「情に厚い」の意味とは?
「情に厚い」とは「相手を思いやる心がある」「相手を思いやる豊かな心をもっている」という意味です。相手の気持ちを理解しようとしたり、相手の気持ちに配慮ができる人に使う言葉です。「情に厚い」と言われることは褒め言葉になります。「相手を思いやる心」は人として必要なことです。いつでもそんな心を持って人と接することができるのが理想です。
「情に厚い」の「情」は音読みで(じょう)と読みます。訓読みでは(なさけ)と読みます。「情に厚い」の「情」の意味は物に感じて動く心の働きの「感情」や他人への思いやりの気持ちの「情・なさけ」「人情」の意味合いがあります。
ですから自分本位の考えや自分だけが優位に立つ考え方をするのではなく、相手を思いやる方向で考えて行動や助言のできる人の性格の特徴に使う言葉です。
相手を思いやる心があるという意味
「相手を思いやる心がある」の意味は相手の気持ちや状況を理解しようしたり相手の立場になってみて気持ちを考えてあげることです。相手の気持ちが分かれば状況に応じた助言や気持ちを慰めてあげることができます。そのように対応してくれたら人は癒されたり、やる気を起こしたり良い方向へ進むことができます。
そんな「相手を思いやる心」を持ち行動や発言ができる人を「あの人は情に厚い人だ」と言います。また「情に厚い」は、その人の特徴や性格の長所として表すこともあります。
そして「相手を思いやる心」が、より強い性格の人ほど、この褒め言葉が性格の長所や特徴として周りの人から思われたときに使われる言葉です。
「情に厚い」の意味【類義語・対義語】
「情に厚い」という言葉には「相手に対する親切な感情が強い」という意味もあります。この意味を含めた「情に厚い」の類義語はいくつかあります。また対義語は「厚い」の部分の対義語として「薄い」となります。また「情に厚い」と同じように使われる「情に深い」の対義語も同じような言葉です。
情に厚いの類義語
「情に厚い」の類義語としては「情に深い」「情の深い」「情け深い」「深い情けを持った」「情けのある」「情に満ちた」「義理人情に厚い」「思いやりのある」「温かい心」「慈愛のある」「慈愛に満ちた」「人情味のある」「人間味のある」等があります。「人を思いやる心が厚いさま」や「相手に対する親切な感情が強い」と感じた時に使う言葉です。
「情」の文字には「心」や「思いやり」「愛」の意味合いが含まれているので、それらの文字で表すのも類義語となります。
情に厚いの対義語
「情に厚い」の対義語の意味としては「相手に対して冷たく振る舞う」言葉です。「情に薄い」「親切心が無い」「情のない」「思いやりがない」「優しさがない」「意地が悪い」など「相手の気持ちを考えていない振る舞いや意見」「自分本位な考えしかできない」と思える行動や発言が対義語になります。
「情に厚い」の対義語は上記のような特徴や性格を持った人に使う言葉ですが良い印象を受けない言葉になります。このような「情に厚い」の対義語で自分の性格や特徴を表される人はどんな人でしょう?時と場合によっては、対義語のような判断をするしかない時もあります。しかし「情に厚い」気持ちは人として素晴らしいことです。
また「情に厚い」の類義語は気持ち良く使うことのできる言葉ですが反対の意味の対義語は、その人への批判や悪口ともとらえられてまうので慎重に使います。
「情に厚い」の対義語の使い方
「情に厚い」の対義語となる言葉の意味はその人の性格を批判する。または賛同できない思いが強い時に使う言葉です。褒め言葉ではない意味の対義語で批判する度合いの違いはあります。人を批判する言葉は、その方の耳に入ると気分を害する場合やトラブルの元となることもあるので選んで使いたい言葉になります。
「情に厚い」の意味【例文】
「情に厚い」とは、その人の考え方や行動をみて周りの方が、その人の性格や長所・特徴の良い部分として思うことです。類義語を見て分かるように人として「思いやりがある」「優しい」と言う印象を思わせる人は素晴らしい人です。ですからその方の性格や特徴の素晴らしい部分や、褒めたい長所として使われます。
情に厚いの例文①
「情に厚い」ことをその人の特徴や性格の長所として使う例文としては「彼は情に厚い性格で人徳がある」等「情に厚い」性格のため周りの人からの信頼もある良い人柄であるという褒め言葉として使います。とくに人の相談や相手の気持ちを尊重しながら進めて行く仕事関係の職場や組織の中では長所となる性格です。
「情に厚い」性格を長所と捉えて、人徳や人望があるという褒め言葉としています。その人を推薦したい時や人柄の良さを伝えたい時に使います。
情に厚いの例文②
「情に厚い」の褒め言葉としては「彼女は家族に情が厚いだけでなく他人にも情が厚く本当に素晴らしい人だ」家族思いの性格だけでも優しい人だということが分かりますが、さらに他人への思いやりの心を持てる素晴らしい性格の人だということが分かります。他人にも情が厚いと強調言い方です。
情に厚いの例文③
「彼は情に厚い性格なのでリーダーにしても、きっと皆をまとめてくれるだろう」などにも「情が厚い」ことのアピールで皆が納得してくれます。「情に厚い」部分の性格は接していれば行動や発言から分かってきます。その方の長所としての特徴とも言える部分です。リーダーへの推薦言葉としては最適な褒め言葉です。
「情に厚い」の意味【由来】
「情」の部首はりっしんべんで「心」を示します。「情」の意味は、こころ、気持ち、心持ち、うそ偽りの無いこと、実際の様子、他人を思いやる心です。そして「情に厚い」の「厚い」の意味は心がこもっているさま、手厚いさまという意味です。この2つの漢字の意味から「情に厚い」という言葉は作られました。
ですから「情に厚い」の由来は「他人を思いやる心が手厚いさま」という意味から作られた言葉になります。
「情に厚い」と「情が深い」の意味の違い
「情に厚い」と同じような意味合いで使われる言葉に「情が深い」という言葉があります。「厚い」と「深い」の違いですが意味合いに違いはあるのでしょうか?どちらも「情」の意味から「他人を思いやる気持ち」には変わりはありませんが文章の前後や例え方により使い分けます。
「情に厚い」の意味は他人の気持ちを察し助言や行動ができる人柄や性格の特徴を表すときに使う言葉で「情に深い」は愛情や慈愛する気持ちが深い人柄や性格を表す言葉として使い分けます。
「情に深い」は「彼の恩人が亡くなったそうです。情に深い彼は生前に恩返しができなかったことを悔やんでいます」のように他人への思いやりや感謝の気持ちを持っているためこのような感情が湧いてきます。人と人との繋がりや絆を大切にする生き方をしています。
情に厚い人の性格
「情に厚い」といわれる人の性格は、どんなことでしょう?物事を考える性格の一部に「情に厚い」と他人から思われる発言や助言・行動が見られ周りの人から「あの人は情に厚い人だ」と、ご自分で言う性格ではなく他人が思うものです。そんな「情に厚い人の性格」の考え方や行動をまとめてみました。
「情に厚い人の性格」には、ご自分では普通に湧き上がってくる思いや行動なので「私は情に厚い性格だ」とはなかなか言いわず他人がその方の発言や行動をみて感じる性格の部分になります。
思いやりの気持ちを常に持つ
「情に厚い人の性格」の根本が「思いやりの気持ちを常に持っている」ことです。時には自分が犠牲になってまでも相手に気を使った取り決めや行動が起こせることです。しかし、全てにおいて相手の思うようにはできません。そんな時には相手にわかりやすく理由を説明し思いやりを持った話し方をすることをします。
弱いものに対して優しい
思いやりを大切にすると特に弱いものに対しては優しくしてあげたいという気持ちが湧いてきます。また動物や植物等の生きている物にまで優しくするのは心の余裕や大きな心を持っていないと持てない感情かもしれませんが、それらの生き物にまで優しくできる人としての器が大きな人という意味にもなります。
困っている人や弱いものに対しては特に優しくしてあげたい気持ちが大きくなります。「情に厚い性格」の人には自分で役に立つのであれば何かしてあげたい気持ちが湧いてきます。
さり気ない気遣いができる
思いやりや親切も押しつけがましいと「ありがたい」という気持ちも薄れてしまいます。「情に厚い人の性格」では、そんな行為が、さり気ない気遣いとして行える人です。それは言葉の使い方や行動の仕方で相手が、どう思うのかを考慮して行えることです。相手への思いやりの気持ちが持てる人なら自然に行えることでもあります。
正義感が強い
正しいことの判断を持ち、自分が犠牲になっても相手に良くしてあげたり、正義感の気持ちを強く感じ行動できる性格が「情に厚い人」といわれる要素にもなります。この気持ちも「情に厚い」の性格から自然と湧き上がってくる感情なので「黙って見ている訳にはいかない」という気持ちが大きく行動に移してしまいます。
愛情が深い
「情に厚い人の性格」の特徴は愛情が深いことです。家族への愛情はもちろんですが他人や生き物全てに愛情を持って接したい気持ちが大きく、それが周りからみても感じられる人です。どなたにも愛情はありますが、どんな人にも常に愛情を持って接することができる性格ですと、より「あの人は情に厚い性格だ」と思わせます。
涙もろい
相手の気持ちを思いやることのできる「情に厚い人の性格」だと、その人が思っている感情に近くなれます。その気持ちが「涙もろい」という状況になります。涙は嬉しい時、悲しい時、悔しい時等感情の現れです。その感情が豊な人は、ご自分のことだけではなく他人の気持ちにもなれ、より「涙もろい」状況になります。
情に厚い人の特徴
「情に厚い人」の特徴は相手への思いやりが感じられる行動や発言から分かります。自分では、その行動で損をしたかもしれないけれど相手の為になったのなら我慢できることもあるかもしれません。そあいて「情に厚い」気持ちが勝り自分よがりな意見を言ったり人に迷惑をかけることがない人の特徴でもあります。
損得を考えずに行動する
「情に厚い人」の特徴には相手を思いやる気持ちが大きく自分の損得を考えずに行動をしてしまうこともあります。特に困っている人や弱いものに対しては自分にできることならば力になりたいと気持ちが動き損得は関係なく行動を起こします。そのような感情が湧き起こったら行動せずにはいられないのです。
約束は決して破らない
「情に厚い」人は相手に迷惑を掛けないように心掛けているので「約束は決して破らない」ようにします。もし都合が付けられなくなっても丁重に理由説明したり仮ができてしまった場合には、この仮は後で必ず返す気持ちを持ちます。「情に厚い人」は真面目な性格でもあると言えます。
人に頼られる
「情の厚い人」の特徴には真面目で人を裏切るようなことはしません。ですから、この人なら相談をしても親身になって一緒に考えてくれる、とかまとめ役を任せても最後までやり通してくれるという安心のできる人と皆に思われています。そんな人なら誰もが何を任せても安心できるので「人に頼られる」ことが多くなります。
してもらった恩は忘れられない
「情に厚い人」は良くしてもらったことへの恩はしっかり覚えています。自分がしてもらった恩は必ず返したいと思っています。義理堅い性格とも言えます。また良くしてもらったことの恩を感じすぎて、その人を信頼し過ぎたために失敗したり裏切られた気持ちになるかもしれないのは短所の部分になります。
自分の周りの人を大切にする
「自分の周りの人を大切にする」思いも「情に厚い人」の特徴です。身近な家族や自分を慕ってくれる人には大切にしたい気持ちを大きく持ちます。人と人との繋がりを大切にし思いやりの気持ちを忘れず接することができることです。なかなか家族に優しい言葉をかけることはできなくても心のなかでは大切に思っています。
情に厚い人の長所
「情に厚い人」は優しい・思いやりがある・相手の気持ちを考慮できる等、良好な人間関係を作れる特徴があります。その部分を性格の長所として見ると「信頼できる人」「親切な人」と周囲の人から思われています。そんな「情に厚い人」は人が助け合ったり皆の力で進めて行くプロジェクトのリーダー等には向いています。
周りに人が集まる
親切な人・相手を思いやる心がある「情に厚い人」の周りには人が集まるのも長所と言えます。誰もが優しく接してくれる人や力になってくれる人を信頼し頼りにしたくなります。特に誰かに話を聞いてもらいたい時や人間関係を良好にまとめて欲しい時には相手の気持ちを思いやれる性格の長所を頼りに周りに人が集まります。
協調性がある
皆で何かを成し遂げる時に意見の違いはでてきます。そんな時でも相手の気持ちを考慮したり間違った思いを修正してほしい理由を思いやりの心を持って説得できると皆の思いもまとまります。そして人が集まった時こそ強調性を持たなければ皆の気持ちもひとつにはまとまりません。「情に厚い人」の長所には「強調性がある」のが特徴です。
縁の下の力持ち
「情に厚い人」は「縁の下の力持ち」となれるのも長所と言えます。縁の下の力持ちになるには気持ちの支えや皆がやりやすいように配慮した行動など表立ったことではなくても自分で気が付いたことで皆の力になることです。細やかな気配りのできる「情に厚い人」はそのようなことにも気が付き行動することができます。
もめごとの仲裁ができる
「情に厚い人」の長所には「もめごとの仲裁ができる」ことがあります。もめごとは相手の意見が分かり合えなかったり強調性に欠ける人との対立が原因になることがあります。そんな時でも「情に厚い人」は相手の気持ちを思いやることができますから、気持ちを落ち着けたり和解をしようとする方向性もみつけられます。
情に厚い人の短所
「情に厚い人」は人の気持ちに寄り添える人なので人間関係を良好にしたい、とか優しい気持ちが相手には好印象となるので性格の長所と見える事の方が目立ちますが人間には思いやりのある人ばかりではありません。そんな人との関係や「情に厚い性格」と対義語の「情に薄い性格」の人との関係はストレスの溜まる短所と言える部分なります。
「情に厚い」性格が長所とは自分では思いずらいかもしれませんが短所と思われる部分は自分のストレスや上手くいかなかったこととして記憶に残る出来事になるかもしれません。
頼まれたことを断れない
「情に厚い」性格の人の短所には「頼まれたことを断れない」ことで苦しむことがあります。またその頼まれたことの内容によって苦しみも違ってきます。少し我慢すれば良い程度であれば相手の為になるならと引き受けてしまいます。しかしその程度なら相手の役に立てたのだから自分としても短所の部分の性格とは思いません。
そして頼まれたことに忠実に向かいたい性格なので断ることは、できるだけしたくない気持ちがあります。しかし無理難題な頼まれ事や金銭問題ではあたまを悩ませ「情に厚い」性格が短所だと自分でも感じます。
八方美人と思われる
「情に厚い」人は他人から見ると「八方美人」だと思われている可能性もあります。「八方美人」は人がよ過ぎる・そんなに皆に好かれたいのか?など悪口まではいかないにしても、あまり良くは思われない見方に使われます。ですから「八方美人」と思われるのは短所とも言えます。
「八方美人と思われる」行動や発言も自分では、そんなつもりや下心なく行った場合でも人の感じ方は色々ですから、このように言われてしまうこともあります。
うまく人に利用される
あなたの性格の「情に厚い」部分を知っている人には、その性格の頼まれことを断れないことや困った人を助けたい気持ちを利用しようとする人もいます。利用されていることが分かっていて、それでも構わないと思える程度の利用のされ方なら短所とは言えませんがストレスが溜まったるような利用のされ方は「情に厚い」性格の短所になります。
無理をしてしまいがち
相手のことを思いやる気持ちが豊な人ほど自分へは厳しいい判断をしてしまう可能性があります。相手の思いを尊重したり思いやると自分が無理をしてしまうことがあるからです。自分に厳しくできる人ほど無理をしてしまいがちになります。それもストレスが溜まる原因となることもあるので「情に厚い」性格の短所となります。
情に厚い人の短所の克服
「情に厚い」性格を短所と感じるのは、その出来事の程度によります。そして「情に厚い」性格は長所としてあげられる褒め言葉として使うこと大きいのです。ですから短所と思われることを回避できる判断力を持っていれば「頼まれたことを断れない」「八方美人と思われる」「うまく人に利用される」「無理をしてしまいがち」というストレスを克服できます。
相手の気持ちを思いやりながらも自分が行いたい行動が過多のストレスになり過ぎていないか?を冷静によく考えなおしてみたり誰かに相談してみる方法で短所となってしまうことを克服できます。
また「情に厚い」の対義語になる「情に薄い」性格は人としての魅力には欠けていますし長所とは言えず短所と思われる特徴です。人間として温かみのある優しい人は自分が困った時には助けてくれる人も表れる素晴らしい人格です。
情に厚いという意味をよく知っておこう!
「情に厚い」という意味は分かりましたか?「優しい」「親切」なども類義語となりますが「情」という文字の「心」の思いには重い物から、さほど負担に感じない思いまであります。「情に厚い」の意味は相手の心を思いやる気持ちの強いさまですから人が「あの人は情に厚い性格だ」と思うには多少の負担を感じても相手の気持ちを思いやれる人になります。
「情に厚い」性格は生まれ持ったものと、そのように言われる人になりたいと努力する場合があります。人としての理想とする部分でもあるので感じ方や考え方は人それぞれになります。
そして「情に厚い」の言葉の意味は軽々しい使い方はしない言葉ですので意味をよく知ってつかうようにしてください。