妊婦検診の頻度
妊娠したことが分かると病院で健診を受けるようになります。お腹の赤ちゃんは無事に育っているか、お母さんの体に異常はないかを診てもらう為の健診で、これを妊婦健診といいます。では、妊婦健診にはいつ行ったらいいのでしょうか。また、どのくらいの頻度で通えばいいのでしょうか。
妊婦健診の標準回数は14回
妊婦さんや赤ちゃんの状況、通う病院によって違いはありますが、妊婦健診の平均的な回数は14回です。例えば、持病のある妊婦さんやお腹に張りを感じることが多かったり、出血のある妊婦さんは妊婦健診に通う頻度が頻繁になるでしょう。また、正産期は37週0日~41週6日と言われてますが赤ちゃんが生まれてくる日によっても妊婦健診の回数は変わります。
妊婦健診に通う頻度は妊娠何ヶ月目なのか、何週目なのかによって変わってきます。妊娠初期・妊娠中期・妊娠後期で変わる健診の頻度についても説明していきます。
妊娠初期「4週間に1回」
妊娠初期~妊娠23週の間は4週に1回の頻度で妊婦健診に通います。妊婦健診で毎回どんなことをするのかというと、「問診」「診察」「計測(血圧、尿検査、体重、子宮底長、腹囲)」です。
妊娠初期~妊娠23週の間に行う検査は「血液検査(血液型、血算、血糖、B型肝炎抗体、C型肝炎抗体、HIV抗体、梅毒血清反応、風疹ウイルス抗体)」「子宮頸がん検診」です。
妊娠中期「2週間に1回」
妊娠24週~妊娠35週の間は2週間に1回の頻度で妊婦健診に通います。この時期に行う検査は「血液検査(血算、血糖)」「超音波検査」「B群溶血性レンサ球菌」です。また、これらの検査の他に妊娠30週までに「血液検査(HTLV-1抗体検査)」「性器クラミジア検査」も行います。
妊娠後期「1週間に1回」
妊娠36週~出産までは1週間に1回の頻度で妊婦健診に通います。この時期に行う検査は「血液検査(血算)」「超音波検査」です。妊娠後期は「ノンストレステスト(NST)」という検査が行われます。この検査で、お母さんのお腹の張りや、赤ちゃんの心拍をしっかりと診ていく必要がある為頻度がとても頻繁になります。
予定日を過ぎても産まれない場合は妊婦健診の頻度が2,3日に1回になることもあります。妊婦健診の回数、頻度はあくまでも目安です。気になることや心配なこと、不安などがある場合は妊婦健診の回数や頻度を気にせずに早めに病院を受診して下さい。
妊婦健診に掛かる平均費用
最も重要であるとも言える「費用」について説明します。普段風邪をひいて内科に掛かることもあると思いますが、その時は保険証の提出で掛かった医療費の一部を負担してもらうことができます。しかし、妊婦健診では保険証の提出をしても一部負担してもらうことができません。
ということは、妊婦検診の検診費用は全て自分で支払わなくてはならないのです。では、妊婦健診では平均してどのくらいの費用が掛かるのでしょうか?
妊婦健診平均費用10万円
健診に通う病院によっても、通う回数によっても金額に違いはありますが、妊娠が分かってから出産するまでに妊婦健診で支払う金額は平均10万円です。10万円という高額な費用に驚きます。では、この妊婦健診に掛かる高額な費用を少しでも抑えることはできないのでしょうか。
補助券使用前の費用
妊婦健診に掛かる費用が平均10万円という高額なのには理由があります。平均10万円というのは補助券を利用する前の金額です。では、補助券はどこで受け取ることができるのでしょうか?どのくらいの費用を負担してくれるのでしょうか?又、補助券の他にも妊婦健診に対する助成制度はあるのでしょうか?あるのであればどんな制度があるのでしょうか?
妊婦健診費用の助成制度
妊娠してから子供を出産するまでの間妊婦健診の費用、出産費用、ベビー用品の準備などたくさんのお金が掛かります。そのため、掛かる費用を少しでも負担してくれる助成制度があると助かります。
たくさんかかる費用の中でも、妊婦健診に対する助成制度はどんなものがあるのでしょうか。平均10万円掛かると言われている妊婦健診費用はどのくらい負担してもらえるのでしょうか。今回は、妊婦健診費用の助成制度について説明します。
健診費用の平均自己負担額は5万円
妊婦健診で掛かる費用は平均10万円でしたが、それは補助券を使う前の費用のことであるということが分かりました。では、実際に妊婦健診の時に自分で支払う費用はどのくらいなのでしょうか。
もちろん、通う病院によっても妊婦健診に通う回数によっても変わってきますが平均自己負担額は5万円です。平均10万円掛かると言われている妊婦検診費用が半分の5万円になるとは驚きです。どんな助成制度があるのでしょうか。
低所得者向けの助成制度もある
生活保護を受けている世帯は「妊婦健診の費用が掛からない、無料になる」といった助成制度のある自治体もあります。また、所得がある一定額よりも低い世帯には「無料で受けることのできる検査がある」という助成制度のある自治体もあります。それぞれの自治体で独自の助成制度を設けているということもあります。分からない方は一度確認してみましょう。
妊婦健診で掛った費用は医療費控除
妊婦健診で自己負担として支払った費用は医療費控除を受けることができます。領収書などは捨てたり、紛失したりしないようしっかりととっておきましょう。そうすることで確定申告をする時に、払い戻し(還付金)の請求をすることができます。
医療費控除というのは、1月1日~12月31日の1年の間に生計を共にしている家族が医療費として支払った金額がある一定の金額を超えると税金を軽減してもらうことができる制度のことです。
払い戻し(還付金)請求可能
払い戻し(還付金)の請求について詳しく説明します。1月1日~12月31日の1年の間に掛かった医療費の合計が「10万円」もしくは「課税標準の5%を超えていたら」確定申告をした時に払い戻し(還付金)を受けることができます。
医療費の中には病院に行くまでのタクシーや電車などの交通費、妊婦健診とは別に内科や皮膚科などに掛かった時の費用、入院費も含まれます。関わるメモや、領収書は大切に保管しておきましょう。
払い戻し(還付金)の請求をして戻って来るのは一部です。給料から月々引かれている「所得税」ですが、医療費控除が適用される場合納めるべき所得税よりも多く納めている可能性があります。それを確定申告の時に医療費控除を申請し、払い戻し(還付金)の請求を行うことで多く納めている分を払い戻してもらうことができます。
妊婦健診の補助券を活用
妊婦健診では費用がすごく掛かります。平均で10万円という高額な費用です。そのため、各自治体で妊婦健診で利用することの出来る補助券をもらうことができます。この補助券を利用する事で自己負担額を減らすことができます。この補助券はどこでもらうことができるのでしょうか。また、どのくらい自己負担額を減らすことができるのでしょうか。
自治体から受け取る事が可能
どこで、いつ受け取ることができるのでしょうか。妊娠が分かると病院に行き妊婦健診に通い始めます。すると次に、病院で自治体から母子手帳をもらってくるように言われます。各自治体へ母子手帳を受け取りに行った際に、母子手帳と一緒に妊婦健診の補助券をもらうことができます。
自己負担額を半分に抑える
補助券をもらうとどのくらい自分で払うはずの費用を減らすことができるのでしょうか。もろん通う病院や、妊婦健診を受ける回数によって金額に差はあります。妊婦健診で掛かる平均費用は10万円です。しかし、実際の自己負担が約5万円と減っているのはこの補助券の利用によるものです。ということは、妊婦健診に掛かる費用を半分に抑えることができます。
補助券を使用する上での注意点
妊婦健診に利用する事で自分で支払う費用を減らすことができるとても便利で、とても助かる補助券です。しかし、補助券を利用する際に忘れてはいけないことがあります。せっかく高額な妊婦健診費用を抑えることができるはずの補助券が利用できなくなってしまったらとても残念です。なので、気を付けてほしい注意点をまとめました。
①再発行は出来ない
まず最初に、再発行ができないということです。補助券を失くしてしまったり、再び発行してほしいと思っても再発行してもらうことはできません。そのため、失くしてしまうことのないように。また、どこにあるかすぐに分かるようにしっかり保管しておく必要があります。
②引越しをした場合以前の補助券の利用不可
次に、引っ越しをした場合はどうなるのでしょうか。前に住んでいた自治体でもらった補助券は、引っ越した先の自治体では利用できません。
近隣の市区町村や都道府県、また隣接している場所への引っ越しの場合にすごく稀ですが、そのまま以前の補助券を利用できるという場合もあります。
引っ越し先の自治体で引っ越しの手続きをする時に一緒に「妊娠出産」について聞いてみましょう。引っ越し先の自治体で利用できる補助券を新たに発行してもらえるか、今までの住んでいた自治体でもらった補助券を提出することでと交換してもらえるでしょう。また、自治体の独自の助成制度について教えてくれるかもしれません。
もっと知りたい補助券の事
補助券がある事で妊婦健診の時に自分で支払う費用が減り助かること、補助券を利用する上で注意するべきこと、妊婦健診の補助券はいつ、どこで受け取ることができるのか?については分かりました。そんな妊婦健診の補助券についてもう少し知っておくべき事があったのでまとめました。
補助券が足りなくなってしまったら
高額な費用が掛かってしまう妊婦健診ですが、補助券を使う事で自分で支払う費用が減りとても助かります。しかし、健診に行くうちに補助券をすへ使い切ってしまったらその後の妊婦健診はどうなるのでしょうか?
妊婦健診の補助券は使い切ってしまったらほとんどの自治体の場合、追加でもらう事は出来ません。その為、補助券を使い切ってしまった後の妊婦健診では補助を受けることが出来ないので健診費用は全額自分で支払はなくてはいけません。
補助券が余ってしまったら
例えば予定日よりもだいぶ早く産まれてしまった場合など、補助券が余ってしまった場合はどうなるのでしょうか?未使用の補助券を現金に換えてもらう事は出来るのでしょうか?
残念ですが余った補助券を現金に交換してもらうといった事は出来ません。ですので、しっかり全部使い切ってしまう方がお得なのです。
ただし、ものすごく稀ですが補助券が余ってしまった際にある条件をクリアすると補助券を現金に交換することの出来る自治体もあるようなので気になる人はぜひ調べてみてください。
補助券を忘れてしまったら
妊婦健診で病院に行った時にもしも、補助券を忘れてしまった場合はどうなるのでしょうか?その日は一度全額自己負担で支払い、後から補助券を持って行くと多く払った自己負担分を払い戻してもらう事ができるのでしょうか?
補助券を忘れてしまった場合は、基本的に後から払い戻しをしてもらう事はできません。病院によっては払い戻しのできる病院もあるようですが、払い戻しは出来ないものだと思い、妊婦健診の補助券は常に持ち歩くようにしましょう。
里帰り出産と多胎児妊娠
妊娠初期~妊娠中期頃の妊婦健診は自分の住んでいる地域で受けて妊娠後期(出産間近)の妊婦健診は実家の近くで受け、そのまま出産するという「里帰り出産」をする人も多いです。里帰り出産をする場合、妊婦健診の費用や補助券はどうなるのでしょうか。引っ越しと同じく補助券は使えなくなってしまうのでしょうか。
双子や三つ子などの「多胎児妊娠」の場合妊婦健診の補助券は2倍や、3倍など子どもの人数に合わせてたくさんもらう事が出来るのでしょうか。
里帰り出産の場合の補助券
里帰り出産の場合も引っ越しと同様に住んでいる自治体でもらった補助券を他の自治体(里帰り先の自治体)で利用することはできません。
しかし、一度実費で払った妊婦健診の費用を後から領収書と使用していない補助券を持っていくことで自分が住んでいる自治体で払い戻しをしてもらえる場合もあります。払い戻しをしてもらえるかどうか、払い戻しをしてもらえる金額は全額なのか?一部なのか?それぞれ自治体で違う為、分からない場合は各自治体に確認してみて下さい。
多胎児妊娠の場合の補助券
双子や三つ子といった多胎児妊娠の場合、母子手帳は子どもの人数分もらう事ができます。しかし、妊婦健診の補助券は子どもの人数に合わせてもらう事は出来ません。妊婦健診に通う中でお母さんにも、赤ちゃんにも何も異常がなければ妊婦健診へ通う頻度と費用は多胎妊娠ではない妊婦さんと変わりません。
その為、補助券の枚数は増えません。しかし、多胎児妊娠はリスクも高いので何か気になる事がある場合はすぐに病院にかかるようにして下さい。
補助券や助成制度を活用して妊婦健診の費用を抑えよう!
自分で負担しなくてはならない費用は多いですが妊婦健診は赤ちゃんの為にも、お母さんの為にも大切でとても重要な検診です。自治体からもらうことのできる補助券や、各自治体が行っている助成制度をしっかり活用して少しでも自分で支払はなくてはいけない費用を減らしましょう。
そして、自己負担額が減ることでお腹の中にいる赤ちゃんの様子を見たり、知ることの出来る妊婦健診をより楽しみにできるでしょう。