浴衣のリメイクは多種多様
浴衣をタンスに仕舞い込んでしまっていて、今後着るあても無い浴衣をリメイクするにしても、そのリメイク方法は多種多様で、迷います。メーカーに依頼してリメイクしようにも、どこに依頼すればいいのか、自作するにはどうすれば良いのか、そんな悩みにお応えしましょう。
小物・アクセサリなどなら自作可能
浴衣をリメイクするのに、衣服は難しくて無理でも、小物やアクセサリー程度なら自作も出来るでしょう。食卓周りから普段身につけるアクセサリーまで、浴衣のリメイクで和風にも洋風にもなる、面白い使い方の出来る小物やアクセサリーは魅力があるでしょう。
服関係はリメイク業者が豊富
服を浴衣のリメイクで作ろうとすると、結構手間が掛ると思われる方も多いでしょう。しかし、その浴衣をリメイクして洋服を作る専門の業者も意外と多いのです。タンスから浴衣を出して、持って行くだけで、好きなようにアレンジしてもらえます。
業者に浴衣を持って行く時には、ワンピースなど、リメイクしてほしい服のイメージを正確に伝えます。浴衣に限らず着物などの和服からのリメイクは、ある程度基本があり、採寸も必要です。着物のリメイクをしている業者ならほぼ浴衣もしてくれますが、全てでは無い事を覚えておいて下さい。
浴衣を自分でリメイクする手順
リメイクを業者に頼むと、その分やはり出費ま免れませんので、自分で作ってみようと思う人もいるでしょう。そこで、浴衣を自分でリメイクする時の手順を見てみます。長年着ないまま、タンスにしまっていた浴衣を、自分でリメイクできたら、それに超した事はありませんのでおすすめです。
自分でリメイクするには、やはり裁縫が得意な方が有利と思われるでしょうが、実は簡単に裁縫ができなくてもリメイクは出来るのです。木工用ボンドや両面テープなどが活躍します。普段身につける小物などは、是非自分でリメイクしてみましょう。きっと癖になるはずです。
道具を準備する
浴衣を自分でリメイクする手順は、最初に道具を揃える事です。浴衣の他には、手縫いなら針と糸、ミシン縫いならミシンで、その他は手縫いもミシン縫いも同じで、糸切りばさみもしくはリッパー、チャコペンシルと、裁断に必要な裁ちばさみ、無ければ良く切れるカッターナイフくらいでしょう。
裁縫道具が一式あればOKですが、裁縫道具が無くても、最低限の道具プラス、リメイク用に木工用ボンドや両面テープ、洗濯ばさみなどがあると、意外と便利です。小物などは、裁縫というより工作のイメージの方が強いかも知れません。アレンジを加えてリメイクするのも楽しいでしょう。
浴衣を洗って干す
浴衣はタンスに仕舞いっぱなしなら、防虫剤の匂いや埃が付いている可能性があるので、必ず洗います。洗い方は、購入した浴衣ならタグが付いていますので分りますが、祖母や母に縫ってもらったなら、洗濯表示など付いていませんので、手洗いをおすすめします。
洗濯機で洗う場合には、シワが寄らない様に畳み、ネットに入れてドライコースで洗います。手洗いなら、ぬるま湯に浸けて、おしゃれ着用の洗剤を溶かして優しく押し洗いを2度しましょう。軽く洗濯機で脱水を掛けたら、真水につけて押し洗い、残った洗剤を落とします。
洗濯が終わったら、物干し竿に袖を通して干すのがおすすめですが、無ければハンガーに掛けて干します。天気の良い日に、風の良く通る屋外に干しましょう。ただ、直射日光が当たると、そこだけ日焼けして色落ちしますから、半日陰がおすすめです。
糸を抜いて布に戻す
浴衣が完全に乾いたら、浴衣の全ての糸を抜いて、布の状態に戻します。この時に、古い浴衣は生地が薄くなっている可能性がありますから、慎重に丁寧に糸を抜いていきましょう。使うのはリッパーでも構いませんが、弱い糸には糸切りばさみがおすすめです。
浴衣を裁断する
浴衣が布に戻った状態で、リメイクする作品に分けて裁断していきますが、何にリメイクするかで裁断の仕方も変わってきます。ワンピースやスカートなどの洋服にリメイクするなら、まずその大きなサイズのものから裁断していき、その後小物のリメイク用を裁断しましょう。
裁断の仕方は、型紙があればそれに縫い代を1㎝程度取って裁断していきます。型紙が無い時には型紙が無くても出来る、裁断の必要がない方法もありますので、後で解説していきます。浴衣の生地は限られた寸法ですから、効率良く裁断していく工夫をしましょう。
型紙などに合わせて縫う
ワンピースなどの型紙は、インターネットでダウンロード出来ますので、お好みのをお探し下さい。そして型紙が出来たら、ワンピースの前身頃、後身頃を浴衣の身頃から裁断し、袖は浴衣の袖から裁断します。まだ、残りに余裕があるなら、小物も作りましょう。
後はミシン掛けか手縫いで縫い上げれば簡単ですが、もっと簡単にするには、型紙を使わずに縫う事です。浴衣を布に戻した状態を前後に分け、両サイドを縫い、筒状の空いている片方にゴムを通すとスカートになり、長めに作ってウエストをベルトを締めるとチューブワンピースが完成します。
浴衣を小物にリメイクするおすすめアイデア
洋服を作った浴衣の生地が残ったら、小物にリメイクしましょう。もちろん浴衣全てで小物にリメイクしても構いません。ちょっとバッグから覗く和の小物が、おしゃれでしょう。以下の小物以外にも、思いついたものを作ってみて下さい。実用的なマスクなども浴衣地で出来ます。
スマホケース
浴衣をリメイクしてスマホケースを作ります。材料は、浴衣地、スマホケース、木工用ボンド、ハサミ、チャコペンシルと、ボンドを入れる容器や筆があればボンドを塗る時に便利です。要は、スマホケースに浴衣地をボンドで貼り付けるだけの事ですから、非常に簡単です。
手順としては、スマホケースを型紙の代用として、浴衣地にチャコで印を付け、スマホケースの横の幅をプラスして、ハサミでカットします。4隅のカーブにはハサミで細かく縦にカットを入れます。カメラの部分を忘れずに空けておきます。木工用ボンドはそのまま使わず、水で薄めておきます。
スマホケースの表面全面に水で薄めたボンドを塗り、浴衣地を貼り付け洗濯ばさみなどで挟んでくっつくまで待ちます。浴衣地がケースに付いたら余分な布はカットして、表面の浴衣地の上から水で薄めたボンドを全面に塗り、乾くとボンドは透明になりますので、乾いたら完成です。
和風バッグ
浴衣地で、最も似合うのが和風バッグでしょう。持ち手はリングで素材はバンブーでもプラスティックでも、お好みで選んで下さい。意外と簡単なのですが、裁縫に慣れている人向けかも知れません。材料は浴衣地、リングの持ち手、ミシンで、バッグの形はお好みの型紙を作って下さい。
浴衣地を表にして、裏地も付けましょう。裏地は何でも構いません。全てミシンでの裁縫になり、リングを付けながらミシンを使いますので、慌てずにゆっくり縫っていきましょう。細かい作り方は、動画をご覧になると、お分かり頂けるはずです。
特に、リングを付けた状態で縫っていく所が難しいようですが、慌てずに確実に縫っていきます。動画はかなりハイスピードですので、設定を0.25くらいまで落とせばゆっくり試聴出来ます。この方は慣れておられるようで、しつけ糸も無い状態ですが、不安ならしつけ糸をしましょう。
巾着
浴衣地を使って巾着袋にリメイクしてみます。これはバッグほど難しくなく、大きさも自由に作れますし、簡単なリメイク方法は手縫いよりミシン縫いをおすすめします。作り方は、中表にして生地を縫い合わせて、デザイン縫いを1箇所するだけですから簡単でしょう。
表地に浴衣地を使い、裏地も浴衣地の別の部分を使っても、綺麗に仕上がります。材料は、浴衣と持ち手の部分の紐があれば出来ます。動画の生地はバンダナですが、浴衣地でも同じです。紐を通す時にヘアピンがあれば便利でしょう。作り方は動画をご覧下さい。
ブックカバー
浴衣地で、ブックカバーを作ります。最も簡単で浴衣地の端を処理する程度の裁縫だけで完成します。ブックカバーは、本屋さんで本を買った時に紙のカバーを付けてくれる所が今もあるかどうかは分りませんが、昔は本屋で文庫本を買うと必ず紙のカバーを付けてくれました。
その方法を本屋で見ていて自分でも作ったものです。要は折り方です。浴衣地を長い方を横にして、上下を2~3㎝折り、左右の端を3~4㎝折って本の表紙と裏表紙を、左右のカバーに挟み込むと、ブックカバーの完成です。
ただ、これだけではリメイクと言えどもあまりにもお粗末なので、ミシンを1回だけ使うリメイク方法をお届けします。一応型紙を使いますが、無くてもカバーをしたい本があれば出来ます。
作り方は動画にありますが、動画では、2枚の同じ生地を用意していますが、小さい方の生地を別の生地にしても、おしゃれになるでしょう。本当に簡単な作り方ですから、時間があれば手縫いでも可能です。是非お試し下さい。
日傘
浴衣のリメイクで日傘を作ります。傘の骨などを手に入れるのが大変と思われるでしょうが、手作り日傘キットが販売されていて、簡単に自分で日傘を作れます。キットの中には、作り方の説明書と傘骨、留め具、つゆ先、実物大型紙だけで、布は入っていませんので浴衣地で作りましょう。
日傘キットというのは、メーカーから様々なものが出ていて、比べると意外と違うものです。因みに、そのメーカーというのは、トーカイ、スワニー、ユザワヤなどで、100円ショップでは傘の修理セットが販売され、傘のつゆ先や石突きなど各パーツのみが入っています。
浴衣をキッチン用品にリメイクするおすすめアイデア
浴衣のリメイクでキッチン用品が作れるとは意外ですが、普段使い出来るキッチングッズのおすすめのアイデアをお届けしましょう。浴衣とは思えない仕上がりで、おしゃれにインテリアに馴染みます。どれも簡単に作成出来ますから、暇な時にチャレンジしてみて下さい。
テーブルクロス
浴衣をリメイクしてテーブルクロスを作ります。布状にした浴衣を1枚でも良いですが、何枚かを組み合わせたデザインでも綺麗に出来ます。作り方は、テーブルの大きさに合わせて縫うだけですから、ミシンでも手縫いでもどちらでも簡単です。浴衣地を乗せた上からクリアマットを敷くと綺麗です。
コースター
浴衣のリメイクの、残った端布で十分作れるのがコースターです。形は四角でも丸でもいいのですが、浴衣地は水を吸いやすいので、コースターには向いている生地でしょう。何枚か合わせて縫えば、しっかりとした生地のコースターになります。
また、中芯にコットンキルトを入れると、ふっくらと座布団のようなコースターが出来ます。作り方は、約13~14㎝の正方形の生地を中表にした状態に同じ大きさのコットンキルトを乗せ、一緒に縫います。縫い始めから5㎝ほど空けて止め、表に返して四方にステッチを掛けると完成です。
エプロン
浴衣のリメイクでエプロンを作ってみましょう。腰留めタイプの作り方は簡単で、浴衣地を体にクルッと巻いて、後ろで重なる箇所を持ってそこで裁断し、腰に当たる部分に同じ浴衣で紐を作り、縫い付けるだけです。
紐は、他の紐でも構いません。前掛けにするなら、胸当ての部分の浴衣地を縫い付けて、首に掛ける紐を付けると出来上がります。この紐も共布でも別の布または紐でもいいでしょう。
浴衣を洋服にリメイクするおすすめアイデア
浴衣を洋服にリメイクするおすすめのアイデアをいくつか挙げてみます。定番はワンピースですが、それ以外にも、ツーピースやスカート、上級者になると、帽子までリメイク出来ます。浴衣地を裁断する時に、無駄のない方法で、様々なものを作りましょう。
ワンピース
浴衣をリメイクしてワンピースを作ります。浴衣地は長方形の布で出来ているため、身頃を取るのは楽です。後ろ身頃に幅が足りない時には、2枚を縫い合わせて使います。袖には浴衣の袖を使います。型紙は、好みのデザインの型紙をインターネットからダウンロードすれば簡単です。
ワンピースの型紙が無い時には、浴衣の身頃を洋服の身頃と見立てて、2枚で1枚の生地にして4枚で2枚分作ります。その2枚を中表で縫い合わせ、長い方を縫って筒状にし、空いている2つを胸と裾に分け、胸の箇所にゴムを通します。
そのままだとベアワンピースに、ゴムを通す箇所に肩紐を付けるとストラップワンピースになり、女子度アップします。ウエストにベルトを同じ浴衣地で作ると、柄が横になりアクセントとしてもおしゃれなので、おすすめです。
ツーピース
ツーピースを浴衣でリメイクしてみましょう。ワンピースとさほど変わりませんが、上下を分ける分、手間はかかります。ツーピースの実寸大型紙もインターネットでダウンロード出来ます。ワンピースと同様、浴衣地の大きい箇所から裁断して、袖は浴衣の袖から作ります。
作り方は、本などを見ながら作って頂きたいのですが、浴衣の場合は、反物なので、通常の生地との幅に違いがありますから、そこだけ気を付けて裁断して下さい。柄物の浴衣なら、柄合わせに少し手間取るかも知れませんが、おくみや襟の柄は、無地がおすすめです。
スカート
浴衣のリメイクでスカートを作ります。スカートの型紙もインターネットからダウンロード出来ます。スカートの種類は、タイト、ギャザー、サーキュラー、プリーツ、フレア、キュロットなど、様々な型紙が無料でダウンロード出来ますので、それに沿って裁断し、縫い合わせると完成します。
パジャマ
元々浴衣は寝間着ですから、風通しが良くパジャマには向いていますので、浴衣をリメイクしてパジャマを作ります。パジャマの型紙もインターネットでダウンロードできますが、かわいいデザインのものは有料になるかも知れません。
浴衣の身頃部分でパジャマの前後身頃を取って、浴衣の袖でパジャマの袖を作りましょう。パジャマには、ポケットがあった方が便利と思う時には、端布でポケットも付けてみましょう。子供用パジャマなら、大人の浴衣で2組出来るでしょう。
子供用甚平
子供用の甚平を浴衣のリメイクで作ってみます。甚平は、浴衣のセパレートと思えば簡単に出来ます。ただ、子供用の甚平は前後の身頃が繋がっていますから、裁断も楽でしょう。子供用甚平の型紙もインターネットで無料ダウンロード出来ますので、裁断して縫うだけで簡単です。
帽子
浴衣のリメイクで、帽子を作るのですが、これは少し上級者向けです。型紙から帽子のデザイン別にあり、浴衣地では6枚はぎや8枚はぎの、バケットハットやサファリハットの形状が作りやすいでしょう。型紙も浴衣の身頃部分で十分各パーツが取れます。
浴衣をヘアアクセサリーにリメイクするおすすめアイデア
ワンピースやパジャマなどを作った後に残った端布で、小物類を作ってみましょう。小さなものですから、手縫いで簡単に出来ます。細かい作業になりますが、和風の生地で、ひと味違うアクセサリは魅力です。それぞれのパーツは100円ショップでも揃いますから、ショップ別に集めても面白いです。
簡単シュシュ
浴衣のリメイクで、洋服や小物を作って残った浴衣の端布で、シュシュを作ります。シュシュは、幅が12~13㎝と長さが最低50㎝程度あれば作れますが、長さはお好みで決めましょう。中に入れるゴムも用意します。浴衣地は縫い代分をプラスしてカットし、中表にして短い方を縫います。
約25㎝程度の輪になりますから、縫った所はアイロンで割っておきます。輪の状態で手前の布を左右1㎝程度の三つ折りにして左右がちょうど真ん中で合うように折ります。その状態を維持しながら後ろの布を合わせて縫っていきます。
最後2~3㎝ほど残して縫い、表に返し、縫わずにおいた箇所からゴムを通し固結びで止め、結び目が見えない様に生地の中に入れ、空いている箇所を縫って仕上げます。最初の長さでシュシュの大きさが決まりますので、好きな大きさで作成下さい。
くるみボタンのヘアゴム
浴衣をリメイクしていて、どんどん端布が細かく残ってきたら、くるみボタンでヘアゴムを作りましょう。くるみボタンは布をくるんでボタンにするもので、キットは100均にも置いてあります。型紙が付いているキットもありますので、簡単に作成出来ます。
浴衣のお気に入りの柄をボタンに合わせると、色々と楽しめます。サイズは各種あり、子供用で15㎜から18㎜くらい、大人用で18㎜から22㎜程度でしょうか。好みにもよりますが、ボタンの大きさに合わせて浴衣地をカットしますが適度な大きさがネックです。ポイント柄がおすすめです。
作り方は、ボタンの2倍~2.5倍のサイズに丸くカットして、押し具の枠に浴衣地を入れて真ん中に端を寄せ、金具を置いて押し具で押さえつけます。
この金具が嫌な人は、同じサイズのフェルトを用意して、真ん中に穴を空け、金具にボンドを付けてフェルトを貼り付けると金具は見えません。あとはヘアピンにゴムを止めて通して最後に固結びか、キャンプなどで使う結び方などで結んで完成です。
レジンアクセサリー
浴衣のリメイクでレジンアクセサリーを作ってみましょう。レジンと言えば透明で艶やかな印象です。ジェルネイルをする人なら想像が付くでしょうが、例えばダイソーのクラフト素材のセッティング皿などの利用で、台紙に浴衣地を置き、薄くレジンを流して固めると、ペンダントが完成します。
また、浴衣地の端布で気に入った柄にレジンを流して固め、猫など好きなデザインにカットすると、ヘアピンに取り付けるとアクセサリーになります。また、レジンが無い時には、木工用ボンドが活躍します。乾くと透明になりますから、浴衣地の上に塗ると、レジンのような仕上がりになります。
浴衣は布に戻せば自由自在にリメイク可能
浴衣は布に戻すと、様々な物にリメイクでき、アイデアはドンドン湧いてきます。大きなものから小物まで、端布も余すこと無く使えるのが魅力です。タンスでいつまでも日の目を見ない浴衣を、今風にリメイクして輝かせましょう。