「身振り手振り」の意味
あなたは、日々の生活の中で「身振り手振り」という言葉を聞いたり、使ったりしていますか?聞いたことはあるけれど、どんな意味かと尋ねられたら、うまく答えられない人もいるのではないでしょうか?身振り手振りという言葉には、どんな意味があるのでしょう。国語辞典を引くと、次のような意味が記されています。
体の動作でコミュニケーションをとること
「身振り手振り」という言葉の意味は「意思や感情を表現する時に、特に手を含めた身体の動作で表現すること」です。「みぶりてぶり」が読み方になります。意味がわかれば、自分は身振り手振りが大きいかもしれないと気付くこともあるでしょう。
身体の動作でコミュケーションをはかることができるなら、言葉の違う国の人同士が、意思を伝え合うのに、適したコミュニケーション方法になります。同じ言語の人同士でも、言葉と「身振り手振り」を使うことで、深く相手と理解し合えるでしょう。
世界共通の「身振り手振り」といえば、ピースサインがあります。世界中の人々が理解し合うことが、平和への近道と言われます。しかし、ピースサインは手の甲を相手に向けると、突然意味が変わり、侮辱を意味してしまいます。
互いの文化を知らずに「身振り手振り」を行うと、意味を取り違えられて、誤解されてしまう場合もあります。言葉と同様、意思を伝える相手の気持ちを考えて行うようにしましょう。
「身振り手振り」の類義語と種類
身振り手振りの意味がわかったところで、同じ意味を持つ、身振り手振りの類義語を見ていきましょう。身振り手振りの類義語を知ると、あなたの語彙が増え、豊かな会話ができるようになります。身振り手振りより、類義語のほうが広く使われている種類の言葉の場合もあります。ではさっそく、身振り手振りの類義語を見ていきましょう。
ハンドサイン
「身振り手振り」の類義語の1つ目は「ハンドサイン」です。手や5本の指を使って、合図を意味する語です。
「身振り手振り」が手だけでなく、身体全体を使ってコミュニケーションをとる意味なので、「ハンドサイン」は類義語というより、「身振り手振り」の中の1つの種類と言ってもよいかもしれません。
ダイビングの訓練など、口頭で説明ができない場合、ハンドサインで意思の疎通をするのが一般的なようです。軍隊でも使われる種類の言葉です。次に、2つ目の類義語を見ていきましょう。
手話
「身振り手振り」の2つ目の類義語は「手話」です。手話は、聴覚障害者の言語です。手や指の動きの他、頭、表情、口、上半身を活躍させ、相手に意思を伝えます。
確かに「手話」は「身振り手振り」で伝えるものですが、ひとつひとつの動きに、しっかりとした意味があり、その意味を知らない人には話が通じません。
「身振り手振り」の類義語ではありますが、完全に種類が同じとは言えないようです。次に3つ目の類義語を見てみましょう。
ジェスチャー
「身振り手振り」の3つ目の類義語は「ジェスチャー」です。「ジェスチャー」を国語辞典で調べると、「身振り手振り」が真っ先に出てきます。この2つは種類が同じです。類義語というより、同義語と言っていいでしょう。
ただ「ジェスチャー」には別の種類の意味もあります。「見せかけの態度」「おもわせぶり」という意味です。例として「それは彼の本心ではなく、ジェスチャーだ」というものがあります。次に「身振り手振り」の4つ目の類義語を見ていきましょう。
ボディランゲージ
「身振り手振り」の4つ目の類義語は「ボディランゲージ」です。これは国語辞典で調べても、意味は「身振り手振り」と、ほとんど同じ種類の言葉です。英語で「ボディ」は「身体」、「ランゲージ」は「言葉」ですから、「身振り手振り」の同義語としてもいいでしょう。外来語ですが、今は一般的な使い方をされる単語だと言えるでしょう。
「身振り手振り」の使い方
「身振り手振り」の意味とさまざまな種類の類義語がわかったところで、「身振り手振り」はどのような使い方をしたらいいのでしょう?「身振り手振り」という言葉を話の中に入れると、どのような文章が完成するでしょうか?
身振り手振りの使い方の例文として、「その人は身振り手振りを交えながら、一生懸命訴えていた」や「身振り手振りでトイレの場所を聞いたが理解してもらえなかった」などが挙げられます。
手や体を使い表現する時
身振り手振りの中で、万国共通のものもあれば、各国で違う意味になる種類のものがあります。親指を上げて他の四本を曲げるジェスチャーは「Good!」を表します。次に肩をすくめて両の掌を上にあげる動作も、映画などでよく見かける種類のジェスチャーです。
「わからない」や「困った」など自分ではどうしようもない事を表します。このように海外の人が使う種類のジェスチャーは、まだまだ使い方が日本に浸透していません。
外国人と日本人のジェスチャーで、同じ種類の動作をするにも関わらず、違った種類の使い方になる時も少なくありません。
有名なところでは、日本人の「こっちへ来い」の手招きジェスチャーと、外国人の手招きは全く逆の使い方をします。同じ種類の動作だからと、ジェスチャーの使い方を間違えないようにしましょう。
日本人が行う種類のジェスチャーは、頭に手を当てて「参った!」を表現する使い方をしたり、両手を顔の前で合わせて「お願い!」を表現する使い方をしたりします。ジェスチャーの種類の違いには注意しましょう。
身振り手振りの大きい人の心理
あなたの周りに、やたら身振り手振りの大きな人はいませんか?日本人は外国人と比べて、感情を表にださないと言われていますが、もちろん個人差があります。外国人を真似している人もいるでしょうが、身振り手振りが大きい人は、興奮すると余計に大きな動作になることもあります。身振り手振りが大きい人の心理はどういったものなのでしょう?
言葉で表しにくい
身振り手振りが大きい人の心理の1つ目に、言葉では伝えにくいというものがあります。言葉で伝わらない思いを伝えたい時、人は身振り手振りが大きくなる傾向にあるようです。
身振り手振りが大きい人は、言葉で伝わらないもどかしさもあり、何とかして視覚的な情報を伝えたいという心理になっていると言えるでしょう。いい例が海外旅行です。
現地の言葉がわからず、どうしても自分の思いを伝えたい時、身体を使って視覚的な情報を示すしかありません。その場合、身振り手振りが大きくなる傾向にあるようです。
話を伝えたい
身振り手振りが大きい人の心理2つ目は、どうしても話を伝えたいという強い思いがあることです。大きなものの説明をする時、身体を使ってその大きさを伝えようとする人も多いことでしょう。
この場合の身振り手振りの使い方として、数字を数える時に指を折ったり、不快な気分を伝えたくて大きく手をふったりする例が挙げられます。
特に伝えたいと思わない話の場合、身振り手振りを大きくするといった使い方はしないでしょう。相手に知らせたい必死の思いが、身振り手振りを大きくさせていると言えるのではないでしょうか?
自尊心が高い
身振り手振りが大きくなる心理の3つ目は、自分を大切にしたいという気持ちです。自分の言葉を伝えたいという思いとは、自分の言葉を大切にしたい心理から来ていると言えるのではないでしょうか?
「どうせ誰も聞いてくれない」とか「別に尊敬されなくてもいい」と考えていた場合、「別に伝われなくてもいい」という心理になりませんか?
自分の意見を周囲に認めてもらいたいという心理が働き、身振り手振りが大きくなる傾向にあるようです。
前向き
身振り手振りが大きくなる心理の4つ目は、前向きだということです。身振り手振りが大きくなると、脳から幸せホルモンが出ると言われています。幸せホルモンは身体の動きを大きくさせることにとどまりません。
心まで前向きにしてくれる傾向にあります。行動心理学といった学問でも、心は身体に左右されやすく、心と身体には強い関係性があると証明されています。
身振り手振りが大きい人は、前向きな傾向にあります。大きな動きをすることで、心が幸せになり、前向きで明るくなるという心理になっているようです。
正直
身振り手振りが大きくなる心理の6つ目が、正直に本心から話しているということです。この心理を知るには、逆の心理から考えてみるといいでしょう。
もし本心を隠したい、正直には話したくないと考えた場合、人はボロを出さないように、動きが小さくなってしまうのではないでしょうか?
腕を大きく動かしたり、手を大きく振ったりせず、髪をかき上げたり、頬杖を突いてみたりといった程度に抑える人が多いことでしょう。つまり、身振り手振りが大きい人は、正直な人だと言えるのではないでしょうか?
動くことが好き
大きくゆったりと動いている人の心理は、ずばり幸せな気持ちにあると言えるのではないでしょうか?そういった心理から、大きなジェスチャーになることは多いでしょう。
動くことで幸せな気持ちになり、心に余裕が出るようになります。その結果、恐怖や緊張といった感覚を感じなくなってきます。
身振り手振りが大きくなる心理の5つ目は、動くのが好きだということです。そもそも活発な性格で、運動など動くことが大好きな人も、身振り手振りが大きくなる傾向にあります。
身振り手振りの大きい人は信頼できる?
ここまで、「身振り手振り」の意味から、類義語の「ジェスチャー」「ボディランゲージ」といった言葉、さらに「身振り手振り」の使い方を見てきました。前章では、身振り手振りが大きい人の心理はどういったものなのかを紹介しました。これを見る限り、身振り手振りが大きい人は誠実で幸せな人間であるようです。
本心を伝えたい人は大きな動きをしやすい
身振り手振りが大きくなる心理は、自分の本心をしっかり伝えたいというものだということがわかりました。自分の主張したいこと、伝えたい意見をわかって欲しいと切実に思っているので、ついつい身体が大きく動いてしまうと先述しました。
言葉以外のジェスチャーという視覚的な情報を見ていると、話を聞いているこちらも、力が入り、その人を信頼してしまうという考え方もできます。
ならば、大きなジェスチャーの人は、本心を伝えようとしていることから、周りの人間からの信頼も得やすいのではないでしょうか?
無暗に信じてしまうのも危険!
しかし、身振り手振りが大きいからといって、闇雲に信じてしまうのは避けたほうがいいでしょう。実は大きな身振り手振りというのは、いろいろな商法で使われているからです。
例えば、スーパーにいる実演販売の青年が客の心を掴むためにこうした使い方をしている場合があります。
この場合、実演販売員は、本心から訴えているのではなく、演技として大きな身振り手振りの使い方をしています。したがって、無暗に信じないようにしたほうが無難でしょう。
身振り手振りのビジネスでの使い方
身振り手振りは、人と人が理解し合う上で、欠かせない表現方法です。言葉では足りない部分を補うだけでなく、相手に強い印象を与え、話がスムーズに、かつ前向きに進みます。
それならば、ビジネスでの会話のやり取りの時も、身振り手振りは有効に活用できるのではないでしょうか?営業やプレゼンの時、大いに役に立つでしょう。
さらには仕事を得る上での面接の時も、身振り手振りを有効に使うことで、いい結果を得ることができるのではないでしょうか?
営業での使い方
営業の仕事の場合、相手にいかにアピールするかが大事だと言われています。セールストークをする時に、身振り手振りを使うと、営業をする側の熱心さや、情熱の強さをアピールできるのではないでしょうか?
これを聞いて欲しい、ここが重要な点だという時、身振り手振りをうまく交えて話をすることで、仕事相手の印象に強く残るセールストークができるケースが多々あるでしょう。
しかし、いい点ばかりではありません。営業トークの時、身振り手振りがあまりに大袈裟だったり、身振り手振りを多用し過ぎたりすると、わざとらしい印象や落ち着きのない印象を与えてしまう可能性もあります。
そうなると、営業トークでは逆効果になる場合もあります。営業の仕事で身振り手振りを利用する時は、やり方、使用頻度、タイミングなどをよく考えましょう。
プレゼンでの使い方
アップル社の故スティーブ・ジョブズが大勢の前で、見事にプレゼンをしている様子を見たことがある人もいるでしょう。ジョブズとまではいかなくても、大勢の前で演説したり、プレゼンをしたりする機会は、ビジネスシーンで多いのではないでしょうか?
そんな時、どうやれば効果的に人々の心に訴えることができるか、頭を悩ませることでしょう。大勢の前で演説したり、プレゼンしたりする時、身振り手振りを使うアピール方法は、相性が良いと言われます。
身振り手振りをすると、視覚的に動きが生まれます。すると聞き手の印象に残りやすく、さらには説得力が生まれる時もあります。
演説やプレゼンで身振り手振りを加える場合、気を付けなければならない点があります。ただやたらに身振り手振りを行うと、落ち着きがない印象を人々に与えてしまう可能性があります。
この話をする時は、この身振り手振りをしようと、ある程度考えておくのがおすすめです。あらかじめ自分の身振り手振りを考えておくと、余計な動きをしないですみます。その結果、効果的な身振り手振りでアピールすることができるでしょう。
面接での使い方
自分の感情を表現する時、身振り手振りを使うと、話す言葉以上に伝わる場合があります。こういった理由から、就職活動や転職活動の時の面接において、身振り手振りを使う人もいるでしょう。
上手にアピールすることができるなら、身振り手振りは面接官に好印象を与えることができるかもしれません。しかしいくつか注意点もあります。身振り手振りを面接において使う時、どういった点に注意をしたらいいのでしょうか?
落ち着きがなく見えてしまう
言葉に説得力を持たせたり、言いたいことを強調したりしたい時、身振り手振りを使ったアピールはおすすめの使い方です。
しかし、あまりにも大袈裟な身振り手振りをしてしまうと、落ち着きがない印象や、幼稚なイメージを面接官に与えてしまう可能性があります。身振り手振りを使ってアピールしようとすると、自然と身体を大きく動かすことになります。
一般的な面接では、面接官と向き合って話すケースが多いことでしょう。この場合、あまりに身体を動かし過ぎたり、何度も姿勢を変えたりしていると、落ち着きがないといった印象を与える場合もあります。
隣の人とぶつかってしまう
面接には様々な形態があります。あなた1人と面接官との個別での面接もあるでしょう。この場合は、他の志望者がいないので、身振り手振りを使ってアピールしても、誰かにぶつかることもありません。
しかし、面接の志望者が複数いて、いっせいに面接をする場合、椅子を並べて行うことになります。こういった場合に身振り手振りをしてしまうと、隣の志望者にぶつかってしまうかもしれません。
大きな身振り手振りをして、他の志望者にぶつかってしまうと、面接官は「配慮ができない人だ」「常識がない人だ」といった印象を持ってしまう可能性があり、採用に関してはマイナスに働いてしまいます。
身振り手振りをしてアピールしたいと考えるなら、周囲の人との距離感に充分注意をして行うようにしましょう。
身振り手振りを使いながらの会話のコツ
身振り手振りを使って会話をする時、あまりにオーバーで大きな動きをしてしまうと、不自然に見えてしまったり、大袈裟な人だと思われてしまったりする可能性があります。身振り手振りを使った会話をする時、不自然に見えないようにするにはどうしたらいいのでしょうか?いくつかコツがあるので紹介します。
明るく笑顔
会話において身振り手振りの使い方として、明るい笑顔を意識すると、相手にいい印象を与えやすくなるでしょう。笑顔とは「私はあなたに敵意がありません」という意味を示すポーズだと言われています。
人間がまだ猿と同じ仲間だった時代、言葉を持たない我々の祖先は歯を見せて、相手に自分は味方だと示す使い方をした名残だと言われています。
営業スマイルのように張り付いた笑顔は問題ですが、無表情の人より笑顔の人のほうが、相手は良いイメージを持ちやすいと言われています。笑顔はそれだけで、本能的に相手に安心を感じさせやすい、身振り手振りの1つと言えるでしょう。
顔の前で手を組む
よく、祈る時に顔の前で手を組み合わせます。このしぐさをするのは「私はあなたを信頼しています」という心理からと言われています。
こうしたしぐさをすると、話相手も「自分を信頼してくれるんだな」と思ってくれるので、話をしていて気分が良くなることでしょう。しかしお客の前で肘をついているのは、失礼になります。時と場合を考えて、使い分けましょう。
この種類の身振り手振りは、友人や恋人の話を聞く時に用いる使い方がいいでしょう。友人や恋人が真剣な話をしている時、このしぐさをしていると、相手は自分の話を真摯に聞いてくれていると感じることができるでしょう。
強調の場面で動く
身振り手振りを話をしている時にする時、何か強く訴えたいことがある場合、その強調したいところで大きな身振り手振りをする使い方をしてみましょう。
たとえば伝えたい事柄が5種類あった時、手を広げて5の数字を作り、1つ1つ指折り数えながら説明していくと効果的と言えるでしょう。人間の言葉は聴覚による情報ですが、意外と視覚による情報に頼っています。
特に相手の記憶に残したい種類の情報の場合、視覚情報を与えてインパクトを持たせると、会話がうまく弾むことでしょう。
大げさな動作
人は、自分がどう動いているのか、自分で見ることはできません。話をしている時も、自分がどういう表情をしているのか、人からどう見えているのかはわかりません。
大きな身振り手振りをしているつもりでいても、相手から見たら、あまり大きな動作には見えない場合も多いでしょう。
そのため、身振り手振りで相手に思いを伝えたい場合、少し大袈裟なくらいに表現をすると、ちょうどいい場合が多々あると言われています。
「身振り手振り」は体の動作による意思表示
身振り手振りという言葉の意味から、言葉の使い方、実際の身振り手振りの使い方などを見てきました。さらに身振り手振りの大きい人の心理から、実際にどのような使い方ができるかなど考察してきました。
身振り手振りを使って話をすると、会話の説得力や、情熱、熱意が伝わりやすいといえます。したがって、ビジネスシーンでうまく活用すると、相手に好印象を与えます。
その結果、仕事の成果が上がる場合もあります。身振り手振りの使い方をよく考えて、有効に使っていきましょう。