結婚式のご祝儀袋には決まりがある!
結婚式のご祝儀袋には、いくつかの決まりがあるのをご存知でしょうか。大切な人の結婚式に、知らずに相手に失礼なことをしてしまわないよう、正しい知識を身につけておきたいものです。ここでは、結婚式のご祝儀袋の正しい選び方・書き方・お札の入れ方など詳しくご紹介していきます。
結婚式用ご祝儀袋の選び方①格を合わせる
結婚式のご祝儀袋を選ぶときに大切なことは、格を合わせるということです。格とは、ご祝儀を贈る相手との関係性が重要になります。さらに、その関係性によって中に包む金額も変わってきますが、その金額と同等のご祝儀袋を選ぶということです。格を合わせることによって、相手にも気持ちが伝わり、心からの祝福ができるでしょう。
ご祝儀の金額と袋の格を合わせる
結婚式のご祝儀袋を選ぶときに大切なのが格を合わせるということです。先ほどもお伝えしたように、格を合わせるとは、まず、中に包む金額と同等のご祝儀袋を選ぶということです。豪華なご祝儀袋を選んだけれども、中に包む金額が同等以下だったりと、相手に失礼にならないように、金額に合わせたご祝儀袋の選び方を具体的にご紹介します。
1万円程度
結婚式に招待されたけれども、当日欠席してしまい、ご祝儀だけお渡しする場合もあります。そんな時は、1万円という金額を包む方が多いようですが、1万円は基本の金額よりも少ないため、水引・のしが立体的についているご祝儀袋というよりは、印刷されているものを選びます。
2~3万円
結婚式に出席する場合、ご祝儀で包む金額で基本になるのが、この3万円という金額です。友人・知人などはこの金額に当てはまります。ご祝儀袋には、のしが付いており、水引が「あわじ結び」や「輪結び」など「結び切り」になっているものを選びます。サイズもスタンダードなサイズになります。
5万円から10万円
家族や親戚などの結婚式になると、5万円~10万円を包む場合が多くなります。この場合、ご祝儀袋に紅白の装飾がついていたりと、3万円のものよりも少し豪華で大きめのものを選びます。のしが付いており、水引が基本の「あわじ結び」や「輪結び」をアレンジしたものでも、使用することができます。
10万円以上
結婚式のご祝儀袋を選ぶ時に、中に包む金額が10万円以上であれば、5万円~10万円のものよりも、さらに、サイズも大きく豪華なものを選びます。水引で作った鶴や亀など装飾が付いているような、水引が豪華にアレンジされたものや、上質な和紙を使ったものを選びます。売られているご祝儀袋の中でも、一番豪華なものを選ぶとピッタリでしょう。
ご祝儀を贈る相手との格を合わせる
中に包む金額と同等のご祝儀袋を選ぶのと合わせて、ご祝儀を贈る相手に格を合わせる必要があります。例えば、会社の上司など目上の人の結婚式に出席する場合や、格式ある結婚式の場合などは、水引にピンクやブルーの色が入っているような通常より少しカジュアルなご祝儀袋よりも、スタンダードで格式の高いご祝儀袋を選ぶ必要があります。
結婚式用ご祝儀袋の選び方②一般的な形
結婚式のご祝儀袋の一般的な形は、のしがついており、水引が「あわじ結び」や「輪結び」のように、「結び切り」になっているものです。
のしとは、昔、縁起が良く貴重な「のしあわび」をお祝い事の時に添える習慣があり、その名残りが現在でも引き継がれているようです。結婚式など、お祝い事の時は、のしが付いているものを選びます。
結婚式の場合、水引の色は「紅白」もしくは「金銀」の両方とも使用することができます。さらに、水引の形が「結び切り」になっているものを選ぶのは、一度結ぶとほどくのが難しいことから「結婚が一度きりであってほしい」という気持ちが込められているからです。
のし・水引・中袋付きのご祝儀袋を選ぶ
結婚式のご祝儀袋を選ぶ時に、のしと水引が付いているものを選ぶことが大切だとお分かりになったと思いますが、それと同時に、もう一つ確認しておきたいのが、中袋が一緒に入っているかどうかです。お金をご祝儀袋に包む時に、中袋に入れてから包むのがマナーになるため、最初から中袋がセットになっているご祝儀袋を選ぶと便利です。
のしの文字
のしの文字、もしくは、表書きの文字は、「寿」や旧字体の「壽」が基本になります。すでに印刷されているものが多いので、この2つを選べば間違いなしです。注意したいのが「御結婚祝」など、分かれてしまう文字数は避けるということと、英語で「Happy Wedding」と書かれたものなどはカジュアルさが出るため、目上の人の場合は避けましょう。
水引の色・結び方・本数
水引は、お祝い事全般では「紅白」、特別なお祝い事の時は「金銀」という色を使用するのが基本になります。つまり、結婚式の場合はどちらも使用することができます。さらに、お祝い事の水引は5本が基本ですが、結婚祝いの場合「慶びが重なるように」という願いが込められ、倍の10本になっているものが正式なご祝儀袋になります。
結婚式用ご祝儀袋の選び方➂親しい友人・知人
親しい友人の結婚式になると、とっておきのご祝儀袋を選びたくなるものです。大切な人であればあるほど、いつも以上の気持ちを相手に伝えたいものですが、ご祝儀袋の選び方によっても大きく変わってきます。親しい友人の結婚式のご祝儀袋の選び方のポイントをおさえ、相手に失礼のないよう、心からの祝福を伝えましょう。
可愛いデザインのものも可
親しい友人の結婚式の場合、水引が基本の「紅白」や「金銀」に加え、ピンクやブルーなどのカラフルな色が使われているものも選ぶことができます。袋自体も「白」だけでなく色がついていたりと、近年では、ご祝儀袋のデザインも豊富ですし、新郎新婦に合わせたご祝儀袋を選ぶことは、特別感もあり喜ばれるでしょう。
のし・水引などの基本の形は守る
可愛いデザインを選ぶのはとても良いことですが「のし」や「水引」が基本の形に添っているものを選ぶということは忘れてはいけません。「親しき中にも礼儀あり」とよくいいますが、その通りです。友達だからといって、デザインばかりを重視し、肝心なことを忘れてしまわないようにすることが大切です。
結婚式用ご祝儀袋の書き方①表書きの名目
結婚式のご祝儀袋の表書きには、いくつかの決まりがあります。日頃、結婚式に出席することは、そう多くないため、知らない方がほとんどですが、肝心な時に失敗してしまわないよう、正しい知識を身に付けていきましょう。たくさんのデザインの中から表書きを見て、サッと選べる知識があるのは、プラスになること間違いなしです。
のしの上には「寿」「壽」の文字
のしの文字は、水引の上段の中央に「寿」や旧字体の「壽」が書かれているものが基本になります。まず、「寿」や「壽」という文字が書かれたものを選びます。目上の人であれば、より格式高く見える「壽」を選ぶのがお勧めです。近年では、英語で書かれているものも多いですが、先程の2つの文字よりもカジュアルさが出るということを覚えておきましょう。
「御結婚祝」など4文字は避ける
のしの文字には、「寿」や「壽」の他にも「御祝儀」などの文字が入っているものも、使用することができます。しかし、お祝いということが伝われば何でも良いというわけではありません。「御結婚祝」など、4文字になる言葉は「死文字」といわれ、結婚式などのお祝い事には不適切となっているため、ご祝儀を贈る時は避けましょう。
結婚式用ご祝儀袋の書き方②表書きの名前
近年のご祝儀袋では、のしの文字は既に印刷されているものが多く、自身で書くことは少ないですが、表書きの名前は誰もが書くことになります。名前を書けば何でも良いというわけではなく、ここでも書き方のルールがあるのです。表書きの名前を書く時の、基本をおさえていきましょう。
名目より小さ目に書く
まず、名前を書く時に頭に入れておきたいことは、先程もお伝えした、のしの文字である「寿」や「壽」などの「名目」よりも小さめに書くということです。表書きでは、自身の名前を主張せず、お祝いという気持ちが一番に伝わるようにしましょう。水引の下段中央に、全体のバランスを見て丁寧に書いていきます。
名前はフルネーム
さらに、表書きの名前を書く時に頭に入れておきたいことが、もう一つあります。名前は、誰から贈られたご祝儀なのかが、受け取った側に分かりやすいよう、フルネームで書くのが基本です。ご祝儀は基本、受付担当の方が受け取り、新郎新婦は後から確認することになるため、フルネームで書いておくことによって、より親切さが伝わります。
連名の場合の書き方
夫婦で結婚式に招待されている場合など、多く見うけられるのが、ご祝儀を贈る時に同じご祝儀袋に一緒にお金を包むということです。共通の友人など一緒に包む場合もあるかもしれません。一人でなく、何人かでまとめてご祝儀を贈る時の、表書きの名前の書き方を例をあげて具体的にみていきましょう。
夫婦の場合
まず、連名にすることが一番多いのが、夫婦で結婚式に出席する場合です。夫婦で連名にする場合、夫の名前を右側に、妻の名前を左側に書くのが基本になります。苗字はそれぞれに書いても良いですし、夫の名前に書いて妻は名前だけでも構いません。さらに、苗字をそれぞれの名前の真ん中に書く方法もあります。
友人の場合
友人などで連名にする場合は、同い年の友人同士である場合は、五十音順に右からフルネームでそれぞれの名前を書いていきます。同い年でなく、年齢のさまざまな友人である場合は、年齢の高い人から順に右からフルネームで書いていきます。連名で皆の名前を書きたい場合などは、3名程までにしておきます。
仕事関係の場合
友人の他に、仕事関係である方の結婚式に出席する場合も多くありますが、そんな時に、仕事関係である人たちで連名にする場合は、役職の高い人から順に、右からフルネームで書いていきます。さらに、名前に会社名や肩書を入れる場合は、名前の右上に、名前よりやや小さめに書いていきます。
4名以上書く場合
さらに、友人や仕事関係に関わらず、4名以上で一緒にご祝儀を贈る場合もあります。そのように、連名にする人数が多い場合は、全ての人の名前をご祝儀袋に書けないため、代表者の名前を書くことになります。中央に代表者の名前をフルネームで書き、その左側に「外一同」と書き添えます。
結婚式用ご祝儀袋の書き方➂中袋
ここまで、詳しくお伝えしてきたご祝儀袋の表書きは、大々的に見えるところのため、正しい書き方やマナーを守っている方がほとんどです。しかし、お金を包む中袋にも、いくつかの決まりがあります。知らない方が多い決まりですが、気を抜かず、知識をつけていきましょう。
表面は金額を漢数字で書く
まず、中袋の表面には、中に包む金額を書くのが基本になります。必ず、「金〇萬円」と書きます。さらに、ここで注意したいのが、数字を書くときに、漢字で書きますが、現代使われている「略字」ではなく「旧字体」で書くということです。例えば「一」は「壱」、「三」は「参」などになります。
裏面は名前と住所を書く
表面の金額を書いた後に忘れてしまいがちなのが、名前と住所を裏面に書くということです。中袋に名前をフルネームできちんと書いておくことによって、新郎新婦がご祝儀を整理する時に、上包みを外した後にも、誰からのご祝儀を頂いたのか、把握しやすくなるのです。さらに、住所を書く時に郵便番号も書いておくと、より親切になります。
結婚式用ご祝儀袋の書き方④筆記用具
結婚式のご祝儀袋に「名目」や「名前」を書く時に、大事なポイントがもう一つあります。それは、何の筆記用具を使って書くかということです。使うペンの種類によって、相手に伝わる意味が変わってくるのです。知らず知らずのうちに、相手に失礼をしてしまわないよう、具体的に何を使ったらいいのかご紹介していきます。
筆もしくは筆ペン
結婚式のご祝儀袋の表書きと中袋は、筆もしくは、筆ペンで書くのが基本です。お祝い事の場合、慶びを表す意味で濃い墨で書いて強調するのです。ですから、ボールペンや万年筆は使用しないよにしましょう。サインペンでも良いという情報もありますが、基本はマナー違反です。つまり、筆もしくは、筆ペンで丁寧に書くのが無難といえます。
書き方は太く濃く
先程もお伝えしたように、お祝い事の場合「より慶びを表すため」に濃い墨を使い、太く文字を書いていきます。現代では、筆を使う習慣があまりないため苦手な方も多いですが、気持ちを込めて丁寧に書くことが大切です。注意したいのが、薄墨の筆ペンです。薄い墨はお葬式などお悔やみの時に使用するのが基本なので、お祝い事の場合は避けましょう。
結婚式用ご祝儀袋へのお金の入れ方
ここまでの、表書きや中袋への記入が一通り終われば、後は中に包むお金を入れるだけです。お札の入れ方にも、もちろんルールがあります。たくさん決まりごとがあって全て把握するのは大変ですが、お金を包む時に前もって準備が必要なものもありますので、余裕をもって結婚式当日を迎えられるよう、お札の正しい入れ方をご紹介していきます。
お金は新札を準備
結婚式というものは、招待されてから当日までに、1ヶ月以上もの時間があるのがほとんどです。その間に、しっかりと準備をし当日を楽しみにしていたと相手に伝えることが大切です。お札の入れ方の前に、中に包むお札が綺麗であることが大切になります。前もってお金を新札に交換することのよって、より気持ちが伝わりやすくなるのです。
お札の肖像画が上になるように入れる
中袋へのお札の入れ方にも決まりがあるとお伝えしましたが、お札の向きをそろえ、中袋の表面とお札の表面(肖像画が印刷されている面)を合わせます。さらに、肖像画が上にくるように入れるのがお札の入れ方の基本です。実際にお札を入れる時は、中袋を裏返して入れる方がほとんどなので、最後に、もう一度向きをチェックすると良いでしょう。
ご祝儀袋を包むふくさにも決まりがある
ご祝儀を持っていく時に、鞄からご祝儀袋をそのまま出すのではなく、ご祝儀袋をふくさに包んで持っていくのがマナーになります。ふくさには「ご祝儀が汚れたり折れないようにするため」と「受け取る側の気持ちを大切にしています」という思いが込められています。
ひとえに、ふくさといっても、結婚式で使用できるふくさには、形がさまさまなものがあり、入れ方のタイプがそれぞれ変わってきます。さらに、色も多く何を選んだらいいのか迷う方も多いのです。そんな方に、良識あるふくさの選び方をご紹介していきます。
ふくさの色や形
お祝い事の時には、赤やピンク・オレンジといった明るい色のものを選びます。柄が入っているものも使用することができ、鶴や亀など、おめでたい柄が入っているものを選ぶと良いでしょう。
ご祝儀袋の入れ方もふくさの形によってさまざまで、格式の高い一枚の布である「包むタイプ」の入れ方のものや、手帳型になっている「包むタイプ」の入れ方のものもあります。さまざまな種類のふくさがあるため、自分に合ったふくさを選ぶのも楽しみの一つでしょう。
紫色のふくさ
結婚式の時に使用できるふくさは明るく華やかな色のため、お悔やみの時には使用できないものがほとんどです。しかし、紫色のふくさはお祝い事の時に加え、お悔やみの時でも使用することができる唯一の色です。そのため、紫色のふくさを共通で使用している方は多く見受けられます。
結婚式用ご祝儀袋は正しい書き方で贈ろう!
結婚式のご祝儀袋の選び方・書き方・お札の入れ方には、さまざま決まりがありましたが、正しい知識を持って贈ることによって、お祝いの気持ちが相手に伝わりやすくなります。ここまで読んで頂けた方は、しっかりとお分かりになって頂けたでしょう。
ご祝儀袋の選び方・書き方・お札の入れ方が、そんなにお祝いで重要なのかと思う方もいるとは思いますが、結婚式という大切な人の、大切な時間を盛大にお祝いするには、この基本的なルールを守ってこそ成り立つものなのです。