飄々としているの意味とは?
「飄々とした人」というのは何となくイメージが出来るけど、具体的に意味を説明しようとすると、途端にわからなくなってしまいますよね。
今回は、「飄々としている」の意味や、飄々とした人の性格、なる方法などをご紹介します。飄々とした人が持つ独特な雰囲気や自由さを理解していきましょう。
「飄々としている」の読み方
「飄」は音読みで「ひょう」、訓読みで「つむじかぜ」です。「飄々としている」は「ひょうひょうとしている」と読みます。
「飄々としている」という表現は、日常会話で使う口語的な言葉というよりも、文字で見る文語的な使われ方が多いです。字面や意味はなんとなくわかっていても、とっさに読み方が出てこない人もいます。
「飄々としている」の意味
「飄」は「つむじかぜ」とも読むように、もともとは風をあらわす文字です。「飄々としている」というのは、「風に吹かれてひらひらと流れ、掴みどころがない」「ぶつかることなくかわす、流す」といった意味合いで使われています。
物や人のあり方を表現しているだけなので、「飄々としている」という言い回し自体にはポジティブな意味もネガティブな意味も含まれません。飄々としている人に対して「自由で憧れる」と捉えるか、「逃げ回っている、不真面目」と捉えるかで意味合いが変わってくる特徴があります。
「飄々としている」の類語
「暖簾に腕押し」「糠に釘」といった「響いているかがわからない」ニュアンスや、捉えどころや手ごたえがない意味を持つ言葉が類義語になります。ポジティブな類義語だと、「真に受けない」「うまくかわす」「しなやか」などの、ストレスを受け流せるイメージです。
良く使う言葉に言い換えるなら、ケロッとしてる、サラリと受け流す、スルースキル、こだわらない、読み切れない、喰えない人、などです。
「飄々としている」の反対語
「飄々としている」の反対語は、ポジティブな面では「打てば響く」「芯を捉える」「こだわり」などの言葉があたります。「真正面からぶつかる」といった性格的な面での真面目さや、「しっかりと手応えを感じる」のような明確でわかりやすい印象の言葉です。
ネガティブな面での「飄々としている」の反対語は、「未練たらしい」「しがらみ」などの「執着」がキーワード。飄々としている人は、未練やしがらみ、執着などの「面倒くさいこと・状況」にとらわれないイメージでもあります。
飄々としている人のイメージ
飄々としている人は、上司からめちゃくちゃ怒られても真に受けずに流したり、「ネタ」と捉えるなど、ダメージを食らわないイメージがあります。しがらみに無縁で、自由人な面があり、無敵な感じです。
こだわりがないため柔軟に見える反面、真面目な人からは、不真面目でふざけているように見られがちです。怒られても反省の素振りが見えず、手ごたえがない様子が逆鱗に触れていることも。
飄々とした人はシンプルな世界観を持っている?
飄々とした人の無敵感は、他人の思惑や無言のリクエストなどの「見えない・聞こえないことを察する努力はしない」ところにあります。また、「感情は受け取らず、言葉や事実のみを受け取る」のも上手です。「明確なことだけを認識する」「不確定なことはあえて首を突っ込んだりしない」というシンプルな世界観で生きているのです。
怒りをにじませながら指摘しても「あ、そうなの?知らなかった」とケロッとした顔で言えたり、反省がない様子で「じゃあ、次からそうするね」とあっさり返せるのも、「言葉だけを受け取る」ことを徹底しているから。
いちいち「いやな気持ちにさせちゃたのかな」と察することはしません。「いやな気持ちになりました」と言われれば「あ、そうなんだ」とはなりますが、それを「謝罪が欲しい」「反省や改善して欲しい」というリクエストに変換することも極力しません。
飄々とした人の特徴
飄々とした人は、勝手な思い込みや私情、その人なりの解釈など「人によって受け取り方が違う」ような情報をシャットアウトできます。目に見えない不確定な情報を勝手に付け加えずに、起こった出来事の「明らかな事実」のみを受け取ることが上手で、変に深読みをしないさっぱりとした理解が特徴的です。
そんな飄々とした人ですが、周りからどんな風に見られて、どう思われているのか、行動や特徴を見ていきましょう。
何を考えているかわからない
飄々とした人の真に受けずにサラっと受け流せる性格は、相手からすると「伝わったか確信が持てない」「響いていない」「手ごたえがない」と見られがち。
相手にとっては、どれだけ話しても手ごたえがなく、伝わったかどうかがわからないので、最終的には「何を考えているのかわからない」と結論付けられてしまうこともあります。
自分のポリシーを持っている
飄々とした人は、「自分はコレだけは譲れない」というポリシーがビシッと決まっていて、それ以外のことはこだわりません。よく言えばおおらかな性格ですが、悪く言えば興味がないのです。
飄々とした人の特徴である「自由でいること」や「しがらみにとらわれないこと」は、自分の譲れないことだけを優先させやすい環境を追求した結果でもあります。
興味のないことにはこだわらない
自分の譲れない部分がハッキリしていて、それ以外の事は「どうでもいい」し「何でもいい」のが飄々としている人の特徴です。興味のないことにはとことんこだわりません。
飄々とした人で仕事はバリバリできるけどいつも寝癖が付いてる場合は、譲れないのは「仕事」のみで、寝癖(自分が人からどう見られるか)については1mmも興味がない、といった具合です。興味がないことにエネルギーを使わないスタンスを徹底しています。
性格にユーモラスな一面あり
飄々とした人は、「みんな」や「普通」についてのアンテナをそぎ落とし、自分の価値観や考え方にアンテナを張っているため、オリジナリティや「らしさ」がズバ抜けています。
よくよく見てみると、靴下が裏返しのままでも全く気にしないような、性格的に「抜けてる」所もあり、天然でクスリとさせるところが目白押しです。
また、自分の心地よさを優先させる思考回路が発達しているため、怒りっぽい上司に対して「可愛いネクタイしてるくせに」と笑って流せたり、お局さんの理不尽なお小言を脳内で昼ドラっぽく再生して遊ぶなど、「出来事」を「如何に楽しめるか」の工夫が上手です。
世渡りが上手い
飄々としている人は、嫌いな人や嫌なことが我慢できない性格でもあるため、自然と自分の適性がある方向やコミュニティに流れていきます。流れていくうちに、自分の苦手なものが取り除かれ、居心地がいい人の元に行きつく世渡り上手な一面も。
また、人の意見に流されずに自分の意見を言うため、嫌われる人にはとことん嫌われますが、信頼される人からはとことん信頼され、結果的に自分のやりやすいところにうまく流れていきます。
何事にも動じない
飄々とした人は、自分と他人をハッキリ切り分けているため、誰かから嫌われているということがあったとしても、自分を見失ったり、自分の価値がなくなるとは考えません。
周りが何と言おうと「それは他人が思うこと」と切り分けるので、たとえそれが自分の評判にかかわる事であっても「自分はそうは思わない」で済ませることが出来ます。「他人が思うこと」と「自分が思うこと」が一致しなくても、それがネガティブな事だと思っていないし、合わせに行く必要もないと考えています。
他人に興味があまりない
何かの出来事について他人がどう意味付けすかはその人次第、そこに自分は関与しない、と自分と他人を切り分けて生活するのが飄々とした人のスタイル。他人を把握したりコントロールしたいという感覚がほとんどありません。
自分が感じたことは自分だけのものと割り切っているうえ、相手の立場になって「自分だったら」と小難しく考えることもしません。他人に興味があまりなく、他人には干渉しない性格なので、冷たい、自分勝手と捉えられる場合もあります。
執着心が強くない
飄々とした人は、「こうでなければいけない」「こうするべきだ」というこだわりが少なく、何事にも執着しないので、あっさり方向転換できるのも特徴です。
絶対に譲れないもの以外は全くこだわらないし、手段も問いません。目的達成のための選択肢が多く、誰かに手伝ってもらってもいいし、自分ひとりでやってもいいし、自分がやらなくても達成できるなら無理に手を出さないし、やりたければやります。手段を問わない分、その時々で柔軟に対応することができるのです。
飄々とした人になる方法は?
ここからは、飄々とした人になる方法を紹介します。いきなり言動や特徴を真似するのは難しいので、まずはマインドや考え方などの真似しやすそうなことから真似してみましょう。
どういう考え方をしているとそういう風に振る舞えるのか、何をどうとらえるとそういう言動に至るのかを知り、自分の性格でもできそうなことからひとつずつ取り入れていくのがオススメです。
小さなことにこだわらない
小さなことにこだわらないというのは、「絶対に外したくないポイント」が明確だということでもあります。自分が絶対に譲りたくないポリシーを一つ定めてみましょう。
例えば、実現したいことが「もっとテレビが見たい」であれば、テレビを見ることで得られる「楽しい気持ち」を外したくないポイントに設定する。そうすれば、マンガや動画、DVD、スマホの待ち受けを笑えるものに変える、話の面白い人と話すなど、楽しい気持ちを得る手段がグッと増えます。
小さなことでこだわらなくなる方法は、「テレビを見る」と限定してたった一つの手段にこだわるのではなく、「楽しい気持ち」を増やすためなら手段は問わない、という考え方にあります。
周りの意見に振り回されない
自分よりも相手を優先していると、自分の意見よりも相手の意見を優先しようとしがち。そうなると、周り意見がいいのか、自分の意見がいいのか、不安な気持ちに振り回されてしまいます。
飄々とした人が自分と相手の意見を切り分けて捉えられるのは、「相手と自分の意見が違っても何の問題もない」と思っていて、「そういう風に思う人がいるんだな。自分とは違うけど」で完結できるからです。
周囲と意見が違うと「おかしい」と言われているようで不安になりがちですが、「そんな意見もあるんだね、私とは違うけど」で終わらせるのが、周りの意見に振り回されないようになる方法です。関西弁の「知らんけど」のようなノリで「私とは違うけど」と受け流してみましょう。
人にない魅力を身につける
飄々としている人は自分の感覚や感情、考え方、価値観に絶大な信頼を持っています。他の人と同じでないことを肯定的に捉えているのです。
「私はみんなと違ってこんな風に考えた」ということが、悪い事のように思うか、それとも「オリジナリティ」と捉えるかの違いです。周りの目を気にして、自分が感じたことや価値観、考え方を「普通」に寄せていくのではなく、「普通と違う部分」を自分の中でコッソリ大事にしていきましょう。
自分の世界を大切にする
飄々とした人は、自分の世界をとても大切にしています。他の人と世界観と自分の世界観が合致するのは幻想だと理解していて、周りの人たちと自分が全然違う世界観で生きていても、共存していけると認識しています。
また、自分を受け入れてくれない人からは離れるというシビアな一面もあります。これは、「自分の世界観を大事にしてくれるところに身を置くためには、小さな事にはこだわらない」という意味です。
飄々とした人になる方法の最大のポイントは「自分の世界」を全肯定するマインドかどうか。人と違う自分を否定せず、とても大事にするところにあります。
人と群れない
飄々とした人は、人と群れることに対してあまり興味がありません。他人に目を向けるより、自分に目を向けることを最優先にしているからです。必要な時に必要な人と必要なだけ話をするような、ビジネスライクな関わり方だと言えます。
群れなくても、自分が一人で心地よく過ごせることは何なのか探してみてください。一人で心地よく過ごせる時間を少しずつ増やしてみると、群れにいなくても大丈夫だということがわかってきます。
飄々とした人との接し方
飄々とした人は、とらえどころがなく、こちらの言いたいことが伝わっているのか不安になりがちです。性格が合わない、わかりあえない、など付き合い方で悩んでしまうこともあります。
ここからは、飄々とした人とうまく人間関係を保てるようになる方法や接し方を見ていきましょう。
職場・学校での場合
飄々とした人とは、ベッタリ仲良くなるよりも、必要な時だけ声を掛け合い協力し合うビジネスライクな関係が互いに気楽です。何かあれば必要な時に必要な人へ自分から話しかけるので、基本放っておきましょう。
ただ、飄々とした人があまりにも自分勝手で許せないのであれば、近づかないのがベスト。嫌な気持ちになるところに自分からわざわざ近づかないというのは、飄々とした人の特徴の一つでもあります。飄々とした人には、好きでも嫌いでもない人に好かれたいというこだわりは特にありませんので、心配しなくても大丈夫です。
彼氏の場合
飄々としている彼氏と信頼関係を深めたいのであれば、「察する」を要求しないで、リクエストを言葉で伝えるのが大事です。
「こうしないで」や「何でこうするの」という詰問口調よりも、「こうされたのがすごく嬉しかった」「とっても助かった」の方がキャッチしやすいです。「どうされたら喜ぶのか」をひとつずつ彼氏に言葉で伝えていくイメージで、コミュニケーションを積み重ねていきましょう。
彼氏をがんじがらめにしたり、叱ったり、しつけるというよりも、「私のリクエストを叶えてくれるヒーロー」という形で接して、どんどんリクエストをしてみてください。
彼女の場合
飄々とした女性は、割と何でも自分でできるため、「彼氏に頼る」という発想そのものが欠落していたりします。彼女にとっては「一緒にいて楽しい人としかつるまない」というハッキリした基準があって一緒にいるのですが、なかなか伝わらないことも。
彼氏としては、頼られることがないので「二人で一緒にいる意味」を見失いがちです。「頼られると嬉しい」ということは、どんどん伝えましょう。「もっと頼ってよ」という抽象的な言い方ではなく、「こんな風に頼られると嬉しいから、もっとして欲しい」と具体的な言い方で伝えると効果的です。
「高いところのものを取って」が嬉しかったとか、「ビンの蓋が空かない」が可愛かったとか、ちょっとしたことからでOKです。あえて言葉にしていくと、彼女は彼女なりに「頼り方」を身に付けてくれます。
飄々とした人はモテる?
飄々とした人は、自由人な雰囲気や、特徴的な物事の捉え方もオリジナリティあふれていて魅力的です。また、他人からぶつけられる理不尽なストレスを受け流すことができるので、憧れの目で見られることもあります。
自分をしっかり持っていて、押し付けがましくないさっぱりとした性格なので、嫌われる人にはとことん嫌われますし、好かれる人にはとことん好かれます。万人受けするタイプではありませんが、男女ともに「一部の人達からすごくモテる」と言えます。
飄々とした人と仲良くなる方法
飄々とした人の特徴は、自分の世界観を大事にするところと、譲れないこと以外はこだわらないところ。相手の価値観を変えようとするのではなく、相手を変えないままどうやっていい関係を築けるかを探っていくのがコツです。
飄々とした人と仲良くなる方法は、「自分はこう思うし、こうして欲しい」など、ざっくばらんな話をすること。会話を深く掘り下げたいのであれば、「普通は」「みんなは」ではなく、「自分は」を主語にして、こちらから開示していくのがオススメです。基本的に人の内面に突っ込みたがらないので「言わなくても察して」は通用しません。
また、伝え方を捻りすぎたり抽象的な言葉を選ばずに、ストレートに具体的な言葉をやり取りしてみてください。言葉の積み重ねの分だけ信頼関係も積み重なっていくイメージでコミュニケーションを取ってみてください。
「飄々とした人」はほめ言葉になる?
「飄々とした人」の意味自体は、人のあり方を表現しているだけで、ほめ言葉でもけなし言葉でもありません。
ただ、人によって「不真面目、捉えどころがない、のらくらしている」などのネガティブな印象を持っている人もいます。一方で、「軽やか、自由、自分を持っている」というポジティブな印象を持っている人もいます。
どんな意味合いで取られるか読み切れないのであれば、「嫌味を受け流せるなんてすごい」「いつも楽しそうでいいね」など、わかりやすい言葉で言い換えるのが無難です。
飄々としている人は誤解されやすい
飄々とした人は、心の機微が読み切れないうえ、間合いの取り方も独特です。自分からの開示が少ないため、誤解されやすく、「何を考えてるのかわからなくて苦手」と言われがちな性格でもあります。
ただ、こちらからオープンに話してみると、ちゃんと話を聞いているし覚えているので、言葉の積み重ねがそのまま信頼関係の積み重ねになっていきます。どんな信頼関係を築きたいかある程度決めてから、話をしてみるのがオススメです。
無理に心を開かせようとしたり、相手を変えようとするのではなく、「お互いにメリットが生まれるような関係になる方法は何だろう?」という視点でコミュニケーションをとっていきましょう。
飄々とした人の魅力を見つけて見習ってみよう!
飄々とした人は、嫌味を真に受けずにさらりと流すことができたり、独特でユニークな世界観を持っているなど、とても魅力的な人です。自分の感覚や価値観に対する絶対的な信頼があり、自分の心地いい空間を自分の責任で選択しています。周りを気にして自分に自信が持てずに悩んでいる人は、是非お手本にしていきましょう。