祖母が大好きなおばあちゃん子ってどんな子供?
おばあちゃん子とは、祖母に育てられ祖母が大好きな子供のことです。1990年代を境に共働き世帯が専業主婦世帯を超え、現在は倍近い数になっています。共働き世帯の増加に伴い、おばあちゃんに子供を預ける家庭も増えてきました。
「おばあちゃん大好き」と発言したり、おばあちゃんに抱きついて離れなかったりする「おばあちゃん子」になる確率が高くなるのは、祖母といる時間が多いことがあげられます。子供は自分に優しい人が大好きだからです。
子供は両親と離れている時間が多くても、両親が一番大好きです。おばあちゃん子は、両親の他にも甘えられる存在がいるのが、特徴の一つでしょう。両親と祖母からたくさんの愛情を受けて育ったおばあちゃん子は、どんな子供なのかみていきましょう。
おばあちゃん子の特徴・性格
おばあちゃん子に多くみられる特徴としてあげられるのは、優しく情に厚いということです。一生懸命に友人を助けたり、時には感情を共にして泣いたり笑ったりと、友人や仲間をとても大切にします。
このように、おばあちゃん子が大切にするのは、子供の頃から大人になっても変わらず持ち続けることです。そのため、育った環境にそのまま残ることも多くみられます。
深い絆で結ばれた家族や友人との思い出がたくさん詰まった大好きな土地に残り、人間関係をつなげ、次の世代へと引き継いでいく。祖母や親から受けた愛情、地元の良さを次の世代にも伝える役割を担っているのも、おばあちゃん子の特質でしょう。
甘えん坊
祖母に育てられたおばあちゃん子は、愛情をたっぷり受けると同時に甘やかされる傾向があります。泣けば祖母が助けてくれ、叱られることも少ないからです。甘え上手でわがままな子供が育ちやすい環境といえます。
祖母の強みは、初めての子育てと違い子供を育てた経験があることです。危険を先に察知して先回りすることもできますし、どうすれば子供が機嫌良くいてくれるかを知っています。子供が知らず知らずのうちに甘やかされ、甘えん坊な性格のおばあちゃん子になるのは自然なできごとです。
穏やか
おばあちゃん子は、穏やかな人が多いのが特徴的です。子供は、大人からたくさんのことを学び、成長していきます。おばあちゃん子が穏やかな性格に育つのは、祖母から大切にされ、怒られることも少なく、落ち着いた環境で育つことが多いからです。
叱る、怒るというよりも、祖母は静かな口調でさとしたり、説明したりします。そうするうちに、考え方や感情コントロールを覚えていくのです。もちろん暴力はありませんし、大きな声で怒鳴られることがあったとしても、数えることができるぐらいの割合でしょう。
祖母と子供の間で、冷静に対応することや、怒るよりもほめられることを大切にする関係ができ、穏やかな性格が形成されていきます。おばあちゃん子が子供の頃に少し大人っぽい印象を与えるのはこのためです。
優しい
おばあちゃん子の大きな特徴として、よく耳にするのは性格が優しいことです。子供が小さい時期は慣れない子育てと仕事の両立、毎日の家事に近所付き合いなど、両親は忙しい日々を送っていることが多く、時間的に余裕がありません。優しく接したくてもできないこともある忙しさです。
一方、祖母は子育てにも慣れていますし、時間に余裕もあります。幼い時期から、優しく対応してくれる祖母と多くの時間を共にしているのがおばあちゃん子です。祖母から優しさを教わります。おばあちゃん子に優しい性格の子が多い所以は、ここにあります。
また、おばあちゃん子は人を注意できる優しさも持ち合わせています。感情的になることが少ない祖母は、厳しく叱るときも優しく叱るときも愛を持って接するからです。
おばあちゃん子は、祖母から本当に相手を思って叱ることを学び、同じように人に注意します。時にはきつい性格の人では?と勘違いされることもありますが、本物の優しさを持っているといえる一面です。
人に親切にできる
おばあちゃん子は、子供の時期に祖母から無償の愛と思いやりをもって育てられます。祖母から、周りに親切にすることは当たり前のこととして学び、思いやりのある人へと成長するのです。
困った人がいれば、大好きな祖母から受けたこと同様に、親切に対応します。計算などない行動は、たくさんの人から好かれるばかりでなく、頼りにもされることでしょう。
また、親切にできるおばあちゃん子は、老人のお手伝いをしたり、力になったりする特徴ももっています。小さな子供の時期から祖母に愛され、微力ながら大好きな祖母を助けたり力になったりした結果です。
しっかりもしている
甘えん坊でわがままというイメージを持たれやすいおばあちゃん子ですが、実はしっかりもしています。何があっても守ってくれる祖母の存在は大きいものです。何かあれば矢面に立つ勇気もつちかわれます。面倒見もよく、頼り甲斐のある存在として慕われることが多いでしょう。
おばあちゃん子になりやすい時期
子供は自分でできることを少しづつ覚え、自立心が芽生えて成長していきます。その中で、おばあちゃん子になりやすい時期というものがあります。親の言うことをきかない、反抗期です。
おばあちゃん子になりやすい最初の時期は、第一次反抗期。幼少期の2歳から4歳の間に始まります。自我が芽生え、なんでも自分でやってみようとして「イヤイヤ」を繰り返す時期です。
次の時期は第二次反抗期。女子は9歳から12歳頃、男子は11歳から14歳頃に始まります。大人へと子供が成長する頃で、親にキツイことを言ったり、反抗的な態度をとったりする時期です。
反抗期以外の時期では、思春期も可能性があります。ここでいう思春期は、第二次反抗期を空いた18歳頃までです。性的にも成熟し、心身ともに大人に近づいていきます。
幼少期
幼少の時期から祖母と関わることが多く大好きになれば、おばあちゃん子になるのは自然なことでしょう。両親が一番大好きなことに変わりはありませんが、幼いながらも祖母を逃げ場と認識しているのがおばあちゃん子です。
幼少期に第一次反抗期がおとずれると、子供は親の言うことをきかなくなります。仕事と家庭の両立で忙しく過ごす親は、なんでも「イヤ」と言って反抗する子供に疲れてしまうことが多いのは当然のことですし、初めての子育てならなおさらです。
その点、祖母は子育てを終え、反抗期も経験済みなので対応の仕方を知っています。祖母は怒りません。そのため、おばあちゃん子は「イヤ」と反抗した時に「ダメ」と注意する親よりも、優しく接してくれる祖母へと逃げ込むことを覚えるのです。
反抗期
小学校の高学年から中学生の時期に訪れるのが第二次反抗期です。反抗期を迎えた子供は性格がガラリと変わることもあり、親も戸惑います。反抗してケンカをすることもしばしばです。そんなどうにもならない思いを、祖母に優しく受け止められることでおばあちゃん子へとなっていくことがあります。
この時期の子供に多くみられる行動は、社会に反する生き方に憧れたり、親に反抗したり、秩序に反した行動をすることです。親に反抗をすればケンカになります。家にいるのがイヤになった子供にとって、優しい祖母は居心地のいい存在です。
家を出て祖母の家に行った子供は、祖母に話しを聞いてもらったり、優しくされたりするうちに祖母を頼り、好きになります。そのままおばあちゃん子になり、大人になっても祖母が大好きで一番に思う人が多いのも一つの特徴です。
思春期
第二次反抗期を過ぎた思春期に、おばあちゃん子になる人もいます。心も体も大人に近い状態へと成長している時期の子供は、とても多感です。親に言いづらい悩みや未知の体験など、祖母に相談して助言を得ているうちに、おばあちゃん子へとなっていくことがあります。
祖母はいつでも孫には優しいものです。どんなに辛いときでも、変わらず優しい祖母の対応があることは心の支えにもなります。子供から大人により近い時期だからこそ、今までよりも祖母が聞かせてくれる話しを理解できますし、尊敬の思いもうまれることでしょう。
おばあちゃん子とおじいちゃん子は違う?
祖父母が健在な家では、おばあちゃん子と同様におじいちゃん子になることもあります。おばあちゃん子とおじいちゃん子の違いはなんでしょうか。
大きく違うのは、それぞれの特徴です。おばあちゃん子は甘えん坊な性格になることが多くみられますが、おじいちゃん子は遊ぶのが得意な傾向にあります。この違いは、祖父と祖母の接し方から生じます。
祖父も祖母も優しいのは同じです。祖母は面倒見がよくなんでもやってあげることに対して、祖父は社会の秩序を教えると共に一緒に遊ぶ時間を得意とすることが多くみられます。
おじいちゃん子は集中できる子が多い
おじいちゃん子は祖父と一緒に遊ぶことが大好きです。祖父と将棋や囲碁を楽しむケースも多く見られます。将棋や囲碁は深く考える遊びです。集中力が養われ、考えることも得意になっていきます。
また、おじいちゃん子も愛情をたっぷり受けて育つ点は、おばあちゃん子と同様です。優しい性格に成長することが多く、高齢者を大切にすると共に食べ物も大切にする傾向が多く見られます。
おばあちゃん子にわがままな子が多い理由
祖母は孫に対していつでも優しく、めったに怒りません。おばあちゃん子にわがままな性格の子が多いのは、祖母の甘さとよく言われますが、そうなる原因があります。おばあちゃん子にわがままな子が多い理由を、詳しくみていきましょう。
親と一緒にいれない寂しさから
子供は親が大好きです。親と一緒にいる時間が多いほど、嬉しいと思うことでしょう。当然、親と一緒にいられない時間は寂しいものですし、辛いものです。
共働きをして子供を養うことのたいへんさ、尊さを理解できるまでは、寂しさや不満がつのります。面倒をみてくれている祖母にわがままを言ったり困らせたりするのはこのためです。
祖母は、「孫が言うわがままは、親といられなくて寂しいからだ」と知っていますから、受け入れてくれます。おばあちゃん子がわがままになる理由は、親と一緒にいることができない寂しさでしょう。本当は親に甘えたりわがままを言ったりすべきところを、祖母に伝えているのです。
親なら子供のわがままや甘えを叱ることもありますが、祖母は怒りません。優しさで包み込んでしまうので、おばあちゃん子はわがままなまま、成長していきます。
祖母の躾が甘くなってしまう
祖母は、孫が寂しさを感じないように、より甘やかしてしまうことがあります。子育ての経験をしているため、先回りしてしまうのです。そのため、親に甘えられない思いを全て受け止めて優しく接していく中で、躾も甘くなることがあります。
親は子供に厳しく躾をしますが、祖母は甘やかします。厳しい躾が必ずしも必要ではないことを知っているからです。親よりも甘い躾になる傾向があります。
そのため、おばあちゃん子は躾に対して厳しい教育を受けることが少なく、わがままになりやすいのです。親から厳しく躾を教育される場面では祖母の元へと逃げ込むため、躾よりもわがままな部分が大きくなります。
自分を優先してもらうことが当たり前に
おばあちゃん子は、祖母がいつでも自分を優先してくれることから、それがあたりまえになっていきます。祖父母の家には祖父がいるかもしれませんし、おじさんやおばさん、年上のいとこがいるかもしれません。
年上や大人に囲まれて育ったおばあちゃん子は、育った環境の中で自分が一番年下であることも多くみられる特徴です。小さくて可愛い子供を大切にしない人はいません。当然、誰よりも優先順位が上がり、一番大事にしてもらっている傾向があります。
いつでも自分が一番なのです。祖母だけでなく、わがままを言ったら誰かが叶えてくれます。おばあちゃん子は自分が優先してもらうことが日常的になり、わがままになっていくのです。
おばあちゃん子あるある
おばあちゃん子は、祖母に愛情をいっぱい受けて育つ中でたくさんのことを学びます。親から学ぶことも多いでしょうが、特徴は祖母から学ぶ内容が少し古いことです。おばあちゃん子あるあるは、祖母の年齢によりますが背景には時代が感じられることがあります。
例えば、昔ながらのしきたりです。習わしやしきたりを大切にして生活をしている祖母に育てられたおばあちゃん子の場合は、周りの子が知らない常識を知っていることがあります。
最初は戸惑うことが多いお墓参りの礼儀や神社仏閣の参拝の仕方が良い例です。わがままで何も知らないように見えたおばあちゃん子が、スマートに参拝する姿に驚くこともあるでしょう。
また、おばあちゃん子は日頃から祖母と接していることで、祖母の友人と普通に関わっていることがあります。祖母だけでなく他のご老人とも会話をしたり同じ時間を過ごすことは、核家族が多くなっている昨今において貴重な体験です。年の離れた人や老人を手助けすることに、抵抗がなくなります。
そのため、おばあちゃん子は老人に優しく思いやりがある人に育つことが多いのが特徴的です。おばあちゃん子あるあるは他にもあります。その他のおばあちゃん子あるあるもみてみましょう。
昔の遊びを知っている
昔の遊びに詳しいおばあちゃん子は多くみられます。祖母が教えてくれる昔の遊びはたくさんあります。女の子なら、おはじきやお手玉、あやとりなどでしょう。男の子ならけん玉やメンコ、ビー玉などがあげられます。
優しく昔の遊びを教えてくれる、そんな祖母がおばあちゃん子は大好きです。祖母と過ごす時間は、和菓子やおせんべいのおやつ、演歌や昔の歌などが遊びのBGMなど、今の時代とは違うものであふれています。
おばちゃん子は、今の流行にも敏感だが昔のことも知っている傾向にあるのは、このためです。おばあちゃん子にとって祖母の存在は、先生でもあります。
和食が好き
祖母の年代は、和食を好む方が多くみられます。おばあちゃん子が食べるのは、祖母が腕によりをかけた和食です。祖母と食べる、おいしい和食が好きになります。子供が率先して食べることがあまりない魚類や大豆製品、野菜なども祖母が食べやすく料理してくれるからです。
そのため、親を悩ませることの一つ、食べ物の好き嫌いが少ない傾向にあります。ただし家庭環境によって少し違いがあります。家によっては外食やデリバリーを利用していたり、スーパーなどで惣菜を購入したりして食事をするからです。この場合は、おばあちゃん子も同様になることがあります。
言葉が少し古い
おばあちゃん子は、祖母と一緒にいる時間が多いため、言葉も祖母から学ぶことが多くなります。言葉は時代によって変化することがあるので、祖母が使う言葉は少し古い言葉です。当然、おばあちゃん子も少し古い言葉を使うことが多い傾向があります。
例えばおばあちゃん子がよく使うのは、「えもんかけ」「とっくり」「てぬぐい」「ズボン」です。順に、「ハンガー」「タートル」「タオル」「パンツ」というのが通常です。
おばあちゃん子は祖母と一緒にいる中で、普通上に記の言葉を使っているため古いとは気づきません。友人との会話で「それなに?」と言われ、言い方が違うことに初めて気づくのです。
時代劇が好き
祖母の年代や好みにもよりますが、時代劇をよく観る方は多いです。おばあちゃん子は同年代の子がアニメなどを観ている時に、祖母と一緒に時代劇を観ています。子供の頃はなんでも吸収する時期です。
おばあちゃん子は時代劇もすぐに覚え、仕草をまねしたり主人公に自分を重ねて夢見たりすることでしょう。祖母と一緒に、時代がかったお姫様ごっこをして遊んだり、殿様や将軍、武士になったつもりで遊ぶことができるのが、おばあちゃん子の特徴です。
授業参観におばあちゃんが来ていた
おばあちゃん子ならではのあるあるの一つに、授業参観があります。祖母が授業参観に来てくれるのです。忙しい両親に代わって来てくれるばかりでなく、次のようなケースもあります。
おばあちゃん子が、祖母に授業参観に来てくれるようお願いするケースです。大好きな祖母に自分が授業を受けている姿を見せたい思いから、お願いをします。また、祖母が自分の意思で参加することもあります。
いずれにしろ、祖母が授業参観に来ていることを友人から問われても、おばあちゃん子は気にしません。大好きな祖母が来てくれている嬉しさ、自慢の祖母をみんなに見てもらえる喜びがあるからです。
おばあちゃん子には優しい子が多い
おばあちゃん子はわがままで甘えん坊と言われることが多々ありますが、全員がそうなるわけではありません。全体的にみて、おばあちゃん子は優しく思いやりのある子が多いのです。
祖母の優しさに包まれて育ったおばあちゃん子は、親とたくさんの時間を過ごしたくてもできなかった寂しさを知っています。寂しさから生じるわがままを全て受け止めてくれた祖母の大きな愛は、おばあちゃん子の中で育まれ、さらに成長していくでしょう。
優しさには、強さも必要です。おばあちゃん子は優しいだけでなく、ダメだとされることを注意する強さもあり、しっかりしている面ももっています。優しくて頼れる存在として、祖母から学んだたくさんのことを次世代へと伝えていってください。