が多く、かなり難解だと感じるかもしれません。IT関連の実務を担う最初のスタートとしてとらえ、しっかりと理解して合格を目指したいところです。

ITパスポートの試験内容

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まず、ITパスポート試験の内容について解説します。大きく分けて3つの分類がなされます。第一に「ストラテジ系」です。ストラテジとは「戦略」という意味がありますが、ここでは経営者側の仕事に関する内容を示します。すなわち、企業活動や法務、経営戦略やシステム戦略が挙げられます。

第二に、「マネジメント系」です。マネジメントとは「管理」のことで、管理者としての仕事の内容になります。開発管理や開発プロジェクトのマネジメント、サービスマネジメントなどが該当します。

第三に、「テクノロジ系」です。テクノロジとは「科学技術」のことで、主にコンピュータの仕組みに関する内容になります。コンピュータの基礎理論、コンピュータシステム、データベースやセキュリティなどが該当します。

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以上3つの分野で、まんべんなく点数を獲得しないと合格を得られません。具体的には、各項目1000点満点中300点以上、かつ総合得点で1000点中600点を獲得することが合格の条件となります。

内容の難易度は高くないですが、幅広く広範囲の知識を持っていないと合格は難しいです。IT関連の分野における基礎となる部分ですから、きちんと理解して臨みましょう。

ITパスポートの合格率

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続いて、ITパスポート試験を受験する方々の合格率について紹介します。ITパスポート試験の合格率は、2017年度の実績としては50.7%となっています。社会人の方が60.8%、学生の方が37.9%という内訳になっています。

難易度が低いといわれているITパスポート試験ですが、合格率から見るとそれほど難易度が低いとは感じられません。やはり十分に試験対策を行ない、勉強方法を確立して効率よく学習することが必要になるとみられます。

情報系未経験者には難しく勉強していれば簡単

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ITパスポート試験の出題範囲は、紹介したように非常に多岐にわたります。これを理解するのは大変だと感じる方も多いかもしれませんが、IT関連の知識としては基礎的な内容となるため、ある程度IT分野に携わったことがある方にとってはすでに知っていることも多いはずです。

したがって、すでにIT関連の仕事をしていたり、学校でIT関連の学習をしている方にとっては、それほど難易度は高くないと感じられます。逆に、普段からITに関する知識も経験もない方にとっては、一から広範囲の内容を学習する必要があるため、難易度は高いと感じられます。

IT分野とは関係のない方が、ITパスポートの試験でもってITの基礎的な能力の証明とできるメリットを目指して取得したいと考える場合は、学習方法を検討して確実に知識を蓄えていきましょう。

ITパスポート試験の勉強方法

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ここまで、ITパスポート試験の内容と合格率について紹介をしてきました。続いては、ITパスポート試験に合格するためのおすすめ勉強方法を紹介します。

より高度なIT関連の資格を取得する場合は、通信教育や専門の教育機関を利用するケースが見られますが、ITパスポート試験に関してはほとんどの方が独学で資格試験に臨んでいます。

参考書や問題集での勉強方法が一般的ですが、最近では学習専門のアプリが利用可能になっていることなど、勉強方法も多岐にわたってきています。それぞれのメリットを考慮し自分に合った勉強方法を確立しましょう。

IT用語を把握する

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ITパスポート試験を取得するにあたり、IT関連の用語を理解することは非常に重要であり、基礎的な部分になります。まずはIT用語を覚えていくことから勉強を開始することになりますが、IT用語把握にオススメのツールは、ネットで公開されている「ITパスポート用語辞典」です。

インターネットサイトで一般公開されているコンテンツなので、費用がかからず無料で利用できるというメリットがあります。ITパスポート試験のシラバスに掲載されている関連用語である558語をサイト上で解説してくれています。分野別に分類してくれていて見やすい構成です。

参考書で勉強する

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ITパスポート試験の資格取得に向けての対策としては、やはり基礎となるのが参考書による学習です。メインとなる参考書を一冊購入することは最低限必要になります。

ITパスポート対策の参考書はいくつか市販されています。その中で、費用の面も考慮しながら、自分に合った相性の良い参考書を見つけて、自分の勉強方法を確立しましょう。

おすすめの参考書

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ITパスポート試験対策でおすすめの参考書を紹介します。「ITパスポート最速合格術 1000点満点を獲得した勉強法の秘密」です。初心者でも理解しやすいように具体例を通して難解な用語や経営の考え方などを紹介してくれています。

イラストなどが盛り込まれていて取り組みやすいですが、内容もしっかりとしていてこの一冊だけでITパスポート試験に出題される内容はほぼ網羅されています。一冊で済むため費用の節約にもなり、おすすめです。

他にもいろんな出版社が対策参考書を出版しているので、学習の前に見比べてみて自分と相性がよさそうな参考書を選ぶようにしましょう。

無料の問題集アプリ

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ITパスポート対策の専用アプリがスマートフォンなど携帯端末で利用することができます。アプリ自体はもちろん無料ですので、費用面の負担軽減というメリットがあります。無料といっても内容はしっかりとしているので、アプリやインターネットサイトでの学習だけで合格する方も多いです。

Android端末対応のアプリで、「ITパスポート問題集(無料全問解説付)」があります。無料で利用でき費用面のメリットがありながら、内容は非常に充実しています。しかも最新の情報を常に提供してくれるので、安心です。

参考書と併せて無料アプリを利用するとそれぞれのメリットとデメリットを補完して学習を進めることができるので、おすすめの勉強方法となります。

過去問に取り組む

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どんな試験でも過去問対策というのは重要な勉強方法です。ITパスポート試験対策としても過去問題に取り組むことは合格に向けて大きなメリットとなります。難易度があまり高くないといわれるITパスポートですが、やはり十分な対策を講じる意味で、過去問題にも取り組むようにしましょう。

過去問題集は市販されているものもありますし、無料で閲覧できるインターネットサイトもあります。費用面も考慮しながら、自分に合った勉強方法を見つけて、しっかりと過去問題集に取り組みましょう。

無料の過去問道場がある

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インターネットサイトの「ITパスポート試験ドットコム」の中には、「ITパスポート過去問道場」というページがあります。ここでは過去にITパスポート試験で出題された問題を厳選して紹介してくれています。

過去に出題された内容が時系列で掲載されているだけでなく、過去の問題およそ1300問の中からランダムで出題してくれます。力試しにピッタリですので、ITパスポート試験を受ける前にぜひ繰り返し学習することをおすすめします。

計算の問題だけをピックアップして出題してもらえるなど、様々な使い方があります。年度や分野で絞り込みをして問題を抽出することも可能です。費用もかからず安上がりに学習できるメリットがあります。

ITパスポート試験の他のIT系試験との違い

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続いて、ITパスポート試験以外の、IT関連の資格について紹介していき、ITパスポート試験との比較をしていきます。前述のように、ITパスポートはIT関連の国家資格としては難易度が低くなっていますが、他にIT関連の資格があり難易度と意義もそれぞれ異なります。

ITパスポート試験資格だけにこだわらず、他の資格との比較を行なって、自分の目標を達成するために必要となる資格かどうかを十分に検討してみてください。

初級シスアドとの違い

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ITパスポート試験以外のIT関連資格の一つ目は、初級システムアドミニストレータです。これは、初級シスアドと略して呼ばれます。システム管理者としての技術と知識を証明する資格として人気を博しましたが、2009年に廃止となりました。

その後継としてITパスポート試験が位置付けられますが、その内容はITパスポート試験の方が難易度が低いといわれます。初級シスアドの試験内容の一部がITパスポート試験に導入されています。

MOSの違い

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ITパスポート試験以外のIT関連資格の二つ目は、MOSです。MOSとは、「マイクロソフトオフィススペシャリスト」の略です。マイクロソフト社が提供する、エクセルやワードなどのオフィスソフトの使用スキルを証明する資格になります。

IT管理者としての側面を持つITパスポートとは内容にかなり差がありますが、IT関連の資格として就職活動などでメリットがあるという点では同様の意義があるといえます。

基本情報技術者との違い

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基本情報処理技術者試験は、プログラマーを目指す方が取得するケースの多い、高度なIT関連の試験です。システムの開発やネットワーク構築、データベースの構築及び管理の知識、セキュリティ面の向上と経営関連の知識と技術が試される資格になります。

内容はITパスポートと似ているのですが、難易度としては基本情報処理技術者試験の方がかなり高いです。本格的にITの分野を主たる業務とする方が取得を目指す、古くからの伝統的な資格試験になります。

ITパスポートの受験の流れと注意点

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最後に、ITパスポート試験の受験の流れと注意点について紹介します。せっかくしっかりと準備をしていても受験手続及び試験当日で失敗してしまうと元も子もありません。試験当日の流れや試験における注意点、合格発表の形式などを紹介しますので、十分理解しておくことをおすすめします。

当日の流れ

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ITパスポート試験は、全国様々な場所で受験することができ、しかも受験者はそれぞれの希望日時を指定できるので、入学試験のように大勢の受験者が集まって一堂に会するということはありません。そのため、自分だけで迷わず試験会場に行けるよう、アクセスを調べておきましょう。

試験開始30分前から受付開始で、顔写真入りの身分証明書の提示を求められます。受験用のパソコンに受験番号、利用者ID、確認コードを入力してログインし、試験を開始します。

試験の注意点

Photo bycheskapoon

自分が設定した試験時間内であれば遅刻をしてもかまいませんが、設定時間をめいっぱい利用できるよう時間に余裕をもって会場に行きましょう。机に置けるものは、確認票、ハンカチ、ティッシュ、目薬の四つと決められています。

メモ用紙やシャープペンシルは会場側で用意してくれます。腕時計は使用を禁止されているので、あらかじめカバンなどにしまっておきましょう。

合格発表の流れ

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ITパスポート試験の合格発表の流れは、まずは受験後すぐにその場で自動採点され、結果が表示されます。合格したら、正式な発表が翌々月の月初に公式サイトで公開されます。また、国家試験の為、官報にも合格に関する情報が掲載されることになっています。

ITパスポートの取得はIT系の入門として最適

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以上、ITパスポート試験について紹介してきましたがいかがでしたでしょうか。IT関連資格の最も初歩的な資格の一つであること、おすすめの勉強方法や参考書の紹介、他の関連資格との内容の違いなどについて解説をしました。

これからIT分野で働きたいと思う方は基礎能力向上というメリットがありますが、IT分野で活躍せずとも民間の企業でIT分野の管理者となる方などに適した資格です。十分に準備をして合格を目指しましょう。

yokatayama
ライター

yokatayama

サラリーマンとして得た知識と経験でわかりやすい記事を提供していきたいです。インターネット上にあふれる情報は信ぴょう性を確認することが難しいですが、可能な限り正確で時節に応じた内容の文章を提供します。

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