魚ダイエットが効果的な理由
魚ダイエットが多くの人々から注目を集めています。しかし単に魚を食べるだけで効果が得られるわけではありません。ダイエットに効果が期待できる種類の魚を選ぶことが大切であり、調理方法も大きく影響します。
また、なぜ魚がダイエットに効果あるのか、その理由を理解していなければ魚ダイエットは成功しません。そこで魚ダイエットが効果的な理由を解説します。
栄養バランスが良く体調を崩しにくい
ダイエットを成功させるには、食事の質を高めることが大切です。具体的には低糖質、低脂質、高タンパクであることが必須だといえるでしょう。その点、魚はこれらの栄養素をバランスよく含んでおり、体調を崩しにくい食材だといえます。
もちろん魚の種類によって、栄養素の含有量やバランスは異なりますので、ダイエット向きの魚を選ぶことが何より大切です。
脂肪燃焼効果がある
魚に多く含まれるDHAやアスタキサンチンといった栄養素は、内臓脂肪や中性脂肪の燃焼を促進させる効果があります。これらの栄養素は青魚に多く含まれていますが、食すだけでは実感はわきません。
つまり、ウォーキングやジョギングなどを摂り入れることが大切だといえるでしょう。その結果、体重の減少はもとより太りにくい体質への改善が期待できます。
コレステロール減少効果がある
青魚に多く含まれるDHA(ドコサへキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)は、コレステロールを減少させる効果が認められています。さらに脳卒中などの脳血管障害や狭心症、心筋梗塞などの心臓病の予防・改善に効果的です。
DHAやEPAを摂取するだけでコレステロールを落とせるわけではありません。しかし、適度な運動を加えることでダイエット中の食事に最適であることは間違いないといえるでしょう。
腸内環境改善効果がある
EPAには、血液をサラサラにして腸内環境を整える効果もあります。腸内環境の悪化は便秘や肌荒れの原因です。さらに腸内環境が悪化したままだと宿便が溜まり続けるといった弊害も生まれます。
EPAをしっかりと摂取すれば、これらの弊害を取り除くことが可能です。さらに消化器の働きも活性化されることから、体調を崩しにくく宿便が溜まりにくい体質に改善してくれるでしょう。
基礎代謝量をアップできる
魚に多く含まれるタンパク質は、身体の筋肉を作る上で欠かせない栄養素です。さらにタンパク質は、基礎代謝量をアップさせる働きをもたらせます。基礎代謝量が増加するメリットは、消費エネルギー量を大きくできることです。
つまり太りにくい体質に改善できるといえるでしょう。なおタンパク質は、肉類からも摂取することは可能ですが、ダイエット効果を考えれば魚が効果的です。
魚ダイエットの方法
魚には、ダイエットに不可欠な良質の栄養素がバランスよく含まれています。これらは基本的にどんな種類の魚にも含まれていますが、その含有量やバランスには差があるので厄介です。
したがって、効率的にダイエットを進めるには、ダイエット向きの魚を選択するとともに、調理方法にも配慮しましょう。そこで、ダイエット向きの魚や効果的な調理方法等について解説します。
ダイエット向きの種類を食べる
ダイエットを目的に考えるなら、魚の種類には注意を払いたいものです。一般的に魚類は低カロリーだと考えられていますが、種類によっては高カロリーの魚もいます。なお、魚は「青魚」「白身魚」「赤身魚」に分類できますが、全てがダイエット向きだとはいえません。
それぞれに特徴が異なります。したがって、ダイエットを目的とするなら、それぞれの特徴を把握してダイエット向きの種類を選ぶことが不可欠です。
青魚で中性脂肪を減らす
青魚の特徴はDHAとEPAを多く含んでおり、中性脂肪を減らす効果がある上、腸内環境を整えてくれます。青魚に分類される代表的な魚は「サバ」「サンマ」「アジ」などです。
とりわけ「サンマ」にはDHAが多く含まれており、悪質な中性脂肪を撃退し美肌にも効果があるでしょう。ダイエット中は栄養バランスを崩し肌荒れを引き起こすこともありますから、まさに一石二鳥の効果が得られるといえるでしょう。
白身魚はカロリーが低いので安心
白身魚の特徴は低カロリーであることです。脂肪分も少なくダイエットにはおすすめの魚だといえるでしょう。白身魚に分類される魚には「タラ」「ヒラメ」「サケ」「サバ」などがあげられます。
「サケ」は赤身のイメージが強い魚ですが正確には白身魚です。とりわけアスタキサンチンが多く含まれていることから抗酸化作用が高く、脂肪代謝の活性化が認められています。
赤身魚は高カロリーな種類は避ける
赤身魚には味わいが深く満足度の高いレシピが多いのが特徴です。その反面高カロリーな魚も多いので、ダイエット中は摂取量に注意が必要だといえるでしょう。
栄養素としてはDHAやEPAが白身魚よりも多く含まれているのが特徴です。赤身魚の中でも低カロリーな魚には「マグロ」「カツオ」などがあげられます。反対に高カロリーな赤身魚は「マグロ(トロ)」「うなぎ」です。
適切な量を食べる
魚ダイエットの基本は、3食中1食を魚を使ったレシピを取り入れることです。さらに「青魚」「白身魚」「赤身魚」の特徴を理解して食べることが重要です。例えば赤身魚の中でも高カロリーである「マグロ(トロ)」などは回避するか量を抑えましょう。
反対に白身魚は低カロリーですから、多めに食してもかまいません。なお、それぞれの種類の魚を質量ともバランスよく摂取するのが魚ダイエットを成功させるポイントです。
真夜中以外はどの時間帯でもOK
魚ダイエットにおいて、食事を摂る時間帯は、真夜中以外はどの時間帯であっても問題はありません。ただし、就寝前2時間は食事を控えることをおすすめします。
魚は基本的に低カロリーです。しかし、体内で消化する前に就寝すると胃に負担をかけることになり、起床時に胃もたれなどを感じることもあります。つまり魚ダイエットであっても就寝前の食事はNGだといえるでしょう。
油の少ないメニューを食べる
魚ダイエットを成功させるには、調理方法がポイントとなります。具体的には油の少ないメニューを食べましょう。油を使ったメニューだと、せっかく脂肪分が少ない食材の特性を活かしきれません。
また、魚本来のうま味を引き出し美味しく食すには、なるべく調理方法はシンプルにしたいものです。こういった意味でも、油の少ないメニューを選ぶに越したことはありません。
刺身
魚本来の味を楽しむなら刺身が最も適したメニューです。もちろん油は使いませんからカロリーが増えることはありません。
比較的カロリーが高い「マグロ」であっても、100gあたり120kcal程度ですから魚ダイエットに適しています。また、刺身だと魚がもつ栄養素をそのまま摂取できるのも大きなメリットです。
煮魚
魚ダイエットを長続きさせるには、同じ魚であってもメニューにバリエーションを持たせることが大切です。その点煮魚は水煮や味噌煮、味付けなどさまざまなメニューが楽しめるのでおすすめのメニューだといえます。
ただし、味噌煮や味付けとする場合はみりんや砂糖を控えるのがコツです。また、糖質を抑えた甘味料を使用するのもおすすめになります。
焼き魚
焼き魚にすると、魚に含まれる無駄な脂質を落としてくれるといったダイエット効果が期待できます。ただし、焼き過ぎるとうま味を損なったり、せっかくの栄養素を壊してしまうことも少なくありません。
したがって、身がホクホクの状態になるよう適度に焼き上げることが大切です。また、栄養素を壊さないためには、蒸し焼きにするのもおすすめだといえるでしょう。
魚ダイエットの注意点
魚ダイエットは、3食のうち1食を魚料理とするものです。魚は種類によって違いはあるものの、低カロリー高タンパク質のダイエットに適した食材だといえます。
しかし、魚料理さえ食べていれば良いといったものではありません。場合によってはダイエットには逆効果のレシピや魚をチョイスしてしまうこともあります。こういった事態を回避するための魚ダイエットの注意点について解説します。
濃い味付けのレシピを避ける
魚ダイエットを実践していると、濃い味付けのレシピに挑戦したくなることがあります。濃い味付けのレシピではさまざまな調味料や食材を加えなければなりません。
例えば煮魚を濃い味付けにする場合、糖質の多い砂糖を大量に使いますから高カロリーとなります。したがって魚ダイエットを実践するなら、濃い味付けのレシピは回避するのが無難だといえるでしょう。
脂ののった魚は高カロリー
魚ダイエットは、低カロリーで高タンパク質の魚を使ってこそ成功するものです。しかし、魚の全てが低カロリーだとは限りません。例えば「マグロ」はの中でも脂がのったトロは100gあたり300kcalを超える高カロリーです。
冬場においしい「マイワシ」も高カロリーの食材として知られています。したがって魚ダイエットを実践する際には脂がのった魚は避けるのが賢明です。
メチル水銀の含有量に注意する
一部の魚に含まれるメチル水銀は少量であれば問題ありません。しかし妊婦がメチル水銀を一定量以上、摂取すると胎児の中枢神経系の発達に問題が生じる可能性があります。
とりわけ妊婦は運動を制限されますから、魚ダイエットは太り過ぎないためにも有効な手段です。ただし、子供のためにもメチル水銀を含む「マグロ」や「キンメダイ」は回避しましょう。
魚ダイエットのおすすめレシピ【刺身】
魚ダイエットを実践する上で「刺身」は非常におすすめの調理方法です。その理由の一つとして魚本来の味や栄養素を損なわないといった点があげられます。
また調理が非常に簡単である点もメリットだといえるでしょう。しかし、毎日「刺身」では飽きてしまうのも致し方ありません。そこで「刺身」をアレンジしたおすすめレシピを紹介します。
韓国風あじのなめろう
「韓国風あじのなめろう」は濃厚な味わいを楽しめる低カロリーなレシピです。なめろうは刺身を包丁などで叩いて作ります。チャンジャとごま油を加え、生卵をのせれば完成です。
なおチャンジャで辛みを付けることで、新陳代謝をアップさせることができます。ポイントはごま油は加熱せず控えめにすることです。また生卵はうずらを使用しコレステロールを抑えられます。
カツオのたたきのサラダ
「カツオのたたきのサラダ」はボリューム感もあり人気の魚ダイエットメニューです。DHAやEPAが多く含まれているほか、タウリンも豊富で肝機能の活性化に効果があります。
野菜を加えてサラダにすることで栄養価を高められますが、おすすめは白ネギです。白ネギには血行促進や免疫力アップの効果があるため、魚ダイエットには最適な取り合わせだといえるでしょう。
白身魚のサラダ
「白身魚のサラダ」は、比較的淡白な味の白身魚を楽しむには最適なレシピです。作り方はとても簡単で、刺身に野菜を軽く和えてドレッシングをかければ完成します。
このとき注意したいのが、ノンオイルのドレッシングを使うことです。また、野菜の量を増やすことで、満腹感をアップさせることもできます。野菜不足も解消できる、おすすめの魚ダイエットメニューだといえるでしょう。
青魚とえごま油のカルパッチョ
「青魚とえごま油のカルパッチョ」は、魚本来の栄養素を効果的に摂取できるレシピになります。えごま油は過熱しないで加えるのがポイントです。
えごま油に豊富に含まれるα-リノレン酸と青魚のDHAやEPAがコラボすることで、血行促進が期待できます。加える野菜は、レタスやかいわれ大根のほか、果物のキウイもおすすめです。
魚ダイエットのおすすめレシピ【煮魚・焼き魚】
魚ダイエットを実践する上で「煮魚・焼き魚」もおすすめの調理方法です。その理由の一つとして魚本来の味を引き立てながら美味しく食べられる点があげられます。
また栄養素を損なうこともありません。魚ダイエットを続けるには「魚を食べることを楽しむ」ことが大切です。そこで「煮魚・焼き魚」をアレンジしたおすすめレシピを紹介します。
サバのネギ味噌焼き
「サバのネギ味噌焼き」は、青魚の生臭さが気になる人にもおすすめの魚ダイエットレシピです。サバの切り身に軽く塩を振り、ネギと味噌を塗ってしっかりと焼くのがポイントになります。
焼くことで、余分な油分も流れ落ちるため、ダイエットには最適だといえるでしょう。味噌には塩分が多く含まれるので、減塩のものを選ぶのがおすすめです。
白身魚のキノコあんかけ
「白身魚のキノコあんかけ」は、淡白な白身魚と濃厚なあんかけのコラボが魅力のレシピです。片栗粉をまぶして軽く焼いた白身魚に、玉ねぎとキノコで作ったあんかけをかければ完成します。
あんかけの味付けは砂糖、塩、みりんを用いますがダイエット甘味料や減塩醤油で代用することでダイエット効果がアップします。
白身魚と長ねぎのレモン醤油炒め
「白身魚と長ねぎのレモン醤油炒め」は、さっぱりとした白身魚にレモンの酸味が効いた「くせになる」レシピです。ぶつ切りにした白身魚と長ネギを炒め、焼き色が付いたところでトマトを加えて酒蒸しします。
最後に輪切りのレモンを加えて完成です。白身魚を炒める際にバターは使用せず、ヘルシーオイルなど低脂質のものを選ぶとダイエットには効果的でしょう。
さんまハンバーグ
「さんまハンバーグ」は、お肉が好きな人にもおすすめの魚ダイエットレシピです。作り方はひき肉の代わりにさんまを使用し、卵や小麦粉、片栗粉を混ぜ合わせて焼き上げます。
塩コショウを加えて青葉や大根おろしとポン酢でいただくと、濃厚ながらさっぱりとした味わいとなるでしょう。なお、さんまはフードプロセッサーなどを使用して骨ごとミンチ状にするのがおすすめです。
タラのキムチ鍋
「タラのキムチ鍋」は、淡白な味わいのタラを美味しくいただける魚ダイエットレシピです。キムチ鍋に用いる野菜は低カロリーの長ネギやニラが適しています。
キムチの辛みでタラの味わいが増すほか、カプサイシンの効果で新陳代謝をアップさせることが可能です。寒い冬には是非取り入れたい魚ダイエットメニューだといえるでしょう。
サバ缶のトマトスープ
「サバ缶のトマトスープ」は、サバ缶を利用した簡単な魚ダイエットレシピです。玉ねぎをオリーブオイルで炒め、サバ缶とトマト缶ダイズカットを加えて煮込みます。
コンソメや塩コショウで味を調えれば完成です。なお、サバ缶は味付けや味噌煮ではなく水煮を選びましょう。ご飯を加えればリゾットにアレンジすることもできます。
魚ダイエットは美味しく無理なく痩せられる!
魚ダイエットは、美味しく無理なく痩せられることから、多くの人に注目されています。方法は簡単で3食のうち1食を魚ダイエットメニューとするだけでOKです。
ただし、魚の中には高カロリーな種類もあります。また調理方法によっても糖質や脂質がアップする場合もあるので注意が必要です。
おすすめの調理方法は「刺身」「煮魚・焼き魚」ですが、さまざまなレシピを加えることで飽きることなく継続できるでしょう。