きっかけの意味や類語を解説!同じような使い方ができる言葉は?

きっかけの意味や類語を解説!同じような使い方ができる言葉は?

コミュニケーションの始まりとも言える質問でよく使われる「きっかけ」の意味、類語、使い方、英語表現、成り立ちを分かりやすく解説しています。きっかけとはどういう意味かはもちろん、「端緒」に代表される多くの類語も例文付きで紹介。「きっかけ」をしっかり理解できます!

記事の目次

  1. 1.「きっかけ」の意味とは
  2. 2.「きっかけ」の類語
  3. 3.「きっかけ」の使い方
  4. 4.「きっかけ」の例文
  5. 5.「きっかけ」の英語表現
  6. 6.「きっかけ」の成り立ち
  7. 7.「きっかけ」は原因や動機を意味する様々な類語がある!

「きっかけ」の意味とは

Photo bySztrapacska74

何かを始めたりしたときに、「何がきっかけでそれを始めたの?」などと聞かれたことがある人は多いでしょう。

それだけ「きっかけ」というのは身近な言葉なわけですが、ニュアンスがいくつもある言葉で、さまざまな場面で使うことができる言葉でもあります。

そこで、この記事では「きっかけ」とは何かという言葉の意味はもちろん、使い方、「端緒」などの類語、英語表現などを例文を出しながら分かりやすく説明していきます!

意味①物事を始める為の手がかりや機会

Photo byPexels

「きっかけ」とはどういう意味か?と聞かれたときの、最も代表的な回答が「物事を始める為の手がかりや機会」というものです。

「私が本格的に英語の勉強を始めたきっかけは、中学校の英語の先生が面白かったからだ」という例文のような場合の「きっかけ」がこの意味にあたります。

自分で何かを始めるときに大きな影響を及ぼした出来事やその端緒となった出来事を言いたいときに、よく使われるのが「きっかけ」という言葉なのです。

意味②物事が始まる原因や動機

もう1つ、「きっかけ」とは「物事が始まる原因や動機」という意味であるという説明もあります。

例文としては、「あの戦争のきっかけは、国境付近での両国の兵士間のいさかいであった」というような使い方をあげることができます。

こちらの使い方は、先ほどの意味よりも客観的に物事が始まった原因や動機を説明したいときに使うことが多いです。

「理由」とは違う?

Photo byqimono

ここまで「きっかけ」の意味をみてきましたが、「きっかけ」と「理由」は何が違うのかと疑問に思う方もいるでしょう。

確かに、「きっかけ」も「理由」も物事が始まった時点の話をしているので、意味合いが似ています。

しかし、「きっかけ」と「理由」は違うものになります。ここからはこの違いについて紹介していきます。

Photo byColiN00B

そもそも「理由」とは、物事を起こした、あるいは物事が発生した根拠のことを意味した言葉です。根拠ですので、論理的な説明になっている必要があります。

一方の「きっかけ」は、論理的である必要がありません。「きっかけ」には偶然に発生した出来事も含まれるためです。

Photo byanalogicus

例えば、「私と彼が知り合ったきっかけは、カフェで隣の席だったことだ」とは言えますが、「私と彼が知り合った理由は、カフェで隣の席だったことだ」では不十分です。「理由」を使うなら、「私と彼が知り合った理由は、カフェで隣の席だった彼が私に飲み物をこぼしてしまい、お詫びのために連絡先を交換したからだ」のようにする必要があります。

Photo byClker-Free-Vector-Images

「きっかけ」にも理由と通じる部分があるので、まったく違う言葉ではなく、重なる部分もあります。

しかし、「きっかけ」は使える対象が広いのに対して、理由の場合は論理性が要求されるため、使える対象が狭いのです。これが「きっかけ」と「理由」の違いになります。

「きっかけ」の類語

Photo bytruthseeker08

ここからは「きっかけ」と似ていて、言い換えで使うこともできる類語について紹介していきます。

類語を覚えることで、「きっかけ」と同じニュアンスをさまざまな言葉で伝えることができるようになり、文章のクオリティを上げることができます。

類語①引き金

Photo bykerttu

まず、「引き金」という「きっかけ」の類語について、ご紹介します。「引き金」とは、ピストルについている「引き金」のことです。ピストルでは、この「引き金」を引くと銃弾が発射されます。

この様子から、何か物事を引き起こすきっかけになったことを「引き金」と言うようになりました。文章中では、「引き金を引く」というかたちで使われることが一般的です。

具体的には、「あの反対運動の引き金を引いたのは、市長の不用意な発言だった」という例文のような使い方がされます。

類語➁契機

堅めの文章で出てくることの多い「契機」という言葉も、「きっかけ」の類語として使うことができます。

「契機」の「契」にはぴったり合うという意味があり、「機」にはそもそもきっかけという意味があります。ここから、「きっかけに合う」となり、物事の発生や変化のきっかけという意味で使われています。

文中では、「東京の大学に合格したのを契機に上京した」という例文のような使い方をします。「~を契機に(として)」という使い方をすることが多いです。

なお、「契機」はヘーゲル哲学の「Moment」の訳語としても使われますが、日常的に使う言葉とは言えません。

類語③端緒

Photo byOpenClipart-Vectors

「端緒」とは、「物事の始まり、手がかり、糸口」というような意味を持つ言葉で、こちらも「きっかけ」の類語として使うことができます。

「端緒」を構成する「端」にも「緒」にも、「始まり」という意味があります。「端」は「はじ」とも読みますが、「物事の端っこ」から「始まり」という意味になっています。「緒」にも「いとぐち」という読みがあります。

ここから、「端緒」とは「物事の始まり」という同じような意味を持つ漢字でつくられた熟語であることが分かります。

例文としては、「問題解決の端緒が開(ひら)けた」などをあげることができます。この類語も堅い文面での言い換えとして使うことが多いです。

類語④原因

Photo bysasint

「原因」も「きっかけ」の類語として使用可能です。こちらも「理由」と同じような意味になりますが、「原因」は「理由」よりもさらに使える対象が狭いのが特徴です。

「原因」とは、結果がマイナスであったことの要因について使います。結果がプラスである事柄で使うと相手に違和感を持たれてしまうので注意が必要です。

例文をあげると、「大学合格の原因は、勉強量が十分だったことだ」では、かなり不自然な文章になります。逆に、「大学に合格しなかった原因は、勉強量が不十分だったことだ」であれば自然です。

Photo by3D_Maennchen

「理由」の場合は結果のプラス、マイナスは問いませんでしたが、「原因」では結果のプラス、マイナスが重要になりますので、「理由」よりもさらに使う対象が狭くなっています。

しかしながら、「端緒」などの類語に比べると一般的に使うことができる類語になりますので、使い方にさえ気を付ければ非常に使い勝手のいい言葉です。

「きっかけ」の使い方

Photo bygeralt

「きっかけ」の意味や類語についてみてきましたが、ここからは使い方について、もう少し詳しくみていきます。

使い方を理解することで、「きっかけ」という言葉への理解をより深めていきましょう。紹介する使い方を2つにしぼっていますので、分かりやすくなっています。

起業

Photo byFree-Photos

「きっかけ」が良く使われる場面として、「起業」にまつわる場面をあげることができます。「起業」は人生の中での大きな転機となり、決断力を要求されるので、「きっかけ」を聞かれることが多いのです。

「起業」以外にも、人生の中での大きな決断では「きっかけ」を使った言い方をすることが多いと言えるでしょう。

出会い

Photo by3D_Maennchen

「起業」と並んで「きっかけ」が使われる場面があります。その場面とは「出会い」に関することが話題になっている場面です。

「きっかけ」には、偶然起きた出来事というニュアンスも含めることができます。そして、人との出会いは偶然性によるところが大きいので、「きっかけ」という言葉を使うのが一番しっくりくると感じやすいのです。

ちなみに、この偶然性というニュアンスは先ほど紹介した類語では表しにくい、もしくは表せないので、「きっかけ」という言葉の大きな特徴であると言うことができます。

「きっかけ」の例文

Photo byArcaion

先ほど紹介した「きっかけ」という言葉がよく使われる場面では、どのようにして「きっかけ」を使えばいいのでしょうか。

ここからはその実際の使い方を、例文をあげながら丁寧に紹介していきます。例文を見ることで、より理解が進みます。

出会いに関するきっかけ

Photo bytoanmda

「出会い」に関する場面で「きっかけ」を使った場合の例文とは、どんなものになるでしょうか。

このような場面の例文としては、「彼女と出会ったきっかけは、サークルが同じであったことだ」などをあげることができます。

「出会い」、特に恋愛での「出会い」の場合は、偶然性が運命的なものとしてとらえられる傾向にあります。

したがって、偶然性というニュアンスを出せる「きっかけ」は、出会ったときの出来事を表すのにうってつけの言葉だと言うことができるのです。

起業に関するきっかけ

Photo byFree-Photos

もう1つ紹介した、「起業」に関する話題が話されている場面での「きっかけ」の例文についてもみてみましょう。

「起業」に関する場面の例文として、ここでは「彼は勤めていた会社の倒産をきっかけに起業にすることにした」をあげておきます。

Photo byathree23

起業する場合の「きっかけ」は、ネガティブなものとポジティブなものがあります。例文では、ネガティブなものをあげました。ほかには、希望する仕事(部署)に就けなかった、条件が悪かったなどもあります。

ポジティブなものの場合は、資金が十分集まったことや仲間に誘われたことなどが考えられます。

いずれにしろ、「起業」の「きっかけ」はその人にとって大きな出来事が背景にあることが多いので、興味深い内容であることが多いです。ただ、ネガティブな理由の場合もあるので、ある程度信頼関係ができてから聞いたほうが無難だと言えるでしょう。

「きっかけ」の英語表現

Photo byRonile

続いて、「きっかけ」や「端緒」の英語表現について紹介していきます。英語にも「きっかけ」に相当する言葉は存在します。

しかし、日本語の「きっかけ」はニュアンスが幅広く、英語でそのまま言い換えられるものは少ないので、文脈によって使える英語を覚えておくといいでしょう。

出会いのきっかけを意味する英語

Photo byOpenClipart-Vectors

出会いのきっかけを意味する英語としては、そのまま「meet」という英語を使うことができます。「~で出会った」という英語にすることができるためです。ただし、「meet」は意味が広く、文脈によって誤解を招くこともあるので注意が必要です。

また、出会いのきっかけを聞く場合は、「How did you guys meet?」、「How did you meet?」、「How did you two meet?」などの英語表現をすることができます。いずれも「君たちはどういう風に出会ったの?」という意味になります。

Photo bygeralt

Howは「How much」(いくら?)で使うため、「程度」を表すと思っている方が多いかもしれませんが、「過程」を表すこともできます。そのため、「How~meet」で、「どのように出会ったの?」という意味になります。

なお、「君たち」をyou guysとするのはアメリカ英語ですので、イギリス人などに使うときは気を付けましょう。

Photo byHans

ほかに、「How did you two get to know each other?」も使うことができます。「get to know」で「知り合う」という意味になります。「each other」は「お互いに」です。このため、細かく訳すと「君たちはどういう風にお互い知り合うようになったの?」になりますが、意訳すれば「君たちの出会いのきっかけは何?」になります。

興味を持ったきっかけを意味する英語

「~をきっかけに、○○に興味を持った」のような、「興味を持ったきっかけ」を英語で言いたいときには、どうしたらいいのでしょう。

このようなときには、「The reason why I become interested in」や「The reason why I get interested in」という表現を使うことができます。

この表現を使うと、「The reason why I became interested in Japan is TV programs.」(私が日本に興味を持つようになったきっかけは、テレビ番組だ)のような例文をつくることができます。

なお、becomeとgetの違いとしては、becomeが「徐々に~になる」と時間をかけるニュアンスがあるのに対して、getは「すぐに~になる」と瞬間的なことも示せるというものをあげられます。上手に使い分けてみてください。

行動のきっかけを意味する英語

何か出来事があって、それがきっかけになったという場合には「event that led to~」という英語表現を使うこともできます。これで「~のきっかけ」という意味になります。

「The event that led to me starting to learn English was reading interesting books about English.」(私が英語の勉強を始めたきっかけは、英語に関する面白い本を読んだからだ)という例文のように使うことができます。

そのほかに、単純に「~のあとで、~を始めた」という構造の英語の文章でも、「きっかけ」のニュアンスを出すことができます。

先ほどの例文を使うと、「I started to learn English after reading interesting books about English.」でも良いということです。言い回しを使うと間違えてしまう可能性もあるので、このようなシンプルな言い方をしても良いでしょう。

「きっかけ」の成り立ち

Photo bygeralt

ここまで、「きっかけ」の意味や使い方、「端緒」に代表される類語、英語表現を見てきました。

最後に、「きっかけ」という言葉の成り立ちを知って、「きっかけ」についての理解をさらに深めましょう。

きっかけのもとのかたちは「切り掛け」

Photo by089photoshootings

「きっかけ」という言葉はもともと「切り掛け」(きりかけ)でした。「きりかけ」が促音便化したかたちが「きっかけ」です。

促音便とは、「ち、ひ、り」が「小さいつ」に変わる現象のことです。そのままだと読みにくいので、日本語では自然と「ち、ひ、り」を「小さいつ」に変えてきたのです。

この「切り掛け」の由来には大きく2つの説があります。1つは「壊れかけ」のようにある動作や状態が始まる直前という意味がある「掛け」が由来で、「切る直前」、つまり「これから切りますよ」という意味だったものが発展して、いまの「きっかけ」につながったのではないかというものです。

Photo byMyriams-Fotos

もう1つは、「切り掛け」とは「切る」と「掛け」という2つの言葉の合成語であるという説です。こちらは「切る」が物事の終わり(上り切る、読み切るなど)、「掛け」が「何かをし始める」という意味で、2つを合わせると「物事が終わって新しいことを始めるところ」だったために、「きっかけ」を表すようになったのではないかという説です。

「きっかけ」は原因や動機を意味する様々な類語がある!

Photo byFree-Photos

この記事では「きっかけ」の意味、使い方、類語、英語表現、成り立ちを紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。「きっかけ」は物事の原因や動機を意味する言葉ですので、「端緒」など多くの類語があります。「きっかけ」は質問でも使いやすいので、コミュニケーションの「きっかけ」として、ぜひ使ってみてください!

西海ハシル
ライター

西海ハシル

皆さんに役に立つ記事を分かりやすく書いて、「読んで良かったな」と思ってもらえるように頑張ります!最近は将棋を見るのが好きです。

関連するまとめ

人気の記事