奨学金を滞納した時の督促や延滞金は?リスクや対処法などを解説

奨学金を滞納した時の督促や延滞金は?リスクや対処法などを解説

奨学金を滞納した場合、どうなるかを見てみましょう。奨学金の返済を滞納すると、まず督促、2回目は延滞金の発生、3回目は信用情報機関に異動情報として登録という流れになります。そうなると、住宅ローンなどが利用できなくなりますが、そうなる前に対処したいものです。

記事の目次

  1. 1.奨学金を滞納するとどうなるか
  2. 2.奨学金滞納のリスク①督促
  3. 3.奨学金滞納のリスク②遅延金の発生
  4. 4.奨学金滞納のリスク③一括請求
  5. 5.奨学金滞納のリスク④差し押さえ
  6. 6.奨学金滞納のリスク⑤信用機関のブラックリスト入り
  7. 7.奨学金滞納の猶予が認められるパターン
  8. 8.奨学金滞納に対処できる制度
  9. 9.奨学金の滞納に時効はある?
  10. 10.奨学金を滞納すると延滞金が発生し他のローンを組めなくなる

奨学金を滞納するとどうなるか

給付型の奨学金の場合は返済の義務はありませんが、貸与型の奨学金を在学中に受け取ったら、卒業後返済をしていかなくてはいけません。しかし、何らかの事情により、その返済ができなくなることがあります。つまり、奨学金の滞納ということですが、奨学金を滞納した場合どうなるのかを詳しく解説していきます。

延滞金が発生する

奨学金を滞納したらどうなるのか、実際にした人はお分かりになるでしょうが、まず督促が来ます。その督促を無視すると、延滞金が発生します。ただ、実際には1回目の無視では延滞金は発生せず、2回目以降の放置で延滞金が課せられます。したがって、督促を2回目まで無視していいことはありません。

今後お金が借りられなくなる

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奨学金の滞納が2回目では終わらず、3回目(3か月目)ともなると、今度は信用情報機関に延滞記録(このようなマイナス情報を異動情報と呼ぶ)が登録されます。そうなった場合どうなるかですが、クレジットカードの新規作成や住宅ローンやカードローンなどの借入ができなくなります。住宅ローンや他のローンを利用できないと、困るでしょう。

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奨学金滞納のリスク①督促

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奨学金を滞納した場合、どうなるのかを冒頭のコーナーで簡単に解説しましたが、ここからはそれぞれの項目についてもう少し踏み込んで、より詳しい説明をしていきます。まず、どんな借金でも返済を怠ると、督促があります。貸与型の奨学金も借金の一種なので、滞納すれば当然督促があります。

奨学金の督促の流れ

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奨学金の返済方法は、指定口座からの自動引落で、毎月27日が期日となっています。しかし、この日に口座残高が不足し、奨学金の滞納となるとどうなるかというと、督促が来ますが、まずは電話連絡です。たとえば、5月27日引落がされないと、翌月の7日に電話連絡があります。次に10日に「奨学金返還の振替不能通知」が送られてきます。

その後どうなるかですが、17日に「個人信用情報機関への登録について」が届きます。それから6月27日に5月分と6月分の両方の引落が行われますが、ここでも滞納して2回目となると、同じ手続きが繰り返されます。

ただし、2回目以降の滞納では、連帯保証人にも連絡が行くことがあります。その場合、2回目の滞納があった翌月7日に電話が行き、11日に「奨学金の返還について」が送られてきます。なお、これらの日程は、日本学生支援機構が公表しているものです。

奨学金の督促方法①電話

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奨学金を滞納したら、まず電話で督促があります。その場合、固定電話にかかってくる場合と携帯電話に連絡が来る場合があります。また、契約者の同意が得られている場合には、勤め先に電話連絡が行くこともありますが、あまりそういうケースを望む人はいないでしょう。電話連絡時間は午前9時から午後9時までです。

27日に引落ができない場合は、翌月7日に電話連絡があると説明しましたが、これは日本学生支援機構が公表している日付で、実際にはケースバイケースとなります。したがって、もう少し遅く電話が来る場合もあります。

電話督促の内容は?

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まず、電話督促と言っても、日本学生支援機構を名乗ってかけてくるわけではなく、個人名で連絡が来ます。滞納についての督促であることがほかの者にバレないように配慮はしてくれます。本人が電話に出た場合は、返済が遅れているので、次回にまとめて引落が行われることと引落日、引落金額についての説明があります。

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滞納が2回目(2か月目)となっている場合は、延滞金が発生しますが、そのことに関する説明も電話督促であります。また、滞納が3回目以降ならば、信用情報機関に登録されることも伝えられます。そうなれば、住宅ローンやカードローンや自動車ローンなどの利用が一定期間できなくなります。

連帯保証人への電話はどんな内容か?

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電話督促は基本的に契約者のもとに行きますが、何らかの理由により契約者と連絡が取れない場合があります。また、連絡が取れても、契約者自信が支払うつもりがないか支払い能力がない場合も考えられます。その場合どうなるかですが、連帯保証人や保証人のもとに電話連絡が行くこともあります。

その内容は、契約者が奨学金の返済を滞納していること、それが続けば、連帯保証人や保証人のもとに請求せざるを得ないことなどです。なお、2回目に滞納があった翌月7日に連帯保証人に電話があると書きましたが、これは原則であり、実際にはもっと遅くなるようです。

奨学金の督促方法②郵便

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電話督促をしても対応がない場合にどうなるかというと、2回目は郵便での督促となります。まず、契約者のもとに、「奨学金返還の振替不能通知」というハガキか封書が届きます。これは読んで字のごとく、引落ができなかったことを告げるものですが、それだけでなく、引落ができない金額、次に引落をする金額、次の期日などが記されています。

中には、「奨学金返還の振替不能通知」ではなく、振込票が送られてくる場合があります。いずれにしろ、この段階で返済をしておけば、大ごとにならずに済みます。

「奨学金返還の振替不能通知」の到着時期は、引落期日の1週間後くらいになることが多いですが、人によってはもっと時間を要する場合もあります。

「個人信用情報機関への登録について」が送られてくる

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督促が1回目、2回目と続いたのちは、「個人信用情報機関への登録について」という封書が届きます。この内容はタイトルを見ればお分かりになるでしょうが、3か月以上滞納を続けると、信用情報機関に延滞記録として登録しますよというお知らせです。もしそうなれば、住宅ローンなどを利用できなくなるので、かなり苦しい立場に追いやられます。

「個人信用情報機関への登録について」という通知は、3か月以上滞納した場合のお知らせなので、引落が出来ない時期から数えて、3か月くらい経ってから送られてくるようです。これも日本学生支援機構の説明とは違いますが、それより早まることはあまりありません。

連帯保証人にも督促郵便が届く?

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連帯保証人や保証人のもとにも督促郵便が届きます。「奨学金の返還について」と題された郵便物で、ハガキか封書で送られてきます。その内容は、契約者が返済をしない状態が続けば、連帯保証人(保証人)に代わりに支払いをしてもらいますよという通知です。場合によったら、一括返済となることもある旨も記されています。

そのほか、契約者がどれくらいの期間、いくら滞納しているのか、次の支払日はいつなのかなども記載されています。「奨学金の返還について」の到着時期ですが、個人差があります。滞納後1か月、あるいは2、3か月後という人もいますが、もっと遅い人もいます。

奨学金滞納のリスク②遅延金の発生

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督促を受けても、奨学金の返済が行われない場合にどうなるのかというと、滞納2回目で遅延金(延滞金)が発生します。ただ返済が遅れましたでは済まされなくなり、余計な負担が生じます。延滞金などだれも払いたくないでしょうから、発生前に返済を再開すべきですが、それができない場合は罰金としての延滞金が課せられるのもやむを得ません。

遅延金はいつから発生するか

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奨学金の滞納をしている人は、いつから遅延金(延滞金)が発生するのかびくびくしているかもしれません。延滞金は、基本的に延滞翌日から発生するものですが、実際には日本学生支援機構では、延滞2回目(2か月目)から徴収します。2回目以降の延滞が続くと、ずっと延滞金が課せられます。

振替不能2回目の場合

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奨学金の返済方法はすでに説明したように指定口座からの自動引落です。その振替不能が2回目以降も続く場合には、延滞金の発生となります。具定例を挙げてみましょう。10月27日1回だけ振替不能の場合は、11月27日に2回分が引落され、延滞金は課せられません。

しかし、10月27日(初回)と11月27日(2回目)の2回にわたって振替不能となると、12月27日に3回分の引落が行われ、2回目以降の延滞金が掛かってきます。以降同じように、10月、11月、12月の3回振替不能だと、翌年1月27日に4回分の引落がされ、3回目以降の延滞金が課せられます。

延滞金の計算方法

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延滞金がいくらになっているのか気になる人もいるでしょうから、計算式を示しておきます。滞納した金額×金利÷365日×滞納日数です。これで正確な延滞金の金額が算出できますが、実際にはこの計算式は不要です。というのも、延滞金がどれくらいになっているのかは、「奨学金返還の振替不能通知」に記載されているからです。

短い期間における延滞金ならそれほど高額になりませんが、長期にわたって滞納していると、延滞金だけでも数十万円というとんでもない金額になる場合もあります。そんなことになれば大損なので、できるだけ早く返済を再開しましょう。

奨学金滞納のリスク③一括請求

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電話や郵便での督促が来ても返済を怠り続けると、やがて一括返済を求められる場合があります。奨学金の残債だけでなく、利息、延滞金を含めて、全額返してほしいという請求が来る場合があるのです。ただでさえ返済ができくなくて困っているところへ、一括返済請求ともなれば大打撃なので、このような事態になる前に返済を行いましょう。

保険料支払い済みの場合

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奨学金の利用において、保険料(保証料)を支払っている場合があります。そのような場合、返済が4か月滞ると、日本学生支援機構側で保証会社に代位弁済を求めます。奨学金の保証会社は日本国際教育支援協会という組織ですが、この組織に契約者に代わって返済してほしいと伝えるのです。

保証会社では規定に基づき代位弁済を行います。というと、保証会社が肩代わりしてくれるのならこんないいことはないと思う人もいるでしょうが、そんなにうまくは行きません。今度は日本学生支援機構ではなく、保証会社に返済をする義務が生じます。

代位弁済があった場合にどうなるかですが、保証会社から返済を求められるのですが、それが一括でという場合があります。せっかく日本学生支援機能の一括返済をまぬかれたのに、保証会社の一括返済請求ということもあり得るのです。

家族にも請求が行く

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家族が連帯保証人や保証人になっている場合は、一括請求を求められる場合があります。特に滞納が9か月も続くと、契約者か連帯保証人、保証人のいずれかが一括返済せざるを得なくなる場合も出てきます。しかし、一括請求と言われても困難な場合が多いです。その場合どうなるかですが、何らかの対処法を講じる必要があります。

日本学生支援機構に相談すれば分割納付可能

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一括請求があった場合、どうなるのか心配する人も多いでしょう。しかし、請求の段階ではまだ間に合います。日本学生支援機構に相談することによって、分割納付を認めてもらえるケースがあるのです。ただし、記載された期日までに連絡し、相談の手はずを整える必要があり、遅れると分割納付ができなくなるので注意しましょう。

分割納付が認められても、5年以内には返済を済まさなければいけませんが、その人の事情によりもう少し期間を延長できる場合もあります。また、分割で支払う金額は指定されたものとなるものの、苦しい時は1000円でもいいので、続けることが大事です。

奨学金滞納のリスク④差し押さえ

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一括請求にも応じず、日本学生支援機構にも相談しない場合、どうなるのかを考えてみましょう。この場合は、支払督促の申立となります。督促の2回目ですが、日本学生支援機構が出す督促とは違います。支払督促とは、簡易裁判所を通じて行う手続きで、今度も一括請求となります。支払督促も無視すると、差し押さえになる場合があります。

支払督促が到着する

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いつまでも奨学金の返済を行わないと、裁判所から支払督促が届きます。債権者ではなく裁判所から送られてくる書類なので、慌ててしまう人もいるでしょうが、異議申立書が同封されているので今後の要望を記すことができます。分割納付の話し合いをしたければ、その旨を書いて、2週間以内に裁判所に届くように送り返しましょう。

異議申立書の書き方

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支払督促の異議申立書の書き方を見ておきましょう。異議申立書には、書類作成日、債権者の氏名(奨学金の場合は、日本学生支援機構、日本国際教育支援協会、債権回収会社)、債務者の氏名、住所、電話番号、言い分などを記入していきます。言い分については、普通「分割払いの話し合いを希望する」と記します。

異議申立書を書き終わったら、2週間以内に裁判所に届くように送り返すのですが、届くという点に注意してください。2週間以内に送り返すのではなく、2週間以内に裁判所に到着するようにするのです。さもないと、異議申立書の効力がなくなってしまいます。

異議申立書の送付後に裁判所から書類が届く

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支払督促異議申立書を送付すると裁判所から書類が送られてきますが、その内訳は訴状、口頭弁論期日呼出状、答弁書などです。それぞれ解説すると、訴状には、債権者が起こした訴訟内容と債権者、債務者の氏名が書かれています。一方、口頭弁論期日呼出状には、裁判所にいつ出廷すべきか(日付)や法廷番号が載っています。

答弁書には、奨学金の支払いに関する希望を記します。いつから返済ができるのか、いくらくらいなら返済可能かなどを正確に書いていきます。答弁書を書き終わったら、コピーを2部作成し、1枚は裁判所へ送り、1枚は債権者に送ります。

答弁書はいつまでに提出する?

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答弁書をいつまでに送るべきかですが、口頭弁論期日の1週間前までが期限です。ただ、答弁書を提出できなくても、出廷期日に自分の口で希望を伝えれば、特に問題にはなりません。もし答弁書を提出せず、口頭弁論期日にも出廷しなかった場合にどうなるかですが、この場合は支払督促の内容通り、一括返済をするべきとする判決が出されます。

口頭弁論期日にすること①口頭弁論

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口頭弁論期日に何をするのか見ておきましょう。まず、口頭弁論をします。と言ってもなんだかお分かりにはならないでしょうが、簡単に説明すると、債権者との契約内容の確認、債権者に対する債務状況の確認、債務者が希望する返済プランの伝達などです。返済プランについては、答弁書の内容を変えずに話せばいいでしょう。

口頭弁論期日にすること②話し合い

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口頭弁論が済んだら、今度は債権者との話し合いの番です。その際、いつから返済を再開できるか、どのくらいの金額なら毎月返済可能か、いつまでに返済を終わらせられるかなどについて決めていきます。話し合いがうまくまとまれば、和解となり、和解調書を作成します。その後はその和解案に従って、債務者が返済を行ってきます。

支払督促を無視すると差し押さえがあり得る

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支払督促も無視した場合は、どうなるのでしょうか。この場合は、差し押さえまで進む可能性が高いです。まず、支払督促が届いても異議を申立をせずに放置すると、「仮執行宣言付き支払督促」というものが送られてきます。2回目の支払督促とも言えますが、今度は意味内容が全く違います。

「仮執行宣言付き支払督促」は、債権者が借金の回収のために強制執行しても構わないですよという裁判所の通知です。つまり、いつ差し押さえしてもOKだと、裁判所がお墨付きを与えることになるのです。ここまで行ったら、もうわがままは言えません。

2回目の支払督促ともなれば、差し押さえを回避する可能性はあまりありませんが、そのような事態を防ぐ為にも、最初の支払督促が来た時点で異議を申立をしっかり行い、自分の希望を伝え、奨学金を返済できるようにしなければいけません。

奨学金滞納のリスク⑤信用機関のブラックリスト入り

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奨学金の滞納が2回目から3回目になると、今度は信用情報機関に延滞情報として登録されてしまいます。延滞情報を含め、よくない情報を異動情報、または金融事故情報と言います。異動情報が登録されることをよくブラックリストに入るとも言います。ブラックリストに入ると、住宅ローンなどが一定期間利用できなくなります。

奨学金の遅延は金融事故扱い

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異動情報、または金融事故情報には、債務の返済の延滞、債務整理、代位弁済、強制解約などの情報が含まれます。奨学金の滞納は、このうち債務の返済の延滞にあたるので、当然金融事故扱いとなります。したがって、信用情報機関に金融事故情報が登録されるのをまぬかれることはできず、住宅ローン契約ができないなどの不利益が生じます。

住宅ローンなどが組めなくなる

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金融事故情報が信用情報機関に登録されるとどうなるのか簡単に解説してありますが、住宅ローン、カードローン、自動車ローンなどの審査に通るのが極めて難しくなります。また、住宅ローンのようなローンだけでなく、クレジットカードの新規契約や更新、スマートフォンの割賦契約もできなくなる場合があります。

ブラックリストから消されるまで新しいローンを組めない

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いったん金融事故情報が信用情報機関に登録されると、つまりブラックリストに入ると、その情報が消されるまで、住宅ローンをはじめ新たなローンは組めません。延滞の情報は信用情報機関に5年間にわたって登録されるので、その間はかなり不自由な思いをします。いい住宅が見つかっても、住宅ローンは組めないのです。

代位弁済も金融事故扱い

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すでに説明したように代位弁済も異動情報、または金融事故情報として扱われます。したがって、奨学金の返済を保証会社の日本国際教育支援協会が債務者に代わって行えば、それもブラックリストに入る理由となります。そうなれば、当然住宅ローンや他のローンを利用できないなどのデメリットが生じます。

住宅ローンを組みたければきちんと返済を

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奨学金の返済を2回目、3日目と滞納すれば、信用情報機関のブラックリストに入り、住宅ローンなどのローンを組めなくなりますが、奨学金が返済できない為に住宅ローンを組めないというのはあまりにもったいない話です。奨学金の返済額など住宅ローンの総額に比べれば小さなものです。

それを考えたら、奨学金をきちんと返済して、住宅ローンを組めるように努力すべきです。奨学金の返済よりも住宅ローンの返済のほうが大変なのですから、簡単なほうは早く片付けておきましょう。

ローンを組めないのは困る

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信用情報機関のブラックリストに入れば、住宅ローンだけでなく、他のローンも組めなくなります。お金に困っても、頼る相手が見つからないという事態にもなります。住宅ローンを利用できないのも痛手ですが、それは他のローンでも同じでしょう。そのようなことは避けるべきなので、なおのこと奨学金の返済をしっかり行いましょう。

奨学金滞納の猶予が認められるパターン

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奨学金を滞納するとどうなるかを見てきましたが、どうしても滞納せざるを得ないこともあるでしょう。そのような場合、まったく解決策がないのかというと、そんなことはなく猶予期間が認められることがあります。猶予なので、返済が免除されるわけではありませんが、しばらくの間は安心していられます。

返済の猶予期間が認められると、その期間は返済を行わなくてよくなりますが、期間が過ぎればまた返済を再開します。したがって、最終返済日も同時に延長されます。それから、猶予期間のありがたいところは、延滞金が課されることがないという点です。

奨学金窓口に相談

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奨学金の返済を滞納したらどうなるのだろうかと心配ばかりせずに、まずは各地の奨学金窓口に相談してみましょう。各々の事情に応じて、猶予期間を認めてくれる場合があります。もちろん、すべての事情に対して猶予が認められるわけではありませんが、相談してみないことには分からないので、遠慮せずに問い合わせてみましょう。

猶予が出る理由①留学

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外国の学校に留学する場合は奨学金返済がどうなるかですが、猶予が認められます。留学中は収入があまり得られないでしょうから、このような仕組みになっています。その場合、国内の大学などに在籍して留学しているか国内大学などに在籍しないで留学しているかで、必要書類と猶予の種類が違いますが、猶予が認められることは確かです。

猶予が出る理由②国内の大学・大学院などへの進学

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高校卒業後や大学卒業後に就職する場合は、収入が得られるので、奨学金を滞納せずに返還していくことは可能でしょう。しかし、大学や大学院などに進学する場合はどうなるのかというと、この場合も返還の猶予があります。大学や大学院在学中の奨学金の返還はしにくいでしょうから、その点についても配慮はあります。

大学や大学院にすぐには入学できない場合、どうなるか気にしている人もいるでしょう。このケースでは、「入学準備中」として扱われ、返還の猶予が認められます。令和元年度時点では、平成29年12月以降の卒業または退学した人が対象となります。

それ以外の人は、「入学準備中」ではなく、「経済困難」という事由で猶予申請をします。なお、「入学準備中」が長引いた場合は、1年ごとに猶予の申請をします。

猶予が出る理由③国内外で研究員として勤務

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就職をしたら収入が得られるので、奨学金を滞納することなく返済できるとは言っても、研究員になった場合は、それほどの収入が貰えない場合もあります。それでも奨学金返済義務が続くのかというと、この場合も猶予が認められます。そのケースでは、日本学生支援機構は研究員を2種類に分けています。

2種類とは、「特別研究員」と「外国で研究中」の人のことです。いずれにしろ、収入が少ない為に奨学金の返済をしにくい状況であることを訴えて、猶予申請をします。

猶予が出る理由④新卒後収入が少ない

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就職すれば、奨学金の返済はしやすくなりますが、新卒後だと収入が少ない場合もあります。また、新卒後に就職自体ができない人もいるでしょう。このようなケースでも奨学金の返還猶予が認められます。「新卒等」という項目が該当します。新卒で収入が少ない人や未就職の人はどうなるのかと心配しているでしょうが、猶予制度があるので安心です。

災害や事故・産休など

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災害や事故、産休などやむを得ない事情で奨学金を滞納せざるを得ないことがありますが、このような場合も奨学金窓口に相談すれば、猶予を認めてくれます。災害の場合は、一つの出来事に対して5年を限度に猶予がされます。事故の場合は怪我ということになるでしょうが、この場合は「傷病」という項目(病気の人も含まれる)に該当します。

「傷病」に該当し、仕事ができない場合は、その状態が続く間はずっと返還の猶予期間が継続します。したがって、安心して療養が出来ます。

産休中や育休中はどうなるかですが、この時期も収入がないか少ないので、猶予期間となります。さすがにこんな時に返還を請求するほど日本学生支援機構も冷酷ではありません。

失業中の場合はどうなる?

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失業中の場合はどうなるかですが、失業後6か月以内で、再就職ができていない状況なら返還の猶予があります。失業中では滞納するのも致し方ないものの、上記の条件に該当すれば猶予があるので落ち着いていられます。なお、上記の条件に該当しない人は、他の事由で猶予申請をすることになります。

奨学金滞納に対処できる制度

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奨学金を滞納せざるを得なくなっても、対処法はあります。滞納になるのは仕方がないとあきらめずに、いくつかの対処法を実践してみましょう。そうなれば、最悪の事態にならずに済む場合もあります。ただ督促やそのほかの厳しいルールを無視するよりも、何らかの対処法を実行するほうがすっといいです。

減額返還制度の利用

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奨学金の返済額を半分にする制度があり、「減額返還制度」と言います。それはいいと思う人もいるでしょうが、半分になった分、返還期間が延長されるので総返済額は変わりません。例を挙げると、毎月5万円ずつ返還していたのを、2万5000円ずつにし、減額された分期間を延ばすのです。奨学金の滞納よりはずっといい方法です。

「減額返還制度」は、1年間適用できますが、申請を繰り返せば最長10年まで減額がされます。とはいっても、あまり減額時期が長くなると、その分返済期間も後になっていくので、利用はほどほどにしたいものです。

返還期限猶予制度の利用

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返還の猶予については前の章で詳しく解説しましたが、条件に該当する人はぜひ申請をしてください。いたずらに滞納で時間を浪費するよりも、猶予期間が設けられて、しばらく負担のない生活ができるほうがどれほど楽か言うまでもありません。猶予があれば、経済的にも精神的にも非常に助かるでしょう。

債務整理

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貸与型の奨学金は、給付型と違い、単なる借金と見ることができます。借金である以上、なんとしてでも返さなくてはいけませんが、その額が高額の場合、返済しきれない場合も出てきます。しかも他にも借金があれば、返済はより困難になります。そのような場合にどうするかですが、債務整理という解決方法があります。

連帯保証人・保証人には返済義務が残る

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債務整理にはいくつか種類がありますが、そのうち自己破産と個人再生を選択した場合は、連帯保証人や保証人に返済義務が生じます。しかも義務が生じるだけでなく、一括返済を求められる場合もあるので、かなり厳しい債務整理方法となります。奨学金の契約者は、連帯保証人や保証人ともよく話し合ったうえで、これらの方法を選ぶ必要があります。

債務整理をするべきかどうか専門家に相談を

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自己破産なら借金は帳消しになり、任意整理や個人再生なら借金が減額されますが、それぞれの方法にはデメリットもあります。そのうちの一つが信用情報機関のブラックリストに入ることです。そうなれば、すでに何度か説明したように住宅ローンなどのローンが一定期間組めなくなります。また、住宅ローン以外にもいくつものデメリットがあります。

したがって、奨学金の滞納で債務整理をするべきかどうか、専門家に相談してから判断するといいでしょう。ほかに手段はないのか、日本学生支援機構が用意しているいくつかの制度を利用できないのか、専門家の意見を参考に結論を出すのが得策です。

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奨学金の滞納に時効はある?

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奨学金を滞納し、それが2回目、3回目となった場合のリスクについては詳しく説明したので、大体お分かりになったでしょうが、この奨学金の滞納に時効はあるのか関心がある人もいるでしょう。実は、時効は存在し、10年となっています。しかし、日本学生支援機構も時効を迎えるまで手をこまねいているわけではありません。

最初の督促の段階では時効は中断しませんが、日本学生支援機構が法的措置(通常訴訟や支払督促など)をしてきた場合は、時効は停止となり、0から計算のし直しとなります。ということは、時効をいくら待っても、実質的には何の役にも立たないということです。

奨学金を滞納すると延滞金が発生し他のローンを組めなくなる

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ここまで、奨学金を滞納するとどうなるか、滞納の数々のリスク、滞納への対処法などについてお伝えしました。奨学金の滞納が2回目になると延滞金が発生し、3回目ともなると信用情報機関のブラックリストに入り、住宅ローンなどのローンを組めなくなります。さらに滞納が続けば、不利益も一段と増すので、できるだけ早めに返済を再開しましょう。

milky
ライター

milky

WEBライターを長年続けています。書くことと調べることはなによりも好きで、1日中パソコンにかじりついている私です。これからも皆さんのお役に立てる記事を書くべく、最大限の努力をします。パソコン以外では、コーヒーを淹れたり飲んだりするのが大好きです。好きなコーヒーを飲みながら楽しくWEBライティングをしています。

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