打算的の意味
打算的という言葉を、どんな時に使いますか。なんだかずるがしこい人を指して「打算的だな」など言うことが多いかもしれません。打算的という単語の意味は「物事をするにあたって、何よりもまず自分の損得を考える態度を取るさま」となります。計算高く要領の良いイメージです。
何をするにも損得で考える
何かをするとき、まず自分の損得だけ考えて判断する人がいます。自分が得をしそうならやるし、損するようなら何もしません。そんな生き方は「打算的」とみられます。人付き合いでも、何か頼まれごとでも、例え相手がどんなに困っていても、自分が得をしないことはしません。他の動機で行動することは意味が分かりません。徹底して自分の損得に拘ります。
人間関係も自分の損得で付き合う人を決めます。恋愛や結婚もです。自分に得がない人とは、付き合い方を変えるのです。もちろん損する人とは付き合いません。
打算的の対義語
打算的な生き方はイメージできたと思います。なんだか狡くて計算高い、損得勘定で行動する生き方をする人です。周りを見渡せば、一人くらい打算的な人がいるかもしれません。では打算的ではない生き方とは、どんなものでしょうか。「打算的」という言葉の対義語から、打算的とは真逆の生き方はどんなものかを探っていきます。
①盲目的
打算的の対義語で「盲目的」という言葉があります。盲目とは意味が二つあり、物理的に目が見えない事と、比喩的に物事の分別ができないことがありますが、後者が「打算的」の対義語です。全く理性的な判断が出来ない状態を意味します。「恋は盲目」とよく言いますが、恋愛すると相手が全てよく見えてしまい、冷静ではいられないことがあります。
盲目的になると計算も損得も関係ありません。損得勘定しながら付き合い方を決める、打算的な生き方は、盲目的な恋愛から結婚へ辿り着くドラマチックな展開とは真逆です。
②無私的
他にも打算的の対義語として「盲目的」にとても近い意味を持つ「無私的」という言葉もあります。無私的の「無私」とは「私的な感情にとらわれず、利害の計算をしないこと」です。自分を最優先する「打算的」とは真逆の対義語で、私利私欲の感情を持たない状態です。他の存在そのものを、自分の推測抜きでまるごと認識する状態です。
③奉仕的
「奉仕的」という言葉も、打算的の対義語になります。対義語としての「奉仕」とは、報酬や見返りを求めず、利害を離れて尽くすことです。とても健気な姿がイメージできます。他にも「ご奉仕品」などお店で特価で売られている商品も「奉仕」ですが、打算的の対義語としては意味が違います。
④献身的
「奉仕的」に似ていますが「献身的」も、打算的の対義語です。打算の対義語はどれも自分より他人を優先して尽くすイメージですが、献身的とはまさしく自分のことを顧みずに、一生懸命心身ともに捧げるほど、他のために尽くすさまを意味します。様々な対義語がありますが、対義語の中でも端と端のイメージです。
ここまで「打算的」の対義語を考察してきました。どの対義語も、自分より他を優先しています。対義語から振り返ると「打算的」の言葉の意味が、より深く浮き彫りになり、明確になります。
打算的の特徴
「打算的」という言葉を解説してきましたが、実際に打算的と言われる人は、どんな特徴があるかご存知でしょうか。打算的の特徴とは、とてもずる賢いイメージが伴いますが、生き方として打算的な事は、悪い事ばかりとは限りません。時には打算的な生き方が必要なシーンもあるかもしれません。打算的な人の特徴をご紹介します。
①損得で行動
打算的な生き方の特徴として、まず「損得で行動」することが挙げられます。損得で行動する人は、周りから打算的な人だと思われます。自分が得することなら何でもするし、損をすることには手を出しない特徴があります。人間関係も損得で判断します。付き合えば得をする相手を選び、得をしない相手には付き合い方を変えていきます。
②計算高い
とても計算高い特徴も、打算的な人に強く現れる面です。大事にすることと、切り捨てることは素早く計算し、自分の得になるように行動します。このような特徴は生活していく中でメリットも多く生み出します。例えば外食する際に、美味しくて安いお店を探したり、クーポン券を利用するなど、損得を素早く計算して自分に最も有益な結果を生み出します。
計算高い特徴は、メリットとデメリットの両方を比較検討して、損のない選択をする生き方が出来ます。打算的のイメージはあまり良くないことが多いのですが、生活の中では打算的な特徴も時には必要なものと理解できます。
③嫌われやすい
損得勘定や計算高い生き方を周りに見破られてしまうと、打算的な人は嫌われる確率が高くなります。自分だけ良ければいいと思ってルールを無視し、他人に気遣いが出来ない人に出会うと、気分は良くないですよね。打算的な人は、自分が得するためには、ルールも他人も無視しがちです。そのため配慮に欠けてしまい、人望を失いがちです。
打算的に行動した結果、あらゆる得を勝ち取っていても、嫌われやすいという点では味方を失い、結果的には損をしてしまいます。
④腹黒い
打算的な生き方をする人は、腹黒い特徴があります。自分が得をするためにルールを守らなかったり、人を出し抜いたりして「手段を選ばない」のです。普通なら罪悪感を感じたり、心を痛めたりするようなことでも、打算的な人は自分が得をすることならば、どんな卑劣な事でも行動する特徴があるのです。
何よりも「自分の得」が最優先なので、後ろめたい気持ちは微塵もありません。その行動力は素早く、打算的な人の特徴といえるでしょう。
⑤世渡り上手
打算的な人は、人間関係も得か損かで計算し、自分に得をもたらす人に素早く近づき、自分の良い方向に働きかけるよう仕向けます。非常に世渡り上手です。自分にとってメリットが大きい人には、嫌われないように愛想をふりまき、時に気の利いた褒め言葉などを並べて媚を売ります。相手に気に入られることで、自分への有益を引き出すのです。
しかし、相手が自分に得をもたらさなくなったり、そもそも得しない人には、まるで別人のように愛想はありません。この裏表の激しさは、一見意味が分からない人も多いのではないでしょうか。この態度は冷たい人と誤解されがちですが、打算的なだけなのです。
⑥図々しい
打算的な人は、最初から自分の得を取るために割り切っているところがあり、そのため、例えば普通なら遠慮して頼めないことを、平気な顔で頼んでくる図々しさがあります。自分の得を最優先するため、少し強引にでもお願いしたり、それに対して何かお礼をすることもありません。お礼をするのは損することだと思ってしまいます。
打算的は悪いことばかりじゃない
打算的というと、利己的で冷たいイメージを持ちやすいですが、人は誰でも打算的な部分を持ち合わせています。他人より自分が大切だからです。しかし中には、本当に打算的な部分が少なくて、すぐ人に騙されたり損をさせられたりする人もいます。例えば他人の借金を背負ったり、何でも献身的に尽くしたりします。
多少の打算的な気持ちは、時には人として誰でも必要なものです。自分の得を考えることは悪いことではありません。要はそのバランスの問題です。打算的だからと言って嫌がらず、必要に応じて打算的にもなりましょう。
打算的な人の生き方
それでは、打算的な人はどんな生き方なのでしょうか。損得勘定が素早い分、大きな利得がありそうです。人のことより自分の得を優先するということは、自分を強く持つことです。打算的な生き方によって得られるメリットは、実は生き方としては非常に強みとなる部分が大きいのです。
①仕事がスムーズに回る
打算的な人は、計算高くて頭の回転も速いものです。ビジネスの場では、自分や自分のビジネスが、たくさん利益を出せることが大切ですから、どうしたら有益をもたらすかを素早く計算し、要領よく仕事をこなしていくことができる打算的な人は、実は仕事がとてもスムーズです。交渉も上手に相手に取り入ることが出来て、合理的に進めることができます。
成果が求められる営業職などは、打算的な人のほうが効率よくより良い成績を作り出すことが出来ます。事務職でも、例えば残業したくないなど、自分の時間のために仕事の効率化を図ることで、スムーズに仕事がまわります。
②ストレスが少ない
打算的な人間関係のほうが、後腐れなくドライな関係のため、ストレスが少ないでしょう。打算的な人にとっては人間関係も損得勘定、貰えるものがなければ関係性を切り捨てることもあり得ます。人間関係にはストレスが付き物ですが、あくまでも自分が得をするための付き合いだけなら、情が絡むストレスに巻き込まれません。
③得のための幅広い思考
打算的な人は、得をするためには手段は選びません。良いも悪いも柔軟に捉えて、いかに自分が得をして、損をしないかを選択します。長期的に打算的なプランを立てられる人は、目先の損得より先々のことをも考慮し、最大のメリットと最小限のデメリットを検討して行動していきます。
そのため、自分にとってベストなライフスタイルを、柔軟に選び取ることが出来ます。打算的な生き方は快適な生活をもたらすこともあるのです。
④コストパフォーマンスを叩き出す
損得勘定が早くい打算的な人は、コストパフォーマンスへのこだわりが大きく、また実際にコスパの良い品を探したり、自分自身の労力を最小限にしたりと、それによって得られる利益、すなわち大きなパフォーマンスを叩き出します。価格や品質、使い勝手などのリサーチも欠かしません。
ただ安い品を手に入れるだけでなく、コストパフォーマンスに拘るため、最大の利益を得ようと努力します。
打算的な人との付き合い方
打算的な人も色々なタイプがいます。打算的な人と上手に付き合うには少しコツがあります。打算的な人は共感力が低く損得で動くので、自分勝手に見えてしまいます。しかし打算的な人は悪者ではありません。あなたが打算的な人が嫌いでも、やむなくお付き合いすることもあるかもしれません。打算的な人と上手にお付き合いしていきましょう。
本当の心のうちを想像する
打算的な人は、自分の気持ちを他人に見せず、自分の利得のために隠してしまうようです。得をする相手でなければ、愛想も不要と考えてニコリともしないので「冷たい人」とか「不愛想」と思ってしまうこともあるかもしれません。しかし打算的な人も心の中では様々な事を考えたり感じたりしています。その人の心のうちを想像してあげましょう。
打算的な結婚と恋愛の注意点
打算的な恋愛や結婚とは、結婚や恋愛に置いて相手が自分に得をもたらすパートナーを選ぶことです。相手の容姿が優れている、経済的に余裕がある、自分に尽くしてくれる、貢いでくれるなど、相手が何かしら自分に得をもたらす人を選び、自分の生活が楽になったり、欲しいものが簡単に手に入ったり、精神的に安定したり、周りから羨ましがられたりします。
打算的な恋愛や結婚は、恋愛や結婚を利用して自分が得をし、望みを叶えられることが最大のメリットです。しかしその恋愛や結婚は、好きでもない相手を選択することでもあります。
好きな人が得をもたらしてくれる相手で、そのまま恋愛や結婚に繋がるなら最高ですが、なかなかそう上手くはいきません。
①好きな人に巡り合えない
打算的な恋愛や結婚をする人は、本当に心から自分が好きと思える人と巡り合えません。たとえ好きと思える人と巡り合えても、普段から打算的に恋愛や結婚の相手を探しているので、自分の気持ちより損得勘定を優先してしまい、恋愛や結婚まで発展しないで、二人の関係性が終わってしまうこともあります。
打算的な人は、相手のために尽くすことは「損」なのでしません。しかし恋愛は相手のためにひたすら思いを募らせたり、献身的に尽くすことが二人の絆を強くしていきます。打算的な人はそれができないので、恋愛や結婚で相手との距離を感じさせてしまいます。
②一緒にいるのが苦痛になる事も
本当に好きな気持ちより、得を優先させた恋愛や結婚は、愛情が薄いために一緒にいるのが苦痛になることがあります。一緒にいるのが苦痛でも、パートナーがもたらすメリットが大きいために、身動きが取れなくなります。また結婚相手の肩書や収入を当てに結婚しても、それが一生続くとは限りません。
打算的な恋愛や結婚は、パートナーからの得を享受する代わりに、本当の意味での愛を失います。打算的な結婚をして一緒にいるのが嫌になっても、離婚するのもまた大変な労力です。そうなれば時間や精神的苦痛など、大きな損となるでしょう。
打算的な人は損得で行動するため付き合い方に工夫が必要!
打算的な人は、損得勘定で人付き合いの仕方も変えます。あなたに得があると思われているうちは良くしてくれますが、メリットがなくなると急に態度も変わります。悪い人ではないけれど打算的でお付き合いしたくない人はいるものです。職場などで打算的な人を避けられない時は、打算的な人の特性を理解して、上手にお付き合いしましょう。