モラハラ夫に悩んでいませんか?
最近では、「~ハラスメント」という言葉をよく耳にするようになりました。ハラスメントは、簡単にいえば「いじめ・嫌がらせ」のことを言います。相手が不快に思う、精神的・肉体的に傷つけられるといったことをすると、ハラスメントに該当します。パワハラ・セクハラなどが有名でしょう。
モラハラもそのなかのひとつで、「モラル・ハラスメント」を短縮した言葉であり、倫理に反した言葉・自分勝手な正義感・配慮のない一方的な言葉で相手を深く傷つけ、精神的に追い込む行為や言動をいいます。
近年では家庭内で夫から妻に対するモラハラが問題視されています。家の中は、外から見てもどのような会話をされているのかわからず閉鎖された空間でもあります。そして家の中のことを友人に相談するの恥ずかしいと思っている妻も多いため、モラハラの現状が外にモレることが少ないのです。
そのためモラハラ夫は、外部からの目を気にすることなく自分勝手な主張や正義感を「正しいこと」として主張し、相手を追い詰めることができるのです。また、「その考え、おかしいよ」といえる第三者がいないのも、家庭内でモラハラが増える原因となっています。
そこで今回は、夫から受けるモラハラについて解説していきましょう。「夫にさからえない」「口答えすると追い詰められるほど反論がくる」などといった状況の人はいませんか?もしかしたら、それはモラハラの可能性があります。
モラハラ夫の特徴・対処法からモラハラ夫になってしまった原因など、詳しく解説していくのでぜひ参考にしてください。モラハラ夫にはあきらめず対処することが自分を守るためにも大切です。
モラハラ夫の行動・態度の特徴
夫からモラハラを受けている人の中には、自分がモラハラを受けているという自覚がないという方もいます。また、「モラハラかな?」と疑ってはいるものの、自分の考えが正しいのか判断ができない状況にまで追い詰められているという人もいるでしょう。
そこでまずは、モラハラ夫の特徴を見ていきましょう。モラハラ夫がとる行動や態度を解説するので、自分の夫はどうなのか確認してみてください。
自分の悪いところ認めない
モラハラをする人の一番の特徴は、「自分の非を認めない」という点があります。モラハラ夫も例外ではありません。どう見ても夫が悪いという出来事であっても、モラハラ夫は自分の非を認めたくないために、責任転嫁を始めます。
たとえば、数日前から今週の土日に家族で出かける約束をしていたとします。もしモラハラ夫がその約束を忘れて、自分の予定をたててしまってた場合でも、「何で確認しないわけ?」と自分が忘れていたことを棚に上げて妻を責めるのです。
ひどいときには、「お前が確認しないから悪い。自分の予定をさせてもらう」と家族との予定をそっちのけに自分のやりたいように動きます。
家と外では態度が違う
モラハラ夫の多くは、家と外での態度が違い体裁を気にします。家では横柄な態度を取ってた夫も、友人や知り合いの前ではよき夫を演じるのが上手なため、妻から見ると何が起こったかと驚くほどです。
良く気遣いができ優しい夫を演じるため、周囲からは申し分ない理想的な夫と映ることも珍しくありません。そのため、妻が愚痴や相談を周囲にしたとしても、理解してもらえないということもよくあります。
一方家でのモラハラ夫は、妻を気遣うなどといったことはありません。妻が疲れていても「手伝おうか?」の一言もなく、TVを見たりゲームをしたりなど好きなことをしている夫が多いでしょう。
妻の物は大事にしない
モラハラ夫は、基本的に自分のことしか考えることができません。相手を思いやり気遣うといった行動が取れないのです。そのため、妻が大切にしているものでさえ、自分にとって大切な物でなければ雑に扱います。
自分の物差しでしか判断できないため、勝手に妻の物を捨てるといった行動はよく見られます。妻に相談してから捨てるといった考えが浮かばないのです。もし妻のものを壊してしまってたとしても、「そこに置くから悪い」と逆に責められることも多いです。
気に入らないことがあると無視をする
モラハラ夫は最上級のわがままなので、思い通りにならないことがあると無視をし、自分の中でなかったことにします。「妻が思い通りに動かない」「妻が反論する」などといったことがあると、そういった行動が多くなります。
またモラハラ夫の多くは、相手からの謝罪に固執する傾向があります。謝罪させるための行動として、「俺が無視するほど、お前が悪いことをしている」と知らしめるため無視をするのです。相手が謝罪をするまで、無視を続けるというのが、モラハラ夫の常套手段といえます。
欲しい物は必ず手に入れたい
モラハラ夫は、自分の物に執着します。特に、自分の欲しい物に対する執着はひどく、なんとしても手に入れようとするほどです。そのため、狙っていた商品がないといった場合は妻に当たるほど不機嫌になるモラハラ夫もいます。
妻の行動を制限する
物への執着が強いように、モラハラ夫は自分のモノと考える妻に対しても執着します。そのため、妻の行動を制限するなど自分の支配が届く範囲での行動をさせたがります。
妻が友人と外食をするのをよく思わない、自分より遅く帰るのが気に入らないなど、自分優先ではない妻の行動に対し認めません。一方、自分は友人と食事に行くといったことを、平気ですることがあるのです。
モラハラ夫の性格の特徴
ここまでの解説で、モラハラ夫の行動はわかりやすいということがわかっていただけたのではないでしょうか。次にモラハラ夫の性格的な面も見ていきましょう。モラハラ夫には、行動と同じように、わかりやすい性格の特徴があります。
プライドが高い
モラハラ夫の行動の特徴でもわかるように、モラハラ夫の典型的な性格には「プライドが高い」があります。妻や他人に反論されるという行為は、モラハラ夫にとって自分が否定されたと解釈されます。
ストレートに表現すれば、自分は他人よりも優位にいると思っているモラハラ夫にとって、自分よりも下だと思っている相手に否定されるということは、許しがたい行為なのです。
そのため、妻の意見を聞くことができず、口答えをしようものなら、たたみかけるように自分が正しいと言い張ります。モラハラ夫は、自分のプライドを傷つけられる行為が一番許せないのです。
自己中心的
モラハラ夫の行動からもわかるように、自分を中心に動くためひどく自己中心的です。相手の立場にたって気遣うという行動が難しいため、自分の感情のを中心に考え、それによって相手がどう思うのか想像ができません。
そのため、モラハラ夫の何気ない言動や暴言によって傷つくのはいつも妻の方になります。しかも、あまりにもモラハラ夫が正当だと堂々と主張するため、妻は「自分が悪い」という暗示にかかってしまうので、よりモラハラが助長することになります。
マメな性格
モラハラ夫は、自己中心的でありながらもマメな部分もあります。付き合っているときから、記念日は忘れない、連絡をまめに取る、車で送り迎えをしてくれるといった女性が好むような男性であることが多いです。
しかし、付き合っているときはステキな男性であっても、結婚したとたん妻は自分の物としてとらえる傾向があり、結婚後にモラハラ夫だったことがわかるというケースは少なくありません。
すぐ傷つく
モラハラ夫は、総合していればとても傷つきやすい性格といえます。プライドが傷つけられる、自分が傷つけられることを極端に嫌うため、自分を守るために攻撃的なり、その結果モラハラという行為につながるのです。
昔から「小さい犬ほどよく吠える」といったもので、モラハラ夫がモラハラをするのはすべて自分を守るためです。モラハラ夫にとって、モラハラという行為は武器であり自分を守るための盾になります。
モラハラ夫は、モラハラで相手を傷つけることによって、自分が傷つかないように相手をねじ伏せようとします。これはすべて、自分が傷つきたくないからする行為であり臆病なのです。
意思疎通をスムーズにできない
モラハラ夫の中には、コミュニケーションが上手に取れないという人もいます。口下手で自分の思っていることをうまく伝えられないなどといった理由から、その対処方法としてモラハラをしてしまう人もいるのです。
モラハラ夫の会話・言葉の特徴
実は、モラハラ夫の特徴には日常的な会話、言葉使いにも表れます。モラハラの定義としては殴るなどといった暴力的な部分はふくまれません。あくまで言葉による相手への精神的な攻撃になるので、その特徴は言葉に表れやすいのです。
そこでここからは、モラハラ夫の会話や言葉使いの特徴をご紹介しましょう。これはモラハラ傾向のある夫を見分けるコツでもあるので、ぜひチェックしてみてください。
共感はせず反対のことを言う
モラハラ夫は人に共感することが苦手です。もちろん、自分の意見と全く同一であれば共感をすることはあるでしょう。しかし、モラハラ夫の特徴には、言葉が否定的であることが多いです。
妻の言葉ひとつにしても、否定的であり相手の意思を考慮して共感することがあまりありません。妻だけではなく、日常的にTVや友人、会社の同僚にとありとあらゆることに対して否定的な意見を述べます。
モラハラ夫は「自分が正しい」が根底にあるので、自分の考え方に添わない相手の行動や言動が許せないのです。日常的に文句を言っていることが多い場合は要注意です。
嘘で誤魔化す
モラハラ夫は、嘘をつきます。先にお話したように、傷つきやすい自分を守るためにモラハラをするモラハラ夫にとって、嘘も自分を守るための手段に過ぎないのです。
ひどいときは、プライドを守るために職業をごまかしたり、自分に非があると感じた場合も自分を守るために嘘をつくことがよくあります。
感情が冷めるまで暴言を吐く
感情の起伏が激しい傾向のあるモラハラ夫は、自分の感情のままに暴言を吐くことがよくあります。それが相手を傷つける言葉であっても、「自分が傷つけられたのだから」という意識から、平気で感情をぶつけてくるのです。
原因として、モラハラ夫の多くは怒りという感情と上手に付き合うことができないということがあります。そのため、徹底的に相手を追い込むために暴言を吐くことがあり、その間はどれだけ謝ったとしても、許すことができないのです。
異常なほど優しい言葉をかける
モラハラ夫は、マメな部分があるように優しい言葉をかけることもあります。決まってそれは、妻に対して過度な暴言を吐いてしまった後など、自分に多少なりとも罪悪感があるときのことが多いでしょう。
これは、あくまで罪悪感を消す自分のためであり、妻のためではありません。しかし、妻にとってはとても優しい言葉をかけられることによって、「昨日はたまたまなのね」「ストレスが溜まっていたのね」などと解釈してしまい、モラハラに気が付かないケースも多いです。
社会正義を口にする
モラハラ夫の得意技は、社会主義の言葉による攻撃です。モラハラ夫の言葉の攻撃方法として、「母親のくせに」「他の母親はよくやってる」「女なんだからやって当たり前」といったものがあります。
モラハラ夫には、十人十色という言葉がありません。人それぞれ環境が違えば考え方も違って当たり前なのですが、「~であるべき」という意識が強すぎるために、妻にも同等レベルを求めます。
モラハラ夫にとって、社会的に言われていることができない妻が理解できないため、暴言を吐き人格否定をするのです。しかし、モラハラ夫が社会的に言われていることができないとしても、気にしません。
同情心をかきたてるような話をする
モラハラ夫の特徴として、自分を守るために自分を正当化するという面があります。自分を正当化するために使う手段として、相手からの同情を誘うように自分の生い立ちや悲しい経験などを話します。
極端に言えば、「ひどいことを言ったけど、かわいそうな僕を許してくれるよね?」という相手からの同情を利用して、自分が優位に立てるように仕向けるのです。
モラハラ夫の目の特徴
「え?モラハラする人の目に特徴ってあるの?」と思う人も多いでしょう。「目は口より物を言う」というように、モラハラをする人には目に特徴があることが多いです。その特徴について3つ解説していきましょう。
目が笑っていない
夫と外で友人と会った場合、夫の目に注目してください。モラハラ夫は家と外では態度が違うという話をしました。そのため、友人や知人から見ればとてもいい夫に見えるのですが、目はごまかせません。
どんなに笑顔で接していても、モラハラ夫の場合は目が笑っていないことが多いのです。そもそも、外面はモラハラ夫にとって心から楽しんでやっているわけではなく「いい夫と思われたい」という邪心からきています。
そのため、少なくともモラハラ夫としても無理している部分も多く、目に現れてしまうのです。自分の夫がモラハラなのか確かめたい場合は、目を観察してみましょう。
監視をするような目
モラハラ夫は、妻を自分のモノだと思っています。そのため、自分のものであるはずの妻が、自分の意にそぐわない行動をとらないか、自分の意見を聞いているかどうか確認するため、自然に妻を監視しています。
長くモラハラを受けてきた妻にとって、視線だけでも苦痛、もしくは何が自分が悪いことをしたのかと不安に思うというケースも少なくありません。視線による追い込みも、モラハラ夫の手口になります。
冷たく生気を感じられない目
モラハラ夫の目つきが顕著に表れるのが、真顔の時の生気のない目になります。自分で意識をしていなくても、人の目は感情を伝えるものですが、モラハラを受けてきた妻にとって次に起こることがわかってしまうぐらい、モラハラ夫の生気のない目は特徴的といわれています。
この真顔の生気のない目は、モラハラ夫が妻を敵とみなした瞬間つまり、攻撃の前といえます。妻が、モラハラ夫の意にそぐわない行動をとった瞬間に、モラハラ夫は自分を守るため、妻を敵とみなし攻撃に移ります。
生気のない目は、その瞬間とも言えるのです。生気のない目はひどく冷たいため、妻にとっては恐怖心を与えられます。
モラハラ夫になってしまう原因
モラハラ夫は確かに問題ありですが、誰もが生まれたときからモラハラをする要素をもっているわけではありません。モラハラをする人間になる原因があるのです。
モラハラは、幼児期の環境が大きく影響するといわれています。そこで、どうしてモラハラ夫が生まれてしまったのか、その原因を解説をしていきましょう。
親の過干渉
モラハラをする人が誕生してしまう原因のひとつに、親の過干渉があります。親が子供かわいさのあまり過剰に干渉することによって、子供は自分の意思ではなく親の意思で動くようになります。その結果、親の意見は自分の意見として刷り込まれてしまい、自分の意思というものがなくなります。
子供が小さいころはいいのですが、大きくなるにつれて自分の意思を持つようになり、自分の存在を証明しようとする自己顕示欲が高くなる傾向があります。
その結果、自分よりも弱い人や自分のものだと判断した人に対して、いじめる・いやがらせをして自分の力を誇示するようになります。それが、家庭内でのモラハラをする原因になるのです。
母子家庭
誤解をまねかないように先にお伝えしますが、全ての母子家庭が悪いわけでも、母子家庭で育ったからモラハラ夫になるというものではありません。あくまで、モラハラをする人の原因のひとつと考えられています。
その根拠としては、子供は他の動物のように両親を見て学びます。しかし、母子家庭は父親が不在の状況で育つため、本来父親から学ぶべき自制心などが学べずに育つ傾向にあるという専門家の見解もあります。
また、母子家庭の多くは母親が一生懸命働いて育てているため、どうしても親としての関りが薄くなるのは避けることができないでしょう。自分を制する方法を学びにくかった場合、自分の怒りや感情を抑える能力が低い、自己肯定感が低いために他人に攻撃的になるという専門家の意見もあるのです。
親からの虐待
幼いころに虐待やネグレクトといった、本来受けるべき愛情を受けることができなかった場合も自己肯定感は低くなりモラハラの原因になるとされています。また、子供は両親から見て学ぶため、両親から暴力などの支配を受けていた場合も、他人に対しても同じように支配するようになるのです。
そういった人の接し方しか学んでこなかった人は、正しい人との接し方を知りません。これは男性・女性が関わらず言えることですが、人との接し方を両親から学ぶことができなかった場合、モラハラなどなんらかの形で他人を支配したがる傾向があります。
親からモラハラを受けていた
日常的に両親からもモラハラを受けていた場合も、モラハラをする原因にあります。両親から人との接し方を学ぶ時期に、モラハラを受けてしまっては、それが「正しいこと」としてインプットされてしまいます。
モラハラを正しい人との接し方として学んでしまうため、モラハラをする人にとって当たり前であり、自分が人を傷つけているという観点はありません。
モラハラ夫への対処法
モラハラ夫への対処法をご紹介します。夫がモラハラをする、もしくはモラハラの疑いがあるといった場合、自分を守るためにも対処法を身に着けることは大切です。友人などに相談するなど、モラハラ夫への対処法5つをご紹介しましょう。
聞き流して反応しない
モラハラ夫への対処法のひとつに、「聞き流す」というのがあります。モラハラ夫が吐く暴言によって、「自分が全部悪いのでは?」と思い込まされている妻は多いです。その原因に、モラハラ夫の言葉を聞いてしまうというのがあります。
モラハラをする夫の言葉は、傷つくものが多いため全て聞いてしまうと心が疲れてしまうでしょう。モラハラ夫の言葉は聞き流すことが大切です。反応すればするだけ、自分の正当性を示すために余計に暴言をあびることになります。
夫が怒りをぶつけてきたとしても、理解できないものであれば聞き流しましょう。反応をせず、暴言がやむのを待つのです。
モラハラを自覚させる
モラハラ夫の多くは、自分が妻に対してモラハラをしているという自覚がありません。自分が正しいと思っているので、当然といえば当然です。また、モラハラをする夫のなかには、モラハラは悪いことであるという認識を持っている人も多いです。
モラハラをしている自覚がないけど、モラハラ自体は悪いことであるという考えの夫の対処法としては、自分がしている発言や行動はモラハラであると自覚させるだけで、モラハラをしないように控えることがあります。
「今の発言はモラハラだ」と一言伝えましょう。また、「あなたの一言がとても威圧的で辛い」と相談してみましょう。自分を正当化するのがモラハラの特徴なので、逆に怒ることもあります。しかし、なかにはこの一言で自覚してくれるケースも多いです。
信頼できる人に相談する
モラハラをする夫を隠そうとする妻は多いです。しかしそれでは、誰にも相談することができずに抱えこんでしまい、結果自分が苦しい思いをすることになります。モラハラ夫の対処法のひとつとして、親や友人など信頼できる人に相談しましょう。
自分が置かれている状況を相談するだけでも、心の負担は軽くなるはずです。また、本当にモラハラなのか、それとも自分が悪いのかなど冷静な目でジャッジしてくれるため、自分の考えや意見に自信を持つことができます。
まずは、誰か信頼できる人に相談することから始めてください。ただし、相談するときは自分よりの偏った話をするのではなく、なるべく冷静にあるがままを伝えるようにしましょう。
カウンセラーに相談する
信頼できる人に相談した妻のなかには、「夫が信頼されすぎてて、きちんと話を理解してくれない」などといった声もあります。これは、外面のいいモラハラ夫の特徴が邪魔しています。夫を良く思っている友人や親せきに相談をしても「過剰に反応しすぎでは?」といわれてしまうケースもあります。
そういった場合は、全く夫と面識のないカウンセラーに相談することをおすすめします。冷静それこそ第三者の目で話を聞いてくれますし、何よりも専門的な知識であなたの精神的な負担を取り除くよう手助けしてくれるでしょう。周囲の人が難しいと感じたら、専門家に相談してみてください。
距離を置く
モラハラ夫への対処法としては、夫と距離を置くことも大切です。距離を置くことで、自分のことを見つめなおすきっかけになるほか、いつ怒りをぶつけられるのかわからない恐怖から逃れられるため、精神的にも安定してきます。
距離をおく手段としては別居が一般的ですが、費用もかかりますし、別居への話し合いをするだけでも、モラハラ夫を相手にするのは至難の業ということもあるでしょう。そういった場合は、実家に帰る、旅行と称して数日家を空けるなどできるだけモラハラ夫と関わらないように過ごしてください。
このようなときも、先に自分の状況を周囲に相談しておくと話もスムーズに進みます。もし家を出るのが難しければ、家庭内でも生活スタイルを少し変えて、なるべく同じ時間を過ごさないという対処法もあります。
夫のモラハラは治すことができる?
対処法としてモラハラ夫と距離を置く、周りに相談したからと言って夫のモラハラを治すことができるのかどうか、気になるのではないでしょうか。治る見込みがないのであれば、残る対処法は「我慢・我慢する対処法を見つける」「離婚」の2択しかありません。
結論から言えば、モラハラは完全に治すことは難しいです。しかし軽減することが可能です。そこで、モラハラを治す方法について解説します。
モラハラは心の病気
モラハラは心の病とされていて、幼少期の経験などが影響しているとされています。そして、「モラルハラスメント」という病名はなく、「自己愛性パーショナル障害」「アダルトチルドレン」「自己肯定感の欠如」いった原因がいくつか重なってモラハラ行為になるといわれています。
モラハラをする人の特徴としては、「言葉にも暴力性がある」「人は自分の所有物ではない」「人それぞれ考え方が違う」などといったことの認識能力が著しく低いです。
そのため、相手を言葉・態度などで威圧し制することでしか自分を示すことができないのです。カウンセリングによって改善される面も多くありますが、必ず改善されるという対処法がないのです。
自分のモラハラを認めない限り治らない
対処法であるカウンセリングを受けるにしても、まずは夫は自分はモラハラをしているという認識を持たせなくては話になりません。しかし、このモラハラをしているという自覚を持たせることほど難しいことはないでしょう。
そもそも、モラハラ夫は「自分が正しい」という概念が根底にあり動いています。モラハラを認めさせるということは、この根底を揺るがすことになり、夫にとってはとても耐えがたいことです。
そのため、いつも通り自分を守るために暴言などを使って「自分はモラハラなんてしていない」と守りに入るでしょう。自分はモラハラをしていると認めさせることが難しいので、モラハラ行為は治らないともいわれている原因なのです。まずは、モラハラ行為を認めさせることから始めましょう。
モラハラ夫と離婚する方法
モラハラ夫を持つ妻のなかには、離婚を選択する人もいます。しかし、モラハラ夫に自分の非を認めさせることが難しいため、離婚が成立するまでに苦労する人も多いです。そこで、ここからはモラハラ夫と離婚するための方法について解説していきます。
まず家を出る
モラハラ夫との離婚を考えた場合、まずは離婚へ向けての対処法として別居がおすすめです。モラハラ夫に離婚を切り出したとしても、言葉巧みに離婚を避けようとします。モラハラが原因で夫と別れたいと主張をしても、モラハラをしているという自覚がないため、受け入れてはくれません。
そのため、自宅で一緒に暮らしながら離婚について話を進めるというのは難しいでしょう。別居さえしていれば、別居期間が長引くことで婚姻関係が破綻しているとみなされ、裁判所でも離婚を認めてくれやすくなります。また、別居をすることによって自分も冷静に対処することができるでしょう。
証拠になるものを用意しておく
モラハラという事由で離婚をしたいといった場合、「モラハラを受けた」と認めさせる証拠が必要になります。モラハラも立派な暴力ですが、DVのように体にアザなどが残るわけではないため、証拠を示すのが難しいです。
そこで対処方法として実践してほしいのが、「暴言の録音」「モラハラを受けたときの言葉、自分の気持ちの日付の入った日記」などの記録です。目に見えない苦痛が原因で離婚を求める場合、言った言わない論になることも少なくありません。
特に、モラハラ夫は自分を守り肯定することを得意とする人物です。言い逃れのできない証拠を用意しておくのがいいでしょう。日頃から信頼できる人に相談をしておくと、もしものときに証言をしてくれることもあります。
協議離婚
話合って離婚をするめる夫婦は多いです。これを協議離婚といいます。しかし、自分を守ることを得意とするモラハラ夫の場合、夫婦間での協議離婚がうまくいないことはよくあります。
そのような場合は、友人など第三者を交えて話し合うのも対処法としておすすめです。モラハラ夫の特徴としてもお話ししたように、体裁をとても気にする夫にとって、第三者がいると過度な暴言を吐くことが難しくなります。
もし、第三者を交えても協議離婚が難しいようであれば、迷わず離婚調停に進めましょう。モラハラ夫が相手では、協議離婚は簡単ではありません。
離婚調停
協議離婚の成立が難しい場合は、離婚調停へ進みます。離婚調停では、夫・妻・調停員で離婚に向けて話し合いをします。調停員は、夫の話も妻の話も冷静に聞き判断してくれるので、友人や知人を介するよりも、スムーズに話が進む可能性が高いです。
裁判離婚
モラハラ夫を相手に離婚をする場合、離婚調停でも離婚が成立しないということはよくあり、この場合は離婚裁判になります。離婚裁判では、目に見えないモラハラという行為をどうやって証明するかが大切になります。
ここまでの離婚調停とは違い、裁判は決定権が裁判所にあるため、婚姻が継続しがたい事由がなければ、離婚することができないのです。そのため、先にお話しした夫から受けたモラハラは、耐えがたい苦痛だったという証拠が必要になります。
離婚裁判は、法を基準に離婚に向けて判決が下ります。強制的に判決が下るため、モラハラ夫が何を言ってもくつがえりません。ここで勝てば、離婚が成立するということになります。
モラハラ夫には我慢をせず早めの決断と行動が大事!
ここまで、モラハラ夫の特徴や、対処法、モラハラ夫になった原因などについて解説してきました。モラハラをする人は、幼少期に原因があると言われていますが、だからといって人を傷つけてもいい理由にはなりません。
「モラハラ夫かな?」と思ったら、まずは信用できる友人などに相談をしましょう。それだけでも、自分の状況を冷静に考えることができます。そのうえで、モラハラ夫への対処法を考えてください。