名刺スキャナーの選び方
ビジネスの現場では、ビジネスの幅が広がるほど名刺はいつの間にか溜まってしまうことも多く、ファイリングには時間と手間がかかります。そこで注目されているのが名刺スキャナーです。
一度名刺スキャナーでスキャンし、データ化すると後で検索するのも簡単で紛失しにくいのが特徴です。ここではモバイル型から据え置き型まで人気の名刺スキャナーやそれぞれの名刺スキャナー特徴や人気のメーカーについてもご紹介します。
名刺スキャナーのタイプ
名刺スキャナーは、大きく分けると据え置き型とモバイル型の2種類のタイプが存在します。購入する際に押さえておきたい選び方のポイントや名刺スキャナーを幅広い用途で使える据え置き型の特徴、移動時でも手軽に使えるモバイル型の特徴、それぞれのメリットやデメリットについてご紹介します。
据え置き型の特徴
名刺スキャナーの据え置き型の特徴は、機種によっては複数枚名刺をスキャンする機能が付いていたり、名刺だけではなく書類などのスキャン機能が付いているものもあります。書類のスキャンもできるタイプは名刺スキャン以外にも用途がある為、機種を持て余すことが無いのかメリットです。
また、据え置き型の名刺スキャナーで本体にモニターが付いているものは、その場でスキャンした名刺データを確認できるなど便利な点も人気のポイントです。
さらに据え置き型は、名刺スキャンの処理速度が速く複数枚処理できるものが多いといった特徴もあります。しかし、高機能な為に機種も大きいものが多く、持ち運びが難しく置き場に困るといったデメリットもあります。
モバイル型の特徴
名刺スキャナーのモバイル型の特徴は機種が小型化しているものが多く、持ち運びでき出張先でも使えることができることです。その為、貰った名刺をすぐにデータ化することができ、ディスク上で使う場合も場所を取ることが無いのがメリットです。
モバイル型のデメリットは、小型化しているため据え置き型より処理速度が遅く機能面で制限があるという点、しかし、機能面が制限されシンプルであるからこそ値段も手頃という利点もあります。
スキャンにかかる時間
名刺をため込まないうちに一枚ずつデータ処理できるのがベストですが、ビジネスシーンではそうした処理が後回しになってしまうことがあります。そうした方が名刺スキャナーを購入する際の選び方のポイントとして重要なのがスキャン時間、スキャン時間が早ければそれだけ効率化が図れます。
名刺スキャナーの機種によっては、一度に複数枚セットし連続でスキャンの後にデータ化させる機能、ソフトと連動しスキャン後に一気にデータ管理できるものもあります。
名刺スキャナーの購入時には、スキャン時間と同時に上記でご説明したようなスキャナーと連動するソフトやそれに付随するデータの処理能力、データの読み取り方式などもチェックするのがおすすめです。
読み取り精度
名刺スキャナーで次に選び方で注意したいのが読み取りの精度、OCR(光学文字認識)です。このOCR技術によって名刺スキャナーによってスキャンされた情報はただの写真などの画像データとして認識するのではなく、WordやExcelといったソフトにも流用できるも文字情報となります。
この精度が低いと文字のカスレによっての読み込みエラーや日本語と欧米文字が混在した場合の識別が難しく、スキャン後に手入力で入力するなどといった後作業が発生する可能性が高くなります。
また、交換する名刺に多言語が多い場合はOCRの言語対応の多さも名刺スキャナーの選び方のポイント、メーカーによっては多言語に対応していない場合もあるため、上記のように後で確認する作業が増えるのでこの点もチェックするのがおすすめの選び方です。
名刺のデータ管理
名刺は紙で管理していたものが紛失する分には適用されないのですが、名刺スキャナーでデータ化しそのデータが紛失した場合は個人情報保護法が適応されます。
また、データにした名刺情報はフォーマットによって社内のクラウドソフトに反映できない、編集が難しい、独自ソフトでしか反映できないといったことがあるので、選び方のポイントとしては最終的な名刺のデータ管理を見越した上で名刺スキャナーを選ぶのがおすすめです。
外部ソフトとの連携
EvanoteやGmailなどに対応している名刺スキャナーは、スマホやパソコン、タブレットなどにもすぐに情報を反映することができるのでデータを共有する場合こちらがおすすめです。
他にもSmartVisca、メイシー、ホットプロファイルといったスキャナーと連動した名刺管理クラウドサービスやDropBox、iCloud、Google Driveといった一般的なクラウドサービスに対応している名刺スキャナーは取り込んだデータをクラウドに反映させることができる機種もあります。
上記のことから外部ソフトの連携を考える際は、最終的にどういった形態でスキャンしたデータを管理するのかを名刺スキャナーを選ぶ際の選び方のポイントとするのがいいでしょう。
名刺スキャナーおすすめ8選【モバイル型】
ここまで名刺スキャナーの外部データとの連携など選び方のポイントなどについてご紹介しました。モバイル型の名刺スキャナーは小型化されているためにパワーがなく読み取り速度が遅いと思われている方も多いようです。
しかし、以前より名刺スキャナーは進化し、読み取り速度も速く機能も充実しています。ここからはそうしたモバイル型の名刺スキャナーで、おすすめの機種をご紹介します。
①アイリスオーヤマ・ハンディスキャナー シルバー
コンパクトでスキャナーでスキャンしたデータをOCR機能搭載な為すぐにExcelやWordに貼り付けることができるデータにできる「アイリスオーヤマ・ハンディスキャナー シルバー」です。
また、使い方も簡単でソフトのアイコンをPCのディスクトップにあらかじめ登録しUSBケーブルでスキャナを接続すると自動で専用ソフトが立ち上がり、名刺の上を本体のスキャナー本体でゆっくり滑らせるだけでスキャンできます。
さらに、ピクチャーダイレクト機能で写真も取り込め、紙であれば書類を簡単にデータ化することができるので人気があります。しかし、スキャナー本体が小さい為に部分的なスキャンとなります。
②サンワサプライ・名刺スキャナー Windows対応 400-SCN051
「サンワダイレクト・名刺スキャナー Windows対応 400-SCN051」は、名刺以外にハガキサイズにも対応しており190gと持ち運びやすく、スキャン速度も5.5秒と早いのが特徴です。
付属の管理ソフトも付いているため扱いやすく、データはCSV形式で出力可能なので他のソフトにもデータを簡単に取りこむことができます。また、複数台のパソコンで名刺スキャナーの共有もできるのでおすすめです。
③富士通・スキャナー ScanSnap FI-IX100A
モバイル型で高機能な名刺スキャナーでおすすめなのが、名刺などを2枚同時に読み取ることが可能なデユアルスキャン機能が付いた「富士通・スキャナー ScanSnap FI-IX100A」です。こちらの名刺スキャナーはWi-Fi接続でき、クラウドでDropBoxにデータを保存することが可能です。
また、文章の自動向き調整、PDFでの文章の結合機能も付属しており、スキャン速度も5.2秒と早くおすすめです。しかし、機能が高い分値段設定は他のモバイル型より高くなっています。
④NEXX・ワールドカード モバイルフォンキットNX-340
OCR機能搭載で多言語に対応した名刺スキャナーであればこちらの「NEXX・ワールドカード モバイルフォンキットNX-340」がおすすめです。25ケ国語に対応しており、読み取りスタンドをセッティングして撮影するだけでスキャンできます。
Gmailコンタクトに専用アプリからすぐにデータを同期でき、クラウドで連携も可能で、すぐに電話がかけられるといったメリットもあります。
さらにアプリには名刺データ整理や活用機能もついているので出先でも名刺データの整理ができて便利です。しかし、こちらの名刺スキャナーの専用無料アプリは50件しか登録できないといった制限があるため、データの多い方は有料プランを検討する必要があります。
⑤エプソン・スキャナー パーソナルドキュメントES-60WB
A4の書類もスキャンしたい方におすすめなモバイル名刺スキャナーは、「エプソン・スキャナー パーソナルドキュメントES-60WB」です。A4のカラーやモノクロともに4秒でスキャンできるので、作業の効率化につながります。
また、リチウムイオンバッテリー内蔵で電源供給が無い環境でも使用することができ、その状態でA4原稿を300枚スキャンできる程電池の持ちがよく人気です。
さらに、Wi-Fiにも対応しておりスマホやタブレットから専用アプリを使って直接読み込み、OCR処理によってスキャンしたデータを様々なアプリに使うことができ、専用の名刺管理ソフト「やさしく名刺ファイリングエントリー5」でデータを管理できます。
⑥キングジム・ピットレックDNH20
名刺スキャナーについたカメラで撮影するだけで名刺データが取り込めて手軽なのが「キングジム・ピットレックDNH20」です。日本語・英語・中国語(繁体字・簡体字)・韓国語と4カ国語に対応しているOCRに対応しています。
キングジム専用ソフト「DA-1」を使えばcsv形式で、データを出力でき、ExcelやWordといったソフトにデータを取り込むことができます。
カメラではタッチパネルから操作できデータの管理や検索もスムーズに行うことができます。ちなみに通常であれば400件弱のデータ登録ですがmicroSDカードを使うと5000件以上のデータ登録が可能です。
⑦サンワサプライ・名刺スキャナー 400-SCN005N
モバイルタイプでも小型化されていてスキャン速度が3秒と速く、24ケ国語に対応しているのが「サンワダイレクト・名刺スキャナー 400-SCN005N 」です。自動で傾き調整もしてくれ、取り込んだデータも専用アプリを使うとGmailなどとすぐにデータを連携できるので便利です。
しかし、専用アプリ「WorldCard Mobile」には無料版と有料版があり無料版は登録件数に制限があります。また、小型な名刺スキャナーな為、名刺のみスキャン可能な機器となっています。
⑧エプソン・スキャナー DS-40
名刺からA4サイズの書類まで外出先ですぐにデータ化できる名刺スキャナーといえば「エプソン・スキャナー DS-40」がおすすめです。単3乾電池4本で稼働できるほか、オプションで電源アダプターも使うことができ、USBバスパワーにも対応しているので便利です。
また、Wi-Fiに対応しており、専用のアプリを予めスマホやタブレットへインストールしておくとダイレクトにデータを取り込むことが可能です。
名刺スキャナーおすすめ3選【据え置き型】
ここまで文字認識のOCR技術やスキャン速度、外部連携などの名刺スキャナーの選び方やモバイル型の名刺スキャナーについてご紹介してきました。ここからは据え置き型のスキャナーについてご紹介します。
モバイル型とは違い大型のものが多く持ち出すことは難しい据え置き型の名刺スキャナーですが、パワーがありOCRの精度が高く、名刺のスキャン速度も速く機能性に優れており、機種によっては部署で共有できるといったメリットもあります。
①キングジム・ビズレージDNX100
一括で名刺を複数枚読み込みたいという方には「キングジム・ビズレージDNX100」がおすすめです。最大15枚一括で読み込むことができるので人気があります。また、ストレージには読み込んだ順に名刺が貯まるので管理が手軽です。
名刺はストレージ内に400枚保存することが可能で、データを共有できるため名刺データを複数人で一括管理したいといった部署では人気があるようです。
本体はUSB接続、有線LAN接続ができるためパソコンから離れていても作業が可能、LAN接続ならば複数人で共有することも可能です。また、専用ソフトでCSV形式で出力できるためデータをExcelやWordにもすぐに取り込めます。
②キングジム・メックルMQ10
据え置き型の中でも小型で、卓上に置くことができ場所を取らない名刺スキャナーとして人気があるのが「キングジム・メックルMQ10」です。
名刺を本体に差し込みむだけで簡単にスキャンでき、データは本体についた画面で画像として確認することができ、名刺がそこにあるかのような紙感覚でデータを管理することができます。また、名刺サイズの紙であれば手書きのメモも画像として管理することが可能です。
さらに、専用ソフトを使うと「メックルMQ10」で取り込んだデータをテキストデータとしてパソコン上で管理でき、データをCSV形式で出力することも可能です。
③富士通・ScanSnap iX1500
名刺からハガキやA4サイズの書類まで、オフィスで幅広く活用できるスキャナーを探している方におすすめなのが「富士通・ScanSnap iX1500」です。
据え置き型のなかではスキャン速度も速くA4原稿では1分間に30枚の原稿をスキャンすることができます。また、Wi-Fiに対応しているのでパソコンやスマホ、タブレットといった端末からも操作可能、本体にも画面が付いている為すぐにスキャンデータの確認が可能です。
名刺スキャナーの人気メーカー
ここまで文字認識のOCR技術やスキャン速度、外部連携などの名刺スキャナーの選び方、モバイル型や据え置き型の名刺スキャナーについてご紹介してきました。
ここからは、人気の名刺スキャナーの主なメーカーの特徴やOCRなどのメーカーの得意な技術を生かした名刺スキャナーなどご紹介します。そうしたメーカーの特徴を名刺スキャナーを購入する際の選び方の選択肢とするのもおすすめです。
キングジム
主にオフィス向けの事務製品を扱うメーカーです。取り扱っている商品は各種ファイルやオフィス用品やデジタルオフィス製品、デジタル製品で代表的な物はラベルライターの「テプラ」です。
こちらのメーカーの名刺スキャナーは名刺を手軽に取り込め、専用ソフトを使ってCSV形式に出力でき他のExcelやWordなど様々なソフトやクラウドで使え、取り込んだデータを画像で紙のように管理できるよう工夫されているのが特徴です。
富士通
ソフトからハードまでIT関連の製品やサービスを展開する電子メーカー、名刺スキャナーなどのスキャナーではOCRCR技術の高さから世界トップシェアをしめています。
主なスキャナー製品は「ScanSnap」シリーズ、最終的に取り込んだデータがクラウドやパソコン上でで簡単に管理や共有できるようにデータが取り込みやすいように作られているのがこのメーカーの特徴です。
サンワサプライ
USB製品などパソコン周りの機器やキャビネットやシュレッダーなどのオフィス用品まで販売する人気メーカーです。
このメーカーの特色としては、スキャナーのOCRが多言語に対応している点、取り込んだデータ形式は同期するソフトも多く、CSV形式でもインポートやエクスポートできるように作られており、全体的に名刺スキャナーの取り込んだデータの汎用性が高くなるよう作られています。
名刺スキャナーは必要?
ここまで人気の名刺スキャナーや名刺スキャナーで人気のメーカーなどについてご紹介してきました。ここからは無料スマホアプリのカメラで名刺を撮影するだけで名刺情報をデータとして取り込むことができるようになっている現在でも、名刺スキャナーが必要な要因ついてご紹介していきます。
名刺管理用アプリで十分という人も?
先でご紹介したようにスマホで名刺をスキャンできるように最近では進化しており、そうした名刺管理の無料アプリで十分と考えている方も多いようです。
しかし、スマホで撮影したデータはまだOCR技術が発達しておらず、画像のように管理するソフトが多くなっています。その為、そうした名刺情報を電子データにしてクラウドに挙げて会社や部署内で共有することが難しい状態となっているのが名刺スキャナーが必要な要因の1つです。
スマホで管理する際の注意点
紙ベースの名刺では適用されませんが、スマホで取り込んだ名刺は取り込んだ時点で電子データに変換され個人情報保護法が適用されことになります。
その為、個人のスマホでスマホの無料アプリなどで名刺データを取り込み、管理することはおすすめではなく、お客様との信頼関係を考えた場合、仕事用のスマホやパソコンやクラウドなどのセキュリティーが充実した環境下に置くなどの注意が必要です。
名刺スキャナーは使い方に合ったものを選ぼう!
ここまでモバイル型や据え置き型といった人気名刺スキャナーや名刺スキャナーの選び方のポイントや名刺スキャナーの人気メーカーについてご紹介してきました。
名刺スキャナーはOCRなどの技術によって読み取り精度が下がるなど、手軽さだけでは選べない機器です。是非、購入する際はそれぞれのメーカーの特色や機器の特徴を考慮し自分にあった機器を購入しましょう。