何も考えたくない時は?
今まで生きていた中で一度くらいは「何も考えたくないな」と考えたことがありませんか?嫌なことがあったり、疲れていたり、悲しいことがあったりと、心理的に大きなダメージを受けてしまったときには特にそう感じるかもしれません。
それでも、やることはたくさんあるので「やる気を出さないといけない」という気持ちはあります。それでも、その気持を上回るほどの「何も考えたくない」と思う気持ちを感じてしまった時にはどうすればよいのでしょうか?そもそも、そう感じてしまう原因や対処方法、また、自分ではどうにも出来ないときにどうすれば良いのかを考えていきましょう。
何も考えたくない時の心理
まず最初に考えるのは「何もしたくない」と感じているときの心理状態です。一言に「何もしたくない」と言っても、その裏側にはいろいろな感情が含まれています。
それは大きな一つのことかもしれませんし、小さな気持ちが複数個絡み合って「何も考えたくない」という心理状態にしているかもしれません。まずは、どのような気持ちが原因で「何も考えたくない」という心理になりやすいのか見ていきます。
①現実を見たくない
何も考えたくない時の心理1つ目は「現実を見たくない」という気持ちです。社会で生活していくなかで、私たちは様々な現実を目の当たりにします。それが、自分に直接関係することもありますし、直接は関係しないものもあります。
現実逃避は寝るのが一番と考えている人もたくさんいますし、実際、に一晩寝ると、深刻と思っていたことが、実はそれほどでもなかったことに気づくという場合もあります。しかし、受け入れる側のキャパを越えてしまうと、現実を見たくないという気持ちが「何も考えたくない」という気持ちの引き金になることがあります。
②一人になりたい
何も考えたくない時の心理2つ目は「一人になりたい」という気持ちです。他人との関わりも社会で生きていく中では必要になってきます。それでも、気持ちが混乱していたり、とにかく辛いときに「心を一旦リセットしたい」と思い、その結果として「一人になりたい」という気持ちになってしまいます。
心をリセットするのに、一人になる時間そのものは決せて悪いわけではありませんし、実際にそれで心理状態もリセットができることもあります。しかし、ずっと「一人でいたい。何も考えたくない」状態が続くと、生活や体に支障も出てくるので注意したいところです。
③話しかけられたく無い
何も考えたくない時の心理3つ目は「話しかけられたく無い」という気持ちです。これも「一人になりたい」ときと似ているかもしれません。本来、誰かとの会話は落ち込んだ気持ちを回復させてくれますし、やる気も戻してくれる効果があります。
しかし「何も考えたくない」という心理状態になっている場合、既にたくさんの情報や言葉で心が押しつぶされてしまい、辛くなっている状態であることが多いため、これ以上いろいろな情報を入れないように「話したくない。なにも考えたくない」となってしまいやすくなります。
④どこか遠くへ行きたい
何も考えたくない時の心理4つ目は「どこか遠くへ行きたい」という気持ちです。一人になりたいという気持ちや誰とも話したくないという気持ちに比べると、外に目が向いているので積極的な見方ができているように思われがちです。
しかし、「現実を見たくない」という気持ちは強く、自分の努力ではどうにもならない。このままでは逃げ道がないのだから、自分がそこからいなくなれば解決するという思いで「遠くに行きたい」と考えてしまっているとあまり良い状態ではありません。
⑤自分だけ問題を抱えている様に感じる
何も考えたくない時の心理5つ目は「自分だけ問題を抱えている様に感じる」という気持ちです。これまで見てきた「何も考えたくない気持ちの心理」全てにも言えることですが、自分の辛い気持ちを誰にも共有ができないときに、心のキャパを越えてしまいます。
自分のこの辛い気持ちなんか誰も聞いてくれないし、もし、この気持を誰かに言ったらもっと自分が辛い思いをするかもしれないと考えた時、負の心理状態がよりマイナス方向にすすんでしまいます。
何も考えたくない時の原因
何も考えたくない時の心理状態を、代表的な5つのカテゴリーに分けて紹介してきました。では、このような心理状態になってしまう原因にはどんなことがあるのでしょうか?「どういう時に何も考えたくないなと感じましたか」と聞けば様々な回答を得ることができますが、ここではその中でも特に多いとされる3つの点を取り上げます。
また、人の体と心は密接に繋がっていることは、様々な研究でも明らかにされてきていますが「何も考えたくない時」も心だけでなく体の状態も関係していることにも注目してみましょう。
①やる事が多い
やることが多すぎると、最初に持っていたやる気も徐々に薄れてしまい、なにか追われているように感じるのに、何の達成感も感じられず、結果として辛い気持ちになったり、何も考えたくないという心理になってしまいやすくなります。
また、たくさんのやる事に対処するために挙げられるのが「寝る時間」です。少し昔は「寝る時間を惜しんで」という言葉に頑張っているイメージがありましたが、寝る時間は心と体を回復させるためにとても重要な時間です。
もし、寝る時間が削られれば体力も回復しきれず、やる気もでないため、やる事が終わらず、さらに寝る時間を削るという悪循環になってしまうかもしれません。
②仕事による肉体的な疲れ
やることが多くなる原因といえば「仕事」もあるかもしれません。最近では働き方改革が推奨され、勤務時間そのものは短くなったのに、仕事の内容は変わらないために、常になにかに追われているように感じ、それが原因となり「何も考えたくない」という心理状態に追い込まれてしまうことがあります。
また、子どものいる家庭であれば、自分たちが務める会社での仕事に加えて、食事や家の掃除、また保護者として学校行事への参加など、やることは次々にあるのに、休む暇がなく、365日働き続けるような気持ちになってしまうことがあるかもしれません。
それらの影響が一番最初に出てくるのが、肉体的な疲れです。寝る時間をとっているのに体が重かったり、疲れが抜けていないような感覚になってきたら、要注意です。そこで抑えられる人もいますが、より悪化すると今度は心に影響がでてきてしまいます。
③恋愛による疲れ
心に大きなダメージと影響を与える原因としても上位に上がるのが「恋愛による疲れ」です。付き合いはじめる前や、付き合ってすぐのころは、楽しさやうれしさで、やる気も高く、幸せな気持ちで寝ても覚めても相手のことを考えてしまいます。
しかし、月日が立ち、相手の悪いことが見えてきたり、すれ違いが多くなったときに、それまで幸せだった分を取り返しに来たかのように、落ち込んでしまうことがあります。
それに加えて、別れてしまったときなどは、男女で多少の差があるにしても、心に大きなダメージを受けてしまい、何も考えたくない、誰とも話したくないという感情に襲われてしまいます。
そのような心の大きなダメージに対処するめ、時として暴飲暴食につながることだけでなく、自分の体を傷つける行為に発展してしまうこともありますので、恋愛が心に与える影響も甘くみないように気をつけましょう。
何も考えたくない時の寝る以外の対処法
ここまで「何も考えたくない時」の心理や原因を考えてきました。また、その心理状態が体にも影響を及ぼしたり、反対に体の調子が心理状態に影響を及ぼすこともあります、
それでここからは「何も考えたくない時」にできる対処法を紹介していきます。寝ること以外にも、元気になるためにできることはいろいろあります。
①適度な運動
どんなことにも適度な運動は効果的です。それは「何も考えたくない時の対処法」も例外ではありません。「一人になりたい」「誰とも話したくない」と思っていても、少し頑張って外へジョギングをやりに行くとか、サイクリンに出かけるなど、体を動かすことで沈んだ心理状態を持ち上げることができます。このとき、一人でできる運動がおすすめです。
また、運動をする時は周りの安全には気をつけながらも、あまりいろいろ考えず、ただ運動をすることだけに集中するようにしましょう。何も考えたくないと思わせてしまう原因から少しの間でも意識をそらす事ができるだけでも、大きな効果があります。
②自分を追い込み過ぎない
何も考えたくない時に絶対やってはいけない対処法が、ひとりで現状のことを考えて、こうなってしまった原因や後悔、また、これから起きるかもしれない最悪の事態を考え続けることです。心が「何も考えたくない」と思っているのに、それをあえて持ち出してしまえば、心理状態は悪くなります。
反省をすることは、次に失敗をしないために大切なことですが、自分を追い込むためのものではありません。そのためにも、とにかく別のことに気を向けるように心がけることが大切です。
③日光に当たる
運動が苦手であれば、とにかく日光にあたるというのも何も考えたくない時の対処方法として効果があります。日光は自律神経を刺激するので、体内リズムを正常に戻すと共に、免疫力のアップ。そしていちばん大切な、精神を安定させる働きをします。
この精神を安定さる働きをするのが「セロトニン」という神経伝達物質です。これが日光によって活性化することで、感情のバランスを整えてくれます。日光に当たることは、うつ病の治療や予防としても推奨されています。
ここまで、何も考えたくない時の対処方法を見てきました。辛いことを忘れるには寝るのが一番という考えもありますが、あえて活動をしたり自然の力を借りることで、より前向きな気持ちをもてるようになることが期待できます。
何も考えたくない時にやる気を出すコツ
「何も考えたくない時の対処方法」を考えてきましたが、もう一歩先に進んで、何も考えたくない気持ちを「やる気」へと変えていく方法を考えていきましょう。
もちろん、無理に「やる気」を出そうとしても、気持ちだけでは空回りをして、より悪化してしまうことがあります。対処方法で紹介したのは、短期でできることですが、それを「やる気」に変えていくには、焦らず長期的に進めていくことが大切なようです。
また「何も考えたくない時」が訪れる前にも実践しておくことで、予防にもなりますし、やる気もその分出しやすくなるので、常に意識しておくと良いかもしれません。
①規則正しい生活
学生の頃、何度も「規則正しい生活をするように」と言われた思い出があるでしょう。規則正しい生活が体の健康に良さそうなのは、なんとなくわかりますが、それがやる気にもつながるのでしょうか?
実はしっかり関係しています。規則正しい生活は、十分な睡眠もとれますし。同じ生活サイクルで過ごすことで、時間も効率的に使うことができるようになり、心にも良い影響を与えます。そして、体も健康になるので、結果として、やる気も出しやすい状態になります。
②自分にご褒美
頑張り過ぎや、誰にも認められないと感じて「何も考えたくない」という状態になっているのであれば、自分のためにご褒美を準備するのも良い方法です。
ご褒美の内容は何でも良いです。大好きなものを食べに行く。旅行に出かける。一日好きなことをする。買い物をするなど、とにかく「何も考えたくない」と考えてしまう原因を忘れられるようなことをするのがおすすめです。
しかし、気をつけなければ行けない点もあります。中でも多いのが、自分のご褒美として、たくさんの物を買ったり、高価なものを買ってしまうなど「お金を使うこと」をご褒美としてしまう状態です。
お金は有限です。それを越えて使ってしまえば当然、負債が残ります。同じような理由でギャンブルも自制が効かなくなってしまうと、より自分を苦しめてしまうことにつながってしまいます。
③スケジュールを立てる
時間に追われている。やることが多い。そのような状況に押しつぶされて「何も考えたくない時」が来てしまったら、改めてスケジュールを立て直すことで、やることの整理ができ、沈んだ気持ちを回復させることができます。
「何も考えたくない時」が来る前にもスケジュールは立てていると思います。しかし、その時にできた量と「何も考えたくない時」が来てしまったあとでは、こなせる仕事量も変わっています。
それで、再度スケジュールを調整して、もし先に延ばせるものは伸ばす。誰かに頼めるものは頼むなど、自分の負担を減らすことで、やることを消化することができ、徐々にやる気も出てくるようになります。
④あえて何もしない
ここまでは、何か行動をすることで、辛い気持ちの原因から視点をそらす方法を考えましたが、どうしても、なにもする気が起きない場合には、あえて何もしないという方法もあります。
「何も考えたくない時」に何もしないと言っても、落ち込みの原因を考え込んだり、自分を責める時間にすれば良いというわけではありません。
例えば、日向ぼっこをしながら好きな音楽を聞くなど、心と体をリラックスさせることを心がけましょう。心と体がリラックスできれば、心も回復するので、辛い思いも軽くなり、やる気も湧きやすくなります。
何も考えたくない時にしてはいけない事
「何も考えたくない時」にできる対処方法や、やる気に変える方法を見てきましたが、ここからは「何も考えたくない時」にやってはいけないことを3つ考えていきます。
どれも、心が辛い時についやってしまいがちなことです。実際、やっている最中は辛い気持ちの原因をわすれられるので、消極的な気持ちにうまく対処できたような感覚になりますが、その後に結局辛い思いが戻ってきてしまったり、場合によってはより悪化してしまうことになる場合もあります。
①充実した友人と遊ぶ
辛い時にはその気持を友人に打ち明けることで楽になれるということは、よくあります。実際、悩みや思っていることを誰かに相談することで、直接の解決にはならないにしても、心の荷を軽くするのには効果があります。
しかし、注意したいのが、相談している相手が充実している毎日を送っていて、それを感じてしまった時に「自分だけなんでこんな辛い思いをしないといけないのか」と比較して追い詰めてしまうことです。もちろんその友人にはなんの悪気もありませんが、無意識でも自分と比較してしまい、より落ち込んでしまうこともあります。
②仕事に没頭
「何も考えたくない時」にはあえて仕事に没頭することで、辛い気持ちを忘れるという方も多いのではないでしょうか?こういう時に限って、仕事もたくさんあり、しかも仕事スピードもあがるように感じるので、一石二鳥と考えてしまいがちです。
しかし、忘れてはいけない点として「何も考えたくない時」というのは心や体がなにかのSOSサインを送っているときです。そのタイミングであえて仕事によって心と体にダメージを与え続けてしまえば、疲れきってしまうのは容易に想像がつきます。
③お酒を飲む
「何も考えたくない時や辛い時にはとにかく飲んで忘れよう」という考えもあります。たしかに、お酒を飲むと辛い気持ちを和らげることができますし、友人と話しながら飲むお酒はとても美味しく、心の荷を軽くしてくれるように感じます。
しかし、お酒の力だけでは心の疲れや体の疲れを回復させる事はできませんし、そのような時にお酒を飲むと、飲み過ぎる傾向にあるため、その後にダメージとなる場合があります。辛い時にお酒を飲むことそのものは悪くありませんが、飲む量や飲み方には十分に注意をしたいところです。
何も考えたくない時は鬱の可能性
一時的に「何も考えたくない時」は誰にでもありますが、それが長引く続くようだと「鬱(うつ)」になってしまっているのかもしれません。鬱になってしまうと、自分だけで対処していくことはとても困難になるので、なるべく早く専門の医療機関に相談することが勧められています。
しかし、実際に受診するとなると躊躇してしまうのも事実です。ですが、鬱は誰にでもなる可能性があります。「自分は大丈夫」「鬱なんて甘えだ」と考えるのではなく「条件が揃えば自分にも可能性がある」という認識をもつことが大切です。
うつ病は気分が沈み辛い状態が続く
うつ病は、脳内の神経伝達物質であるセロトニンやドーパミン、アドレナリンが減少するなどして起きてしまいます。
それらの神経伝達物質は感情に影響して、辛い気持ちがいつまでも続いてしまったり、しっかり寝ることができない。また、寝る時間が過剰に増えてしまう。さらに、生活そのものにも支障がでてしまうために、より悪化してしまうという悪循環を生み出してしまうことがあります。
長引く場合は病院へ
辛い期間が長かったり、疲れているのに寝ることができないことが続いている場合には。早めに病院で診てもらうようにしましょう。どこかが痛いとか怪我をしたというわけでもないのに病院に行くのに抵抗があるかもしれませんが、早めに治療ができれば回復も早くなります。
うつ病の治療は症状によっても変わってきますが「休養」「薬物療法」「精神療法・カウンセリング」の3つを基本に進められます。受診する診療科は「精神科」や「精神神経科」ですが、最近では「メンタルクリニック」のような看板を出している医療機関もあります。
何も考えたくない時には適切な対処をしよう!
ここまで「何も考えたくない時の対処法や心理」また「寝る以外の方法や辛い時の乗り越え!」について考えてきました。
社会の中で生活していると、思い通りにいかなかったり、自分の限界に直面して落ち込んだりすることがありますし、それが原因となって「何も考えたくない」「辛い」という感情に押しつぶされそうになってしまうことがあるかもしれません。それでも、原因がわかればそれに応じた対処ができ、乗り越えることができます。
また、自分の力だけではどうにも出来ないと思ったときには専門家の助けを借りることもできます。心の状態は体にも影響するので、しっかり向き合いながらも。考えすぎず、上手にやる気へ変えていきましょう。