生存者バイアスの意味を徹底解説!認知バイアスとの違いや使い方の例は?

生存者バイアスの意味を徹底解説!認知バイアスとの違いや使い方の例は?

ビジネスや日常の出来事を分析するときに、敗者が評価されないことによって起こりがちな生存者バイアスとはどんな意味の言葉なのでしょうか?生存者バイアスの例と認知バイアスなどその他の心理バイアスとの違いも合わせて解説。生存者バイアスを避ける方法も解説します。

記事の目次

  1. 1.生存者バイアスとは?
  2. 2.生存者バイアスが発生する理由
  3. 3.生存者バイアスの代表的な例
  4. 4.生存者バイアスと認知バイアス
  5. 5.生存者バイアスと認知バイアスの違い
  6. 6.生存者バイアス対策方法
  7. 7.バイアスは「悪いこと」なのか
  8. 8.生存者バイアスとは勝者の意見に偏ること

生存者バイアスとは?

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現代の様々な問題について、例えば「昔の子供は強かった」、「私が〜をしたのに」など自身の体験談を元にした意見を聞いたことがあるひともいるでしょう。それに対して、「その意見は生存バイアスだ!」という反論を聞いたことがある人もいるでしょう。

さて、これら生存者バイアスとはどんな意味で、なぜバイアスが生まれてしまうのでしょうか?ここでは様々な生存者バイアスの例や認知バイアスとの違いなどとともに解説をしてゆきます。

「生き残ったものだけが評価される」状況

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生存者バイアスとは、「生き残った物だけが評価される」ために、得られたデータの偏りによって発生する誤った判断のことを表す意味の言葉です。

教育や成長など様々な事柄には、適応して成功した生存者と適応できずに生き残れなかった敗者が存在します。そして、生き残ったものには実績や権威がつきやすく、さらにマスメディアなどで意見を発表する機会が多かったり、次世代に自分の経験を伝えられたりするのに対し、敗者は自らの失敗経験を誰かに伝えることができません。

そのため、例えば、あるゲームに参加した全体のうち、敗者の方が圧倒的に多数であったとしても、そのデータは「なかったこと」になり、少数の生存者のデータのみが評価されてしまいます。こうして生存者バイアスが発生してしまうのです。

そもそもバイアスとは?

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そもそも、バイアスとはどんな意味の言葉なのでしょうか?バイアスとは「斜めに切ること」という意味の言葉です。

ただし、日常的にはバイアスというと、意見の偏りがある状態という意味で使われたり、〇〇バイアスのように心理学の用語として使われたりします。様々な状況での判断や意見の偏りのこと、という意味と言っても良いでしょう。

生存者バイアスが発生する理由

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人が生活してゆく上で、教育や成長など様々な事柄に対して判断したり、意見を持ったりすることが求められます。その時、できるだけ正しい判断や意見を持ちたいと思うのは当然のことです。

そして、教育や投資など様々なことについて、成功した例や失敗した例の情報を集めて客観的に判断しようとするでしょう。

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しかし、皆さんが考えている以上に「客観的」に物事を見て判断するのは難しいことなのです。人間は心理的に自分と一致しない意見や考え方を取るに足らないものとして評価しがちですし、敗者よりも成功者の意見を重要視して考えてしまいます。

さらに、生存者バイアスの場合、ある出来事に関するデータを集めた際に、集められたデータそのものに偏りが発生していることが原因で起こります。

このデータの偏りはある出来事に関わった人のうち、敗者がいなくなったことで、生存者が持ち帰るデータのみが集められることで発生します。それ以外にも、人間の様々な心理バイアスが原因となって生存者バイアスが起こるのです。

成功者を信じがち

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生存者バイアスが発生する理由の一つは、成功者の意見を信じがちになってしまうことです。「その成功者の意見が優れている」と感じてしまいがちですし、当然、成功者は権威や実績を持っていますから、ますますその意見に信憑性があるように感じられるのです。この傾向は心理学で「認知バイアス」と呼ばれます。

さらに例えば副業や投資・スポーツなどの成功者はメディアに取り上げられる機会が多かったり、自分自身を積極的に売り込んだりして、自分の成功が他の人の目に触れやすい環境にいることが多いです。

こうして、成功者の意見に信頼性が持たれ、さらに、それが一部の成功者の意見であっても何度も見聞きすることで、まるで全体がそうであるかのように錯覚してしまうのです。

敗者の意見は信頼性がない

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人間の心理として成功者の意見が信頼されがちになるのに対し、敗者の意見は信頼性がないものとして受け取られがちです。成功者が実績や権威をもち、メディアなどで取り上げられる回数も多いのに対し、敗者には当然、権威や実績はありませんし、敗者の意見が取り上げられる回数は成功者と比べて多くはないでしょう。

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その上、成功者はある業界にとどまって、意見を発信し続ける一方、敗者はその業界から去ってしまうという現象も投資の世界などでは良く起こる出来事です。

実際にはほとんどおこらない特殊な経験でも、特殊な経験をした人間だけが生存者として集まるため、まるで、特殊なことが当たり前に起こるかのように見えてしまうのです。

さらに人間は、「自分は大丈夫」という考え、心理学では正常性バイアスと呼ばれる認知バイアスを持っています。敗者の意見を見たときにも「自分は敗者とは違う」と考えてしまうわけです。

生存者バイアスの代表的な例

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ある判断に使われたデータそれ自体が間違っていた、ということはどうしても発生してしまう現象です。体罰やスポーツ選手の年収のように、世間で一般的に言われていることや、インターネットでよく見られる意見にも、生存バイアスが影響しているであろう意見がたくさん見られます。ここではそんな生存者バイアスの代表的な例を紹介していきます。

体罰は効果的

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体罰に効果があると考えてしまうのは認知バイアスの一つです。実際には体罰によって効果があり、成功できた人間と体罰が原因となり失敗してしまったり、精神的な病気になる、最悪の場合死んでしまったりした人間の2通りがあります。

ただし、体罰を受けて失敗し、例えば自殺してしまった人間は、「体罰に効果がない」という意見を、自分以外の人に伝えることができません。

例えば、スポーツの場合、体罰を受けても成功した人間はスポーツを続け、スポーツを指導する側になるなどスポーツと関わり続ける一方、体罰に耐えられなかった人はスポーツを辞めてしまうでしょう。その結果、スポーツを指導する側には体罰を受けて成功した人しか残らず、体罰に効果があると考えてしまうのです。

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最近では、ニュースで体罰による自殺や精神的な苦痛が取り上げられる機会が多くなり、インターネットの発達で、権威や実績のない、いわゆる「体罰による敗者」側が意見を伝える機会も多くなりました。

体罰に効果がある、という意見は、敗者側の意見が取り上げられなかった時代に発生していた生存者バイアスの代表的な例といえるでしょう。

スポーツ選手の年俸は高い

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スポーツ選手の年収が高い、というのは生存者側が過大評価された結果起こる生存者バイアスです。

例えばアメリカのプロ野球には大リーグから下のリーグまで選手層は幅広く、何億円という報酬をもらう選手がいる一方、副業で生計を立てている選手まで様々な選手がいます。しかし、テレビで頻繁に取り上げられるのは、トップ層である大リーグの有名選手に限られてしまいます。

成功したスポーツ選手という印象に残りやすいイメージが何度も取り上げられる一方、そうでない選手は印象に残りませんし、その存在を見聞きする回数も少ないのです。結果として、スポーツ選手は年収が高いというイメージができてしまいます。

投資は儲かる

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「投資をすれば儲かる」・「この金融商品を買えば儲かる」というのも生存者バイアスである可能性が高いです。

投資は成功者が莫大な利益を出す一方で、投資に失敗した結果、投資ができなくなる、投資をやめてしまう人が多く出るという非常に競争が激しい世界です。

投資をして儲かった人だけが投資を続け、損をした人は投資をやめてしまいますから、投資をし続けている人がある程度、利益を出し続けられている人なのは当然です。そして、人間は「投資は儲かるものだ」と考えてしまうと、なかなかその考え方を変えられません。

起業すれば儲かる

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起業すれば儲かるというのは、生存者が過大評価されると同時に、敗者が無視されて起こる典型的な生存者バイアスです。

起業で成功した、起業で儲けた、という人がマスメディアに登場することがよくありますが、このように成功してメディアに取り上げられている人は全体からみればごくわずか、という場合が多いです。実際は上手く行かなかったり、成功してもそこそこの業績の人が多いのではないでしょうか?

起業して成功するかどうかは、本人の努力以外にも、世界的な技術や経済の発展状況、起業した会社の仕事内容に需要があるかなど、様々な要素によって左右されます。自分の意見がバイアスに左右されていないかをよく考えるようにしましょう。

フリーランスは気まま

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フリーランスになれば自由気ままな生活ができる、というのは生存者バイアスに加えて様々なバイアスによって生まれてしまう思い込みと言っても良いでしょう。

当然、フリーランスとして仕事を始めた人のうち、有名なイラストレーターやブロガーのように自由に見える生活を謳歌できるようになった人はほとんどいないでしょう。さらに、フリーランスの人たちの生活のうち、私たちが見られる「華々しい生活」の裏には取り上げられることのない努力や苦労があるはずです。

競争が激しく、トップ層が華々しい生活を謳歌する一方、敗者がすぐに脱落し、そこから消えてしまうような業界に関する情報は特に生存者バイアスが起こりやすい環境と言って良いでしょう。

ユーチューバーは気まま

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子供たちの憧れの職業の一つにもなりつつあるユーチューバーは、「好きなことをして生きてゆく」というキャッチフレーズの通り、気ままな生活であると誤解されがちです。

ユーチューブでは再生回数が多い「おもしろい」チャンネルは検索でも上位にくるなど、さらに再生回数が増えやすい環境にある一方、「面白くない」と判定されてしまったチャンネルは再生されること自体が少なくなってしまいます。

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結果、成功したユーチューバーが目につきやすくなる一方、そこそこの成功しかしていないユーチューバーに注目が集まる機会は少なくなってしまいます。

さらに、ユーチューブで見られるユーチューバーの生活は、彼らの生活の一部でしかありません。気ままに見えるユーチューバーは全体のうち一部であることを忘れないようにしましょう。

生存者バイアスと認知バイアス

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生存者バイアスとともに、人間の認知を歪めて誤った結論や行動を作り出してしまうバイアスを認知バイアスと呼びます。偏った意見は、生存者バイアスや認知バイアスなど様々なバイアスが複雑に作用した結果起こることなのです。ここでは様々な認知バイアスとその意味、そして、代表的な具体例を解説、紹介してゆきます。

認知心理学・社会心理学などの観察者効果の一種

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認知バイアスとは、人間の判断や考え、先入観によってデータの受け取り方や観察結果が変わってしまうことによって起こるバイアスです。

人間は、データや観察結果から、判断を行う、と考えられがちですが、実際は、ある判断や考え方、思い込みによって重要なデータが無視されたり、どうでも良いデータが過剰評価されたりといったバイアスが発生します。ここでは、人間の先入観や考え方が原因で起こる様々な認知バイアスについて紹介します。

認知バイアス①後知恵バイアス

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認知バイアスの一つ、後知恵バイアスとは、ある出来事が起きたあとから、それが予測可能であったかのように考えてしまうという意味の心理バイアスです。

例えば、交通事故が起こった後で、「どうしてガードレールを設置しなかったのか」という意見があったとします。実際に、事故前にガードレールがあれば事故は防げたでしょう。しかし、事故が起こる前には、これまでの事故の傾向を分析した結果や、より危険な道路へのガードレール取り付けが優先されていた結果、ガードレールがなかったのかもしれません。

人間は、結果論や犯人探し的なわかりやすく、納得しやすい結末を求める傾向にあります。後知恵バイアスはそういった心理が原因で発生するバイアスと言って良いでしょう。

認知バイアス②正常性バイアス

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認知バイアスの一つ、正常性バイアスとは、自分へのリスクを過小評価してしまったり、都合の悪い情報を無視してしまう、という意味の心理バイアスです。

このバイアスは、日々変化する出来事に左右されずに日常を送るために生まれた必要なバイアスと言っても良いでしょう。ふと街で聞いたパトカーのサイレンで、「大事件に巻き込まれるかもしれない」と心配していたら、精神的に疲れてしまうでしょう。

しかし、これが行き過ぎると例えば、火災が起きているのに、周りが避難していないから、という理由で誰も避難しようとしない、という現象が起きてしまいます。

認知バイアス③確証バイアス

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心理学の確証バイアスとは、一度自分が行った判断を変えられず、それに反するデータを無視してしまうという意味の認知バイアスです。

投資は儲かる、という考え方を持ってしまうと、投資で儲かった人の情報のみを手に入れ、投資に失敗して人のことは無視したり、特殊な例として過小評価してしまう、というのは、確証バイアスの代表的な例です。

生存者バイアスと認知バイアスの違い

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ここまで、二つのバイアスの意味と具体例を紹介してきました。実際は、複数のバイアスが複雑に作用して、偏った意見や認知を生み出してしまうことがわかるはずです。これらの認知バイアスと生存者バイアスはどちらも人間の心理につきもののバイアスですが、認知バイアスと生存者バイアスにはどのような違いがあるのでしょうか?

生存者バイアスは敗者が無視されること

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生存者バイアスとは、敗者が無視されることによって起こるバイアスです。手に入れられたデータそのものが偏っていたことによって起こるバイアスという意味で考えても良いでしょう。生存者バイアスは、客観的な判断を行うためのデータそのものが偏っている上に、偏っていることがわかりにくい非常に厄介なバイアスです。

認知バイアスは人の記憶・認知の誤り

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認知バイアスは、人間の持つ記憶や認知の誤りのことです。人間の心理として、一度判断をしてしまったり、先入観を持ってしまうとなかなかそこから抜け出すことができません。

生存者バイアスは、生存者のデータのみが集められて起こるバイアスであり、発生原因がデータの受け取り手ではないバイアス、認知バイアスは、受け取り手の判断によってデータが歪められてしまうことによって起こる、発生原因が受け取り手にあるバイアスとして区別しても良いでしょう。

認知バイアスとは?種類・身近な例・対策・行動心理など徹底解説! | 副業・暮らし・キャリアに関するライフスタイルメディア
韓国では国民の約9割が認知バイアスを持っていると言われています。認知バイアスとは思い込みや偏見のことです。例えば、仕事で失敗した時「なんでこうしなかったんだ」と思った経験はありませんか。この記事では認知バイアスの種類や対策について紹介していきます。

生存者バイアス対策方法

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人間につきものの生存者バイアスを避ける方法とはどのようなものでしょうか?ここではその対策例を紹介します。生存者バイアスは、一部の例を全体と勘違いしてしまったり、判断のためのデータそのものが偏っていることから発生します。このバイアスを避けるためには受け取る情報の偏りを減らす、統計を意識することが大切です。

期待値を意識

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期待値とは確率の用語で、「ある確率の物事を行ったときにその結果として得られる数値の平均」を意味する言葉です。例えば、100円のコインを投げ、裏が出れば100円をもらえる時、期待値は50円となります。このように、得られる数値の平均×それが起こる確率という計算を行うことで期待値を計算できます。

実際の生活では正確に期待値を求められない場合の方が多いでしょう。ただしその場合でも、成功者と敗者のデータを見て、期待値を推測することはできます。

そして、実際に投資や宝くじに参加する場合は、自分の努力や工夫などで成功確率をあげられるかどうかや、これぐらいの損であれば大丈夫という損の許容範囲を決めていくことで失敗する確率を減らし、また、失敗したときのダメージを抑えられます。

確率・統計を意識

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期待値の意識、と共通しますが、確率や統計を意識するのも重要です。しかし、生存者バイアスの場合、例えば先ほどの投資の例のように得られたデータ自体に偏りがある場合もあります。データに書かれていることだけでなく、書かれていないことを意識するのも大切です。

特に自分の体験談や身近な人、有名人の体験談は信ぴょう性があるように感じられる一方、統計的にみれば非常に特殊な例、すなわち「外れ値」である可能性が否定できません。

自分の体験談や身近な人の体験などをもとにある判断や考え方をする場合、実は全体からみればごく一部の特殊な例なのではないか?と疑ってみることも大切です。

自分のコミュニティを過信しない

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得られたデータや見聞きしたこと自体に偏り発生してしまうために起こるバイアスを避けるためには自分の参加するコミュニティを過信せず、自分とは違った意見に対しても耳を傾けることが重要です。

特にSNSなどでは、自分と共通する意見を発信するアカウントをフォローしがちになるなど、多様な意見が失われがちです。

人は自分の考えと一致する意見を重要視する一方、そうでない意見を間違ったものとして過小評価するバイアスが存在します。反対意見に耳を傾けることは難しく、自分の間違えを認めるのは恥ずかしいことと考えがちですがバイアスを避けるためにも自分のコミュニティを過信しないことが重要です。

バイアスは「悪いこと」なのか

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人は気をつけないと様々なバイアスに影響されてしまいがちです。どうして、理性的なはずの人間がここまで様々なバイアスに影響されて、偏った意見を持ってしまうのでしょうか。そして、なぜ、人間はバイアスを持ってしまうのでしょうか?

もちろん、これらのバイアスに陥らないほうが良いですが、バイアスが生まれてしまうのは人間の特性と言っても良いことなのです。

バイアスは人間の心理的なメカニズムが原因で起こる

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理性でどんなことでも正しく判断できる、と考えてしまいがちですが最近の心理学では人間の判断にはそれ以前の直感や無意識的な部分が多く関わってきていることが明らかになっています。理性だけで判断しているように見えても実は無意識や直感などの「野生」的な部分が重要という考え方です。

ちょっとしたことを決めるために悩み続けたりしないため、人はいわば「ショートカット」というべき判断をよく行います。

つい最近、経験したことは昔の体験よりも良く覚えていられる、何度も何度も経験したことは一度限りの体験よりも良く覚えていられる。そんな、人間の心理のメカニズムや思考法からバイアスが発生してしまうのです。

バイアスはどうしても起こるもの

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バイアスはどうしても起こるものであり、無意味なものではありません。自然の中で生きていたときは、敗者よりも成功者の意見を聞いた方が生存に有利であったのは間違いがないでしょう、バイアスが何の得もない無意味なものであれば、人間は自然とバイアスを避けるように進化したはずです。

生存者バイアスとは勝者の意見に偏ること

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繰り返しになりますが、生存者バイアスとは敗者の意見が無視され、勝者の意見に偏ってしまうという意味の心理バイアスです。

そして、様々な心理バイアスはもともと、人間が生きていく上で意味のあるものであって、バイアスのない人間などいないこともわかったでしょう。

これまで見てきたように、世の中の意見には発言者のバイアスがかかっている例が数多く存在します。さらに勝者の意見に偏り、敗者の意見が無視されてしまう生存者バイアスに気付くのはとても難しいことなのです。自分の意見や考えと一致する「耳触りの良い意見」を目にした時こそ生存者バイアスのことを思い出して見てください。

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ライター

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