人格者とは?
人格者という言葉を聞いたことがある人もいるでしょうが、その意味を深く考えたでしょうか。人格者とはどういう人で、どのような特徴を持った人なのか改めて考えてみると、もう一つ定義がはっきりしません。そこで、人格者とはどんな人物かこれから探っていきます。意味だけでなく、類語や反対語も示しながら特徴を考えてみましょう。
人格者の意味
人格者とはどういう意味なのか、辞書を調べてみると、「優れた人格を備えた人」「立派な人格を備えた人」「人柄がいい人」などの意味が出ています。つまり、人格や性格、人柄などにおいて抜きんでたものがある人ということです。したがって、人格者はいい意味で使われることが多く、悪い意味で用いる人はいません。
人格者の類語
人格者の類語を見てみましょう。人格者とは優れた人格を持った人という意味なので、類語はたくさんあります。人徳ある人、徳のある人、有徳者、徳を積んだ人、誠実な人、品格のある人、真人間、偉いお方、仏の○○さんなどです。類語を見ても、人格者とはどんな人物なのかがわかります。
人格者の類語はほかにもあるので、いくつか挙げてみましょう。高士、紳士、高邁な人、崇高な人、大人物などいろいろと思いつきます。類語はいくらでも考えられますが、いずれにしろ人格者とは立派な人格の人のことを言います。
人格者の反対語
人格者とはどんな人物かを知るために、類語とともに反対語も見てみましょう。人格者の反対語は、悪人、食わせ物、愚か者、人でなしなどいくつかあります。中には強い意味を持つ言葉もありますが、人格者の対極に位置する人は、人格が優れず、信用しにくい人物ということになります。そのような人物にはなりたくないものです。
人格者を英語で言うと?
人格者を英語で言うと、「a person of fine character」となります。「fine」は優れたという意味であり、「character」は性格、人格という意味だからです。一方、「a person of integrity」という言い方もあります。「integrity]とは、高潔、正直、誠実という意味なので、これも人格者にぴったりの英語です。
人格者に共通する特徴【行動】
人格者とはどういう人物を言うのか基本的な意味は、類語や反対語も含めておわかりになったでしょうから、今度はどのような行動をする人が人格者と言われるのかを考えてみましょう。人格者とは優れた人格を持つ人ということなので、行動においてもその人格が現れます。その具体例を見てみましょう。
①他人のことをまず考える
人格者の基本的な行動パターンはいろいろありますが、まずは他人のことを考えるという特徴があります。つまり、自分のことばかり優先するのではなく、他人のことを第一に持ってくるのです。だからと言って、自己犠牲をしているというのではなく、自分のことは自分で対処しながら、他人ことも考えているのです。
②他人の気持ちを察する
他人のことを考えるという特徴とも似ていますが、人格者は他人に気持ちを察することができます。これは人間が生きていくうえで大事な特徴です。しかし、人格者の場合は、特に他人の気持ちを察することがよくできるのです。そのため、深い慈悲や愛の気持ちが生まれ、他人を大切にします。
③決められたこと・約束を守る
決められたことや約束は必ず守らなければいけません。守らないと、信用を失い、人間関係にひびが生じることもあります。その点、人格者と言われる人は決められたことや約束は順守します。逆に言えば、決められたことや約束を守れないようでは、他人から人格者と呼ばれることはないです。
④間違ったことを正す
世の中には、間違っていること、正しくないことがたくさんあります。また、世の中だけでなく、すぐ身近なところにもそういうものが多いです。おおよそ人格者と言われる人は、その誤りや間違いを正すのにも積極的です。誤り、間違い、不正を見ても見ぬふりをするということがないのです。
⑤弱いものを守る
世の中には弱者と言われる人がいます。障害者、老人、お金がない人、失業者など弱者を挙げていけばいろいろありますが、人格者の特徴として、この弱いものを守る気持ちが強いのです。もちろん、普通人でもそのような気持ちは持っているでしょうが、人格者の場合は、その気持ちが一層顕著で、それが行動にも表れます。
⑥人の話に耳を傾ける
自分の言いたいことばかり言って、他人の話を聴かないという人がいますが、それでは人格者になれません。人格者は他人の話に真剣に耳を傾けます。その意見を大事にし、今後の計画に生かす場合もあります。話を伝える方も、真剣に耳を傾けてくれれば、より相手を信頼します。それが相手を人格者と見なすきっかけとなります。
⑦礼儀正しい
人格者とは、優れた人格を持つ人という意味なので、礼儀正しいです。挨拶はきちっとできるし、言葉遣いも丁寧だし、態度においても卑しからざるものがあります。だからこそ人格者と呼ばれるのですが、自分自身がそう呼ばれるためにも、日ごろから礼儀には注意し、行動を慎みましょう。
⑧向上心がある
人格者とは優れた人格を持つ人のことですが、その定義の中に向上心を含めていいでしょう。人格者は現状維持に満足せず、常に上を向いています。向上するための努力も惜しみません。これは必ずしも若い人格者だけに当てはまる特徴ではなく、年配者でも向上心は人一倍強く、実行力もあります。
人格者に共通する特徴【性格】
今度は、人格者の性格の特徴を見てみましょう。人格者には若い人もいれば年配者もいますが、基本的な性格には共通点があります。人格者とは優れた人格を持つ人のことなので、性格も当然いいです。では、具体的などんないい性格を持っているのか、例を挙げていきますので、自分でもその例に倣えるように頑張ってください。
①思いやりがある
人格者の行動の特徴として挙げた「他人のことを考える」「他人の気持ちを察する」とも通じるものですが、人格者は思いやりがあります。その思いやりも、その時その時の気持ちで変わるものではなく、常に一定に相手を気遣う気持ちを持っているのです。その思いやりに触れると、ほかの人も温かい気持ちになります。
②冷静な判断ができる
人は何があっても冷静でなければいけません。災害が起ころうと、事件が起ころうと、トラブルが生じようと、気持ちを乱してはいけないのですが、簡単なことではありません。しかし、人格者は人格に優れているだけでなく、いついかなる時でも冷静な判断ができます。それが信頼されるゆえんでもあり、リーダーとして認められるきっかけにもなります。
③誰に対しても平等に接する
人と接する場合は、えこひいきをしたり、偏見の目で見たりしてはいけないのですが、ややもするとそういう気持ちになることがあります。しかし、人格者はそのようなことがありません。常にだれに対しても平等に接し、どちらか一方に偏ることはありません。それが信頼へと結びつきます。
④前向きでよい面を見る
若い人格者でも年配の人格者でも、前向きな人がほとんどです。常に物事のよい面を見、いいほうへいいほうへと考えていくのです。だからと言って、悪い状況になった時の備えをおろそかにするわけではなく。そういう事態も想定しながら前向きに考えていくのです。つまり、積極思考に満ち溢れている人が人格者です。
⑤謙虚で偉ぶらない
冒頭で人格者の類語をいくつか挙げましたが、その類語を見てもわかるように人格者は優れた人格を持っています。その優れた人格の一面として、謙虚で偉ぶらないことがあります。人格者はどんなに立派な人物であっても、おごらず高ぶらず謙虚です。その特徴は、若い人格者であっても年配の人格者であっても変わりません。
⑥コミュニケーション能力が高い
コミュニケーション能力にも優れているのが人格者です。たとえば、落ち込んでいる人がいたとすると、放っておくのではなく話しかけに行き、励まします。初対面の人でもじもじしている人がいたら、やさしい言葉をかけて、緊張をほぐしてあげます。このように積極的にコミュニケーションを取り、相手との距離を縮めていくのです。
⑦努力しているところを見せびらかさない
人は努力しなければ成功しません。しかし、その努力は陰ながらするもので人に見せびらかすものではありませんが、あまり優れた人物でないと、その努力を人に誇示しようとするのです。ところが、人格者の場合、そのようなそぶりは見せません。人の見ないところで努力を続け、成功にまで進んでいくのです。
⑧人を裏切らない
人格者の性格の特徴として、人を裏切らないということがあります。嘘をついたり、約束を破ったり、詐欺を働いたりして、人を貶めるということとは無縁な存在が人格者です。人格者と呼ばれる人は若い人でも年配者でも人の信頼を最も重視していますから、人を裏切ることは絶対にありません。もし裏切れば、その時点で人格者失格です。
⑨穏やか
人は思うようにならないと、つい怒りを爆発させます。そうなれば本人も嫌な思いをしますが、周りの人も気分がよくありません。その点、人格者の場合は、怒りを人に見せるといことがあまりなく、穏やかな人が多いです。若い人でも年配者でも穏やかであるがために、周囲の信頼も厚くなり、仕事も順調に進むようになります。
⑩知識が豊か
人格者とは優れた人格を持つ人のことですが、その意味から行くと知識が豊富というのは当てはまらないような気もします。しかし、人格者はいろいろなことを知っています。日頃からよく勉強し、知識を身につけようと努力しているので、意外に頼りになります。これは、若い人格者にも言えることで、知識を身につけるために陰ながら勉強をしています。
⑪勇気がある
人格者は勇気があります。困難にぶつかっても、果敢に乗り越えていく気迫と根性に満ちています。これは大切な特徴で、人間はいかなる時でもひるんだり、おびえたりしてはいけないのですが、人格者はそういうことがありません。仕事でも上司に言うべきことは言い、筋を通します。ただし、それはわがままとは違います。
⑫社会のルールを守る
人格者の類語に紳士という言葉がありましたが、この類語からもわかるように、人格者は社会のルールや法律を守ります。時には堅物と思われることもありますが、このくらいならいいだろうといういい加減なところがありません。それは若い人格者でも変わりなく、仕事においてもルールを破るということがありません。
⑬自分の間違いを認める
人格者とはどういう人かはもう大体おわかりになっているでしょう。意味や類語、行動や性格の特徴などからおおよそのイメージはつかめるでしょう。しかし、この人格者でも間違いを犯すことがあります。そのような時に素直に自分の間違いを認め、謝ることができるのが人格者の特徴でもあります。若い人でも同じです。
⑭人を許せる
人は過ちを犯すものです。しかし、他人が過ちを犯した場合に厳しく責め立てる人がいますが、それでは人格者になれません。人が犯したミス、間違い、過ちに寛容な心で接し、許すことができる人こそ人格者です。例を挙げれば、仕事で部下がミスをした場合に、あまり説教めいたことを言うのではなく、そのミスを取り戻せるようなアドバイスをするのです。
人格者に共通する特徴【仕事】
人格者が仕事という場でどのような特徴を発揮するのかを見てみましょう。人格者は普段の生活でも優れた性格の特徴を持っていますが、仕事の場でもそれが変わることはありません。仕事だろうが生活だろうが社交だろうが、どこにおいても人格者は人格者です。ただ、特に仕事の場でどのような振る舞いになるのか例を考えてみましょう。
①最後まで仕事をやり遂げる
いったん開始した仕事は最後までやり遂げなければいけません。しかし、途中で何らかの困難にぶつかると、その仕事を投げ出してしまうことがありますが、それではいけません。その点、人格者と言われる人は任された仕事を責任もって完成させます。若い人でも年配者でも、人格者は仕事における責任感が強いのです。
②責任を人に押し付けない
仕事の責任は自分で持たなければいけませんが、面倒な仕事や厄介な業務となると、その責任を他人に押し付ける人がいます。しかし、それでは人格者にはなれません。人格者と言われる人は、他人に責任転嫁することなく、すべてを自分の肩に背負って仕事を遂行しようとします。その態度を見て、周りのものも協力しようという気持ちになるのです。
③困っている人に手を差し伸べる
これは仕事におけるだけでなく、広く社会生活にも当てはまる人格者の特徴ですが、困っている人がいたら手を差し伸べようとします。人格者の類語に有徳者という言葉がありました。人格者は他人を手助けするのが好きなのです。思いやりがあるという人格者の性格の特徴と通じることでもあります。
④皆を取りまとめる力がある
責任感があり、他人に責任を押し付けない人格者は、部下からも信用されます。そのために皆を取りまとめることができます。部下もこの人ならついていこうという気持ちになるので、全員が心を一つにして人格者に従っていくのです。仕事においてはこの統率力が重要で、それが可能になって初めて大きな成果を上げることができます。
⑤部下を責めない
仕事で一生懸命頑張っていても、思うような成果が上がらない場合があります。その時に、部下を責め立てる上司がいますが、それでは部下の信頼は得にくいです、それに対して、人格者はよほどのことがない限り部下を責め立てたりはしません。アドバイスはするでしょうが、仕事をさらに頑張るように励ますのが主となります。
人格者は周りからどう見られる?
人格者が周りの人からどう見られているのか考えてみましょう。何しろ周りの人の評価は大事です。いくら自分で自分のことを人格者だと思っても、周りの人がそうだと見てくれなければ意味がありません。したがって、周囲の人が人格者に対してどのような視線を送っているのか知ることはとても大切です。
①頼りがいがある
人格者は仕事でも日常生活でも非常に責任感があります。他人にその責任を転嫁することなく、与えられた役割を全うしようとします。それだけに、周囲の信頼は厚く、頼りがいのある人だと見られています。その信頼にも応えていくのが人格者です。若い人でも年配者でもその意気込みは同じです。
②安心感がある
人格者の類語は有徳の人ですが、有徳の人が周囲にいてくれると、安心感を覚えます。この人なら信頼できる、この人なら大丈夫ということになれば、周囲のものも心配の必要がなくなります。それだけ人格者の存在は貴重なものですが、人から少しでもこのように見られるように努力したいものです。
③尊敬したくなる
人格者の類語をもう一度並べてみましょう。人徳のある人、有徳者、品格のある人、紳士などです。どれも優れた人格を表す類語ですが、その類語を見ればわかるように、人格者を尊敬しようという人が多いです。立派の人物である人格者は、多くの人の仰ぐ対象となりやすく、尊敬しようとする人も多く出てきます。
④お手本にしたいと思う
人格者をお手本にして、その例に倣いたいという人もたくさんいます。人格者は優れた人格の格好の例なので、だれにとっても見習うべき存在です。その例に少しでも近づこうと努力している人もいます。人格者は人格者で、お手本の例になっていることを喜び、さらに人格を磨いていかなければいけません。
⑤憧れられている
人格者の例に倣いたいという人が多いということは、人格者が憧れの存在でもあるということです。尊敬と憧れ、似ているようで違いますが、いずれにしろ多くの人が好意的な目で人格者を見ている証拠です。これは若い人格者にも年配の人格者にも言えることです。そして、若い人でもそのような目で見られていることを意識せざるを得ないでしょう。
⑥人を惹きつける
人格者の類語は有徳の人です。この類語から想像できる場合もありますが、人格者の周りには人が集まってきます。つまり人を惹きつける魅力があるのです。したがって、尊敬され憧れられている人格者のもとには、磁石のように人が吸い寄せられていきます。そして、その集まった人全てを平等に扱うのです。
人格者と言われる人の例【偉人】
人格者の特徴がわかったところで、実際にどんな人格者がいるのか具体例を見てみましょう。具体例として挙げるのはどれも有名な人ばかりで、誰しもその名前を一度は耳にしたことがあるはずです。その具体例として示す人の特徴を見れば、さすがに人格者だと手をたたきたくなることもあるでしょう。
リンカーン
リンカーンと言えば、アメリカの16代大統領として知らない人はいないでしょう。惜しくも暗殺されてしまいますが、若いうちから数々の業績を残しています。その業績に数えてもいいのが人格者としてもエピソードです。短気な妻の暴言にも気持ちを乱すことなく、冷静に対処したことは非常に有名です。
ガンジー
非暴力・不服従という言葉で知られるガンジーは、人格者の例として多くの人の尊敬を集めています。なぜガンジーが人格者の例かというと、その目標への到達において、暴力を用いず、平和的な手段で試みたからです。ガンジーは地元だけではなく、世界中から尊敬され、平和の象徴ともなっています。
ナイチンゲール
人格者の例としてナイチンゲールを挙げないわけにはいかないでしょう。看護師を目指す人にはおなじみのナイチンゲールですが、クリミア戦争においては、敵味方の区別なく看護活動をしたため、その優れた人格に賞賛が送られました。そのナイチンゲールの例に倣うようにという意味で看護学校で取り上げているのです。
マザーテレサ
マザーテレサも人格者の例として理想的な人物です。マザーテレサは、若いうちから老人、死に直面した病人、孤児などに献身的な活動をし、多くの人から頼られる存在となっていました。その活動が評価され、数々の賞も受賞していますが、それにおごらず引き続き愛の活動を続けたのです。マザーテレサは、現代の代表的な人格者の例です。
人格者になる方法
人格者の例を見ると、私もその例に倣いたいという人も出てくるでしょうが、どうしたらそのような例の通りになれるのか考えてみましょう。まず、人格者には人格者なりの特徴がありますが、それを身につけるように努力することです。と言っても、それは簡単なことではありません。そこで、具体的にどうすればいいのか見てみましょう。
①思いやりの気持ちもつ
人格者の類語を思い出してみましょう。有徳の人、徳のある人などの類語がありましたが、有徳の人は思いやりがとても深いです。他人の不幸を自分のことのように考え、やさしく接します。もし自分が人格者になろうと思ったら、その例に倣って、自分も他人に思いやりをもって接することです。若い人でも年配者でもそれは同じです。
②偏見を持たない
人格者の特徴として、他人に平等に接することを挙げましたが、その特徴はぜひ見習いましょう。自分も他人に偏見なく接し、だれかれの区別なく平等に扱うようにするのです。そうすれば、信頼が得られ、やがては人格者として認められることになります。これは若い人にも言えることで、すべての人と平等に対することが重要です。
③努力を怠らない
人格者は努力を怠らない人です。常に前を向き、ひたすら努力を続けていきます。もし人格者を目指すのなら、同じように努力を続けなければいけません。恐れたり、ひるんだりすることなく、前進していくのです。ただ、若い人ならそのような気持ちになりやすいですが、若い人でなくても前を向いて、困難に立ち向かっていく気持ちは重要です。
④知識を身につける
知識を身につけることも大切です。人格者は多くのことについての知識が身について、人から頼りにされる場合が多いです。ただし、知識は一朝一夕に身につくものではありません。若いうちからよく勉強して習得していくものです。その努力を怠らないようにしましょう。また、自分は若いから知識なんて不要だなんて言わずに、若いにしても頑張ってください。
⑤向上心をもつ
知識を身につけることとも関連がありますが、人格者になろうと思ったら、向上心を持つことが大切です。仕事でも生活でも同じ立ち位置で満足していてはいけません。目標を高く掲げて、向上していく必要があります。ただ、若いうちにはそういう気持ちがあっても、年を重ねるとその気持ちがうせてしまう場合がありますが、それでは人格者になれません。
⑥人間力を身につける
人間力という言葉になじみがないかもしれませんが、人間力とは、簡単に言うと、社会の構成員として生きていく力と自分一人で生きていく力を総合的に評価した言葉です。つまり、内にも外にも、優れた能力を持っていなければいけないのですが、人格者になろうという人はこの人間力も身につけるべく努力しましょう。
⑤若い時に苦労を経験する
若い人は知らないかもしれませんが、「若い時の苦労は買ってでもせよ」という格言があります。その意味は、若いうちに苦労しておくと、その経験が自分のためになり、成長に役立つということですが、これは当たっています。何の苦労もせずに育った人よりも、苦労が多い人のほうが人格者になりやすいのです。
⑥むやみに怒らない
人格者の類語を見れば、人格者の性格のよさはすぐにわかりますが、その人格者は穏やかな人です。むやみやたらと怒りません。人格者を目指している人は、その例に倣って、小さなことで怒ってはいけません。もしささいなことで怒りでもしたら、それこそ人格を疑われてしまいますからぐっとこらえましょう。
⑦勇気を持つ
人格者の特徴の一つに勇気があります。何事にもひるまず恐れず、果敢に進んでいきます。ただ、この性格は簡単に身につくものではありませんが、最初のうちは嘘でもいいので勇気を示しましょう。それが続けば、やがては真の勇気が身につくかもしれません。そして、勇気を人前で示せるようになれば、人格者として自他ともに認められる場合があります。
⑧礼儀作法やマナーを身につける
人格者になろうと思ったら、礼儀正しくなければいけません。したがって、社会人として基本的なマナーはしっかり身につけておきましょう。誰に対しても明るく挨拶をするのは当たり前としても、そのほかに言葉遣い、敬語の使い方、目上や上司に対する振る舞いなどにおいて隙がないようにしましょう。
⑨社会のルーや法律を守る
私たちは、時には社会のルールを破ってしまうことがあります。これくらいならいいだろう、だれも見ていないから構わないだろうと油断して、ルールに逸脱したことをするのですが、それでは人格者になることはできません。人格者は、どんな状況であっても社会のルールや法律を守り、間違った行動をしないからです。
人格者になるためのおすすめ書籍
人格者になる方法は決して簡単ではありませんが、それでも人格者になりたいという人はたくさんいるでしょう。そのような人におすすめなのが、書籍を通して人格者になる方法を学ぶことです。この記事で紹介した方法を肉付けするためにも、読書は非常に役に立ちます。では、どんな本を読めばいいのかですが、3点ほど紹介します。
①人格を磨くすすめ
松本博逝という人が書いた「人格を磨くすすめ」という本があります。この本では、ややもするとテクニック論に陥りがちな人格者になる方法に警鐘を鳴らし、テクニックよりも根本の人格を磨く重要性を説いています。確かにテクニックだけでは人格者になれません。その基本となる人格が正されてこその人格者だというのは納得ができます。
②嫌われる勇気
今度は、「嫌われる勇気」という本を紹介しましょう。これは必ずしも人格者になる方法を説いた本ではありませんが、対人関係や人間関係の問題の解決法に迫る名著です。著者は、日本アドラー心理学会顧問の岸見一郎氏とライターの古賀史健氏です。内容は、哲学者と青年の対話形式になっていて、人生論を展開しています。
③やり抜く力
3番目に取り上げる本は、アンジェラ・ダックワースの「やり抜く力」です。人格者になるには、どんな仕事でも最後までやり抜かなければいけませんが、その方法を示しているのが本書です。やり抜く力はIQでも才能でもないとし、別の要素が必要だと説いています。何事も中途半端になりやすい人にはおすすめの本です。
無理に人格者になろうとしてはいけない
人格者になる方法をいろいろ説明しながらこの言い方は変ですが、無理に人格者になろうとしてはいけません。あまり人格者になることを意識しすぎると、何かにつけて行動が不自然になります。周りから見てもおかしく感じられ、何をそんなに鯱張っているのだろうと思われてしまいます。大事なのは、自然な流れで人格者になることです。
無意識だからこそ人々の信頼を得られる
一番理想的な状態は、無意識のうちに人格者としての振る舞いや行動ができていることです。無意識、つまり完全な自然体で人格者になっている人は、周囲の人が見てもおかしな点がありません。そのため、信頼され、慕われるようになり、「あの人は人格者だ」と言われるようになります。できればこのような流れで人格者になりたいものです。
人格者が周りに与える影響
人格者は優れた人格の持ち主なので、周囲にもいい影響を与えます。その持っている穏やかな性格では、周囲の雰囲気も明るくなるし、困っている人を助ける性分が周りの人にとっても大きな助けになります。もし間違った方向に進もうとしている人がいたとしても、さりげなくアドバイスをしてくれて、軌道修正の方法を教えてくれます。
仕事においても、人格者がいればリーダーシップを取ってくれるので、何かとスムーズに運ぶようになるでしょう。部下のモチベーションも上げてくれるし、気も配ってくれるしで、仕事環境も整います。
人格者になる方法を知って目指してみよう!
ここまで、人格者とはどういう人で、どんな特徴があるのか、周囲からどう見られているのか、人格者の具体例などについてお伝えしました。人格者には特有の特徴がありますが、それらの特徴を見につけて人格者を目指してみましょう。人格者になれば、周囲の人からも信頼や尊敬もされ、毎日が充実します。