物怖じの意味
物怖じの意味には、「恐れること」と「尻込みすること」という2つの意味があります。具体的にどのような状態のことなのか確認していきましょう。今回は、物怖じという言葉の意味や読み方、物怖じしない人の性格や行動にはどのような特徴があるのか、さらに長所や短所まで深く掘り下げてご紹介していきます。
恐れる・尻込みすること
まず物怖じの意味ですが、「恐れる」という意味「尻込みすること」という意味の2つがあります。危害が及ぶことを心配してびくびくしたり、気後れしてぐずぐずとためらってる状態のことを言います。
類語には人怖じという言葉があります。読み方は「ひとおじ」です。知らない人の前に出て怖じけづくことという意味があります。このように、物と人に対して「恐れる」「尻込みをする」という意味の言葉があります。
例えば、物怖じする人というのは失敗を恐れてなかなか決断ができなかったり、ずるずると先延ばしにしたり、その恐れのあまり新しいことにチャレンジしにくいという特徴があります。不安が強く足踏みしてしまい、困難な状況に見舞われた時に自力で打破しづらいという特徴もあり、同じところでつまづいてしまうことも多いと言えます。
物怖じの読み方
普段のなにげない会話で「あの人、物怖じしないよね。」などと口頭で使う場面はたくさんあるかと思いますが、改めて紙に漢字で書く機会はあまりないでしょう。話し言葉で無意識に使っていても、いざ紙に書いてみると「物怖じ」と読み方が気になります。それでは物怖じの読み方を確認していきます。
読み方は「ものおじ」
読み方は「ものおじ」です。使われている漢字の通り「物を怖がる」や「物事に怖じけずく」から、先ほどの物怖じの意味のところでもご紹介しましたが、「恐れる」という意味にもつながっています。
このように、改めて漢字に書くことで必然的に意味も読み取れる読み方の言葉は私たちの周りにはたくさんあふれています。
そして普段なにげなく読んでいる読み方の漢字でも、実は違う読み方をするものが多々あります。例えば、過不足の正しい読み方は「かぶそく」ではなく「かふそく」です。他にも続柄の正しい読み方は「ぞくがら」ではなく「つづきがら」、甘味処の正しい読み方は「かんみどころ」ではなく「あまみどころ」と無意識に誤読している言葉が潜んでいます。
物怖じしない人の特徴【性格】
物怖じの普段の使い方を思い返してみると、「物怖じする人」「物怖じしない人」と人の特徴や性格を言い表す場合に使うことが多いです。では「物怖じしない人」とはどのような特徴や性格を言い表しているのでしょう。
これまでは物怖じの意味や読み方を確認してきましたが、ここからは「物怖じしない人」の性格としてどのような特徴があるのかを詳しく見ていきます。
①ポジティブ
ポジティブとは物事の悪い面よりも良い面を多く捉えようとする傾向にあること。性格の長所として使われることが多いです。ポジティブな側面があるからこそ、失敗を恐れずマイナス面に囚われず果敢に新しいことにチャレンジできると言えます。
ポジティブの反対の意味でのネガティブとは、失敗やミスを恐れてくよくよしたり、犯してしまった時に必要以上にずるずると引きずってしまうこと。性格の短所として使われることが多いです。ポジティブな人は明るい印象を与え、くよくよしたり引きずったりすることはありません。
②深く考えない
物怖じしない人は、悶々と思い悩むよりもある程度のラインで「まあ、いいか」と割り切ってあまり深くは考えません。考えに考えるよりもまずは直感を重視して行動に移します。だからこそ物怖じしない人は行動力があると言えます。
物事を深く考えすぎることでだんだんとネガティブな事を考えるようになり、結果として落ち込むこともよくあります。物怖じしない人はあまり深く考えることがないので必要以上に落ち込むこともありません。サバサバとしている、あっけらかんとしている印象を与えるでしょう。
③興味あるものが多い
物怖じしない人は、興味あるものが多く好奇心が旺盛です。新しいものや興味があるものにビビっ!とアンテナが働き、その行動力と恐れ知らずが相まって猪突猛進に突き進みます。自分に正直に行動し自分の心の声に敏感なのです。興味あるものが多いということはそれだけ知的探求心が強いとも言えます。
自分が今何を求めているのか、今したいことは何なのかを素早くキャッチし、どんどん行動に移し自分の世界を広げ開拓していきます。
物怖じする人から見れば、あっという間の展開でとてもスピーディーに感じられます。そして魅力的に思える長所ばかりが感じられ、「あの人には短所があるのだろうか?」と憧れる対象にもなりやすいです。
④マイペース
物怖じしない人は、マイペースである特徴もあります。興味があるものに対してはとことん追求し注意力と集中力を注ぎ、興味がないものに対しては一向に見向きもせず行動も起こさない、というようにはっきりとした一面があり気まぐれなところがあります。
ですが、それだけ自分軸がしっかりしていて周りの意見や考えに流されることがないので、地に足がついていてどっしりとした印象を与えるので頼られることも多いと言えます。
マイペースと言うとのんびりしているというイメージもありますが、自分のペースを大切にして動く時は動き休む時は休む、何もしない時は何もしない、とオンとオフのメリハリをつけていると考えられます。
物怖じしない人の特徴【行動】
人はそれぞれ特有の個性を持っていてその人なりの性格を持ち、その性格が行動にも影響を与えます。それぞれの性格に長所と短所があるように性格によって形作られる行動も千差万別です。
では物怖じしない人の行動にはどのような特徴があるのでしょうか。これまで物怖じしない人の性格の特徴を見てきましたが、ここでは物怖じしない人の行動のご紹介していきます。
①気づいたら行動している
物怖じしない人は、気づいたら行動している特徴があります。性格的に深く考えないので、物事を深堀りせずにすぐ行動に移します。
その分、その行動が早とちりや時期尚早であることも時にはあるでしょうが、考えるよりもまずパッ!と飛びつくので非常に瞬発力があります。狙いを定めて獲物を捕らえるハンターのようです。
大きなチャンスや大事なチャンスこそ、少しのタイミングを逃した事で命取りとなることがあります。物怖じしない人は、その瞬発力ゆえ一時のチャンスも通り過ぎる前にしっかりと捉えることができると言えます。
②人と積極的に接する
物怖じしない人は、恐れ知らずで尻込みすることがありません。そんな特徴を持っているので、人づき合いや人間関係の場面においてもどんどん積極的に人と関わろうとし自分を出していきます。人と積極的に接する傾向にあります。
自ら人とコンタクトを取っていくので、それだけ人とのつながりが広がっていきます。友達や知り合いも多くいろんな情報も集まってくるので、物怖じしない人の好奇心も刺激され、生活はより充実したものとなっていきます。
学生時代は進級時のクラス替えなど、社会人になってからは職場での人事異動や転職時など環境の大きく変わる場面でこの特徴はとても有利となります。
③躊躇うことなく挑戦
物怖じしない人は、躊躇うことなく挑戦します。初めてのことで少々不安や恐怖があっても、深く考えず反応的にパッ!と飛びつくので果敢にチャレンジをします。何より好奇心や知的探求心の方が勝ってしまいます。
考えに考えて挑戦するのをやめることがあまりなく、とりあえずやってみるのです。考えるだけではなく実際にやってみないと分からないこともたくさんあります。物怖じしない人は、物怖じする人と比べるとそれだけ様々なことを経験しているので経験値が高いと言えます。
④切り替えが速い
学生であっても社会人や高齢者であっても、日々生活する中で時に予想もできない事が多々起こりえます。喜怒哀楽のツボが刺激される、感情が揺さぶられる出来事がいつ起こるかわかりません。それでも日々は続いていき時間は過ぎていくので、場面場面で切り替えていくことがとても大切です。
物怖じしない人は切り替えが早いです。ポジティブで深く考えない性格でずるずると引きずらないので、パッ!とすぐに切り替え次に行きます。うまく切り替えることで次の行動にも移していけるので、物怖じしない人の切り替えの早さは行動力の源にもなっています。
物怖じしない人の世界はどんどんスピーディーに展開していくので、とても活き活きとして見え魅力的に映ります。
物怖じしない人の性格の長所
人の性格には、その人にしかないとても魅力的な長所が必ずあります。物怖じしない人の性格や行動には、物怖じする人が羨ましいと思うような長所ととれるたくさんの魅力的な部分がありました。それでは物怖じしない人の数々の性格の特徴をまとめるとどのような長所があるでしょうか。ここでは物怖じしない人の性格の長所を考えていきます。
自分の人生を有利に運べる
物怖じしない人は自分の人生を有利に運ぶことができます。ポジティブで深く考えない性格ゆえに、失敗を恐れず自分の好奇心の赴くままにどんどん行動を起こしていきます。どんな性格の人にもある短所もすぐ長所に塗りかえていくような勢いです。
そして周りの人と積極的に関わっていくので情報も集まり、人脈も多いのでそれだけチャンスが訪れる確率も多くなります。また自分軸がしっかりしているので、自分が自分の人生の主役となりどんどん舵を取って大海原を進んでいきます。目指す目標や望む未来を自由自在に、確実にたぐりよせる力があると言えます。
物怖じしない人の性格の短所
全ての万物に陰と陽があるように、人の性格も長所だけでは存在しません。どんな人にもどんな性格にもそれぞれ長所がある一方で短所も必ずあります。そして、見方や捉え方を変えるだけで長所は短所にもなり、短所は長所にもなります。
それでは物怖じしない人の短所はどんなものがあるでしょうか。ここでは物怖じしない人の短所について確認していきます。
チャレンジが多い分失敗も多い
長所も短所も表裏一体です。物怖じしない人は、様々な事に恐れず尻込みをせず果敢にチャレンジしていきます。ですが、百発百中はなかなかありませんから失敗も往々にして経験します。チャレンジが多い分失敗も多いのです。
でも物怖じしない人は、その性格柄失敗を引きずっていつまでもくよくよ落ち込んだりすることはありません。停滞をせず失敗を経験に取り込み、成功の一部と捉えて次の行動へとつなげていくのです。
物怖じしない人に近づくために
物怖じしない人もいれば反対に物怖じする人もいます。人に積極的に働きかけることが苦手で様子をうかがってしまう、ちょっとしたミスや失敗で「自分はダメだ」と落ち込んでしまいなかなか立ち直れない、など物怖じする人ならではの特徴があります。
不安や恐れが強いあまりに行動が制限されてしまうのです。そんな物怖じする人は物怖じしない人のことをとても羨ましいと感じてしまうでしょう。人は自分にないものに憧れるものです。
ですが、物怖じしない人にも長所や短所があるように、物怖じする人にも長所と短所があり素敵な一面をたくさん持っているのです。それでも自分の苦手とするところを少しでも改善したいと思う人は、その向上心がきっと改善させてくれます。ここでは物怖じしない人に近づくために、できることを詳しくご紹介していきます。
①他人と比較しない
日本は「出る杭は打たれる」という文化が強いので、特に物怖じする人にとっては他人の目を気にせずにいることは難しいと言えます。
でも物怖じしない人は、他人と自分を比較することなく「自分は自分、他人は他人」と割り切っているからこそ恐れずに自分を貫いていけるのです。自分の人生は自分のものです。最初は難しくても意識するだけでも小さな変化が起こってきます。
②小さな挑戦を積み重ねる
恐れや不安でなかなか行動することができない物怖じする人は、スモールステップで小さな挑戦を積み重ねていきましょう。今までの自分だったら躊躇ってしてこなかったほんの小さな事で、出来る事なら何でもいいのです。
例えば、以前から資格を取得したいと思っていたならとりあえず資料請求だけでもしてみる、他人の落とし物や忘れ物をこれまでは見過ごしていたなら拾ってちょっと呼び止めてみる、などです。
そして、しようと思ってできなかったとしても落ち込まず自分を責めず、しようと思った自分を認めてあげることで次へ進もうという気持ちが起こります。ほんの小さなステップであっても、積み重ねていけば大きなステップへと成長していきます。
③挨拶はまず自分から
コミュニケーションの基本はやはり挨拶です。どんな場面であってもまずは挨拶から始まり会話へと発展していきます。挨拶されるのを待つのではなく、気づいたらまず自分から挨拶していくことでコミュニケーションのきっかけを作ることになります。
「おはようございます」「こんにちは」「お疲れ様です」「さようなら」など日常生活で挨拶をする場面はたくさんあります。そのたくさんの機会を逃さず、意識をして実行してくことで自信もついてきます。
④聞き上手になる
話し上手は聞き上手という言葉があります。本当に話が上手な人は他人の話をよく聞いてから自分の話をする、ということです。一方的に自分の話ばかりするというのは聞いている方も疲れ、会話としてのキャッチボールも成り立ちません。
相手の話をよく聞いて受け止めそれに対して的確な返しをすることで、ちゃんと聞いてくれている、理解してくれていると相手からの信頼感も高まります。結果として会話も弾み、人間関係も築いていくことができます。
聞き上手に徹しコミュニケーションを積み上げていくことで、気づけばコミュニケーションの達人になっている、ということもあり得ます。
⑤笑顔を意識
笑顔を意識することで明るく親しみやすい印象を持たれます。そうなると周りの人から話しかけられる確率も高まり、コミュニケーションをとる機会も増えます。常に笑顔の人はやはり人が集まりやすいです。
もし(いきなり笑顔なんて難しいな)と思う場合は、口角を上げるだけで少し笑っているように見えるそうです。そして口角が上がっていることで脳が(今、私は笑っているんだ)と勘違いするという説もあります。自分自身も明るいポジティブな気持ちになるので一石二鳥と言えます。
物怖じしない人の才能
才能とはその人が生まれながらに持っている能力のことです。よく「私には才能がない」という言葉を聞いたりします。生まれながらに持っている自分の能力である才能に気づき、磨いて開花させていくか、それとも気づかずに眠らせたままにしておくかは自分次第です。ここでは物怖じしない人の才能について詳しくご紹介していきます。
①リーダーシップを発揮する
社会に出る前は学校で、社会に出てからは職場などで、大人数で集まって話し合ったり物事を決めたりする機会はたくさんあります。
例えば、職場の研修で初対面同士でのグループワークの場面で、物怖じしない人が1人いたらどうなるでしょうか。お互いが様子をうかがっている中、物怖じしない人が躊躇うことなく意見を述べることで、活気が生まれ緊張もほぐれ、様々な意見が飛び交うグループへと発展します。
音のない水面に一石を投じるように、物怖じしない人はたくさんの場面でリーダーシップを発揮します。
②カリスマ性がある
カリスマ性には、人々の心を引きつける強い魅力があり多くの人から支持されるという意味があります。リーダーシップを発揮しながら自分を思いっきり表し、わが道を突き進む物怖じしない人の姿はとても目を引き強い魅力を放ちます。
そして、積極的に人と関わっていくので多くの人を巻き込んでいく力もあります。灯台の灯りのように、暗闇を照らず懐中電灯のように多くの人を先導していく素質があると言えます。
物怖じしない人は、失敗を恐れず様々なことに挑戦しそれだけ経験値が高いので人よりも成功体験が多いです。成功体験が多いとさらなる自信にもつながり、ますますカリスマ的な魅力が増すという相乗効果があります。
③夢を実現する
夢や目標を達成するには夢見るだけではなく、まず行動を起こさないと始まりません。夢や目標を設定して1歩目の行動を起こし、行動を積み重ねて時には軌道修正し、あきらめずに歩を進めていくことでゴールが見えてきます。
物怖じしない人は、ポジティブで行動力があり好奇心も旺盛です。興味あるものがたくさんあるので夢や目標も見つかりやすいですし、持ち前の行動力でぐいぐいと進んでいきます。
時に失敗してもそれを糧とし、すぐに切り替えて立ち直りしっかりと夢を掴みます。夢を夢だけでは終わらせない、夢を実現する才能があります。
④逆境に強い
物怖じしない人は逆境に強いとも言えます。生きていれば、不測の事態が起こったりトラブル続きで物事が思うように進まなかったりと頭を悩ますような状況に陥ることもあります。
何より逆境に強いために必要なことは、プラス思考でポジティブでいることとどんな状況であっても自分を信じ耐え抜くことです。
物怖じしない人は、恐れずに様々な事にチャレンジするので失敗も多く経験しています。その分失敗を乗り越え前へ進んでいく経験も多くしているので、自分でも気づかないうちに逆境を乗り越えていることもあります。場数を踏めば踏むだけ経験値も上がり、うまく立ち回ったり「今はそういう時期なんだ」をあえて静観する能力も身につきます。
物怖じしない人は行動力があり明るい人が多い
今回は物怖じしない人の特徴について、性格の長所や短所など詳しくご紹介してきました。物怖じしない人は、ポジティブで様々な事に果敢にチャレンジするといったたくさんの魅力的な部分があります。物怖じしない人に憧れる人も、自分だけの素敵な個性を大切にしながら小さな行動を積み重ねて近づいていくことができます。