堅物の意味
私たちの周りには、堅物と呼ばれる人が意外に沢山いるのではないでしょうか。しかしビジネスでは、堅物と呼ばれる人とも一緒に仕事をしなければなりません。堅物の人は、付き合い方が分からない人、近付き難い人、とネガティブなイメージを多くの方が持っています。
付き合い方が分からない堅物な人と上手く人間関係を作って行くためには、まず「堅物」の意味を知らなければなりません。意味を知ることで堅物な人の性格や心理、行動パターンが見えてきます。そうすれば付き合い方も次第に分かって来るでしょう。
「堅物」を辞書で引くと人物を表す場合には「きわめて真面目で融通が利かない人」や「融通が利かない頑固な人」と出てきます。また物を表す場合は「かたもの」と読んで「銅や鉄などのような堅固な物」「確かな物」「間違いのない物」という意味になります。
「堅物」の意味は、人を表しているのか物を示しているのかを、文章の流れの中で判断しなければならないので注意が必要です。この記事では人物を表す「堅物(かたぶつ)」の方を主に紹介していきます。
生真面目で融通が利かない人
堅物の意味「生真面目で融通が利かない人」を分解してみると、まえの方の「生真面目」は、真面目をさらに強調した言葉で「頑固なくらいに真面目」「真面目そのもの」という意味です。
また、あとの方の「融通が利かない」とは「柔軟性がない」「応用が利かない」「性格が堅い」という意味です。
「生真面目」と「融通が利かない」の2つの意味を合せて表現される「堅物」は相当に頑固な人のことになり、かなり近寄りがたいイメージになってしまいます。しかし本当にそうなのでしょうか。もう少し色々な面から「堅物」の意味や「堅物な人」を検証してみましょう。
堅物の読み方
堅物の読み方には、人名で堅物(けんもつ)と読む以外は、主に「かたぶつ」と「かたもの」の2種類があり、一般的に多く使われる読み方は「かたぶつ」の方です。また読み方によって表現する物や意味が違います。
漢字の読み方には、音読みと訓読みがあります。「音読み」は中国から伝わった漢字の音に基づいた読み方で、「訓読み」は日本独自の読み方です。
「堅」の音読みは「けん」で、人名の堅物(けんもつ)がその例です。「堅」の訓読みは「かた(い)」で「堅い人」「堅い岩」などのように使われます。「物」の音読みは「ぶつ」訓読みは「もの」になります。
堅物は2文字とも訓読みなので、日本独自の表現と言えます。それでは堅物の2種類の読み方「かたぶつ」と「かたもの」を読み方別に、表現する物や意味、使い方を紹介します。
読み方・かたぶつ
読み方が「かたぶつ」の場合の「堅物」は「融通が利かない人」「生真面目な人」という意味になります。では例文で検証してみましょう。
「あの人は堅物(かたぶつ)だから融通が利かない」「うちの主人は堅物(かたぶつ)で困るんです」「彼は堅物(かたぶつ)のように見えるけど意外にユーモアがある」などと使います。つまり読み方が「かたぶつ」の場合は、人物の性格や人物のさまを表現しています。
読み方・かたもの
「堅物」の読み方が「かたもの」になるのは、鉄や石などの堅い物を表現する場合です。一般的に多く見られる使い方ではないので、あまり気にしなくて良いかも知れません。
ただ知識として頭に入れておけば「庭に飾ってある置物は、少し変った堅物(かたもの)ですね」のような文章に出会った時に読み方を迷わずに済みます。文章の前後の意味や流れによって、読み方が変わるので注意が必要です。
堅物の類義語
生真面目で融通が利かない人「堅物」と同じような意味や似た使い方をする類義語にはどのような言葉があるのでしょう。
「堅物」と反対の意味を持つ対義語には「柔軟な人」「軟らかい」「機転がきく」などがあります。類義語とは、この対義語の意味を逆にした言葉と思えば考えやすいでしょう。
堅物の類義語にはネガティブな意味合いだけでなく「清潔な」「実直な」「学者肌」などのようにプラスのイメージを持つ言葉も沢山あります。それでは堅物の類義語の読み方や意味、使い方を例文を交えて紹介していきます。
①石頭
石頭の読み方は「いしあたま」で、意味は「石のように頭が堅いさまや人のこと」なので堅物の類義語になります。良い意味では、自分の信念を決して曲げない意志の固い人のことで褒め言葉にもなります。
ただし一般的には「強く思い込んで固執しやすい性格」や「分からず屋で融通が利かない人」など悪い意味で使われることが多く、類義語には「頑固者」や「唐変木(とうへんぼく)」があり、マイナスイメージの方が強い類義語です。
しかし石頭の頑固な人には、匠(たくみ)の技を持つ優れた技術者や職人が多く、一概にネガティブな類義語とは言い切れません。たとえば老舗の酒造りの蔵元で「あの酒の味は石頭のおやじにしか出来ない匠の技だ」などと言います。
優れた技術者は良い意味の「石頭」で、自分の信念や意志を曲げずに仕事に没頭するので、素晴らしい技術の優れた製品や商品を作ることが出来るのです。つまり「石頭」はネガティブな意味だけでなく、ポジテョブな意味も持っている類義語です。
②偏屈
堅物の類義語の偏屈(へんくつ)を辞書で引くと「素直でないこと」「ひねくれていること」という意味で、また類義語には「気むずかしい」「へそ曲がり」「変わり者」などがあり、ほとんどマイナスイメージです。
ですから偏屈者にはなりたくない、偏屈者には見られたくないと思う方が多いのではないでしょうか。でもこれではあまりに偏屈者に立つ瀬がないので、少し救いの手を差し伸べましょう。
過去の歴史を紐解くと、偏屈者といわれる人の中には偉大な芸術家や天才が多いのです。画家のビンセント・ゴッホ、作曲家のベートーベン、物理学者のアインシュタインなどは典型的な偏屈者と言われています。
それは何故なのでしょう。偏屈な人には、興味があることには異常な集中力を発揮することがあるからです。やりたいことに集中するあまり、他のことは無頓着になったり、集中を妨げるような人や物には辛く当たるので偏屈になるのです。
つまり偏屈な人は、異常な集中力でやりたいことを遂行するため、他人との関わりや普段の生活はそっち退けになっているのです。
③難物
堅物の類義語「難物」は、読み方は「なんぶつ」で「取り扱いにくい事柄」または「扱いにくい人物」という意味でマイナスイメージを持つ類義語です。
例文でみると「今度の交渉はなかなかの難物だ」のように、事柄そのものが難物の場合と「彼はプライドが高いので、言い方には注意が必要な難物です」「彼女は難物なので説得するのに一苦労した」のように人物の性格が難物の場合があります。
このようにネガティブな意味合いの強い類義語です。ですから難物な人は、腫れ物に触るように扱われることが多いのです。難物と言われる人にならないように気をつけましょう。
④気難しい
「気難しい」は「堅物」の類義語の1つで、読み方は「きむずかしい」です。意味は、独特な考え方や感受性を持っていて扱いにくい人のさまを表しています。
「気難しい」の類義語には「苛立(いらだ)たしい」「潔癖(けっぺき)」「神経質」があるように、心理的に落ち着かない様子やイライラしやすい性格を含んでいます。つまり「気難しい」には、扱いにくいというだけでなく、ストレスや精神的な意味もあるのです。
例文では「うちの親父は年を取るにつれ、気難しく頑固になってすぐに怒り出すので困る」「彼女は仕事はきちんと完璧にこなすけど、気難しいので近寄りがたい」「彼はいつも潔癖で尊敬できるけど、少し神経質で気難しいので付き合いづらい」のように使います。
気難しい人は自分の考えにこだわりがあり、潔癖で良い面もあるのですが、人とのコミュニケーションの取り方が下手なために、人間関係で損をしている人です。つまり気難しい人は、自分の独特な考え方や感受性を素直に表現出来ない人のことです。
堅物の人の特徴【性格】
堅物の意味「生真面目で融通が利かない」から想像すれば、堅物の人の特徴はおおよそイメージできます。では具体的にはどのような特徴や性格なのでしょう。
人の性格は、生まれつき持っている性格の他、幼少時代の環境によって形成された特徴、学生時代の友達や仲間・先生から受けた影響によって出来たもの、社会の人間関係によって形成された性格や特徴、人それぞれのプロセスにより違います。堅物の人の特徴が、どのような性格に基づいて行動に現れるのか、プロセスも踏まえて解説しましょう。
①考え方が固い
生まれつき「考え方が固い」特徴を持った人はまずいません。産まれたばかりの幼児が持っている性格で先天的なのは「気が強い」「気が弱い」「我が強い」くらいで、ほとんどの特徴は後天的なものです。
類義語の「柔軟性がない」の意味でも分かるように、「考え方が固い」とは、自分の考えや思いを柔軟に変えられないことです。言い変えれば一度こうと思ったら、その考えを曲げる方法を知らない人です。
この特徴は幼少時代に我がままに育てられた人に多く見られる性格です。子供が言ったことを、いつも親や周りの人が、否定しないで我慢させないでいると、その子供は自分の考えや思いを変える方法を学ばずに育ってしまい「考え方が固く」なってしまいます。
これは後天的にできた性格なので、直す可能性は多分にあります。先天的に持っているのは「我が強い」という特徴くらいなので、いつも自分の意見が通るという環境を変えて、自分で自覚出来るようになれば次第に柔軟になって行きます。つまり「考え方が固い」という特徴は、生まれつきの性格ではないので努力さえすれば必ず直すことが出来る特徴です。
②マイペース
マイペースとは、周りに関係なく自分のペースで物事を進めることです。マイペースな人は自分のことをマイペースと思っていないのが特徴です。
「あいつはマイペースでやってるから気楽でいいよ」などはよく聞く言葉です。周りの人から見れば、マイペースな人が自分達と違うやり方や違うペースで行動しているので、どうしてそんな風に自分のペースで行動できるのか不思議に思えてしまいます。
少し羨ましく感じる心理も働いています。マイペースな人は、ただ自分のやるべき事を淡々とクールに行動しているだけなので、自分ことをマイペースと思わないのです。マイペースを堅物な人の特徴というのには、周りの人が抱く羨望(せんぼう)や妬みの心理が影響しています。
③深読み出来ない
堅物な人は、自己中心的な人が多いため「深読み出来ない」のではなく「深読みをする必要がない」のです。何故なら、たとえ相手の気持ちを読んでも自分の気持ちがぶれないという特徴を持っているからです。
だから「深読みをする必要がない」のです。そのために「空気が読めない奴」と非難されることがあります。堅物な人は自己中でマイペースなので周りの非難に動じることもなく「吠える奴は勝手にしろ」くらいで気にする必要ありません。
だから堅物な人は、余計に腹を立てられたり嫌われたりする損な性格なのです。逆に堅物な人は、相手の気持ちに深入りしないので、自分は非難されることはあっても相手を傷つけることが少ないのが特徴です。
④とにかく真面目
「とにかく真面目」という性格は、堅物な人の長所でもあり短所でもあります。仕事でも人間関係でも真面目で誠実な性格は、人から信頼される大切な要素です。
しかし真面目すぎると人が近づき難く、コミュニケーションに欠ける嫌いがあります。これが長所でもあり短所でもある理由です。
真面目さは生まれつきの先天的な性格ではありません。子供はみんな我がままです。成長とともに親と兄弟だけの環境から、友達や学校生活、社会生活と活動の範囲が広がっていきます。
我がままだけを徹しては、つまはじきにされてしまいます。そうやって人生の中の経験で培って出来るのが「真面目」という性格です。つまり真面目という性格は出し過ぎても控え過ぎてもいけないバランスが大切です。
⑤一途
一途には読み方が2通りあり、読み方によって意味が多少違います。読み方が「一途(いちず)」の場合は「1つのことだけに打込むこと」「ひたむきなさま」という意味です。
読み方が「一途(いっと)」の場合には「1つの方向」「ひとすじの道」「1つの方針」という意味になります。
一途(いちず)は「一途に思い込む」「一途な思い」のように使い、人の心理や性格を表す言葉です。一方、一途(いっと)は「今日の状況は悪化の一途をたどる」のように使い、状況を表現する言葉です。
堅物の特徴を表すのは、前者の「一途(いちず)」の方になります。つまり堅物の人は「1つのことにひたむきに打ち込む」性格です。1つのことに集中して打ち込み、周りをあまり見ない特徴があるので「堅物」と呼ばれるのです。
堅物の人の特徴【行動】
前の章では堅物の人の特徴を性格の面から解釈してきました。ここでは堅物の人の特徴を、行動に注目して解きあかして見ましょう。
堅物の人は生真面目で融通が利かないという特徴があります。その特徴はどんな行動に現れるのでしょうか。人が行動を起こすには、引き金になる何らかのキッカケが必要です。
本来持っている性格に起因するもの、その時の状況によるもの、心理状態によるもの、周りの人や相手によるもの、キッカケは様々あるはずです。堅物の人の行動の特徴を、引き金になるキッカケを念頭に置きながら分析して行きます。
①ルールは守る
堅物の人は生真面目なので、ルールや規則は必ず守ります。ビジネスシーンではルールを守るのは非常に大切で良いことですが、普段の生活や趣味、娯楽の場では少々かた苦しくなってしまいます。
不真面目な人の行動は、堅物の人には許せないことなので、つい口論になることがあります。仕事の場では正しいことなので口論も良いのですが、遊びの場では折角の楽しい雰囲気を壊してしまいます。
趣味や遊びの場では、堅物の人が持っているもう1つの特徴「他人に深入りしない」性格を活かして、真面目さを緩めることが必要です。堅物の人でも人間関係をあえて悪くしたいとは思っていないはずです。場面によっては「生真面目な性格」を「他人に深入りしない」心理に置き換えることが堅物の人の行動の課題です。
②ガードが堅い
堅物の人は性格が頑固で、他人の意志が自分の心に入って来るのを嫌うために、ガードが堅くなるのです。決して他人を警戒するからガードが堅いのではありません。むしろ他人の意志を受付けないと言った方が正しいのかも知れません。
ガードが堅いのには、コミュニケーションが下手という心理が働いていることも確かです。堅物の人は、相手を警戒するのではなく、相手とコミュニケーションを取ることで自分の頑な心が崩れるのを警戒しているのです。
③完璧主義
堅物の人は生真面目な性格のため、何事も完璧にこなそうとします。完璧にこなさないと満足出来ないのです。本来完璧主義は褒め言葉のはずですが、現在はあまり堅すぎる性格は嫌われる風潮があります。
確かに完璧主義の類義語を見ても「完全主義」「厳格主義」など堅い言葉ばかりが並び、柔らかいイメージはどこにもありません。
そんな風潮を反映しているのが、お笑い芸人の人気です。お笑い芸人になりたいと思う人も沢山います。ところがいざチャレンジして見ると、大変な苦労が必要で挫折する人が多いのが現実です。
何故ならば、お笑いで大成功している人のほとんどが完璧主義者だからです。毎日寝る間も惜しんでネタを考え、常に人を笑わせるのは並大抵の努力ではないのです。何事も完璧にやり通そうとする精神がなければなせる技ではありません。
完璧主義が悪いイメージで使われることが多い昨今の風潮ですが、本来は常に努力を忘れない人、賞賛に値する人に与えられるべき褒め言葉ではないでしょうか。
④臨機応変に動けない
生真面目で融通が利かない「堅物の人」にとって、臨機応変に動けないのは当然のことです。臨機応変とは、時と場合の状況に応じて適切な対応をすることです。
臨機応変の類義語は「当意即妙(とういそくみょう)」など少し難しい四字熟語になるので、英語の類義語の「ケースバイケースでベストチョイスをする」の方がイメージが捉えやすいでしょう。
このようにケースバイケースで柔軟な対応をすることが一番苦手なのが堅物の人です。堅物の人は生真面目な性格が邪魔をして、臨機応変に柔軟に対応することは、軽々しく軽薄という心理が働き行動することが出来ません。
臨機応変に機敏に行動することは決して悪いことではないのですが、堅物の人には軽薄な不真面目な人がする行動に思えてしまうのでしょう。
⑤噓が下手
堅物の人は「真面目=正直」なので、噓が下手というより基本的に噓がつけないのです。「噓も方便」「噓から出たまこと」などのことわざがあるように、噓も場合によっては人を助けることになります。
しかし堅物の人には、その融通がききません。人生では、噓をつくまでではないけれど、状況によって黙って見逃すことも必要です。「噓も方便」の由来は仏教で「噓は悪いことだが、人を助けるための噓は方便として許される」という教えです。
逸話に「長老の家で子供たちが遊んでいました。その時家が火事になりました。長老は子供たちに逃げるように言っても遊びに夢中で言うことを聞きません。そこで長老は、お前達が欲しがってるものが今外にあるぞと噓をつき、子供たちを外に連れ出した」という話です。
現在の社会に例えれば、上司が女性社員の遅刻を咎めました。しかし彼女にはどうしても言えない理由があり、それを察知した友達が噓でフォローしてその場を凌ぎました。こんなケースはいっぱいあります。しかし堅物の人には、真面目の心理が邪魔をしてその噓がつけないのです。これが堅物な人の大きな欠点です。
堅物になってしまう人の心理
堅物になってしまう人は、どのような心理を持っていて、その心理が行動にどのように影響しているのでしょう。堅物になってしまうのは、生まれつきの性格ではなく後天的なものだと前に紹介しました。また後天的なので必ず直せるとも解説しました。
そのためには堅物になってしまう人の心理を分析することが非常に大切です。堅物の人には悪い面だけでなく良いところも沢山あります。直すといっても全否定するのではなく、良いところは残し悪いところを捨てることも大切です。
これから悪い意味の堅物と良い意味の堅物、両方を心理面から解説します。これらの心理内容を参考にして、悪い意味の堅物ではなく、良い意味の誠実な堅物、人から尊敬される堅物を見分けられる判別する目を養って下さい。
①責任感が強い
堅物な人が仕事で何かやり始めたときには、必ず最後までやり遂げなければという心理が働き、責任感が強くなります。これはもともとの真面目な性質に由来する心理で、堅物の人の良い面にあたります。
しかし上司に「この仕事は他の部署でやることに変更されたので、もうやらなくていいよ」と言われても、堅物な人は責任感が強いので、すぐ止めることに納得が出来ません。状況に合わせて臨機応変に対応することが下手なために、すぐ止めることが出来ないのです。これは堅物の人の悪いところの1つです。
②生真面目
「生真面目」は堅物の人の基本の心理で、堅物の人のあらゆる行動の起因になる心理です。前述のように責任感が強くなるのも、最後までやり遂げようとする完璧主義も、ルールを守ることも、噓がつけないことも、すべて「生真面目」な心理がもたらす行動です。
堅物の人から生真面目さを取ってしまったら、良い面がほとんど無くなってしまうほど重要な心理です。しかしこの「生真面目さ」は少し保守的な面があり、斬新なアイデアや仕事をするには不向きです。その点が悪い面で短所です。
③妥協を許さない
「妥協を許さない」は、良い面と悪い面のどちらもある心理です。「妥協を許さない」の類義語には「完璧主義」「本物志向」「こだわり抜く」があり、完璧主義の類義語には「完全癖」「潔癖主義」などがあります。
これらの類義語の意味を考えると、ポジティブなイメージとネガティブなイメージが混在しているのがよく分かります。特に「完全癖」「潔癖主義」には病的な意味合いがあります。つまり「妥協を許さない」という心理は良い面も沢山あるのですが、行き過ぎると病的になる危険性がある心理です。
堅物な人との上手な付き合い方
堅物な人には近づきたくないと思っても、仕事をして行く上ではそうはいきません。堅物な上司や先輩、同僚とはどのような付き合い方をすれば良いのでしょう。
また仕事を離れた個人的な付き合いでも、付き合い始めた恋人や友達が堅物だったら、どんな付き合い方がベストなのでしょう。
人間関係を上手く作るには、人との付き合い方が非常に大切です。人の付き合い方はその人の性格などにより様々です。これから堅物な人との上手な付き合い方を5つ紹介します。これらを参考にして自分にマッチした付き合い方を見つけて下さい。
①相手を認めて意見を出す
堅物の人は真面目なので、発言する意見はほとんどが正しいのです。しかし、堅物の人は状況に応じての判断が下手なので、状況と少しずれた意見を言うことがあります。
そんな時のベストな付き合い方は、まず相手の意見を認めて、絶対に否定しないことです。でもここで注意しなければならないのは、すぐにあなたの意見を主張しないで時間をあけることです。
この「時間をあける」ことが、堅物な人との付き合い方で一番大切なことです。たとえば「あなたの意見は正しいと思う。でも違う見方もあるかも知れないので、私も考えてみるわ」と言って相手に考える時間を与えます。
堅物な人は臨機応変に対応するのが大の苦手です。自分の意見を否定されたり、違う意見を言われると余計に意固地になります。
しかし真面目なので「私の意見は否定しなかったけれど、どうして私も考えてみると言ったんだろう?」と必ず考えて、自分の意見をもう一度振り返ります。
そして次の日に同じ話題になって堅物の人が「昨日もう一度考えてみたら、こっちの方が良いかも知れない」と意見を変えて、あなたが思う意見と一致すればベストです。堅物な人との上手な付き合い方(その1)は、「たとえ違う意見があっても、相手を認めて否定せずに時間をあけること」です。
➁誤解のない伝え方
前の「時間をあける」のところの例にそって話を進めます。翌日に堅物の人が変えてきた意見が、あなたが望んでいた意見と違う場合があります。
そんな時には「私もきのう1日考えて、こんなことに気づいたの」と昨日初めて気づいた振りをして、あなたの意見をゆっくりと話します。
その場合には、堅物な人と自分の意見の違いを具体的に詳しく、1つずつ違う点を誤解のないように比べながら話します。ここでも自分の意見が正しいと主張するのではなく、相手を否定せずに違う点を詳しく説明するのがベストな付き合い方です。
堅物な人は正直なので、ゆっくりと詳しく説明してくれるあなたの好意を必ず感じとって、信頼関係を作ることが出来ます。堅物な人との上手な付き合い方(その2)は、「意見の相違点を、誤解がないように詳しく伝えること」です。
③節度ある範囲内で頼りにする
堅物な人は、人にものを依頼したり人を頼りにすることはあまりしません。逆に人に頼りにされたり、何かを依頼された時には、真面目に完璧にこなそうとします。
ですから人に頼りにされるのは決して嫌いではないのです。ただここで、付き合い方として注意しなければならないのは、堅物な人は完璧主義のため処理のスピードは早くありません。
あまり頻繁に依頼をすると、許容量を超えてパンクしてしまいます。ですから堅物の人を頼るときは、ある程度節度を持った範囲内で依頼することが大切です。堅物な人との上手な付き合い方(その3)は、「節度ある範囲内で頼りにすること」です。
④真面目な部分は褒める
人は誰でも褒められれば悪い気がしないのが人情です。堅物でも同じで褒められれば気分が良くなります。しかし付き合い方として注意が必要なのは、堅物の人をおだて半分で褒めたり、邪念を持って安易に褒めるのは禁物です。
真面目な部分や誠実な仕事内容を褒めるのは良いのですが「とにかく褒めておけば気分よく引き受けてくれるだろう」などの邪念はすぐに見抜かれて逆効果になります。堅物な人との上手な付き合い方(その4)は、「真面目や誠実な部分は褒めること、それ以外は安易に褒めないこと」です。
⑤曲がった事はしない
堅物な人は、真面目で誠実なので曲がった事が嫌いです。曲がった事が嫌いな人との付き合い方で必要なのは、あなた自身も正直になるよう努めることです。
良好な人間関係は信頼の上に成り立つものです。筋の通らないことや曲がったことをすれば、堅物の人は信用性を疑います。堅物な人との上手な付き合い方(その5)は、「あなた自身が曲がった事をしないこと」です。
堅物のイメージをなくす方法
堅物には真面目で誠実なんだけど、融通が利かないというネガティブで悪いイメージが付いて回ります。そんな堅物にはなりたくない、堅物には見られたくないと思っている方が多いのではないでしょうか。
では堅物のイメージをなくすにはどんな方法があるのでしょう。「堅物な人との上手な付き合い方」の中で紹介した内容も参考にしながら、堅物のイメージを塗り替える方法を考えてみましょう。
ユーモアを加える
堅物のイメージを消すには、いつもユーモアを交えた会話をすることです。といっても、それではユーモアを会話に交える方法はあるの?もともと自分にはユーモアのセンスがないのにと心配する方も多いでしょう。
ジョークとダジャレは違います。センスの良いジョークはユーモアです。ユーモアは豊富なボキャブラリーや例え話からヒントが出て来るものです。いつも言葉を言い換えてみる、例え話を考えてみる、そのような習慣を付けることがユーモアのセンスを身に付ける近道です。
自分から話す
自分から話すのも堅物のイメージを崩す方法の1つです。堅物な人は自分からあまり人に話しかけません。堅物な人と反対の行動をすることでイメージを消すことになります。
とはいえ自分は話すのが苦手で、話し方が下手だからと尻込みする方もいるでしょう。話が苦手な人は、また変なことを言ってしまいそうと臆病になっているのです。変なことを言って笑われたって構わない、逆に「堅物じゃない人と思われるかも」とポジティブに考えれば怖くなくなります。
会話で笑うように意識
笑顔はどんなシーンでも好感を持たれます。堅物な人には近づきがたい、付き合い方がよく分からないというイメージがあるのは、堅物な人には会話や笑顔が少ないからです。堅物のイメージを塗り替えるには笑顔が一番効果があります。だだし大声で笑ってばかりいるのは軽薄に思われるので注意しましょう。
相手を否定しない
「堅物な人との上手な付き合い方」で話たように、堅物な人と同じように相手の意見をすぐに否定しないで、自分の意見との違いを説明するようにしましょう。
相手は自分の意見をよく聞いているから違いを比較して説明が出来るんだと認めてくれます。そこで信頼が生まれます。相手を否定して自分の意見を主張するだけなら、議論ではなく口論になってしまいます。人間関係がうまく行けば堅物とは思われません。
心配りをする
ちょとした心配りや気遣いをされれば、人は誰でも嬉しくなります。堅物な人は融通が利かないので、心配りや気遣いは苦手です。堅物な人が苦手でやらない行動をとれば、堅物と反対のイメージ「優しい人」という印象を与えることが出来ます。心配りや気配りをすることは、堅物のイメージをなくす方法の1つです。
良いイメージの堅物・悪いイメージの堅物
堅物な人の中には、良いイメージの人と悪いイメージの人がいます。悪いイメージの堅物な人とは付き合いたくないのが多くの人が抱く本音です。ではどうやって良いイメージの堅物と悪いイメージの堅物を見分ければよいのでしょう。
見分ける方法は、単純明快シンプルで、尊敬できる人かどうかだけです。尊敬できる堅物には、色々学ぶところが沢山あります。ぜひ「堅物な人との上手な付き合い方」を参考にして、積極的に近づいて人生経験の糧にすることをおすすめします。
堅物の人は真面目で融通が利かない人
堅物の意味は、真面目で融通が利かない人ですが、一口に堅物と言っても十人十色、千差万別なのが少し理解できたのではないでしょうか。「堅物な人との上手な付き合い方」や「良いイメージの堅物の見分け方」などを参考にして、ビジネスシーンや人間関係、人生の歩み方に少しでも役に立つように利用して下さい。