神経質の意味は2通り
神経質な人の意味とは、「細かいことを気にする人」「気にしすぎる人」などを意味します。細かいことに気が付くので「よく気が付く人」「綺麗好き」などポジティブに見られる反面、細かすぎることから「もう少し気楽にできれば」「潔癖症」などネガティブに見られてしまう2通りの意味があります。
それでは、神経質な人のポジティブ面とネガティブ面それぞれの意味を詳しく見ていきましょう。
①ポジティブに捉える意味
神経質な人の性格をポジティブと捉える意味とはどんなものがあるのか見ていきましょう。神経質な人は「繊細でよく気が付く」「人に対して親身になれる」「協調性が優れている」「思いやりがある」などとポジティブな意味に捉えられる面がたくさんあります。その中で繊細でよく気が付く人とはどんな人なのか詳しく見ていきましょう。
繊細でよく気が付く人
神経質な人は細かいことによく気が付くので、人間関係や仕事面でも上手くいきます。常に周りに気を配っているので相手の変化に気付き、声を掛けてあげることができます。
また、自分の基準だけでなく相手の立場に立って物事を考えることができるので、適格なアドバイスをすることができます。そういったポジティブな意味が人間関係や仕事に良い影響を与えるでしょう。
②ネガティブに捉える意味
神経質な人がネガティブに捉えられる意味もいくつか見ていきましょう。「心配性」「完璧主義になりがち」「色々なことを気にし過ぎる」「感受性が高い」などネガティブな意味に捉えられてしまう面があります。その中で「気にし過ぎる性格」について詳しく見ていきましょう。
気にし過ぎる性格
神経質な人は気にし過ぎてしまうところがあります。誰かがひそひそ話していると自分が原因で悪く言われているのかもと思ってしまったり、他人にどう思われるか不安で自分を主張できなかったり、一緒にいる人が自分といて楽しんでいるのか不安になってしまったり、人一倍気にしてしまいます。
神経質は病気?
神経質な人の性格は過剰になると、ストレス関連障害など精神疾患として診断される場合があります。
主に特定の状況や対象が怖くなる「恐怖症」、根拠のない不安を持つ「不安神経症」、無関心・無気力が続く「抗うつ神経症」、手洗い・確認行為の繰り返しが起こる「脅迫神経症」、感情の起伏が激しくなる「ヒステリー」、病気ではないのに病気と思い込んでしまう「心気神経症」などがあります。
度を超す神経質は病気
過剰な神経質である場合、性格の問題だけが原因ではなくなってきます。色々なことに過敏になりすぎて日常生活に支障が出てしまう原因の場合は、自律神経失調症である可能性があります。自律神経失調症とは、自律神経系のバランスが崩れ、脳に悪影響を及ぼす状態のことを言います。
主な不調や症状は、頭痛・耳鳴り・動悸・息切れ・胃の不快感や吐き気・肩こり・筋肉の痛みなどたくさんの症状があります。その他に全身症状として微熱が続く・倦怠感・朝起きられない・イライラするなどがあります。これらの原因が単独又は複数重なって現れるのが、自律神経失調症と言われます。
神経質の対義語は?
対義語とは意味が反対となる言葉や意味が対象的になっている言葉を言います。神経質の対義語に「無神経」という言葉があります。他の対義語には「おおらか」や「がさつ」などがあります。
神経質と無神経、どちらもネガティブな印象があります。無神経の人が「がさつ」と言われるのに対し、神経質の人は「完璧主義」と言われ対極にあると言えます。では、無神経な人とはどんな人なのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
対義語の意味とは?
対義語について詳しく見ていきましょう。同一の言語のなかで、意味が反対の関係にある言葉を表します。
漢字一字の意味が反対になる対義語「優等と劣等」、漢字二字の意味が反対になる対義語「優越と劣後」、熟語全体として意味が反対になる対義語「普通と特別」、打消しの漢字(不・未など)を使って一方の意味を消す対義語「完全と不全」など漢字に限らず、意味の分類は3種類あります。
対義語に似た言葉では反対語や対語などがあります。因みに対義語の対義語は類義語や同義語になります。
神経質の対義語は「無神経」
「あなたは神経質な人だね」と言われるとあまり良い気持ちはしません。神経質の対義語を挙げると「無神経」という言葉があります。無神経という言葉もあまり良い印象がありません。どちらの言葉も両極端と言えます。
また、神経質は英語で「Nervousness(ナーバス)」と言います。因みにナーバスの対義語は「frank(フランク)」と言い、寛大や素直という意味があります。他の対義語では「about(アバウト)」だいたいやいい加減などの意味があります。神経質よりナーバスと言われるほうが耳馴染みがあり、印象も和らぎます。
無神経の意味とは
無神経の意味とはどんなことを指すのでしょうか?無神経な人の特徴は、「気遣いができない」「図々しい」「根掘り葉掘り聞く」「立ち入りすぎる」「がさつ」などの意味があります。他人に対する思いやりや気配りがなかったり、周囲からの言葉に耳を傾けないなど、鈍感な人の意味を指します。神経質な人とは全く逆の性格であることが分かります。
神経質な人の性格【ポジティブ面】
神経質な人とはどんな人のことを表すのでしょうか。神経質と聞くとネガティブなイメージをしてしまいますが、良い面もたくさんあります。まず、神経質な人の性格でポジティブな面を見ていきましょう。完璧主義・一般常識を心得ている・衛生面に敏感・丁寧で責任感があるなどのポジティブな面があります。では、この4点を詳しく見ていきましょう。
①神経質な人は完璧主義
期待に応えて完璧にこなしたい、人に評価されるような結果を出したいという気持ちが強く、完璧主義の性格は仕事の面で成功につなぐことができる人が多いです。仕事をお願いする立場の人からすると、細かい部分まで目が行き届き、モレがなく仕事を仕上げてくれるという安心感があります。
融通が利かない
ただし、こだわり過ぎることが原因になったり、時間が掛かりすぎることが原因で、何人かのチームで行う仕事の場合は他のメンバーにも同じ労力を求めてしまい、トラブルになってしまいがちです。また、計画的に準備をしているところに想定外のことが起きてしまうと、融通が利かずパニックを起こしてしまう場合があります。
②一般常識を心得ている
神経質な人は、人の目を気にする傾向があるため、ルールやマナーなどの規則から逸れることを嫌がります。自分が社会のルールからはみ出していないか、おかしなことをしていないかを常に気に掛けています。集団で物事を進める時に輪から外れることをしないことから、協調性や社会性に優れていると言えるでしょう。
協調性に優れている
先程も神経質な人は協調性に優れていると解説しましたが、もう少し詳しく見ていきましょう。協調性とは、一言で言うと「サポートが上手な人」と言えます。常に周りを気に掛けているので、忙しい人や困っている人などにすぐ気付くことができ、手助けができます。
社会では協調性のある人は組織の中で重要なポジションを任せられる傾向があり、とても良い評価をされるでしょう。
③神経質な人は衛生面に敏感
神経質の人は衛生面においても敏感である傾向があります。心配性、且つこだわりが強いため、雑菌やウイルスなどを過度に気にしてしまいます。気にし過ぎると潔癖症と言われ兼ねませんが、衛生面に人一倍気を配っているので、衛生管理に関しては長けていると言えます。
体調管理をしっかりと行う
「外出時はマスクをする」「外から帰ったらうがい・手洗いをする」「除菌スプレーを持ち歩く」など雑菌やウイルスから守る行動を徹底します。心配性なので風邪等をひかないように体調管理・危機管理能力にとても長けていて、自分自身の衛生管理をしっかりこなそうとします。ですので、体調をすぐ崩すということはあまりないでしょう。
④丁寧・責任感がある
神経質な人は、融通が利かないことから不測の事態などに対応できるように前もって計画し、内容を把握しておく傾向があります。そのため、物事に対して丁寧に且つ計画的に行動できるのです。
また、責任感も強い為、周りの人に迷惑が掛からないよう仕事の順序を理解してしっかり準備をし、正確に物事を進めようとします。丁寧で責任感のあることは仕事をしていく上で強みになるので、上手く活用していくと良いでしょう。
責任を持ってやり遂げる
神経質な人は、完璧主義で強いこだわりを持っています。完璧主義であるため途中で投げ出すようなことはせず、こだわりに沿って徹底して最後まで仕事をこなす強い責任感を持っています。一緒に仕事をするとなると、融通が利かない面もありますが、頼まれたことに対してはキッチリ最後までやり通します。そういった面では頼もしい存在と思われるでしょう。
神経質な人の性格【ネガティブ面】
ここまでポジティブな面を見てきましたが、その反面ネガティブな面もあります。神経質な人の性格のネガティブな面を詳しく見ていきましょう。「心配性」「自意識過剰になってしまう」「頼み事が苦手」「感受性が高い」などネガティブな面がありますが、性格やネガティブな面を理解出来れば、原因や治す方法、上手く付き合う方法が見つかるでしょう。
①神経質な人は心配性
神経質な人は、気になりだすと止まらなくなってしまう傾向があります。「もし○○だったらどうしよう」と心配を普段からしてしまいがちです。実際に起こるかどうかも分からない状況でも不安になってしまうことがあります。
例えば、メールを送ってもすぐに返信がないと、返信しない何か理由があるのではと気持ちを落ち着けることができなくなり、不安になって相手を思い通りにしようとしてしまいます。さらに心配性から自分のルールを相手にも押し付けてしまいがちなところもあります。
個々の意味を深く考え込んでしまう
神経質な人は、個々の意味を深く考え込んでしまう傾向にあります。神経質な人には真面目で正義感のある人が多く、そのために冗談が通じにくいことがあります。冗談なのか本気なのかその意味の区別が付かず、相手の人が冗談で言ったつもりの一言に傷付き考え込んでしまうのです。
②神経質な人は自意識過剰
神経質な人は、細かいことに気付きそれが気になるので、自分の外見や行動や話し方などで相手にどんな風に思われ、どんな影響を与えるのか気にし過ぎてしまう傾向があります。他人から見て許されることでも自分のルールに当てはまっていないと気が済みません。他の人が気にしないことでも気にし過ぎることで自意識過剰になってしまうのです。
周りの評価を気にしすぎる
神経質な人は、周りの人からの評価を気にし過ぎる傾向があります。周りの人が自分の服装や外見に始まり、人格をどう見ているのか気になってしまうのです。また、仕事においても、自分の作った書類などに自信がなく、提出前に周りの人にチェックをしてもらうことがあります。こうなってしまう原因は、客観的な評価が気になるところからきています。
③頼み事が苦手
神経質な人は、人に頼み事をするのが苦手な方が多いです。自分で思い通りに物事を進めたいために自分一人で背負いこみストレスを溜めこんでしまうのです。人に頼むことで自分が求める完成度が得られないのではという不安になり、人に頼むぐらいなら自分でやってしまおうと考えるのです。
自分を受け入れて貰えるか心配
人に頼み事をするのが苦手な人は傷付きやすく繊細な人が多いため、「断られたらどうしよう」と不安になったり、育った環境やトラウマから自分を受け入れて貰えるのか心配になります。そう思うことが原因で人に頼み事をしなくなってしまいます。
その結果、相手の人から「信用されていないんだ」と思われてしまい、関係がギクシャクしてしまいます。自分を受け入れて貰えるのか心配をする前に、まずは自分が他人を受け入れることが大切です。
④感受性が高い
神経質な人は、細やかな神経で些細なことにも良く気が付く人が多いです。そのため、気遣いができるからとグループの大事な役割を任される場合があります。しかし、相手がどう思っているのか深読みしすぎて疲れてしまうことがあります。感受性が高いために傷付きやすかったり、ストレスを溜めてしまったりするのです。
ストレスを溜めやすい
神経質な人は、「こうあるべき」という考えが強く、その考えと現実の違いに強いストレスを感じるのです。特に神経質な人は責任感が強く完璧主義な性格から「良い結果を出さなければ」という気持ちが強く、失敗することに対しての不安が強くなり、それがストレスの原因になります。
神経質な子供の育て方は?
子供が神経質だと、子育てが難しく感じるかもしれません。しかし、大切なのは穏やかな気持ちで接し、見守ってあげることです。神経質であることを指摘すると、子供は余計に神経質であることを気にしてしまうのです。子供の行動をおおらかな気持ちで見守り、あなたには居場所があるのだという安心感を与えてあげることが大切です。
また、細かいことを注意しすぎず、子供に任せてみるのも良いでしょう。ただ、成功したことだけを褒めるのではなく、失敗をしてもその過程を褒めてあげるようにしましょう。
神経質になってしまう原因
神経質な人のほとんどの人は、自分が神経質になった瞬間を自覚出来ていないでしょう。いつの間にか神経質になっていたとしても、何が原因で神経質になってしまったのか分からないと、不安になってしまいます。そこで、神経質になってしまう原因を3つ紹介していきましょう。
①幼い頃の経験
神経質になってしまう原因に、幼い頃の経験が影響している場合があります。両親が神経質で幼い頃から細かい事を言われ続けることで、自分も神経質になってしまったケースが原因です。言われた事が心に残ったままで、それが人格形成に大きな影響を及ぼし、それが原因で神経質になってしまうのです。
②更年期障害
神経質な性格は昔からではなく、歳をとってから急になってしまった場合、更年期障害が原因である能性があります。何故なら、更年期障害の症状の1つに「神経質」があるのです。女性ホルモンの減少により心身ともにバランスが乱れ、それが原因で不安な気持ちやイライラが続き神経質の特徴が出てくるのです。
③HSP
HSPの人の特徴は「刺激に敏感」「心の境界線が薄い」「疲れやすい」「自己否定が強い」などがあります。このような特徴から生きづらさを感じている人がいるのです。神経質な人の中でこの特徴に当てはまる人は原因がHSPである可能性があります。では、HSPとは何か?詳しく見ていきましょう。
HSPの意味
HSPとは、どんな意味なのでしょうか?HSPとは、生まれつき刺激に敏感で強い感受性を持っている人のことを意味します。
エイレン・アーロン博士というアメリカの心理学者が見つけたもので「Highly Sensitive Person」と言い、それぞれの単語の頭文字からHSPとなりました。HSPは病気ではなく、生まれつきのもので、人間だけでなく他の生き物にも存在します。
神経質を治す方法
神経質な人のポジティブな面とネガティブな面と詳しく見てきましたが、極端すぎると周囲と打ち解けることが難しくなります。そこで、神経質を治す方法を4つ紹介します。治す方法を積極的に試し、少しでも神経質な性格を改善し、周りの人と上手く付き合っていきましょう。
神経質を治す方法は、性格や気質によるところが大きく、治す方法が誰にでも当てはまるとは限りません。個性として馴染む範囲であれば治す方法を試すよりも付き合い方を磨くと良いでしょう。
①人の意見も聞き入れる
神経質な人が、完璧主義で細かいことにも気が付くのはとても良いことです。ですが、周りの人の意見を聞き入れ、自分の意見と擦り合せていくことも神経質を治す方法で大事なことと言えます。相手を受け入れる気持ちを持つことで、神経質を治すための「人との付き合い方」に繋がることになります。
②程よく妥協する
完璧主義で細かい所までこだわってしまうのは、周囲とギャップが生まれてしまう原因になることがあります。何故なら、人は細かい部分までこだわっていないからです。周囲とのギャップを埋めるためには、自分の考えを程よく妥協し、相手に寄り添うことで神経質を治すことができます。少しずつ力加減を覚えていけば良いのではないでしょうか。
③自信を持つ
神経質な人は、物事を完璧にこなし、徹底的に仕上げようとします。完璧を求めるため細部の細部まで目を向けることから心配性になってしまいます。
不安な気持ちを拭い去り、神経質を治すためには「これで良いんだ」と自分を認める気持ちを持ち、そして自信を持つことが神経質を治す過程で大事と言えます。「大丈夫」という気持ちを持つことで、更に追求する気持ちはなくなり、神経質な性格も和らぐでしょう。
④理解できない事があると「理解」しよう
世の中には、自分にとって理解できないことがあると認識できれば、楽になるでしょう。そのために、理解できない価値観や出来事を知ることで神経質を治すことに繋がります。治すために大切なことは理解できないことをたくさん知ることです。たくさんの情報を得たほうが自分でも納得しやすいのです。
神経質な人との接し方や付き合い方
人付き合いの中で「細かい人だな」「融通が利かない人だな」と思っていてもなかなか伝えづらいし、伝えたところで関係が悪くなってしまわないか心配といった経験があると思います。そんな神経質な人との接し方や付き合い方はどうしたら良いのでしょうか?今回は4つの解決法をご紹介します。
①頭ごなしに否定をしない
神経質な人は、プライドの高い人が多いです。面と向かって注意されたり、間違いを指摘されることを嫌がります。訂正するのではなく、諭すようにアドバイスのような形で話をするのが良いでしょう。気持ちを180度変えようとするのではなく、相手の気持ちに寄り添い、アドバイスをするように優しく伝えましょう。
②相手を褒めて上手に伸ばす
神経質な人は、自尊心が高く周囲の目をとても気にします。その性格を上手く利用し、相手のよく見える場所から褒めるようにしましょう。プライドをくすぐられるのは誰でも嬉しいはずですが、神経質の人はより能力を発揮しようと貢献してくれるでしょう。ほんの些細なことでも声を掛けるだけでも良いきっかけになります。
③密に連絡を取るようにする
神経質な人は、完璧主義なため目標までをしっかり計画しています。他のことに見向きもせず突き進んでしまうので、要所要所で声を掛けてどこまで進んでいるのか把握するために連絡を取るようにしましょう。密に確認を取ることで、突き進んでいてもすぐに軌道修正を図ることができます。
④神経質な人の足取りに揃える
神経質な人は、マイペースな人が多いです。融通が利かないことを無理に責めるのではなく、その人のペースに足取りを合わせることが神経質な人と上手く付き合っていくコツと言えます。神経質な人に寄り添うことで、心の距離が縮み、深い絆を生みやすくなるでしょう。
神経質な人は意見を理解して自分を見直そう
神経質な性格に悩んでいる方、神経質が原因で生きにくさを感じている方・病気がちな方は気持ちの受け取り方を少しずつポジティブに変えることで悩みが解消できるようになるでしょう。いろいろなこだわりが捨てられず、「○○すべき」「こうあるべき」という価値観に縛られてしまうと、神経症と診断されてしまったりします。
悩みや生きにくさをなくすためには、神経質の意味や治し方を知ることも大事ですが「考え方の視野を広げる」「自分を見つめ直す」ことで自分を労り、少しずつ改善されていくでしょう。