COOとはどんな役職?意味・定義・役割やCEOなどとの違いも解説!

COOとはどんな役職?意味・定義・役割やCEOなどとの違いも解説!

知っているようで知らないCOOという役職の意味、企業経営において求められる能力。CEOとの関係性や役割の違いを紹介。COOについての理解が深まり、名刺を見ただけで何に責任を持ち、どの様な能力に秀でた役職なのかがすぐに理解できる詳しい解説です。

記事の目次

  1. 1.COOとは最高執行責任者と訳される役職
  2. 2.COOは日本の会社法では定義できない
  3. 3.COOの具体的な仕事内容
  4. 4.COOと他の役職との違い
  5. 5.COOはCEOの決定を社員に伝える責任者

COOとは最高執行責任者と訳される役職

外資系企業が増えてきた昨今、3文字の英語で表記された経営者の役職名を見かけることが増えてきました。CEOやCOOなどが代表的例で、CEOが最高経営責任者であることはご存知の方も多いと思いますが、COOは最高執行責任者を意味することはご存知でしょうか。

数ある3文字英語の役職名のうち、COOに焦点を絞って紹介しますので、最後まで読み進めていただければ、COOに対する定義や理解を深めていただけます。

チーフ・オペレーティング・オフィサーという意味

最高執行責任者と訳されるCOOですが、この3文字の英語はChief Operating Officer(チーフ オペレーティング オフィサー)の頭文字であるCOOを並べた役職名です。

最高『業務』執行責任者と訳されることもあるCOOは、会社のNo.2のポジションと定義づけられることも多いようです。COOという役職の名刺を見た場合は、CEOに次ぐポジションと定義づけて良いでしょう。

ところで、CEOやCOO、CFOなどの役職名が入った名刺を受取る機会では、役職名を見ただけで、会社経営において何に責任を持つ役員なのかが一目でわかるという点では、なじみ深い日本企業の役職名よりも合理的かもしれません。

いざCOOの名刺を受取った際に迷うことがないよう、COOについて詳細に解説していきます。また、CEOとの違い、関係性や、他の役職との違い、関係性についても紹介します。

COOとはCEOの決定を執行する責任者

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では、COOとはどのような役割をもつ役職なのでしょうか?名前のとおり業務執行に対する責任を持つ役職なのですが、もう少しわかりやすく説明しましょう。

COOとは、「CEO(Chief Executive Officer/チーフ エグゼクティブ オフィサー/最高経営責任者)が決定した経営戦略に基づき、実際に現場を取り締まる責任を持つ」役割を持った役職です。

COOは日本の会社法では定義できない

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ここまで、COOの意味や経営における役割を紹介してきましたが、実はCEOやCOOという役職は、会社法などの法律において定めがありません。その為、CEOもCOOも、各企業で地位や権限などを任意に定めることのできる役職名なのです。

ちなみに、日本企業でよく見かける「執行役員」という役職名も、CEOやCOO同様、これがどのようなものであるのかは、会社法などの法律において定めがありません。

定めがない為、実は、その法的地位や職務内容は不明確です。しかし、CEOやCOOを含め、これらの役職名が社会的に通用するためには、役職名が意味する共通認識がなければ、名前に意味がなくなってしまいます。

外国企業での使われ方が共通の定義

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では、CEOやCOOが意味する共通認識とは何でしょうか?これらの共通認識は、外国企業での使われ方に従った共通認識に基づいています。先に紹介したように、CEOは会社の経営方針を決定する責任者。COOは、CEOの決定した方針に従った業務執行をする責任者です。

ちなみに、『執行役員』は、外国企業で使われる『業務執行役員』を参考に、『取締役会の決定に基づき、特定の分野の業務執行を担当する役職』というのが共通認識になっています。

COOの具体的な仕事内容

CEOの決定に従った業務遂行が仕事であるCOOですが、COOの具体的な業務内容はどのようなものなのでしょうか。企業にはCFOやCTOなど様々な役割を持った役職者がいますが、その中で、企業のNo.2とも言われるCOOに求められる役割を更に掘り下げていきます。

社長の決定・発想を社員に伝える

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まずCOOは、CEOの決定に従った業務遂行の責任者ということからも、社長の決定や発想、いわゆる社長のビジョンを、他の役員を含めたすべての従業員に正しく伝えることが仕事になります。

もちろん、それを伝えることだけがCOOに求めらる業務ではありません。COOには、社長の打ち出した方針に沿った業務遂行がなされるよう、多様な知識と見識に基づいた判断、差配が求められます。

これだけでも会社経営にとって非常に重要な職務を担っているCOOですが、この重責を担うためには、様々な事への目配り、気配りと、適切な判断力が求められます。

そしてもちろんCOOには、各種業務において、様々なセクションの社員を指揮するための人格も求められる役職です。

経営リソースを最適に配置する

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企業にはCOOの他にも、CFO(Chief Finacial Officer/チーフ ファイナンシャル オフィサー/最高財務責任者)や、CTO(Chief Technical Officer/チーフ テクニカル オフィサー/最高技術責任者)など、それぞれのジャンルを専門とした責任者がいます。

専門性を持った役員とは違い、COOは専門性が必須ではありません。専門性が求められないからこそ、専門性を持った社内リソースを最適に配置することで、社長の方針に沿った業務成果が出せるよう、オペレーティング全体を把握し、成功へと導くことが求められます。

COOにはセクションとしての専門性は求められませんが、ある種、オールマイティな能力をまんべんなく保有したうえで、様々なリソースを動かすための視野、力量が求められますので、最高水準のゼネラリストと言い換えることができるかもしれません。

財務を見る

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COOは業務全体を掌握し、オペレーティングを最適化することが求められます。そのためには、自社の各事業の詳細を把握する必要もありますし、同時に財務状況を把握しておく必要があります。

COOが主導し社長のやりたいことを実現するために、COOは社のP/L、B/S、キャッシュフローを把握しておき、資金面でもどの様な打ち手をすべきかを念頭に指揮をとる必要があるからです。

他の役員のモチベーションを守る

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この様に、多岐にわたる業務領域に関与し、他の役員の陣頭指揮を執る役割を担う職務と定義されるCOOですが、COOには他にも、大事な業務があります。

それは、他の専門性を持った役員のモチベーションを維持することです。これはCOOだけではなく、部長等マネジメント職であれば全員が求められることです。

各セクションの責任者である他の役員のモチベーションは、担当セクションの全社員のモチベーションにも結実するため、社の業績にも直接的な影響が懸念されるので、COOにとって非常に重要な仕事です。

自身は専門領域を持っていない(こともある)COOだからこそ、各領域の専門性を持った役員や社員のモチベーションを高く維持し、有事の際の協力体制を強固にしておくことが必須要件になります。

COOと他の役職との違い

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最後に、CEOとCOOの役職の違い、それぞれに求められる役割の違いについて考えてみます。COOへの理解が深められるよう具体的なイメージも紹介しますので、更に理解を深めてください。

COOとCEOの違い

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CEOは企業の経営方針の決定を行う役職。そしてCOOは、CEOが決めた経営方針に沿って実際に業務を執行する役職。実際の業務における責任を背負い、CEOの経営方針を誰よりも理解している役職です。

CEOとCOOが互いの役割を明確にし、信頼することで企業の成長が成し遂げられると定義づけられます。

COOと社長の違い

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これまでCOOに注目してきましたが、より理解を深められるよう、具体的なイメージを紹介します。まず、ベンチャー企業の社長をイメージしてください。そして、その社長を補佐する役割としてのCOOをイメージしてください。

社長はエネルギッシュで、未来を見据えた「今までにないアウトプット」を発想します。このようなエネルギーを、未来を創造することに専念してもらうことが社の成長にとって最適な状況です。

COOは、社長がこの業務に集中できるよう、そして、社長のイメージ通りのアウトプットを世の中に送り出すための様々な過程を、社の専門性を持ったリソースを最適に配置し、財務面も含めて実現させるために働く存在。それがCOOなのです。

COOはCEOの決定を社員に伝える責任者

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COOの役割は、CEOの決定を社員に伝える責任者。ただ伝えるだけではなく、CEOの意思を正しく理解し、社員を導く伝道師でもあります。

COOは自社の多岐にわたる事業を理解するだけでなく、財務、法務、人事等を含めたすべての業務執行における責任者です。COOは、社長の右腕として、社の成長に欠かせない、最も責任の想い黒子であると言い換えることもできるかもしれません。

社長としてアイデアを発想することに自信がなくとも、業務遂行には自身のある方もたくさんいらっしゃると思います。オールラウンドに能力や経験を積み、社長ではなくCOOを目指してみてはいかがでしょうか。

Randkin
ライター

Randkin

世の中の様々な事に興味を持ち、自分から積極的に情報収集を行っています。読者の皆さんが、知っているようで知らない言葉や知識。今の生活がもっと便利になるアイデアをたくさん紹介していきます。

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