ヒッピーの意味と使い方とは
ヒッピー。最近はほとんど耳にすることない言葉となっていますが、ヒッピーには深い意味が隠されています。また、中高年の人にとっては馴染み深い言葉であるかもしれませんが、若い人にとってはほとんど知られておらず、使い方もわからない言葉でもあります。
ヒッピーとは、英語の語源から1960年代後半に発生したライフスタイルの一種であり、様々なカルチャーや思想に影響を与えたとされています。
そんなヒッピーの意味や使い方をここでは説明していきます。ファッションが好きな人や意味や使い方がわかると重宝もされるので、ぜひ覚えていきましょう。
意味①愛と平和を訴えている
ヒッピーという言葉の使い方を考えていくと、多くの人はその個性的なファッションの使い方やヒッピー音楽を意味していると連想される方が多いかと思いますが、根本的には彼らは愛と平和を訴えていたとされています。
実はこれらはただ単にお洒落でかっこいいからという考えで始めたものではなく、戦争に対する反対運動や宗教などの意味があって始まったとされているのです。
1960年代の当時には、戦争に対する反対運動からロックやフォークと言われる音楽が生まれたと言われています。そこから、若者たちの間で独特なファッションの使い方をすることで、真の愛と平和を得たいという願いを表現していたと言われています。
意味②自然を愛している
ヒッピーの多くは自然を愛しています。そこには、彼らが自然に対しての感謝や人間本来のあるべき暮らし方を取り戻そうという意味が隠されています。
皆さんがヒッピーのファッションについて思い出すと民族衣装のような服装をイメージする方も多いはずです。そこには、自然の素材を使ったファッションの使い方やデザインを身につけることで、「自然への回帰」をしたいという意味を訴えています。
意味③人間としての自由を求める
日々忙しい現代では、自由を求めてしまいたくなる事もあったりします。しかし、ヒッピーが生きていた時代では、戦争や人種差別などの様々な問題を抱え、そのために息苦しい生活をしなくてはいけなかったのです。そこで彼らは、代弁者として立ち上がったのです。
社会が決めた不条理のルールに捉われる事なく、誰もが自由にありのままで生きられる社会を作りたいという意味を行動に起こしていきます。それが、のちにヒッピー文化として残っていったのです。
ヒッピーの思想とは
ヒッピーにとって、当時の社会はとても生きづらい時代だったと言えます。そこで彼らは、自由に生きることを思想にしたのです。
言葉だけでみるとあまり難しくないように思えますが、自由に生きるために悟りや覚醒を目指し、心を解放することを目指していったのです。そうすることで、真の自由を得られると考えていたのです。
また、最近では少しずつ明るくなってきた同性婚という問題ですが、ヒッピーが生きていた時代でもこの問題は大きく、彼らの思想である自由を求めるために性の自由も一緒に求めていったのです。
自由に生きることを目指す人たち
ヒッピーの由来とは、自由に生きる人たちの代弁者です。彼らが若い時に生きていた時代には、戦争の問題や人権への差別問題など本当に多くの問題を抱えていたのです。
彼らはその問題に直面していくことで、この社会によって決められたルールに縛られるのではなく、愛と平和を訴え、差別のない本当の自由を目指していくのです。そして、そこにはどの人種や性別の垣根を超えて多くの人たちが自由に生きることを目指して集まっていったのです。
自給自足の生活を目指す
最近では、若い人たちが都会を離れて田舎で生活をしたり、仕事を早期にリタイヤして地元に帰り、農業を始める人も増えたりしています。そして、ヒッピーにも同じ現象が生まれていたのです。
ヒッピーが生きていた時代には、様々な環境問題があったといわれています。彼らは、このままでは将来、自分たちが生きていく地球が危ないと感じ、行動を起こしていきます。
自分たちは、自然に生かされているということを理解し、そこでファッションの使い方や生活への意味を考え、改めていきます。そこで、自給自足の生活を目指すようになり、人間本来のあるべき意味を考え、追い求めていくようになっていったのです。
ヒッピーのファッションの個性・特徴
最近では、トレンドとしてヒッピースタイルを取り入れる方も増えているようですが、このヒッピーファッションの由来や意味には、彼らの思想がファッションの使い方に現れているといえます。
その個性的なファッションのルーツには、インドやアフリカ、東欧や中近東の民族や部族の衣装の一部を使うことで、自分たちのファッションに意味や思想を反映させています。ここでは、そのヒッピーファッションを7つにわけて紹介していきます。
長髪・ヒゲ
まずは、ヒッピーの代名詞ともいわれる長い髪やヒゲ。これは、彼らが自由に生きていくという思想の現れだといわれています。
男女問わず、また人種や性差別にかかわらず全ての人間が長い髪とヒゲをすることで、ありのままの姿を受け入れてほしいという意味があり、彼らからの世界に対してのメッセージだったといわれています。そして、そうすることにより、偏見のない世界を目指していこうとしていたのです。
ヘアバンド
夏になると野外イベントなどで女性がヘアバンドをしているところを見たりする方がいると思いますが、ヒッピーもファッションの一部としてヘアバンドを取り入れています。
彼らがなぜヘアバンドを取り入れていたかというと、長髪に民族要素を取り入れようとしたことが始まりだったようです。また、彼らの平和と愛の思想を花としていたところから、花をヘアバンドのようにして紙に飾ったりもしていたようです。
カラフルなシャツ
目の映えるようなシャツは、ヒッピーにとって自由な思想を世界に伝えていくための手段として使われています。それは、ヒッピースタイルともいわれるサイケデリックカラーのインパクトのあるシャツを好んで着ていたといわれてます。
そこには、先ほどもあげたように彼らの愛と平和の思想を意味する花や数種類の色を混ぜ、ダイダイ染めしたようなデザインを多く使ったものが用いられていたようです。
ジーンズ
ジーンズは元々、19世紀のアメリカ西部で誕生したものです。ゴールドラッシュに沸く労働者のために丈夫で何年経っても使えるようにと考えられて作られたのが始まりだといわれています。
ジーンズには「自由と反抗」という思想や意味も含まれています。そこでヒッピーは、ジーンズをファッションの一部として取り入れていきます。また、自由でいたいという想いからタイトなジーンズを履くのではなく、腰から裾にかけて真っ直ぐに大きくなっているワイドパンツやブーツの際に履くようなバギーパンツを愛用していたようです。
ロックミュージック
ヒッピーにとって音楽はとても重要な意味を持つものです。特に、彼らの音楽の中で代名詞と言われるのが、サイケデリック・ロックです。
サイケデリック・ロックというのは、聴く人の固定概念や羞恥心を取り外すことで、心も体も解放することによって人間本来の自然な姿に導く事を意味する音楽です。また、瞑想的な意味合いもあるといわれています。
ヒッピーは、自分たちの信念や思想、また社会全体で起きていた問題に対して反論するために、音楽を通じて社会にメッセージを送り続けていたといわれています。その結果、多くの若者に支持されたようです。
平和を意味するシンボル
皆さんは、「平和」という言葉を聞かれた際に思いつくシンボルがあるはずです。例えば、ハトなんかは皆さんも思いつくはずです。しかし、ヒッピーにとってのシンボルは別だったのです。
「ピースシンボル」の由来というのは、様々いわれていますが、平和を象徴するハトの足跡だったり、反核という意味を現しているという説があります。ヒッピーによって平和運動や反戦運動をする際にシンボルとして使われたことにより、広く世界から平和と反戦の象徴としての意味合いを持つようになったといわれています。
フォロークロアなアクセサリー
ヒッピーを語るうえで、フォロークロアなアクセサリーは欠かせないといえます。中近東やアフリカなどの民族衣装をモチーフにしたアクセサリーは、平和や愛を訴える彼らにとっては欠かせないファッションの使い方や意味があったといわれています。
花や鳥などをモチーフにしたデザインやカラフルな色の使い方が特徴です。また、「自然への回帰」というメッセージの意味も含まれていたので、麻やウッドビーズ、トンボ硝子などの自然素材を使っていたといわれています。
ヒッピーの歴史とは
まず、ヒッピーの歴史を紐解いていくと1960年まで遡ります。当時は、アメリカの社会変革により多くの人が社会制度や戦争に反対していたようです。また、黒人による人権運動やフェミニズム、環境問題に対しての声が大きくなり、結果的に愛と平和・自由を訴えるヒッピーも一緒に生まれたといわれています。
やがて「自然への回帰」という意味をメッセージと掲げ、独自の思想が世界を広げていきます。そして、それが世界全体でムーブメントになり、1970年代の後期には徐々にその姿を減らしていったようです。
ベトナム戦争がきっかけで生まれた文化
若い人の多くは、ベトナム戦争についてあまり多くのことを知らない人がほとんどなはずです。このベトナム戦争が起きたことでヒッピーの文化は生まれたともいわれています。
アメリカでは長期化するベトナム戦争に対しての批判が多くあり、それに対して若者達による反対運動が大きくなり、ヒッピーの文化が生まれたのです。彼らは、徴兵を拒否するのと同時に愛と平和を訴え、人間としての自由な生き方を求めていきます。
そして、その勢いは止まらずにアメリカ全土を超えて世界中にヒッピーの思想が広がっていくのです。その後、ヒッピーの影響力のおかげもあり、ベトナム戦争は終結を迎えたのです。
由来・語源は英語のhipstar
ヒッピーの語源の由来や意味には諸説あるといわれていますが、当時流行っていたジャズ用語の語源からきているといわれています。
1つは、調子を合わせるという意味の語源を持つhip、2つ目は見せられたという意味の語源を持つhipped、そして幸せなという意味の語源を持つhappyとなります。やがてそれぞれの言葉が崩れhippiesと呼ばれるようになったのです。
ヒッピーの語源や由来や意味を紐解いていくと、そこには彼らが目指していた愛と平和が隠されています。彼らは、ヒッピーという言葉の語源に自分たちのメッセージを世界に発信していたようです。
1960年代に若者中心に流行した
1960年代というのは、本当に様々な問題が若者達にのしかかっていたといわれています。彼らは、社会が決めた不条理なルールにもがき、苦しんでいたといわれています。
そこで彼らは、社会の決めたルールに囚われず生きていくためにヒッピーという生き方を選択していきます。当時のヒッピーという生き方は、時代に逆行する形をとっていたため、とても斬新だったといえます。そして、瞬く間に若者を中心に流行していったといわれています。
ヒッピーの現在
ヒッピーの語源や由来、意味や歴史を紐解いていくことで彼らがどういう存在だったのかわかってきたはずです。では、いま現在、世界を見渡してヒッピーと同じように生きている人がいるかというと、少数ですが存在しているといわれています。
しかし、その多くの人達の生活はというと昔のような生き方はしていないと考えられていますが、生活の一部に音楽やダンスを楽しみ、地球環境問題に目を向け、ヒッピーファッションを生活の一部に取り入れているようです。
デンマークのクリスチャニア自治区には多い
デンマークにクリスチャン自治区という所があります。ここでは、約1000人ほどの人が住んでいるといわれていて、彼らはデンマークと独立しているため、独自の国旗や国歌があるといわれています。
そんな彼らは、ヒッピーの歴史や由来に沿って自由な生活をしています。愛と平和に生きるために政府との衝突を避け、安全でどんな人種の人たちも楽しめる場所を作るために独自のルールがあるようです。今では観光地としても有名になり、多くの人が訪れているそうです。
日本にもヒッピーは暮らしている
では、ここ日本でヒッピーの存在がいるかというと今でも存在しているようです。当時、日本でもヒッピーの歴史や由来に感化されて、長野に生活の拠点を置き、自給自足の生活をする村が誕生したといわれています。
また、東京にもヒッピーの歴史や由来に沿ったお店が数多く集まるお店がまだ残っていたり、ヒッピー音楽やヒッピーファッション由来のものを好む若者もいるようです。
このように私達が知らないだけで、実はヒッピーという歴史や文化は今もなお残っているのです。それだけヒッピーという思想が与える影響力は強かったといえます。
ヒッピーとは自由と平和を愛する人たちという意味
ヒッピーの意味や語源、そして思想や由来を学ぶことで私達が何気なくしている行動やファッションの感じ方が変わっていくはずです。
今現在も私たちの周りでは、地球環境問題や内戦や紛争問題があります。彼らのように自由と平和を愛することができれば、少しずつ世界も変化していくはずです。全てを変えるのはとても難しいことですが、ヒッピーの意味や思想を理解した上で、ヒッピーファッションや音楽を楽しむことが大事だといえます。